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先月、50年前のAYK R55 シャーシを改造・復活させた。

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写真の通りモーターは旧16Dを使い、速いは速いが、現代のプラフィットみたいな小さなモーターをバランス良いシャーシに載せたゆえの全開コーナーリング、なんて楽しみからは遠く離れてしまった。
悪く言うと、いつぶっ飛ぶか分かりにくい、イージーさが全くないシビアなものになってしまった。
その流れと反省から少しイヤシ系に向き、次作はクラシックなプラボディでコントローラブルなのがいいかなと、遊び気分でマッハGoGoやドライバーズシートにバムケロを乗せた60’sセダン制作準備を始めた。
だが、おもちゃ箱の中から先に目についてやる気になってしまったのは、ラスキットだった。今回は、手元にあるRusskit34モーターで制作したいと思っている。
60年代当時、このモーターが日本のサーキットではあまり、と言うより全く日の目を見なかったのは、ボルトオンできるキットが売られてなかったせいもあるが、マブチFT36/Dのあとは26D一色になっていたからだ。
66年まではトルクフルだが重くかさばるデカさの36Dが初期のクリヤボディで走っていたが、67年にコンパクトなのにパワフルな26Dが販売されるや、あっという間に36Dに取って代わった。
当時のタミヤ製キットを買われた方は記憶にあるだろうが、初期のロータス40にはなかった26D用アダプターがカレラ6以降キットに入ってきたし、インラインシャーシー用にも26Dが使えるように、モーターとモーターマウントだけの改造パーツキットもタミヤから26Dの定価(@380)+αの450円位で売り出されたと記憶している。
 (下の写真はタミヤのインライン用モーターマウント、左から36、36D、26D用)

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そしてAYKが26D用にサイドワインダーのR555を出したので、みんな飛びついた。ホイルベース・スイングアーム伸縮自在、前輪は独立回転、超軽量でΦ1.6パイプに虫ピンを刺すシンプルなボディマウントだったので、クリヤーボディをカンタンにセットして、営業サーキットでもニチモホームコースでもぶっ飛ぶパフォーマンスだった。まぁ、裏腹にコースアウトしたら直ぐにアライメントが狂うシロモノで、高速コーナーやバンクでクラッシュしたら、その日は終わりだった。

一部のマニアの方は自作シャーシにチューンした36Dを載せ、白金レースウェイでも走られていたが、AYKもティルティング(通称バタフライ)ボディマウントのシャーシを出し、クラッシュでグニャクニャになることも軽減された。
AYKも商売がうまいな、と思ったのは、先ず最初にインラインを販売された事だ。金メッキにボールベアリング付で、シャーシー構成と合わせ高級感もあって、これからはR555-5だ!と思って六本木の藤川模型で即購入した。
高級感とスイングアーム以外に可動部が増えたことで組立て満足していたが、2か月後にはサイドワインダーバージョンも発売となった。子供心にも、インラインより効率がいいと言われていたサイドワインダー、インラインよりはるかに長いスイングアームは、折角走りも良かったインラインから26Dを外すことをためらわせなかった。
結果AYKのストラテジーにのってしまったみたいだが、サイドワインダーシャーシの方はボールベアリングが付いてなく、代わりにオイルレスメタルが入っていた。
それを藤川模型のオヤジさんに愚直ると、リヤアクスルをドリルでグリグリほじってベアリングの入る大きさにしてくれた。(せっかくだが、浅く精度も…だったのでピッタリは入らなかったが、気持は嬉しかったし、おかげで工作の仕方が理解できた。)
それにしても、インラインもサイドワインダーも同じ型番だったから、AYKは、よほどR555-5が気に入ったのだろう。
そして、せっかく出来の良かった36D用サイドワインダーR500が売れる前に、26D=スロットカーの時代になったのを実感した。実際、パワーだけでなくシャーシバランス、すなわちハイトの低い26Dの方がコーナーリングも速かったからだ。
Made in JapanのOEMラスキット34がいつ頃からアメリカで販売されたのか知らないが、私がこのモーターに出会ったのは、26Dがメジャーになった後からだった。
最初に見た時、マブチ36サイズのローターに26Dのカンケース高さだったので、構成からして魅力的だったが、そのデカさで当時は買うこともなく、海外モノは、むしろカマタ・グランドサーキットで販売していた26D用チャンピオンマグネットやフレックスワイヤーのご利益を求め買いに行った。
私がラスキット34を入手したのはブームのずっと後、20数年前のノミの市、昔こんなのあったなぁ…で買ってしまったもので、子供の頃は、作ろうとも思わなかったが、今なら何とかなる気がする...私はコイツに陽の目を見させたい。