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🍀闘病記 第2章 第1話

「胸に刺さった言葉と心の中の黒い穴」


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⚠️1部第1章後半とダブル所があるので、飛ばしてもOKです🙆🏻⚠️

⚠️第1章は「です。ます。調」でした。

⚠️第2章は「だ。である。調」です。

それでは*˙︶˙*)ノ"🍀

🍀ーーー

弟が中一の時、父と弟が取っ組み合いの喧嘩をした。


父は弟にまたがり、弟の奥襟を取って首を絞めていた。

弟は父より背がかなり高く。細身だが、父よりは体格が良かった。

のに父が簡単に弟を組み敷いたのは、父が若い頃やーさんだったからだろう。

父は母の

「お父さん‼️止めて‼️殺す気か‼️」

の声で、我に返った。

そして弟から降り、無言で外へ出ていった。


母が慌てて弟のそばによった。

弟はしばらく咳き込んでいたが、突然床を両手で叩いた。

そして大声で叫びながら玄関に行って、傘を手にして戻ってきた。

「うわぁー‼️」

弟は大声を上げながら、叩けるものはみんな傘で叩いた。

ガラスが主な標的になった。


母の悲鳴と弟の怒鳴り声。


私は無意識に後ろに下がった。


弟は傘が壊れると、手で家の中の物を投げ出した。

私の足元には包丁が転がってきた。

私は包丁を見つめていた。


そんな私には目もくれず、

弟が家から出ていった。

開いたドアから、ご近所さんで、噂話好きのおばさんの顔が見えた。

母が慌ててドアを閉めた。

『今度は何が起こったん?』

とおばさん達の声が聞こえた。


そう、こんなんばっかり起こる。

なんで?

家族ってこんなんなん?

苦しい。

怖い。

家族って守ってくれるもんと違うん?

『まるで生き地獄や⋯』

私は心の中で呟いていた。

そして

『こんな人生は、もう嫌や』

とものすごい怒りが湧いてきた。

私は無意識に、私の元に飛ばされてた包丁を手に取り、自分の首を切ろうとした。


それまで呆然としてた母が

「あんたまでやめて!!」

と叫んだ。

母の声で私の動きが止まった。

条件反射だった。


そんな私を見て母が、低い声で言った。

「こうなったんはな、

こうなったんは、全部あんたのせいやねんで!!

ほんま、あんたなんか産まんかったら良かった!!

あんたが病弱やったから

お母ちゃん〇ちゃん(弟)に構ってあげられへんかったんや。

あんたが悪い!!

あんたが小さい時死にかけたから。お寺のおばちゃん(安寿様)が

「この子アカンで。途中で死ぬわ。そやから○ちゃん(←母)

もう1人子供作っとき」

と言わはったんや。

だから弟作ったのに。

あんた生きてる!

死なへんかった!

あんたなんか死んだら良かったのに!

産まんかったら良かった!

そしたらこんな事起こらんかったんや!!

あんたが全部悪いんや!!」

とまくし立てた。



私はじーと母の言葉をきいていた。
そして内心
「そやったら、私が首切ろうとしたの、止めんかったらよかったやん」
と思った。
けど、すぐ
「いいや、自分が悪いんや。 病弱やったから。死なへんかったから。
これはつぐなわなあかんのやわ。
私は生きてたらあかんかったんやもん」
と思い、自分を責めた。

母は言うだけ言ってスッキリしたのか?
弟の事を考えてるのか?
その夜は何も話さなかった。

翌朝、弟が和歌山の方で保護された。
旅館の女将さんが、手ぶらの弟を見て
「何かあったのかな?危ないな」
と思って声をかけてくれたらしい。
そして1晩泊めてくれたそうだ。

弟の事を伝える電話を、母は握りしめ泣いていた。
ものすごい方向音痴の母だけど。
電車の方向も間違う母だけど。
この時、弟を迎えに行く時は、1人で迷わず迎えに行った。

1人で家にいた私は、何をしてたか覚えてない。確か部屋の片付けをしてたと思う。涙も出ない。だけど今で言う
「フラッシュバック」
が何度も頭に蘇ってきた。
同時に赤ん坊の頃、父が言った言葉とか。
弟に言われた言葉とか。(お風呂下着事件)
弟と比べれれる事とか。
母からずっと言われていた言葉とかも、同時に蘇った。


その時私は、心の底に大きな黒い穴がある事に気がついた。
その穴は暗くて冷たく、吸い込まれそうだと感じた。
私は、死ぬべきやった自分が生きてるから、その穴ができたと思った。穴を作ったのは、自分のせいだと思い、己を責め立てた。

後にカウンセリンセンターで、その穴は。
新生児から幼児期を育つ過程で、絶対的愛情を向けてもらえるべき母親(かそれに変わる養育者)の愛情を もらえなかった人の心に多く見られる穴だと教えてもらった。
その穴がある人は、大人になっても自分に自信が持てず、誰かに「大丈夫ですよ」と言われないと不安で仕方が無くなったり。安定した精神状態を保ちにくく、生きずらい人生を歩む事になる。
絶対的愛情とは、たとえ子供が間違ったことをしても見捨てない。子供の全部を受け入れてくれる「愛情」だそうだ。
これは普通の家庭に育った人は、持ってる物で。心をあたたかく照らしてくれる「太陽」のような存在だそうだ。
しかし私の様に機能不全家族で育ち、心理的虐待を受けていると、その「太陽」は現れない。
代わりにブラックホールの様な「穴」が出来るそうだ。

ちなみに、今思うと、母に猫っかわいがりされてると見えてた弟も、別の束縛を母からされてたのかもしれない。
例えば「勉強で良い点とった時だけ 可愛がる」とか。
昔は弟が暴れたのは思春期だったので。
単純に弟が、父を嫌いやったから。又は姉(私)が嫌いやったから。そして、いじめっ子が嫌いやったから、暴れたと私は思っていた。母もそう言っていた。
けど母は
悪霊が悪さしてるからとも言っていた。
母の言う事は正しいと思っていたので、私も「悪霊もいたんや」と思っていた。
だが今思うと、これらもあったかもしれないが。やはり芯には、母の愛情をもらえなかった事があったのだろうと思う。
きっかけは父との喧嘩だったけど。
まぁ確かに弟は、父への不満を強く持っていた。
だけど、心の奥底には、大好きな母にも、腹を立てていたようだ。後に、弟が話すのを聞い私は驚いたのを覚えている。

当時弟の主治医や、学校の先生が口を揃えて
「お母さんは、お子さんをとがめず。全てを受け入れて上げてください。この子は、母親の愛情が足りなかったんです。だからこうなったのです」
と母に話したのは、弟の持つ母への想いが重要なトリガーになっているのを、先生方は見抜かれたのだと思う。

しかし、母は本当に戸惑ったんだと思う。
自分なりに精一杯してたから。
私が病気の時は、1割の心配と9割の世間体で、私のそばに居た。
ので言葉はキツかったし。私がいじめられた時は、全く何もしなかった。

けど弟のそばにいる時の母は、羨ましいくらい優しく、明るく、弟を褒める人だった。

かなり大きくなって思った事だが。母も母(私の祖母)に虐待されて育ったので、子供をあるがままに受け入れ、愛する事が分からなくて。
母はいっぱいいっぱいだっだと思う。
それが本当なら、大人しい弟が暴れても、対処出来ないし。自分のせいとは認められないやろな⋯と大人になって思う様になった。

だが、当時はそんな風に考えられなかった。
母に、お前なんて死ねばよかったと言われた⋯と落ち込んでいた。
しばらくして、母達が帰ってきた。

けど話しはしなかった。
その後弟は、当時かかっていた精神科(かな?分からない)の先生のすすめと。母の「このまま家族と住んでたら、あの子はお父さん刺すかもしれない」と言う不安から。弟は駅前の家に1人で暮らすようになった。

最初は弟も寂しいのか、毎晩ご飯を食べに来ていた。

その時の母はとても嬉しそうだった。

私は正直弟に殺されると思っていたので、ご飯を食べたら2階に上がり。母が父が入らない様にと付けた鍵をかけ、漫画の世界に逃げた。
漫画を読んでても、思考が勝手に回転した。
軽いフラッシュバックが起こるのだ。
苦しくて、息か出来なくなったが、助けてくれる人は居ない。
指先が冷たくなってくると、私は口を手で抑え、呼吸だけに集中していた。
誰に教えてもらった訳では無いが、こうすると落ち着いた。
衝撃の強い記憶が遠のくと、今度は違う事が浮いてきた。
母のあの言葉から私が感じ取った事だ。
弟は私のせいで母の愛をもらってなくて、今に至ってる。
だから私がいたらあかんから。
弟が母の愛をたっぷりもらえるために、姿を消すことしか思いつかなかったのだ。
そう言い聞かすように、つぶやくと、苦しさはすーっとやわらいだ。
そうなると、漫画とテレビや音楽かけながら空想ごっこ遊び等できるようになった。
空想ごっこ遊びは、昔からやって、るひとり遊びである。
けどまれに、ふっと私は思った。
「私、お母ちゃんに愛された事あったかな?」
抱きしめられたり、ほめられたり、優しい言葉かけて貰った記憶が無い。
だけど母も弟も、お寺のおばちゃん達も、みんな口を揃えて
「薔ちゃんは、甘やかされてたから、わがままやなぁ。〇ちゃん見習わなあかんわ」
と言ってた。
なんかもやもやする。
だけど当時はそのもやもやの原因が分からなかった。
てか、わがままやから、みんなに迷惑かけてるんや。
だから私が悪い。
でも私だけ悪いの?なんで〇ちゃん(弟)は可愛がられるの?
昔から〇ちゃんの方がお母ちゃんにほめられてたやん。
と、堂々巡りな考えが浮かんでくる。
私は慌てて漫画に集中した。が、やはりもやもやしていた。

そして母と弟の楽しそうな笑い声を聞きつつ、時計を見つめた。何時になったら帰るんかな⋯と思いつつ。

 続)
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