一昨日、K氏の息子さんG君と何年ぶりかで会う。

G君と彼の両親との確執については断片的に知っていて、今の
状態もわたしは何となく察しはついていた。

しかし一昨年の両親離婚後、一時的には母親と会っていたが、今は
絶縁したというので、少し驚いた。

母親にも、後ろで糸を引いてそうな父親違いの姉にも、つくづく
嫌気がさしてしまっているとの事。

K氏とも最低限の安否確認以上のつきあいは難しそうである。

それでも今後奥さんとも話し合い、時間をかけて対処していく
つもりだと言ってくれた。

無年金のK氏はもはやG君しか頼れない。

出て行ったK氏の奥さんはわたしの睨んだとおり、永年過分な生活費を
せしめて暮らし、充分に貯めこんでから離婚に踏み切った。

夫婦仲が良ければ、無年金でもまだ何とか手立てもあっただろうが、
奥さんは耐え切れず自分の保身に走ったが、G君から見放された
のは計算外だっただろう。

折々に喜怒哀楽を共に味わってきたK一家も、この数年であっけなく
離散してしまった現実に、わたしも虚しさを覚える。

しかし人間というものはやはり不思議というか、誰しも長所と短所を
兼ね備えているものであり、G君はK氏の職人的な真面目さと、奥さんの
社交性や如才なさと両方の長所を備えている。

それぞれの短所だけ見れば両親を反面教師とするしかなく、残念な
親子関係になってしまっているが、彼は紛れもなく両親から受け継いだ
もので成り立っているように思えた。

K氏はわたしに、G君は母親そっくりで性格も考え方も同じだと
苦々しく言い放ったが、バランス感覚のあるG君はどちらかに
そっくりなわけではない。

夫婦のお互いの良さ、親子のお互いの良さを理解し合えないのは、
やはり不幸な結果しか生まないのだろう。