俺の目の前にいる彼女は誰なのだろう…。
俺はそう心で思っていると俺の目の前にいる彼女は口を開いた。
「私は魔法使いよ。」
俺はその言葉に疑問を感じた。
魔法つかいなんて本当なのだろうか?
いたとしてもなぜ突然俺の前に現われたのだろうか…?
俺の頭の中にはそんな疑問がずっと回っている。
しかし、俺の頭を覗いたかのように俺の質問に簡単に答えた。
そして彼女は俺に軽くウィンクをした。
俺はそのウィンクにドキッとした。
彼女は何かを企んでいる。
俺はそう感じた。
「あなたはとてもいい人よ。善なる人の支えをするのが私たち魔法使いの役目なの。簡単に言うと善なる人へのご褒美をするってことかしら。さて、あなたは何を望む?」
俺はその人の言葉を聞いて何も答えなかった。
だって、今とても幸せなのだから。
望むものなんて何にもない。
ただ…、ただ…今までのままでいい。
今までの暮らし以外俺は望むものなんてない。
俺はそう思っていると彼女が再び口を開き俺の気持ちがわかったのか溜息をこぼした。
「本当に何もいらないのね?あなたを人間にすることも可能なのよ?」
俺はその言葉に驚いて目が落ちそうになった。
でも…、俺の気持ちは変わらなかった。
人間になるからどうなるとか俺には必要ない。
俺は今のままを望む。
何も変わらない日々がほしい。
ただこのまま…。
でも、一つだけやりたいことがあった。
俺が喋れたらこの気持ちを言いたい。
いつもありがとう。
優姫の隣にいさせてくれて。
そう心に願った瞬間俺の目の前には彼女はいなく、いつもの部屋に戻っていた。
俺は寝ていたのだろうか?
寝室で丸くなって寝ていた。
窓からはオレンジ色の暖かな光が俺に当たっている。
俺はボーっと辺りを見回した。すると、その時玄関のドアが開いた。
「ただいまー。」
その声を聞いて俺は玄関まで走った。
何も変わらないいつもの帰宅、いつもの声。
俺はそれが嬉しくて優姫の足に体をなすりつけた。
そんな俺の様子に優姫は笑い俺の頭をなでた。
「いつもありがとう。」
俺は優姫には伝わらないように話をしたのだが、優姫は驚いて俺を抱きかかえた。
「ん?今何て言った?喋った??」
そう言って俺の目を見つめる。
俺は再び同じ言葉を言った。
すると優姫は俺の顔に顔をつけた。
優姫の笑顔が俺は大好きだ。
人間にならなくてもこの姿が見れるなら俺はもう何もいらない。
何も望まない。
俺が話した最後の言葉は例の彼女のおかげなのだろうか?
それともあれはただの夢だったのか?
もうどっちでもいいか…。
優姫がいればどこだってかまわない。
この毎日の日々が変らないことを俺はずっと心に思っているだろう…。