人恋し 二ツ井宿~大館宿 | はぐれ旅人 明晃ブログ

はぐれ旅人 明晃ブログ

古の街道にロマンを求めて彷徨い歩く

森岡宿二ツ井☞大館矢立峠

9月9日(土)

今日は JR奥羽本線二ツ井駅からがの出立つとなるが 後にも先にも宿が見当たらない

強いて言えば 駅前の近くに一軒の旅館に期待を寄せるも 最悪の場合

駅舎での仮眠を覚悟で 東京駅15:20発秋田行きの秋田新幹線に乗る

途中 秋田駅前で一時間位の夕飯時間を確保

奥羽本線の在来線  秋田駅20:25発大館行きの最終電車にて 二ツ井宿に向かう

二両編成?の車内は 然程込んでないが 八郎潟近くの大久保駅辺りからは空席が

目立つ様になる

車窓の外は 漆黒闇 時折流れる灯に哀愁を感じ始める

くわえて 車内には孤独が漂い胸が詰まる

乗客達の姿に 想いを馳せれば

あ~ みんな会話のある楽しい家庭が 待っているのだろうな!

それに比べ 宿も無い俺は いったい何をやっているのだろう 悲しくも情けない

しかし 孤独をそんなに卑下したものでは無い様だ!

哲学者いわく 孤独は山の中には無く むしろひと住む街の中にあるという

また「孤独は知恵の最善の母乳」とも言っている

強いて言えば 自分の存在などを考えさせられる事を強いられ

その結果 創造性 想像力に繋がるという

宗教では 孤独な苦行を体験した釈迦は菩提樹のもとで ひとり涅槃の境地を得たという

文学では 西行 吉田兼好などにより 『徒然草』といった文学作品が生み出された

訳の分からない独り言をつぶやいていると 二ツ井駅に近づく

最終電車は21:41二ツ井駅に着き ホーム降り立つ

先ず 目線が向かうのは 今夜の宿となる待ち合小屋が 反対側ホームに建っている

この駅近くに 旅館が在るが 何度電話しても出無い 

前回  旅館の前を通った時 営業していた様子だったが 駄目で元もとで行ってみたが

館内には 灯りが点いているものの 引き戸には何日分もの新聞が挟まれていた

駅に戻ると

窓口には「午後6時半で営業は終了しました」との張り紙があった

と言う事は 駅職員も誰も居なく 小生の貸し切り宿になりそうだ

しめしめと思いながら 離れとなるホーム待ち合小屋に行き 寝る算段をすると

心細くも寂しい その気持ちを助長するかのように コオロギの鳴き音色が

侘びしさを語りかけて来る

  人恋し  鳴くなコオロギ  吾もおる      明晃

 

堪えられず

本館となる 駅待合室に移動すると 午後10時であった

横椅子に横に成り目を閉じたものの 小さな物音が気に成り 中々寝付けない

ホームの方に目を遣れば いつの間にか消灯され 真っ暗であった

うとうとしていると表に人影を感じ 起きると警察官と婦警さんが遣ってきて お決まりの

職務質問をされる

間違えてここの駅に降りてしまい 終電車も走り去ってしまったので ここで始発の電車を待っているのだと

答えたが 警察官の不審は中々解消され無い様だ

何でこんな所に来たのかの問いに 羽州街道を歩いて旅をしているが 森岳温泉近くの駐在所にも

飛び込んだ事が有り あそこの奥さんは綺麗な人ですよネ!と答えた瞬間から

警察官の態度は一変 親しみを感じながらの会話となった

あそこの駐在所は□本さんと言って 能代警察署の同僚だよ 今度会ったら 旅人が美しい奥さんと

言っていたよと 伝えておくよ 

一通りの職務質問が終ると 戸締りをして寝た方が良いよ! との言葉に真意尋ねると

この辺では熊が出没し 民家の窓から部屋の中の様子を見ているとの 通報も来るので

と言いながら 改札口からホームの方に目を向け 異常が無い事を確認すると 改札口の引き戸を

閉めた

帰ろうとするおまわりさんに え~ もう行っちゃうのと すがるように言うと 

未だ パトロールをしなけらばならないので 気を付けて寝て下さいねと言われる

午前1時過ぎであったか?浅い眠りの中に 再び人影を感じ目を開けると 先程の婦警さんとお巡りさんが眼の前に立っていた

お巡りさんは 起こしてしまいましたネ ご免ごめんと言いながら 暴走族の警戒に当たっていた帰りで

立ち寄った処 姿が見えないので 入って来たが 横に成っていたので安心しました

気を付けて 旅を続けて下さい と言いながら 夜の街に消えて行った

こんな爺さんにも 気に掛けてくれる人が居るのだと思うと 深い眠りにつけた

夜中には何事も起こらず目が覚めると 時計の針は午前4時20分を指している

いけネ~ 寝坊をしてしまった

今日の旅も 恐らく時間との戦いとなる事を暗示させる

夜明け前の街は 深い霧に包まれている様だ

 

街道に出て 少し戻った処に コンビニがあるはずだ! 先ずは食料と命の水を調達

歩を進めれば 街道は左に逸れる道となるが 闇の中で見えなかった事にして 真っすぐに

歩を進めた

すると 駅舎で世話になったお巡りさんの勤務する 能代警察署二ツ井交番に偶然出合う

     

 

交番と言っても建物も大きく 能代警察署の分署らしく感じた

庁舎内には灯りが点っていたが 受付には誰も居なかった

恐らく仮眠を取っている所だろう もし二人のお巡りさん会えたら お礼を言おうと思ったが

会う事が出来ず 残念だ

 

やがて 夜は明けて来たものの 街道は濃霧に隠され 辺りは何も見えず神秘的だ

.

朝飯の握り食いながら

現在地を確認しようと ポケットの中に手を入れると 有る筈の地図が無い!

一瞬 泡くったが 無くしたものは仕様がない 

道がある限り 彷徨えば何とか大館駅に着けるだろうと 歩を進めようとしたら 

もう一人の勝手もんのが出て来て  馬鹿!地図と一緒に帰りの電車の時刻を列記してあるんだぞ!

道を彷徨っても 駅には着けるだろうが 電車は待ってくれないぞ!

一瞬 血相を変え 地図を探しに 今来た道を戻る

中々見当たらず 警察署まで戻って来ると 其の先に 地図らしき物が落ちていた

なんと縁の強い警察署なのか 戻って来なければ 警察官が発見しパトカーを走らせ 

地図を持って来てくれたかもしれない

まったく能天気な奴だな おまえは! と嫌な奴が呟いている

そう言えば 朝寝坊と今回の時間的ロスを考えれば 1時間30分となり

この後の旅にどう影響を及ぼすか 不安が募る

 

そんな中 天気予報は当ってた

未だ 朝の7時だと言うのに 東の空には雷雲らしい雲が発達しながら 朝日を遮る

と思いきや 雷鳴が小生の後方から稲光を伴って聞えて来る

振り返えり仰げば 空一面黒い雲にに覆われ ぽつぽつと雨が降り出した

雨が降れば濡れるものと思いながら歩を進めていたが 内心は 隠れ場所を探していた

雨脚が次第に強くなって来た時 道端の傍に小屋が有った

其処へ 逃げ込んだ時 雨は雷鳴とともに土砂降りとなる 

道路は 川の様になり その中を一台のトラックターが台車を引いて 小生の居る場所に

入ろうとして来る

声を出しても 降る雨と雷鳴に打ち消され 小屋の家主に聞えなかったが

手を振りや頭を下げると 家主は手で内払う様に 合図をしてくれた

小屋に入ってきた家主は 小生の姿を見て 旅人と察し 少し宿れば雨は止むよ!

と言いながら 自宅の方へ姿を消した

 

 

雨上がりの街道に 歩を進めれば

やがて 大館へと入る

..

実は この幹線道路に出る前には

旧街道の入口が有りそれを無視して 幹線道路に歩を進めて来た

その出口が此処だ

  

自分の旅は何ぞやと思い返し 再び旧街道に歩を進めれば

偶然にも 一里塚の跡地に出合う

 

  

辺り一面に広がる 長閑な田園地帯を行けば 遥か古の旅人達の思いが伝わってくる

古人の履く草鞋 小生の履くトレッキングシュウズと変われども 想いは同じと思う

下の写真の右端に 遠くに霞む山裾辺りの近くが 大館の市街地だろう

時計を見ると午前10時半を回ったところだ!

 

  

小生の 目測では15キロ位と思うが 残された時間は3時間半

右膝の痛みが 顔をゆがませ 歩を進めるのが嫌になる

其処へ 嫌な奴が出て来て 

辞めちまえ やめちまえ!此処で辞めれば お前の目指す「野に垂れる」事は出来ね~ぞ!

その上 心臓は止まらず 今以上の苦しみが待っている それが嫌だったら 歩け歩け!

右足一本位無くなっても 死にゃしねーよ!

煽りたてる 嫌な奴に負けるのも しゃくである 心ふるい立たせて 歩を進めるが

飯は尽き 水は無し 無い尽くしである

有るのは 季節を忘れた太陽が 此れでもか此れでもか と夏の暑さを我が身に浴びせる

写真を撮る余裕などなく 時計と睨めっこの街道となったが

やがて市街地に入り 安堵したものの 駅までどの位の距離か分からない

時は 午後12時45分 大館14時発の電車に間に合うか?微妙なところだ

引き摺る右足は バス停に並ぶ乗客の方に向かい 違和感なく 列に並び バスを待つ

とうとう 遣ってしまった!

だが 考え様によっては 次回 このバス停から歩けば 街道は繋がる

駅に向かうバスの車窓には 400年の歴史を持つ大館明神社の例祭が開催され 

何台もの山車と摺れ違うと 熱気が伝わってくる

 

午後1時丁度に駅に着く 

忠犬ハチ公の故郷でもある大館駅前には ハチ公の銅像が建てられているが 

秋田県民が誇りとする秋田犬だ

駅構内には廃止となったカシオペアが 又してもホームに停車している

前回の旅でも 二ツ井駅に停車しているカシオペアを見たが

此れまた偶然である

消え行く夜行列車 「あけぼの」、「北陸」、「富士」、「あさかぜ」などは

時の流れに 押し流されてしまった

次に 控えしは 明日の我が身か!

 

顔を触ると 汗となって出て来た塩が まだら模様に白く化粧されている様だ

電車の発車時刻までには 余裕があるので

ホームレス宜しく

駅前のトイレで 人目をはばからず 上半身裸に成りながら 頭から水をかぶる

すっきりした処で 駅構内の待合室で 名物の比内地鶏弁当をじっくり堪能する

結局 14時09発の「特急津軽」青森行の電車に間に合った物の 新青森駅経由の東北新幹線でも 

自宅に着いたのは 午後9時過ぎであった

もし その電車を逃して居たら 帰宅の時間は 何時になっていただろう 最悪は

寝ずの仕事が待ちうけていたかも!

結果諭だが バスに委ねて駅に向かったのは大正解だった!