●阪神が初回に得点圏上位カルテットで4点を奪った。試合前の時点で得点圏打率のリーグ上位を独占していた「近森大佐」の4人。先頭の近本光司外野手(29)が左前打で出ると、一死 2塁から森下翔太外野手(24)が左翼への2塁打で先制。続く大山悠輔内野手(29)も中前適時打で続き、さらに佐藤輝明内野手(25)が13号2ランを打ち込んだ。そのうち得点圏で打席に入った森下、大山がさっそく数字通りの勝負強さを見せた。阪神が快勝。打線が 1回につながった。森下が3試合連続先制打となる適時2塁打を放つと、大山の中前適時打で2点目。佐藤輝が2試合連続となる13号2ランを放って一挙4得点。先発の才木浩人投手(25)は 6回8安打無失点と粘りの投球で今季12勝目(3敗)。先発としては初めて神宮で勝利投手となり、自身にとって鬼門だった舞台を突破した。7回からは桐敷拓馬投手(25)、ハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)、石井大智投手(27)と磐石の中継ぎ陣が無失点リレーで逃げ切った。阪神は今季3度目の5連勝で貯金は今季最多タイの8。4試合を残して、2年連続の東京ヤクルト戦勝ち越しを決めた。巨人と2.5、広島と1.5と変わらずも、優勝争いにしっかりと踏みとどまった。
●最多安打争いを演じる近本光司外野手が、すぐにトップを奪い返した。初回先頭で左前に落とし、今季140安打とした。デーゲームで 1安打し、トップに立っていた中日細川成也外野手(26)に並んだ。続く 2回の打席でも左前打を放ち、141安打。単独トップに立った。最多安打のタイトルを取れば21年以来2度目。同年は178安打をマークした。3位の東京ヤクルト・長岡秀樹内野手(22)は137安打。熾烈なタイトル争いからも目が離せない。最多安打のタイトルレースでトップを走るが、近本は気を引き締め直した。ヒット数が順調に増加すれば、岡田虎の攻撃力の活性化にもつながる。求めるのはチーム一丸での1勝のみだ。
●「神宮の魔物」が今度は阪神に味方した。森下翔太外野手が先制の適時2塁打を放った。 1回先頭の近本が左前打で出塁すると、中野拓夢内野手(28)の犠打で一死 2塁。黄金パターンでチャンスを作ると、森下が東京ヤクルトの先発・高橋奎二投手(27)のチェンジアップを捉えた。左翼手・ドミンゴ・サンタナ外野手(32)のグラブをはじく2塁打で近本がホームへ。森下はこれで3試合連続の先制打、4試合連続打点と絶好調だ。なおも一死 2塁から大山が中前適時打を放って 2点目。さらに佐藤輝が2試合連続の13号2ランを放って4点を先行した。森下の打点は4試合連続。すべてチームの最初の得点で、先制点は3試合連続だ。前日 6日は初回に左翼の前川右京外野手(21)が飛球を見誤り、 2塁打にしていたが、今回は運が回ってきた。プロ3度目の4安打。得点圏打率3割5分、3試合連続打点と乗りに乗っている。いずれもその試合のチーム初得点でこだわる仕事でこの日も勝利に貢献した。今季63打点とし、1位の巨人岡本和に5差に迫った。 2年目の初タイトルにも気合十分だ。打点を積み重ねれば、逆転優勝が近づく。ミラクル歓喜へ、猛打を奮い続ける。
●佐藤輝明内野手が2戦連続で神宮の空にアーチを描いた。初回、森下翔太外野手大山悠輔内野手の連続適時打で 2点を先制。さらに5番に座る大砲は東京ヤクルト高橋奎二投手の甘いスライダーをとらえ、左中間最深部のスタンドに軽々と運んで見せた。13号の2ランで初回から4点の先制攻撃となった。佐藤輝は前日 6日に今季初の満塁アーチを放つなど5打点を挙げていた。 1回から森下、大山、佐藤輝のドライチクリーンアップがそろって打点を記録。 3人が打点を挙げた試合は今季11戦全勝と、幸先よく先制攻撃を決めた。3番・森下、4番・大山の連打で2点を先行して迎えた 1回一死 1塁。5番が見事に塁上を〝掃除〟した。高橋のスライダーを一閃。文句なしの一発は左中間スタンドへと吸い込まれた。 6日の同戦から2試合連続の13号2ラン。前夜の放物線をなぞるように、逆方向へと運んだ一撃は大砲の覚醒を予感させた。
●主砲のバットから効果的な得点が生まれた。大山悠輔内野手が 1回にチーム2得点目となるタイムリーを放ち、 9回には14号2ランで駄目押し。3安打3打点で大勝を呼び込んだ。責任感をにじませつつ、勝利を喜んだ。森下の先制打直後の 1回一死 2塁で高橋のチェンジアップを捉える中前適時打。 4- 0の 9回二死 1塁では田口麗斗投手(28)のシュートを右翼ポール際に運んだ。得点圏打率0.366はセ・リーグトップで、 9月に入って6試合連続安打と好調をキープ。6年連続で60打点を超えた4番は静かに闘志を燃やした。19年から6年連続の60打点は、藤村富美男氏(75歳没)、金本知憲氏(56歳=阪神前監督)に続く球団3人目となった。
●力強く粘って果たした〝5度目〟の正直。これまで先発では一度も勝利がなかったマウンドで、才木浩人投手が力投した。才木浩人投手が、シーズン規定投球回の143イニングに到達した。この試合が始まる前まで142回 2/3を投げており、初回のマウンドでプロ8年目で初の規定投球回に到達した。いきなり 4点の援護を受けて迎えた初回、先頭の西川遥輝外野手(32)に右前打を許すも、女房役の梅野隆太郎捕手(33)が 2盗を阻止。一死から長岡を見逃し三振に仕留め、最後は宮本丈内野手(29)を左飛に打ち取り、 3人で攻撃を終わらせた。才木はここまで11勝3敗、防御率1.64(試合前時点)。チームの勝ち頭として貢献している。先発・才木浩人投手は 6回8安打無失点で降板した。 1回先頭の西川に右前打を許すも、続く長岡の初球で飛び出した西川を捕手・梅野が見逃さず。 1塁へ矢のような送球でタッチアウトに仕留めた(記録は盗塁死)。 2回は先頭のサンタナに左前打を許すなど二死満塁のピンチを背負ったが後続を断って無失点。 4回もサンタナに 2塁打を浴びてピンチとしたが、得点は許さなかった。 6回は先頭のサンタナに再び 2塁打。それでも、後続をフライアウト3つで打ち取り、ここも無失点。再三のピンチを背負いながらも粘りの投球でスコアボードにゼロを並べた。今季12勝目、登板9試合目で先発としての神宮初星の権利を持ってマウンドをリリーフ陣に託した。岡田監督も最大の信頼を置く。100球目前でも続投させたのもその証しだ。今季はローテを守り続けて先発投手陣を引っ張り、連敗も8度止めて虎を救ってきた。その立場は最後まで変わらない。13勝の巨人・菅野智之投手(34)まで1勝に迫り、最多勝も十分に狙える。才木が勝利のために腕を振り続ける。
●梅野隆太郎捕手が完璧なけん制送球で立ち上がりの才木浩人投手を助けた。初回に 4点を先取し、その裏、先頭の西川遥輝外野手に右前打で出塁。嫌な走者を出してしまったが、続く長岡秀樹内野手への初球から、西川の不穏な動きをあらかじめ察知。中腰で投球を受けると、素早く 1塁に矢のような送球を投げ、あわてて戻った西川を刺した。才木は後続 2人をぴしゃり。波に乗せる女房役のファインプレーだった。マスクをかぶった梅野は4投手をリードして今季18度目となる零封勝利に貢献。
●桐敷が 7回に登板。二死 2塁とピンチを背負ったが、長岡を 148キロ直球で空振り三振に斬った。神宮では2試合連続で複数失点を喫していただけに、苦手イメージを払拭できたことは大きい。60試合登板の大台にも到達した左腕は力強かった。
●ゲラが圧巻の投球だ。 8回に登板し、一死から首位打者・サンタナを 159キロ直球で空振り三振にねじ伏せるなど完全投球。ホセ・オスナ内野手(31)も 159キロで遊ゴロに仕留めた。中 1日あれば、エネルギーは満タン。剛腕でセ界の強打者をなぎ倒していく。
●石井が 6点差の 9回を託された。先頭の村上宗隆内野手(24)に四球を与えたが、山田哲人内野手(32)を遊ゴロで一死 1塁。最後は中村悠平捕手(34)を 2ゴロ併殺に仕留めた。これで5試合連続無失点。
● 8日の22回戦に先発する西勇輝投手(33)はキャッチボールやショートダッシュで調整した。ここまで19試合に先発して6勝5敗、防御率1.84の右腕。東京ヤクルト戦での登板は今季3度目で、直近の 8月21日には(京セラ) 6回3失点で勝利を挙げている。チームは4連勝で首位巨人まで2.5ゲーム差( 6日まで)と猛追中。 9月は入りからいいリズムで、いい流れでいけてると思う。と意気込み、マウンドに上がる。
●前日 6日の東京ヤクルト戦(神宮)で右ふくらはぎ付近に打球を受けたジェレミー・ビーズリー投手(28)が問題なしを強調した。一夜明けて東京から戻り、鳴尾浜で練習。患部に簡単なテーピングを巻いただけで満面笑み。今後にも影響はなさそうだ。

記事をまとめてみました。

 

 

 <東京ヤクルト 0- 6阪神>◇21回戦◇阪神13勝 8敗 0分◇ 7日◇明治神宮野球場
 阪神が初回に得点圏上位カルテットで4点を奪った。
 試合前の時点で得点圏打率のリーグ上位を独占していた「近森大佐」の4人。先頭の近本光司外野手が左前打で出ると、一死 2塁から森下翔太外野手が左翼への2塁打で先制。
 続く大山悠輔内野手も中前適時打で続き、さらに佐藤輝明内野手が13号2ランを打ち込んだ。
 そのうち得点圏で打席に入った森下、大山がさっそく数字通りの勝負強さを見せた。


  1回表阪神一死 2塁、大山悠輔内野手の適時打で生還した森下翔太外野手を迎える岡田彰布監督=明治神宮野球場
 阪神が快勝。打線が 1回につながった。森下が3試合連続先制打となる適時2塁打を放つと、大山の中前適時打で 2点目。佐藤輝が2試合連続となる13号2ランを放って一挙4得点。クリーンアップがそろい踏みで打点をあげると今季12戦全勝の不敗神話を継続させた。 9回には大山が14号2ランを放ってとどめをさした。

 試合に勝利した阪神ナイン=明治神宮野球場
 先発の才木は 6回8安打無失点と粘りの投球で今季12勝目(3敗)。先発としては初めて神宮で勝利投手となり、自身にとって鬼門だった舞台を突破した。7回からは桐敷、ゲラ、石井と磐石の中継ぎ陣が無失点リレーで逃げ切った。阪神は今季3度目の5連勝で貯金は今季最多タイの8。
 4試合を残して、2年連続の東京ヤクルト戦勝ち越しを決めた。首位巨人、2位広島がそれぞれデーゲームで勝利し、その差は巨人と2.5、広島と1.5と変わらずも、優勝争いにしっかりと踏みとどまった。

 


  1回表阪神無死、左前打を放った近本光司外野手。投手は高橋奎二投手=明治神宮野球場
 最多安打争いを演じる近本光司外野手が、すぐにトップを奪い返した。
 初回先頭で左前に落とし、今季140安打とした。デーゲームで 1安打し、トップに立っていた中日細川成也外野手に並んだ。続く 2回の打席でも左前打を放ち、141安打。単独トップに立った。
 最多安打のタイトルを取れば21年以来2度目。同年は178安打をマークした。


 安打を放った近本光司外野手=明治神宮野球場
 近本光司外野手が最多安打のタイトル争いで単独トップに浮上した。 1回、 2回ともに左前打を放ったリードオフマンはこれで今季141安打。試合前の時点で139安打と並んでいた中日・細川はこの日デーゲームで 1安打。近本が 2打席目を終えて早くも単独トップとなった。3位の東京ヤクルト・長岡は137安打。熾烈なタイトル争いからも目が離せない。


  1回表阪神無死、左前打を放った近本光司外野手=明治神宮野球場
 勝負の季節に近本光司外野手の頼もしさがぐんぐん増してきた。今季9度目となる猛打賞で打線を勢いづけ、安打数は「142」に伸ばしてセ・リーグ単独トップに立った。
 「しっかりチームのいい形で先制できたので、その後も続いたのでよかった」


  5回、内野安打を放った近本光司外野手。今季9度目の猛打賞でセ最多安打に躍り出た=明治神宮野球場

  1回先頭で左前打を放ち、中野の犠打で 2進すると、森下の一打で生還した。 2回の第 2打席は左前打、 5回の第 3打席は投前内野安打の5打数3安打で安打数は2位の中日・細川に2差をつけた。


  5回表阪神無死、内野安打とした近本光司外野手=明治神宮野球場
 最多安打のタイトルレースでトップを走るが、近本は「ただ、今だけなんでね。結局は最後なので、しっかり頑張ります」と気を引き締め直した。ヒット数が順調に増加すれば、岡田虎の攻撃力の活性化にもつながる。求めるのはチーム一丸での1勝のみだ。

 


 適時2塁打を放った森下翔太外野手=明治神宮野球場
 森下翔太外野手が先制の適時2塁打を放った。 1回先頭の近本が左前打で出塁すると、中野の犠打で一死 2塁。黄金パターンでチャンスを作ると、森下が東京ヤクルトの先発・高橋奎のチェンジアップを捉えた。左翼手・サンタナのグラブをはじく2塁打で近本がホームへ。森下はこれで3試合連続の先制打、4試合連続打点と絶好調だ。なおも一死 2塁から大山が中前適時打を放って 2点目。さらに佐藤輝が2試合連続の13号2ランを放って4点を先行した。


  1回表阪神一死 2塁、先制の左前適時打を放った森下翔太外野手=明治神宮野球場
 「神宮の魔物」が今度は阪神に味方した。
 初回一死 2塁から、森下翔太外野手の飛球はやや詰まりながら左翼前へ。左翼のドミンゴ・サンタナは照明が目に入ったか、落下点を見誤り、体に当ててボールをそらした。その間に近本光司外野手が 2塁から余裕をもって先制のホームを踏んだ。森下の先制適時2塁打となった。
 森下の打点は4試合連続。すべてチームの最初の得点で、先制点は3試合連続だ。
 前日 6日は初回に左翼の前川右京外野手が飛球を見誤り、 2塁打にしていたが、今回は運が回ってきた。
 この回、大山悠輔内野手の適時打、佐藤輝明内野手の13号2ランで一挙4点を先制した。


  1回表阪神一死 2塁、中前先制適時打を放ちポーズをとる森下翔太外野手=明治神宮野球場
 森下翔太外野手が、今季初1試合4安打で9得点大勝に貢献した。「できすぎかな」と気持ちよさそうに汗を拭った。
 まずは初回一死 2塁。サイスニードの外角のカットボールを鋭いスイングで捉えた。強烈な当たりで、ダイビングキャッチを試みた 2塁武岡のグラブをはじき、中前へ3夜連続の先制打。 3回に右翼へ 2塁打を放つと 5回にも 2塁打、 6回にも左前打と止まらず。後ろに座る4番大山、5番佐藤輝の打点も呼び込んだ。
 「1、2番が多く出て、後ろのバッターも得点圏に強いバッターたちなので、すごくやりやすい。自分は堂々と立って、100%のプレーを続けられている」


  5回表阪神無死 1塁、 2塁打を放った森下翔太外野手=明治神宮野球場
 プロ3度目の4安打。得点圏打率3割5分、3試合連続打点と乗りに乗っている。いずれもその試合のチーム初得点で「自分に求められているところはそういうところ」とこだわる仕事でこの日も勝利に貢献した。今季63打点とし、1位の巨人岡本和に5差に迫った。「最終的に1番になれればいいと思っているので、そのために日々努力していきたい」。 2年目の初タイトルにも気合十分だ。
 前日 5日の中日戦(甲子園)後にチャンスでの強さについて問われ「秘訣(ひけつ)とかはない」と言った。「練習でどれだけ自分の理想とした形で、イメージと再現性を高く持って練習できるかどうか」。打点を積み重ねれば、逆転優勝が近づく。「自分たちは全くあきらめていないので、最終的に優勝して2連覇したい」。ミラクル歓喜へ、猛打を奮い続ける。

 

 佐藤輝明内野手が2戦連続で神宮の空にアーチを描いた。
 初回、森下翔太外野手大山悠輔内野手の連続適時打で 2点を先制。さらに5番に座る大砲は東京ヤクルト高橋奎二投手の甘いスライダーをとらえ、左中間最深部のスタンドに軽々と運んで見せた。13号の2ランで初回から4点の先制攻撃となった。
 佐藤輝は前日 6日に今季初の満塁アーチを放つなど5打点を挙げていた。


  1回、2点本塁打を放った佐藤輝明内野手=明治神宮野球場
  1回から阪神打線の勢いが止まらない。佐藤輝明内野手の2戦連発となる13号2ランで大量4点リードを奪った。
 「打ったのはスライダー。いいスイングができました!打席に入る前から準備をして、初球からしっかりスイングしていけたことが良い結果につながったと思います」
  1回、森下の適時打で5試合連続の先制点を奪うと、得点圏打率1位の大山も中前適時打で2点目。さらに一死 1塁から佐藤輝が高橋奎の 2球目を捉えた。左中間への大きな打球はそのままスタンドに一直線。前日 6日にもグランドスラムを放っており、2試合連続の一発で試合の流れをつかんだ。 1回から森下、大山、佐藤輝のドライチクリーンアップがそろって打点を記録。 3人が打点を挙げた試合は今季11戦全勝と、幸先よく先制攻撃を決めた。


  1回表阪神一死 1塁、左中間へ2点本塁打を放った佐藤輝明内野手=明治神宮野球場
 もう止まらない。快音を残し、白球は神宮の空を舞う。2夜連続の一撃に左翼席を埋め尽くしたファンは総立ち。仕上げはこの男。佐藤輝明内野手が同学年の〝エース〟に最高の援護点を届けた。
 「いい感触でした。点をとった後でしたけど、もっと追加点という気持ちでいきました」
 3番・森下、4番・大山の連打で2点を先行して迎えた 1回一死 1塁。5番が見事に塁上を〝掃除〟した。高橋のスライダーを一閃。文句なしの一発は左中間スタンドへと吸い込まれた。 6日の同戦から2試合連続の13号2ラン。前夜の放物線をなぞるように、逆方向へと運んだ一撃は大砲の覚醒を予感させた。


 2点本塁打を放ち生還した佐藤輝明内野手=明治神宮野球場
打点王も狙える
 これで今季63打点。セ・リーグ5位は変わらないが、トップの巨人・岡本和まで5差と自身初の打撃タイトルも狙える位置につける。「トップ争いができるくらい、もっともっと打点を稼ぎたいなと思います」。いまの調子なら、打点を荒稼ぎできる自信はある。
 「前半戦は投手に助けてもらった。これから野手もしっかり頑張って打ち勝てる試合を増やしていきたいと思います」


 東京ヤクルトに連勝しタッチを交わして喜ぶ、佐藤輝明内野手、中野拓夢内野手、木浪聖也内野手、大山悠輔内野手=明治神宮野球場
 前半戦から幾度となくチームを救い、今季の〝エース〟といっても過言ではない右腕が先発したとき、佐藤輝は後半戦に限れば6試合で打率0.421(19打数8安打)、9打点、3本塁打。岡田監督も「きょうなんかほんと少ないチャンスでな。あそこ( 1回)でやっぱり4点、2点で終わるのとな。次の2ランは大きいよな」とたたえたように、この日も才木にとって最高の一発となった。

 ファンの声援に応えながら引き揚げる佐藤輝明内野手=明治神宮野球場

 「(才木を)援護できてよかったです」
 ニヤリと笑って援護弾を振り返った男は、ヒーローインタビューで叫んだ。
 「負けられない戦いが続きますが、皆さんの応援の力を借りながら頑張っていきたいと思います!」
 輝コールが球場全体を包む。この大声援に乗って、残り17試合を走り抜ける。

 


  9回裏阪神二死 1塁、右越え2点本塁打を放ち、ダイヤモンドを回る大山悠輔内野手を見つめる岡田彰布監督=明治神宮野球場
 主砲のバットから効果的な得点が生まれた。大山悠輔内野手が 1回にチーム2得点目となるタイムリーを放ち、 9回には14号2ランで駄目押し。3安打3打点で大勝を呼び込んだ。
 「( 9回に)2点とれたのは大きいですけど、初回に4点取って、その後、中盤くらいに点数をとれるチャンスもあった。そこでとれれば、もっと楽になっていた。そこはひとつ反省はあります。でも、最終的に勝ったことが一番なので」


  9回 2点本塁打を放ち、森下翔太外野手とタッチを交わす大山悠輔内野手=明治神宮野球場
 責任感をにじませつつ、勝利を喜んだ。森下の先制打直後の 1回一死 2塁で高橋のチェンジアップを捉える中前適時打。 4- 0の 9回二死 1塁では田口のシュートを右翼ポール際に運んだ。得点圏打率0.366はセ・リーグトップで、 9月に入って6試合連続安打と好調をキープ。6年連続で60打点を超えた4番は「あとは勝つしかないんで頑張ります」と静かに闘志を燃やした。


  9回裏阪神二死 1塁、右越え2点本塁打を放ちナインに迎えられる大山悠輔内野手=明治神宮野球場
 大山悠輔内野手が6年連続の60打点に到達した。
 初回に先制し、なお一死 2塁、東京ヤクルト高橋のチェンジアップを捉え、2点目の中前適時打。さらに 4- 0の 9回、初球を右翼スタンドへ運びリードを広げる14号2ランを放った。「手応えはあれですけど、結果なんで」。3安打3打点の活躍にも「中盤くらいに点数を取れるチャンスもあったので、そこで取れればもっと楽になっていた」と反省が口をついた。これで61打点。19年から6年連続の60打点は、藤村富美男氏、金本知憲氏に続く球団3人目となった。

 

 才木浩人投手が、シーズン規定投球回の143イニングに到達した。
 この試合が始まる前まで142回 2/3を投げており、初回のマウンドでプロ8年目で初の規定投球回に到達した。
 いきなり 4点の援護を受けて迎えた初回、先頭の西川に右前打を許すも、女房役の梅野が 2盗を阻止。一死から長岡を見逃し三振に仕留め、最後は宮本を左飛に打ち取り、 3人で攻撃を終わらせた。
 才木はここまで11勝3敗、防御率1.64(試合前時点)。チームの勝ち頭として貢献している。


 変化球を投じる阪神先発の才木浩人投手=明治神宮野球場
 阪神の先発・才木浩人投手は 6回8安打無失点で降板した。 1回先頭の西川に右前打を許すも、続く長岡の初球で飛び出した西川を捕手・梅野が見逃さず。 1塁へ矢のような送球でタッチアウトに仕留めた(記録は盗塁死)。 2回は先頭のサンタナに左前打を許すなど二死満塁のピンチを背負ったが後続を断って無失点。 4回もサンタナに 2塁打を浴びてピンチとしたが、得点は許さなかった。 6回は先頭のサンタナに再び 2塁打。それでも、後続をフライアウト3つで打ち取り、ここも無失点。再三のピンチを背負いながらも粘りの投球でスコアボードにゼロを並べた。才木は「初回の 4点で投げやすい状況を作ってもらいました。追い込んでからの決めきれず球数を要してしまい長いイニングを投げることができませんでしたが、野手のみなさんの守りに助けてもらいながら粘り強い投球ができました」。今季12勝目、登板9試合目で先発としての神宮初星の権利を持ってマウンドをリリーフ陣に託した。


  2回裏の東京ヤクルト打線を抑え、笑顔を見せながらベンチへ戻る才木浩人投手=明治神宮野球場
 力強く粘って果たした〝5度目〟の正直。これまで先発では一度も勝利がなかったマウンドで、才木浩人投手が力投した。
 「神宮なので、0対0だと思って投げていた。なんとか最少失点で毎回いけるようにと思っていたので、ピンチになってもしっかりゼロでいけたのはよかった」
 才木にとっての鬼門・神宮。これまで8登板し、勝利は中継ぎで挙げた1勝のみ。今季も 2試合で1敗、防御率4.50と苦しむマウンドで、5度目の先発に挑んだ。


  4回を終えタッチを交わす才木浩人投手と佐藤輝明内野手=明治神宮野球場

  1回から大量4点のリードをもらっても、ここは狭い神宮。隙を作らなかった。2回は3安打で一死満塁のピンチを背負うも、中村を直球で 2飛、高橋は根負けせずに11球目で 3ゴロに仕留める。以降も 4、 5、 6回と再三得点圏に走者を背負い続けたが、ホームを踏ませない。最後は 6回二死 2塁で山田を右飛に斬り、大きくほえた。 6回110球。8安打を浴びながらも無失点で、3登板連続の白星となる12勝目を挙げた。
 今季の登板イニングは148回 2/3に伸ばした。2020年にはトミー・ジョン手術を受けてリハビリ生活も経験したが、 8年目で初めて規定投球回に到達。「まだ試合が残っているのでしっかり続けて投げていけるように頑張ります」と満足することなく先を見据えた。


  5回 宮本丈内野手から空振り三振を奪い、雄たけびを上げる才木浩人投手=明治神宮野球場
 岡田監督も「勝ち頭やからな」と最大の信頼を置く。「 5回で代えて、勝ち投手じゃな。そんなんじゃあかんからな。あと一回な、頑張れ言うたよ」と100球目前でも続投させたのもその証しだ。今季はローテを守り続けて先発投手陣を引っ張り、連敗も8度止めて虎を救ってきた。その立場は最後まで変わらない。
 「一試合一試合が勝負。自分のピッチングができるように頑張れればいいかなと思います」
 13勝の巨人・菅野まで1勝に迫り、最多勝も十分に狙える。才木が勝利のために腕を振り続ける。

 


 梅野隆太郎捕手=明治神宮野球場 (2024年 6月30日撮影)
 梅野隆太郎捕手が完璧なけん制送球で立ち上がりの才木浩人投手を助けた。
 初回に 4点を先取し、その裏、先頭の西川遥輝外野手に右前打で出塁。嫌な走者を出してしまったが、続く長岡秀樹内野手への初球から、西川の不穏な動きをあらかじめ察知。中腰で投球を受けると、素早く 1塁に矢のような送球を投げ、あわてて戻った西川を刺した。
 才木は後続 2人をぴしゃり。波に乗せる女房役のファインプレーだった。


  1回裏ヤクルト無死一塁、打者長岡秀樹内野手の時、 1走の西川遥輝外野手を牽制でアウトにする梅野隆太郎捕手=明治神宮野球場
 マスクをかぶった梅野は4投手をリードして今季18度目となる零封勝利に貢献。「ゼロでシャットアウトするのと、 1点とられるのでは全然違う。こういうゲームになってよかった」と汗をぬぐった。 4点を奪った直後の 1回の守備では、安打で出塁した西川を 1塁で刺して流れを与えず。「神宮ならではのズルズルといく場面があるので、引き締めながら。(才木)浩人自身も粘ってくれた」と12勝目を挙げた才木をねぎらった。

 


 阪神2番手の桐敷拓馬投手=明治神宮野球場
 桐敷が 7回に登板。二死 2塁とピンチを背負ったが、長岡を 148キロ直球で空振り三振に斬った。「 3人ではいかなかったですけど、とにかくゼロで終われたのが本当によかった」。神宮では2試合連続で複数失点を喫していただけに、苦手イメージを払拭できたことは大きい。60試合登板の大台にも到達した左腕は「残りの試合、全力で投げていく」と力強かった。

 阪神2番手の桐敷拓馬投手=明治神宮野球場
 桐敷拓馬投手が両リーグ最多60試合登板を 1回0封で飾った。
  4点リードの 7回から2番手でマウンドへ。二死から西川に中越え 2塁打を許したが、長岡を 148キロ直球で空振り三振に仕留めた。「 3人ではいきたかったですけど、とにかく0でいけたことが本当に良かったです」。フル回転で54回 2/3を投げて34ホールドはリーグトップ。「 1試合 1試合投げていくだけなので、僕はあまり気にせずに、いつも通り頑張っていきたい」と頼もしく言った。

 


 阪神3番手のハビー・ゲラ投手=明治神宮野球場
 ゲラが圧巻の投球だ。 8回に登板し、一死から首位打者・サンタナを 159キロ直球で空振り三振。オスナも 159キロで遊ゴロに仕留めた。「昨日( 6日)も登板がなくていい感じで休ませてもらった。気持ちも入ってしっかり準備ができていい球を投げられたよ」。中 1日あれば、エネルギーは満タン。剛腕でセ界の強打者をなぎ倒していく。

 阪神3番手のハビー・ゲラ投手=明治神宮野球場
 ハビアー・ゲラ投手は 8回の 1イニングを 3人でピシャリだ。4点リードで登板し、4番サンタナを 159キロ直球で空振り三振にねじ伏せるなど完全投球。「昨日登板がなくて、いい感じで休ませてもらった。気持ちも入って、しっかり準備できて、いいボールが投げられた」。試合後は静かにほほ笑んで喜びを表現した。

 


 阪神4番手の石井大智投手=明治神宮野球場
 石井が 6点差の 9回を託された。先頭の村上に四球を与えたが、山田を遊ゴロで一死 1塁。最後は中村を 2ゴロ併殺に仕留めた。「先頭に四球で焦りましたけど、本当にゼロが救いというか。ほっとしています」。これで5試合連続無失点。「先頭の四球は反省しながら、また明日もあるのでしっかり投げられるようにしたい」と頼もしかった。


  8日の22回戦に先発する西勇輝投手はキャッチボールやショートダッシュで調整した。ここまで19試合に先発して6勝5敗、防御率1.84の右腕。東京ヤクルト戦での登板は今季3度目で、直近の 8月21日には(京セラ) 6回3失点で勝利を挙げている。


 談笑する西勇輝投手、片山大樹ブルペン捕手、岡田彰布監督=明治神宮野球場
 チームは4連勝で首位巨人まで2.5ゲーム差( 6日まで)と猛追中。「(順位は)意識したくなくても目に見えて分かること。分かった中で一人一人がどこまで自分の力を発揮できるかという心理状況に持っていけるかが一番大事。 9月は入りからいいリズムで、いい流れでいけてると思う。森下が言っていましたけど( 6日のヒーローインタビュー)、連覇できるんじゃないかと。そういう雰囲気は結構感じてきているので、ほんとに楽しんでいくだけ」と意気込み、マウンドに上がる。

 


  3回裏、東京ヤクルト西川遥輝外野手の打球が足に当たった阪神先発のビーズリー投手=明治神宮野球場 (2024年 9月 6日撮影)
 前日 6日の東京ヤクルト戦(神宮)で右ふくらはぎ付近に打球を受けたジェレミー・ビーズリー投手が問題なしを強調した。
 一夜明けて東京から戻り、鳴尾浜で練習。患部に簡単なテーピングを巻いただけで「少し赤くなっているけど大丈夫。ノープロブレム!」と満面笑み。 3回にライナーが直撃し、治療を受けて続投。 5回 1失点で7勝目を挙げていた。今後にも影響はなさそうだ。

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  3回裏東京ヤクルト無死、 3ゴロとなった西川遥輝外野手の打球が足に当たったビーズリー投手=明治神宮野球場 (2024年 9月 6日撮影)
 ジェレミー・ビーズリー投手が、ど根性で白星をつかみ取った。 1点リードの 3回だ。西川の鋭い打球が右足のふくらはぎ付近を直撃。その場でうずくまり、ベンチで治療を受けた。ブルペン陣は緊急で準備を開始。周囲が心配するなか、駆け足でマウンドに戻ってきた。
 「その時はアドレナリンがしっかり出てたから。どうにか耐えられたよ」
 数球の投球練習を終えると、力強くOKサイン。足にテーピングを巻きながら再び投球を再開した。


  3回裏東京ヤクルト無死、西川遥輝外野手の打球を右足に受け、痛そうな表情を見せるビーズリー投手=明治神宮野球場 (2024年 9月 6日撮影)
 アクシデント直後の 3回は二死 1塁を招いたが、4番村上を空振り三振で無失点。痛みはあるようで、何度も顔をしかめたが、鬼の形相で奮闘。 4回は3者凡退で流れをつくった。 5回82球を投げ切り3安打1失点で役割を果たした。踏ん張りに打線も奮起し、 6回までに9得点と大量援護。今季7勝目をつかみ取った。
 試合後、患部については「大丈夫だよ」と問題なしを強調。岡田監督も「大丈夫。次回は抹消せえへんし」と明かした。タフネス右腕の力投が、大勝を呼び込んだ。

 

※ 9月 8日の予告先発は、東京ヤクルト・高梨裕稔投手(33)―阪神・西勇輝投手(33)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦最終順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(08月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(09月)

 

 

 

 

 

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