ゾンビが支配する世界
命からがらショッピングモールへの潜入を果たし
私達は安全と大量の物資を得た私達はやっと得た平穏な日々を謳歌していた
でも、魔の手は確実に忍び寄っていたんだ
猫麻さゆみ「な、何か音したよね」
雛森りんご「あの扉からだよ」
夢咲とわ「とわ、ぐみさん達呼んで来るね!」
みさこ「どうしたの?」
雛森りんご「あの扉の向こうから音がしたんです」
みゆちぃ「まさか、ゾンビ?」
ちゃんもも◎「か、仮にゾンビだとしても入って来れないよ」
ぐみてゃん「どうする?放っておく?」
汐りん「鍵は閉まってまるよね?」
みさこ「うん、閉まってる」
ゆずポン「じゃあ、大丈夫だよ」
ぐみてゃん「一応、何かで塞いでおこうよ」
雛森りんご「そうしましょう」
私達は協力して重い物で扉を塞いだ
入って来れないよね
そう言い聞かせた
ちゃんもも◎「テレビ観ようか状況知りたいし」
夢咲とわ「そうですね、好転してないかな」
猫麻さゆみ「本当だよね…」
テレビでは全く不毛な議論が繰り返されていた
今この状況をどうするのかではなく
相手に自分の考えを認めさせたい
ただ、それだけの罵り合い
自衛隊も警察も全く機能してないようだ
世界中こんな感じだとテレビは冷酷に伝える
いつかはライフラインが限界を迎え停止する
その時、私達はどうすれば良いのか?
話し合いをしても浮かばない解決策
私達は厳しい現実から逃げるように遊んだ
ゲーム お洒落 ご馳走と今の状況を謳歌するしかなかった
そんな時、ももが口を開いた
ちゃんもも◎「ねぇ、ぐみ」
ぐみてゃん「何?」
ちゃんもも◎「楽しいね」
ぐみてゃん「そうだね」
ちゃんもも◎「…」
ぐみてゃん「どうしたの?」
ちゃんもも◎「毎日怖いんだ」
ももが言うには大量の物質と安全
確かに毎日楽しいけど、明日壊れるかもしれない
今すぐ壊れるかもしれない恐怖
先の見えない今の閉塞感が堪らなく怖いと
それは、ずっと私達が逃げてる事だった
でも、ここから出たら命が危ない
私達は入り口に目をやる
大量のゾンビが私達を狙って集まりガラスを叩く
ため息しか出なかった
そんな時、再びあの扉が激しく叩かれた
みさこ「えっ?また?」
みゆちぃ「しつこいゾンビだね全く…」
ゆずポン「待って、何か聞こえない?」
開けて開けて誰か要るなら開けてお願い
ちゃんもも◎「人間だ!」
ぐみてゃん「待って、貴女は感染者?」
違う、お願い開けて
雛森りんご「開けてみましょう」
私達は意を決して扉を開けてみた
猫麻さゆみ「お、女の子だ」
夢咲とわ「大丈夫?怪我してない?」
いとうあいか「はぁはぁ、はい…」
いとうあいか「み、水を…」
雛森りんご「はい、お水だよ」
ゆずポン「こないだ、扉を叩いたのも貴女?」
いとうあいか「はい…」
みゆちぃ「ごめんね」
いとうあいか「いえそんな…」
彼女は命からがら逃げて来てずっと倉庫に潜んでいたが空腹と喉の渇きに耐えきれず一か八か迫り来るゾンビに怯えながら扉を叩いたのだと
ちゃんもも◎「良く頑張ったね、もう大丈夫だよ」
みゆちぃ「ほら、食べて」
ゆずポン「貴女はどっから来たの?」
いとうあいか「信じて貰えますか?」
汐りん「こんな世の中なのから何でも信じるまるよ」
いとうあいか「私は天から来た者です」
雛森りんご「天使って事?」
いとうあいか「はい」
みさこ「何で天使がここに?」
いとうあいか「この世を救う者がここに居るからです」
夢咲とわ「それは誰?」
猫麻さゆみ「壮大な話だね」
みゆちぃ「それで誰なの?」
いとうあいか「恋汐りんご貴女です」
汐りん「し、汐まるか?」
いとうあいか「貴女こそがゾンビに怯えながら暮らす人そして…」
いとうあいか「ゾンビと化し苦しむ人を救う人間なんです」
汐りん「は、はわ…」
いとうあいか「証拠をお見せします」
みゆちぃ「証拠って何するのよ」
いとうあいか「…」
ゆずポン「何唱えてるの?」
ゾンビ「あ、あう…」
みさこ「ちょっと何て事すんのよ!」
汐りん「怖いなの…」
ゾンビ「うわぁぁ」
ぐみてゃん「汐りん危ない!」
ゾンビは躊躇わず汐に襲いかかる
私達もゾンビに飛びかかろうとするも
間に合わない…
しかし、ゾンビの動きが止まった
何かを汐に訴えているように見えた
汐りん「何か言いたい事あるまるか?」
汐りん「汐で良ければ聞いてあげるなの」
汐りん「その代わり、噛まないで欲しいなのな」
汐りん「さぁ、話してみるなの」
汐がゾンビの頬に触れた瞬間
信じられない事が起こったんだ
感情のない筈のゾンビが大粒の涙を流し
汐の前に崩れ落ちた
汐りん「辛かったまるな、大丈夫なのな」
汐りん「もう、貴方はゾンビじゃないまるよ」
汐りん「人間に戻ったなのよ」
ゾンビは消えた
汐りん「あのゾンビは家族を噛んでしまったなの」
汐りん「ずっと罪悪感と後悔の中で自分を罰し続けてたなのよ」
汐りん「汐もとっても悲しいなの…」
ゆずポン「本当に汐が世界を救うんだね」
いとうあいか「今はまだそこまでの力はありません」
いとうあいか「でも、時期が来れば必ず」
ちゃんもも◎「何か希望が出て来たね」
雛森りんご「私達にも出来る事ある筈ですよね」
夢咲とわ「うん、あるよきっと!」
猫麻さゆみ「私達もやるしかないよ」
みさこ「よし、頑張ろう!」
みゆちぃ「世界を元通りにしてみせよう!」
ゆずポン「待ってなよ、もう少しの辛抱だからね」
鈴姫みさこ「新しい仲間」いとうあいか「この世を救う者」第3話
終わり