優しく気遣われてるのが伝わる交わりは
オレの強ばったいろんなトコを柔らかくしてくれる
満たされてるって感じるし
しょーちゃんがオレで感じてくれてるのも
興奮するし
もっとって思うし
とってもしあわせだと思ってる
こんなに一緒にいて
カラダも繋げてる
わがままだって言える
それなのに
なんでちゃんとお互いを『恋人』ってしないんだろ
きっとしょーちゃんは
オレには『恋人』であることを求めてない
オレも強くそれを求めてない...
だからオレたちは『ホーム』なんだ。
たぶん永遠とかはなくて
そんなのもう信じてなくて
ただ
『離れない』
その意志だけがあればいい
2人で湯船に浸かって余韻にひたってる
しょーちゃんに背中を預けてるこの時がすき
「......調子はどうだ?」
「...ん。おちついた。ありがと。」
「おちついたんなら、よかった。」
聞いて欲しい、でも
まだ消化しきれてない
話したい、でも
また泣くかもしれない
しょーちゃんはオレの左肩にくちびるをつけてる
その優しい感触に背中を押される
うまくしゃべれなくてもいいやって思った
「...あのね、潤くんが来てくれてね」
「俺も誘われたけど、今日が早かったから」
「うん...」
「やっぱ一緒にいけばよかったかな」
「...大丈夫」
「いそがしかった?」
「ううん...でも、ちょっと頑張って飲んだ」
「そっか、おつかれ」
潤くんの着てたシャツに元カレの描いたイラスト、それにQRコードがあったこと、そこでみた動画のことを話した。
「......あれは、オレだった...」
「ん...」
「あんなのいつ描いてたかわかんないけど......」
「......」
「......なんで...今さら...あんなふうに.....」
「...俺は、答えをもってはいないけど......」
「...うん」
「その、ソイツが雅紀の背中を描いたってのはさ、カレにとっての雅紀の記憶は...背中、なんだろうなって、おもうんだよ。」
「.....うん...」
「俺がさ、雅紀を描くなら、ぜったいにめちゃくちゃ笑ってる顔」
「......画伯登場?」
「…明るい声が聞こえてくるようなさ」
「......声がデカいって、いつも言うじゃん」
泣きそうなのを堪えたくて
わざとふてくされたようにいってみる
「......うるさいとは、1度も言ったことないだろ」
「...うん、ない」
「俺さ、雅紀の声、好きなんだよ。明るく笑った声も、静かに話してる声も........感じてる声も。」
「うー......ハズい。」
あはは、と、しょーちゃんが笑ってる。
恥ずかしいから言い返してやる。
「オレもしょーちゃんがおっきな声でわははーって笑ってるのとか、眉毛が八の字になるのとか、一緒に楽しくなるから好きだよ」
「おいー、俺はもっと知性のある笑いかただぞ」
風呂に浸かってじゃれあって
気だるさが眠気に変わってきた頃
「まさきー......きょう、どーする?」
「んー...ねむい」
「だろうな、俺もねみぃ」
「とりあえず寝て、起きたらメシ食い行くか」
「そーする...」
頭がぼーっとする。
泣いたり、抱かれたり、
気持ちがいろいろぐちゃぐちゃだ。
しょーちゃんがベッドまではがんばれよーって言いながら、タオルで包んでくれる。甘えて首に巻きついてみたら、しょーがねーなぁって、持ち上げてくれたから脚も巻つけて運んでもらう。
しょーちゃんありがと。
起きたらたぶん、元気なはず。
しょーちゃんが好きだと言ってくれた
大きな声で笑えますように。