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闘病記つむつむ(14話)〜トンネルに向かって転がるがごとく進む①〜

雌鳥のぴぴちゃん二世とぴっきーが来た頃、私達の家では、大きな出来事が2つ、立て続けに起こっていました。

1つは「家買うよ!」と母が宣言した事。

あと1つは「うどん屋をやるで!」と父が宣言した事でした。


1つ目は、平屋建てでしたが、静かな住宅街にあるお家でした。
けど、母が途中で「騙されてる!」と言い出しました。
母曰く
「二重売りされてる!」
と言う事でした。

「家を買う」事が夢だった母にとって、めっちゃ辛い事だったと思います。
子供の私は「ふーん」と思っていました。
と言いますか。
母は少しの事でご近所が嫌いになり、それ以後ずっと悪口を私に聞かせる人でしたから。
『家買ったら、嫌でもそこにおらなあかんやん。悪口がエスカレートするやろな。借りてる方が嫌やったら引っ越せるから楽やん』
と思っていたのです。

この「家買うで!」宣言は、この後1度も言われませんでした。



で、2つ目の
「うどん屋やるで!」
の父の宣言ですが。

母は大反対しました。

理由は
「時期が早い」
と言う事でした。

何故「時期」がとか言ったのか。
母はお寺で育ったせいか、信心深く。
超常現象から神秘体験、死後の世界とか仏教。そして占い🔮とかをものすごく信じる人やったんです。

父が宣言する前から、夕方のラジオで
おじさんがDJの「占い番組」を
母は毎日聞いていました。

番組名は忘れましたが、「占いの屋台」っぽい名前やったと思います。

その番組に電話して、選ばれたら悩み相談に乗ってくれ、最後は占いをして、アドバイスをくれるような流れでした。

母は毎日その番組に電話してました。

そんなある日
母の電話が
採用されました(びっくり‼️)




母は持ち前のマシンガントークで、父がいきなり店を持つと言い出した不満、不安を話していました。

DJのおじさんは
「ふんふんふん」
と聴いてはりました。

そして所々で
「大変やね。そうでしたか」
とか言ってました。
ひとしきり喋った母は、聴いてもらえた感が感じられ、満足して黙りました。

するとおじさんは
「占いますね」
と言って、ラジオから神秘的な音が流れて出来ました。

しばらくすると、おじさんの呪文?みたいな声がきこえてきました。

母と私は、ラジオにぐっと寄りました。

おじさんの気合いのある掛け声の後、神秘的な音が止まりました。

するとおじさんが、ゆっくり話しはじめました。

「う〜ん。奥さん お店出すには、今はちょっとまずいでんなぁ。いや、店は出せるけどね。邪魔が入ると出てるんですわ。けど、2年後なら、邪魔も消えるし。良い運気が来るから、あと2年待ちなさい」
と言われました。

母は
「はい‼️そうします‼️ 先生を信じます‼️ありがとうございます‼️」
とよそ行きの声で答えてました。

私は
「ええ!こんなんで決めるの?」
と言いそうになりました。

そんな事言ったら、母は激怒します。

なので私は、慌ててその言葉を飲み込みました。
私は家族より、あったことも無い他人を信じる母に、変やなぁと思ってました。
当時は。

今、人生半分過ぎた私は
「生理食塩水(血縁)の仲程 厄介なもんはないわ😑✋他人様のが信用出来る」
と思っています。

母の気持ちがめっちゃわかる歳になりました(笑)

だけど小学生の私は、そこまでスレてなかったので、母の考え方が全く分かりませんでした。

母は、信用してる占いのおじさんと直に話しが出来て、満足そうでした。

「やっぱりお母ちゃんの思った通りや!まだ店開店したらあかんねや!お父さんに言わなあかん!」
とすごい勢いで言ってました。

鬼に金棒とはこの事だなと思いました。


その日は父が帰宅する日でもありました。

父は大抵、お店の寮に住んでいて
月に数回帰って来るのでした。

と言っても、帰宅は午前様が多かったです。

大阪市内にお店があるので、お店の後始末をして戻ると、そんな時間になるのでした。

いつもの母は、父が遅くなっても別に何も言わないどころか。

「お父さん、帰ってこんでもええのに」
と本人の目の前で言う人でした。

しかしこの日は違いました。

時計をチラチラ見て
「お父さん何時に帰るかな」
とか
「お父さん、はよ帰らへんかなぁ。私明日も仕事やねんけど」
とか
「大事な話しがあるのに、何してるんやろ(怒)」
と言いながら、カリカリしてました。

当時携帯とか無かったから、電話出来なかったし。
LINEもメールも無かったので、連絡する手段は有線の黒電話か、同じく有線の公衆電話だけでした。

ので、なにか伝えたい事があったら、設置されてる電話にかけるしかなかったんです。

父の場合、務めてるお店にかけたらええんですけど。
母はそれを嫌がりました。

お店の人と話したくなかったのか?
電話で話す程軽い問題やないと考えたのか?
単に、父に自分からなにかするのが嫌だったのか?

よく分かりませんけど、私と弟は
カリカリ イライラしてる母の様子を黙って見てました。

なんか言うたら、怒りの矛先が自分に向く!と私は感じていました。

弟は、そんな母に
「お母ちゃん、どうしたん?」
と話しかけました。

弟には優しい母は
「実はな···」
と事の顛末を めっちゃ食い気味の勢いで話して聞かせてました。

弟は
「ラジオの占いのおじさんはよぉ当たるからなぁ。僕もおじさんが言う通り、お店するの待った方がええと思うわ」
と答えてました。

弟は母っ子でした。
当時の私は、自分も母っ子と思っていて。

弟と母の取り合いを良くしてました。

それでも、母にボロカス言われてる父が
可哀想やなぁ···と思ってました。

けど父と話した事は殆どなかったです。

話したけど、よく分からなかったんですよね。

父は昭和一桁生まれでした。
そのせいか、話し出すと
「男と言うもんは、こうあるべきや。女はこうすべきや」
と小さな声で言うんです。

話の内容もよく分からへんけど

まず声がきこえへんかったんですよね。

「ええ?なんてぇ?」
ときくと

黙るんです(^_^;)
んで冷や酒を飲む。

話しが続かんし、またなんか言われても
「はぃ?」
と私には分からへん事を言うので、何回か繰り返した後、何も喋らず

ただそばにいると言う感じの仲でした。

それにその頃は私も母に、今以上嫌われたくないから、母の前では父を無視してました。

「お店やる時期がなぁ···あかんねん!お母ちゃんそう思とってん」

私が父の事を考えてる間にも、母のマシンガントークは止まらず、弟相手に連打してました。
と。
玄関の開く音がしました。

時計を見たら夜9時でした。

ほんまに珍しく、父が私達子供が起きてる時間に帰ってきました。

「ただいま」
と父が言い終わらないうちに、母のマシンガントークが火を吹きました。



「お父ちゃん!まだや!まだ店開いたらあかん!
あと2年待ち!
占いの先生がそう言わはった!」

おかえりもなく、いきなり実弾ぶち込まれ
父は一瞬黙りました。

というかいつもの父なら、そのまま黙って母のマシンガントークが終わるのを待つんやけど。

この日は父もいつもと違いました。
いつもより大きな声で
「わしはそんなん信じん!今店開く!物件もええのんがあったんや!
本店の暖簾分けもしてもらえる!今店やるんや!」

私も弟もびっくりしました。
え?お父ちゃん めっちゃ強気やん!お母ちゃんに言い返してる。
大丈夫かぁ?
何が起こってるねん?

と私は思いました。
弟は少し違う事を考えてるようで、物凄く複雑な顔をして、黙って2人を見てました。

そら父が帰宅する数秒前まで、父の悪口を言ってて。
お店絶対反対って僕も言うわ!と息巻いていたのに。

いつも弱腰の父なのに、この日は少し怖いぐらい強く見えたから、弟は黙ったんだと思います。

弟は負ける戦をしないタイプなので、様子を見てるのと。
いつもと違う父の「情報収集」をしてるようでした。

前にも書きましたけど。

弟は私と違って、幼い頃から「IQが凄く高い」と保健婦(保健師)さんのお墨付きをもらう程の知恵者でした。

なので、素直だけど
裏では情報と計算に基づいた作戦(言い方とか、聞き方)を駆使してるような所があったんです。

年子の私には、それが「ずるいやつ」と見えました。

今は「ずるい」とは思わないですが。

安心して本心を話すのは「リスキーやな」と思っています。

底で何を考えてるのか分からないから、怖いんですよね。

弟の事を「賢い子だけど、それだけ怖さもあります。子育てには、気をつけてあげて下さいね」と母に言っていた、保健師さんは
「切れ者やな」
と私は思っていました。

私達子供が、それぞれの想いを胸に黙って両親の言い合いを見ていると。

「あんたら!9時過ぎてんやん!はよ寝!」
と母の矛先が、いきなり自分達に向きました。

いつもと違う父の様子に、母も戸惑ったのでしょう。
けど負けたくない。
ので本気で父とやり合うため、子供達が邪魔になったのでしょう。

私達は大人しく言うことに従いました。

けど、2段ベッドが、台所にあるので、2人の言い合いは、ばっちり聞こえました。

平行線の言い合いをする父と母。

その声を子守唄に私は寝落ちしてました。

続)