「潤、おまえ雅紀に惚れたってこと?」
「まだそこまで明確な意思を持ってる訳じゃない、だけど、ものすごく興味を持ってる」
「興味、ね」
『興味を持ってる』と潤くんはオレを見る。
今日一緒に過ごしながら、いろんなものを見つめてたあのMJの瞳を思い出す。楽しそうに、面白そうに、ときには愛おしそうに。
しょーちゃんはオレに
「雅紀は、なんか思ってること、ある?」
って。
「......なんで、オレ、なのかな、と。」
「雅紀さん、こないだMVを見た時の話、しても平気?」
「うん」
「あの時の雅紀さんから、ものすごく深い悲しみと絶望を感じたんだ。まるで今、その人が目の前にいたかのような生々しい痛みがみえた。その時に思ったんだ。そんなに深い悲しみと絶望があるなら、逆に、どれだけの幸せと希望が雅紀さんにはあるんだろうって。こんなふうに刻みつけるような愛し方がしたい、そんなふうに想われてみたい、それが雅紀さんだったら......って」
「......オレは、そんな...潤くんが思うような、そんなんじゃないよ」
「それを決めるのは、僕。僕が雅紀さんにそう思ったって感情を否定しないで?」
「...ごめん」
「ううん、僕も急にこんなこと、ごめん。」
でさ!
って潤くんが切り替えるように
「雅紀さんは、僕のこと、全くの対象外?少しは意識してもらえる要素、ある?」
って。
もうオレはあれこれ考えても太刀打ちできないって諦めと覚悟。素直に答えるのが一番いいや。
「SHOとMJのあのリップの看板を見たときに、MJのくちびるとキスしたいって思った。その気持ち、イコール、潤くんと...ってことかと聞かれたら、そこはまだわかんない」
「あー、それ、俺キズついちゃうなぁ」
相変わらず楽しそうにちゃちゃをいれるしょーちゃん。
「...あのさ、これ、僕は結構確信をもって聞くんだけど、ふたり、寝てるよね。」
疑問符なく、断定的に潤くんに言われてなんと答えたらいいもんかしょーちゃんを見たら......やっぱり。
「またニヤニヤしてるー...もぉー」
「しょおくん、沈黙はYES、だよ?」
「雅紀、なんて答える?」
「...っえ!?オレ!?オレが答えんの!?」
勘弁してよぉって手で顔を隠したら
「雅紀さん、MJの唇にキスしたいって思ってくれたんだよね?」
「...うん」
「それ、叶えられるよ。だから......」
「...だから?」
相変わらずの目ヂカラ
そんな瞳でなにか言われたら
どんなことだってうなづいてしまいそうだよ
なんて思ってたら
とんでもないこと言ってくれた。
「僕に、抱かれてくれる?」