はち

昨年の春頃から、はちが一匹ベランダに飛んでくるようになりました。

ママは嫌がっていましたが、
「そのうちどこかに行くやろうから殺さないでといいました。」

夏、
気がつくとベランダの入り口の足元に巣ができてました。

すでに成虫も3匹ほどに増えていました。

パパは
「山や野原の自然を壊して家を建てたのは人間の勝手やし、はちも巣を作るところが
ないので仕方なくここに作ったんや、だから何もしてないうちに殺すのはやめよう、
小さな命でも大切にしよう」
と言いました。



ママははちにおびえながらも、洗濯物を干して毎日過ごしました。



パパははちに言い聞かせました。
「こっちからは何もしないしその場所は提供するけど、もしそっちから攻撃してきたら
そのときは処分しますよ。」

それから、夏が過ぎようとしたころ、

ふと巣を見ると一時期5~6匹は常にいた成虫が、2匹に減っていました。



今年はすごい猛暑できっとはちもまいって死んでしまったんだな。
と思いました。

かわいそうに・・・。
このまま全滅するんやろな。


そう思っていた矢先でした。



「はちにさされた!」

ママから電話がありました。



すぐに洗って毒を吸い出して薬をつけて冷やすようにいいました。

対処が早かったのか大事にはいたらなかったのですが、ママもパパもショックでした。

パパははちに対する思い、虫や動物の命を大切にする思いが通じて、大人しくしていたのかな~と思っていたところだったので、ショックでした。

虫に思いが通じることなんて、ないんやな~。
と思いました。



ママが言いました。

「これで洗濯物が安心して干せるわ~。」



パパは


「しまった!」


と思いました。

パパは何が大切かの優先順位を間違えていたことにやっと気付きました。


パパにとって一番大切なのははちよりもママのことだったのに、危険なはちを野放しにしていた自分を悔いました。



優しさを向ける相手の順番を間違えていたのです。



今回、パパが学んだことは、
「時には命をうばうような残酷なことであっても、大切なものを守るためには、心を鬼にしてしなければならないことがある」
ってことです。

はちに人間の言葉がわかるわけないよな~。

バカなパパでした。