【注目する理由】
来月から働き方改革の影響により、物流、建築、医療業界の残業規制が始まります。人材不足が深刻とされるこれらの業界に関わるDXは週明け以降、テーマ株になりやすいかもしれません。個別株はあまり上がっておらず、特に物流DXは下落しているものが多いです。注目する価値はありそうに思います。日経平均が早くも4万円水準に到達しましたので、一旦は落ち着き、新たなテーマを物色し始めるのではないかという個人的な観測もあってのことです。
【総合DX企業】
複数業種に統合型のDXサービスを展開している企業です。NTTデータ、野村総研、SCSK、TIS、BIPROGY、日鉄ソリューション、富士ソフト、トランス・コスモス、フューチャーなど多数挙げられます。新興市場では成長が期待されているオプティムも注目すべきでしょうか。どの会社にも不可欠な会計関連ではオービックやTKC(会計士や税理士の職業団体)、ミロク情報などもあります。私的にはフューチャー、富士ソフト、TKCが気になります。
【物流DX】
①ダイフク…マテハン世界首位級。AGV(無人搬送車)や自動ピッキング、高速仕分けシステムなど、メーカーの出荷や倉庫の合理化に不可欠な幅広いサービスを展開しています。半導体や食材、危険物などあらゆる搬送物に対応可。このところの株価は上昇トレンドにありますが、直近は3500円近辺でヨコヨコ状態です。
②ロジザード…倉庫や店舗向けに在庫管理システム(クラウド型)を展開しています。2月の決算で株価は大きく下がりました。まだ下落トレンドです。
③ファイズ…EC企業向けの物流拠点に対するサービスを提供。梱包、運送スタッフの派遣業や国際物流における通関手続きの代行など、包括的なサービスを実施しています。アマゾンが主要顧客であり、同社の増資ニュースで株価は一気に上がりましたが、現在は元の水準に戻っています。
④UPR…物流機材やアシストスーツのレンタル、遠隔監視システムを提供。直近、株価は低迷ですが、1,500円近辺で根固めしている感じもあります。
⑤日本パレットプール…追跡可能なパレットを全国200カ所の拠点からいつでも、どこからでも提供可能なサービスを展開。割安感はありますが、今期の業績は増収・減益予想となっています。株価は2,000円~2,500円の間のレンジです。
※EC向け物流支援サービスを展開している会社として、関通やEロジットにも注目すると良いかも。
【医療DX】
①エムスリー…ソニー系。医療機関向けの業務支援サービスと多角的に展開しており、臨床・治験業務の支援サービスや医療機器の開発・販売にも取り組んでいます。株価は1月に窓を開けて大幅に下げましたが、その窓埋めにトライしようとしているように見えます。
②ソフトウェアサービス…値嵩株。病院向けの情報共有システム、電子カルテの会社です。無借金経営。
③ファインデックス…医療現場に必要なあらゆる視点での業務支援サービスを展開しています。眼科システム、耳鼻科システム、周産期システムなど各診療科ならではの特化型サービスも実施。株価は上昇トレンドです。
※調剤薬局向けのEMシステムズ、メディカルシステムネットワークなどにも着目。
【建築DX】
①福井コンピュータ…3DCADに強い会社として申し分のない実績があります。現在、作成した3Dモデルから資材、コスト、人材配置など各種管理情報を導き出し、これらを一元で工程管理できるBIM/CIM領域のサービスを強化しています。株価は長らくヨコヨコ状態です
②Arent…業務効率はもちろんのこと、新規事業の立ち上げまで視野に入れたDXサービスを展開。BIMも。クライアントに大手ゼネコンや電力会社、プラントなども。株価は割高で無配ですが、今後の成長が楽しみな企業です。
③スパイダープラス…建築図面と現場をタブレットで一元管理できるスパイダープラスを提供。利用者が増えれば増えるほど進化していくサービスということですので、AIも搭載しているのでしょう。個人投資家に人気の銘柄であり、業績は赤字縮小。株価は650円~750円のレンジにあります。
④CTS…14期連続増収、12期連続増益、13年連続増配予定の優良銘柄。測量計測システムに定評がありますが、安全管理・工程管理システムにも力を入れている会社です。配当は業績に連動する形式。株価(週足)は下落トレンドから抜け出そうかという雰囲気です。