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けんこうください
こんにちは。
宇宙屋本舗の犬神まみやです。
まだまだヒッソリ続いております。
なぎさんとのコラボ。
こんな亀なボクに付き合ってくださる
有難い存在の
なぎさんのブログはこちら→Double Spiral
【カミカクシノクニ 005】
前回のお話→004
石畳が途切れたところに広場があった。
聴いたことがあるような、懐かしいような。
でも、初めて聴いたような曲がどこからともなく流れている。
音響装置がありそうな感じはないのに。
体にも感じる響きがあって。
どこかに演奏している人たちがいるのかな?
広場をぐるっと見回してみたけど、それらしい人たちは見当たらない。
真ん中辺りに盆踊りの櫓があった。
テレビで見たような紅白の布で飾られている。
その周りには音楽に合わせて踊っている人・・・?
幾重にも輪を作って回っている。
「あの・・なんか・・変じゃない?踊ってるのは・・人・・・なの?」
僕たちから付かず離れずで付いていてくれていた狐に尋ねた。
「ん?そうだなぁ・・人・・だったヤツもいるし。
人ならぬ存在もある。
くわしいことは知らん方がいい。」
じっと見ていると、周りから次々と輪の中に入っていく。
でも、その輪が大きく膨らんでいくことはない。
一番外で踊っていたモノは輪を回るにつれ、中の輪へ移っていくようだった。
櫓の上に和太鼓の叩き手がいた。
威勢よく撥を振り回して踊るように、舞うように叩く。
ドン。
和太鼓が叩かれた。
ドドン。
ドン。
あれ?目の錯覚??気のせい???
太鼓の音が響くと、櫓に近い踊りの輪が空くような・・・?
じっと見ていたら・・
ドン。
ドドン。
すぅと消えた。
「紅は気が付いたかい?
やっぱりオマエさんは聡い子だねぇ。」
何のことだろう?
隣の蒼くんの顔をみると、強張っていた。
僕の手を握ってる蒼くんの手は汗ばんでいて。
さっきまでの楽しそうな様子はすっかり影を潜めてしまっていた。
「蒼くん?どうしたの?大丈夫?」
「オイラ・・・やっぱり・・ヤダ。おいちゃんちに戻る!」
手をぐいっと引っ張られた。
なんで?盆踊り、踊らないの?
引っ張られた手を引っ張り返した。
「紅くんは・・・行っちゃうの?ともだちになったのに?」
強張った顔が泣きそうになって。
困ったように下がってた眉はもっと下がった。
つないでいた手がスルンと細くなって小さくなった・・・かと思ったら・・
蒼くんの姿は黒猫に変わっていた。
みゃぉん。
一声鳴いて、鳥居の方へ逃げ去った。
「あぁ。紅がいてもダメだったか。
そろそろアイツも帰してやりたいんだけどねぇ。
本人が行こうとしないんだよ。」
ため息をついて、狐が蒼くんが向かった方へ顔を向ける。
「紅。オマエさんに頼みがある。
オマエが帰るときに、蒼も一緒に連れてってくれ。」
「蒼くんはこの世界の子じゃないの?猫になってたよ?」
「アイツはな・・・・」
そういって狐は話し始めた。
「蒼は紅と同じ人の子だ。
ただ・・生身のまま、こっちへ落ち込んできたわけじゃない。
魂の半分がふらっと遊びに出た時に・・来ちまったんだろうなぁ。
見つけて帰そうとしても、帰ろうとしない。
しょうがねえから、黒猫の体に棲まわせてやってる。
早いとこ帰らせないとな・・アイツの体がなぁ・・・」
狐の顔の表情なんて、わからないけど・・
きっと困った顔してるんだろうなぁ。
声だけでも、分かる。
狐には強い優しさがある。
子どもだから、って。
バカにしたように話しかけてくる大人とは全然違う。
お前に合わせてやってるんだぞ、って言わんばかりに膝を折って、目を合わせても・・・上からの立場で物を言って、ただ、僕が子どもだからって誤魔化して、自分の都合のいいように言いくるめようとしてる大人。
僕の周りにはそんな大人ばっかり。
学校の先生だって、お店の人だって・・・おとうさんとおかあさんだって。
見下したような話し方もされなかった。
子ども扱いもされなかった。
そんな狐からの頼まれごと・・・聞かないわけにいかない。
だって・・僕に、って頼んでくれたんだから。
「僕、蒼くんが一緒に帰ってくれるように頑張るよ。
蒼くんは、なんで帰るの嫌がってるの?」
「それがなぁ・・・言おうとしないのさ。
それさえ言ってくれりゃあなぁ。
なんとかしようもあるってもんなんだけどねぇ。」
「じゃあ・・・僕が聞いてみる。
ともだちになったから、話してくれるかもしれないでしょ?」
「頼む。このままじゃ・・・アイツは・・・・」
狐は言葉を濁した。
首を振ったその様子で分かった。
僕に対して、誤魔化したんじゃない。
言葉にして、それが本当になるのが怖いからだ。
こんばんは。大変長らくご無沙汰しております。
宇宙屋本舗の犬神まみやです。
実はヒッソリ続いております。
なぎさんとのコラボ。
なぎさんのブログはこちら→Double Spiral
実はボクが体調有り得ないくらい崩したり
ここでの継続を悩んだりしていたのでUP遅れました。
ほんとすみません。
一応今後も連載ものでの続きを放置するつもりはないのでキチンとここで更新はしていきます。ただ、大本の本拠地自体は乗り換える予定ですのでよしなにどうぞ!
それでは本日も不思議な世界へご案内いたします。
【カミカクシノクニ 004】
くだらない話をしているうちに、鳥居に着いた。
やっぱり・・大きい!
鳥居の足は太くって。
僕が4〜5人手をつないで作った輪くらいの太さがある。
グルっと周りを一周しようと思ったら、鳥居の足元にコドモが座り込んでた。
僕と・・・同じくらいかな・・・?
でも、その子の頭からは耳が出てて、おしりにはしっぽが生えていた。
だけど・・・狐とかとは違う。
だって、手とか、顔とかは人間で・・耳とかしっぽが・・・・黒猫?
なんだろう??
「おー!そう、ここにいたのか。
ちょいとお前さんを探してたんだ。」
それからは声を潜めた。
狐の手で狐のお面を途中まで上げられた。
僕の顔をその子に見えるようにする。
「ここだけの話だけど・・・こいつ・・・生きてる人の子なんだよ。
ちょいと、お前さん、こいつの面倒、見てくれないか?
俺だけじゃ・・・」
「オイラ・・が?面倒見るなんて出来ないよ?
一緒にいるだけでいい?」
「おぉ。それで構わない。
俺が連れ回してると・・・目、付けられそうだからな。」
その黒猫耳付きのコドモはたち上がった。
僕と同じくらいの背・・かな。
「オイラ・・そう。草冠に倉の蒼。仲良くしてね?」
蒼はフニャっと笑った。
笑うと眉が垂れ下がって、情けない顔になる。
「くふふふ・・・」
それがなんか、面白くって笑い声が出た。
「ん〜なんだよぉ。人の顔見て笑うなんて・・!」
「僕は・・・紅。べに、って書く。
笑ってごめん。蒼くんが・・なんか可愛くって」
「ん・・・まあいいや。この体は半分借り物だし。
あっち行こう?広場で盆踊りやってるから!」
蒼に手を取られて、勢い良く引っ張られる。
鳥居を抜けて、盆踊りの輪に続く、石畳の上。
駆け出した蒼に遅れないように、僕も走った。
「おーい。転けるんじゃないぞ!」
離れたところから狐の声が聴こえる。
小さい頃におとうさんと行った公園での出来事を思い出す。
芝生の広場で駆けていて、転んで擦りむいた膝の痛み。
泣くのを我慢してたのに、我慢してエライな、って言われた途端に泣きだして、せっかく褒めたのに、って笑われて・・・
飴一つで痛みも忘れて、また駆け出したこと。
その時、遠くから聴こえたのが、同じような言葉だった。
お面の下で息が弾んで苦しくなる。
「紅君!速く!もっと!もっと速く!!」
楽しそうに笑いながら、蒼くんが走る。
広場はすぐそこにあるように見えて、遠かった。
走り疲れて、僕の足がもつれそうになった。
蒼くんはそれに気づいて、止まってくれた。
「オイラ、こんな風に走ったこと・・初めて!!
ともだちとこんな風に手、つないだのも。
初めて!こんなに楽しいんだね!」
ニコニコしてて、僕の周りを飛び跳ねて踊りそうな勢い。
それなのに、手を離すことはなくって。
道の真ん中で邪魔になりそうだから、端によけて、石畳の上から外れようと思ったら・・・
「ちょい待ちな。そっちには降りるんじゃない。
禍々しいものに引かれてしまうから。
石から外れたところは、異界への入り口だからな。」
狐に言われた途端、蒼くんの手がぎゅっと強くなった。
「行こうか?」
蒼くんは、石畳の真ん中を歩く。
今度はゆっくり。
「怖いの?」
「怖く・・・ないもん。」
ちっちゃな声で返事が返ってきた。
「大丈夫。僕もいるから。ずっと、手、つないでようね!?」
「うん!」
僕もぎゅって握り返したら、さっきみたいに笑ってくれた。
僕は嬉しくなって。
「だって、ともだちだもんね!」
「うん!!」
大きい声の返事と大きい笑顔が返ってきた。