これから起きる悲劇を私達は知っている。
次から次と投下される焼夷弾、そして最後にとどめの広島の原爆。

日本の空襲被害の死者数は562,708人。
そのうち広島県は262,425人。
負傷者や原爆症になった方は数知れず。
(石川県の死者数は27人)

戦争でどれだけの深い傷や悲しみを、広島の方々が背負ったのか‥。



どうしてこんなに、呉に沢山の焼夷弾が投下されるのか調べて見ると、戦艦「大和」や他の戦艦が起工した呉海軍工廠がこの地にあったからだろう。

敵は日本の優秀な技術力を恐れていた。
姑の円太郎もここの技術者に描かれてある。



この映画は反戦!反戦!と 旗を振りかざす
ような政治的な押し付けは感じられない。

主役すずさんの穏やかな日常に焦点があたりそれを取り巻くすずさん世界が描かれている。

透明でやわらかなコトリンゴさんの歌声が優しくすずさんの世界をつつみこんでいて、すずさんの声を担当された声優のんさんの声が可愛らしくて、とてもすずさんが愛らしく感じられた。

絵を描くのが大好きで 想像力豊かで、穏やかな温かい家族や友人の中で育った子供時代。






嫁いだ先で、戦争により日常が徐々に変わって行きその中で、たくましく成長してゆくすずさん。小姑の径子さんの試練は有るものの、優しく愛してくれる夫の周作さんや、慈愛のある姑やしゅうとめに助けられる場面は本当に救われる。





私の好きなシーンは すずさんと姪の
はるみちゃんのやり取りのシーンがとても可愛らしかった。呉港を眺めて軍艦の話しをする場面などは、はるみちゃんが亡くなるというのは知っていたので、涙が流れて止まらなかった。


嫁いだ先に長男を残し生き別れになり、
そして娘までが亡くなった径子さんの心の傷を思うと辛い。
絵が趣味だったすずさんが右手を無くし、
目の前ではるみちゃんが亡くなった心の傷を思うと辛い。
まわりを見渡すとみんな辛い。

最後の場面で、丁度はるみちゃん位の年の戦争孤児の女の子が 焼け野原で夫と一緒にいるすずさんに寄り添ってきた場面は
私にとってはクライマックスだった。

切ない場面であるが、これから新しい時代を迎える象徴のようにも思える。

全体的にやさしい色調で、絵が素朴でほんわかしていました。
永久保存版のアニメ映画です。

世界中の人に観てもらいたい。