● 5回終了後、阪神甲子園球場100周年記念事業のアンバサダーアーティストを務めるベリーグッドマンによるスペシャルライブが開催された。グラウンドでは「ハイライト」、甲子園100周年を記念した応援ソング「CLASSIC」の 2曲を披露。どちらも中野拓夢内野手(28)が打席登場曲としており、虎党にとってもなじみのあるメロディーで盛り上げた。阪神甲子園球場100周年記念事業のアンバサダーも務める同ユニット。結成10周年の23年11月には、同球場でのワンマンライブも開催していた。
●阪神は打線が奮起し、逃げ切った。 1回に満塁から押し出し四球、木浪聖也内野手(30=亜細亜大學OB)の 2点打などで一挙4得点。 1点差に迫られた 6回は中野、佐藤輝明内野手(25)に適時打が飛び出して再び4得点。4試合連続の2桁14安打で9得点と打ち勝った。先発の及川雅貴投手(23)は 5回4安打2失点で今季初勝利をマーク。先発としての白星は高卒 5年目で初だった。リリーフ陣は失点を喫しながらも、石井大智投手(27)、桐敷拓馬投手(25)と勝ちパターンの投手が要所を締めて、逆転は許さず。採取 9回はハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)が締め11セーブ目をあげた。阪神は6連勝で貯金6。首位巨人との大事な3連戦の勝ち越しを決め、ゲーム差は1.5に迫った。 7月は14勝8敗で終了。 8月 1日に開場100周年を迎える甲子園球場で虎が勢いに乗ってきた。「6番・左翼」で先発した野口恭佑外野手(24)が押し出し四球をもぎ取った。 1回先頭の近本光司外野手(29)がフォスター・グリフィン投手(28)の 146キロを左前に運ぶと、中野が犠打で一死 2塁。森下翔太外野手(23)が 3遊間をしぶとく破り、 1、 3塁と好機を広げた。しかし、佐藤輝が空振り三振で二死。大山悠輔内野手(29)は四球で満塁とした。野口が打席へ。フルカウントから 6球目、内角低め 148キロを見極め、押し出し四球で先制した。虎の猛攻は終わらない。なおも満塁で打席には木浪。試合前の時点で、今季満塁での打率0.500(6打数3安打)、4打点を誇る満塁男は、 146キロ直球を捉えた。中前に運ぶ 2点打で 3- 0。さらに坂本誠志郎捕手(30)が四球でつなぎ、再び満塁から先発の及川が左前に運んで4点目。制球に苦しむグリフィンを猛虎打線が初回から攻略した。
●野口が〝なにくそ根性〟を封印し、貴重な先制点をもたらした。 1回二死 1、 3塁で大山がストレートの四球で歩かされた直後、満塁でグリフィンから押し出し四球をもぎとった。 6回には中前適時打で1安打2打点の活躍。気合を入れた。野口恭佑外野手が強肩を見せつけた。 2回一死から泉口友汰内野手(25=NTT西日本)が 3塁線を破るヒット。完全な 2塁打コースだったが、左翼の野口は素早くライン際に回り込み、間髪入れずに 2塁に矢のような送球。やや中途半端なバウンドになったが中野拓夢内野手が冷静につかみ、余裕をもってアウトにした。ネットでは左翼守備に定評があるシェルドン・ノイジー外野手(29)と重ねる反応もあった。
●木浪聖也内野手が一気に波に乗せた。初回、押し出し四球で 1点先制した直後、中前にライナーで打ち返して 2点を加えた。木浪が「満塁男」ぶりを発揮し、試合の主導権を握った。野口の押し出し四球で先制した直後、 1- 0の 1回二死満塁でグリフィンの直球を中前へ弾き返す2点打で大観衆をわかせた。満塁で通算打率0.367(49打数18安打)という勝負強さでG倒に大貢献した。
●阪神が大きな追加点をあげた。 4- 3と 1点差に迫られて迎えた 6回。先頭の坂本が中前打を放つと、代打・糸原健斗内野手(31)が右前打でつないで無死 1、 2塁の好機を作った。場内から大声援が送られる中、1番・近本は痛恨の見逃し三振。選手会長の中野が打席に立った。 2球目、泉圭輔投手(27)の 139キロツーシームを引っ張ると、打球は 1塁線を抜け、外野を転々。適時2塁打に中野は大きく右手を突き上げた。なおも二死 2、 3塁から今度は佐藤輝が 149キロ直球を詰まりながらも右前へ。再び4点差とする一打で阪神は4試合連続の2桁10安打に到達。勝負の後半戦、猛虎打線が活発だ。大切な曲に後押しされて、打てる確信を持って打席に立てた。この日は甲子園100周年記念のイベントで3人組ボーカルグループ、ベリーグッドマンが来場。 5回終了後に中野が登場曲にする「ハイライト」「CLASSIC」の 2曲を披露した。ルーキーイヤーから登場曲にするアーティストの登場をベンチから見届け、中野の心は奮い立った。特別な演出に力をもらって、中野が優勝争いの中でさらにチームを勢いづける。
●100周年を迎える甲子園で最高の前夜祭だ。阪神が14安打9得点の猛攻で6連勝。両軍合わせて23安打と打ち合いの伝統の一戦は4番佐藤輝明内野手が 6回に 2点打を放ち試合を決定づけた。今季12球団最多となる 4万7011人の観客も狂喜乱舞。首位巨人とは1.5差に迫った。今日 1日は甲子園100周年のメモリアルゲーム。G3連倒でスペシャルな試合を飾る。 1塁ベース上ではバサバサと手を揺らした。まるで翼のように。実はこれ、チーム内でも徐々に定着しつつあるポーズだ。前半戦終盤あたりから、佐藤輝を中心に取り入れ始めたもの。当初はベンチの仲間も無反応の時もあったが、今では前川らを中心に呼応する。前川の右眉が、絶妙な湾曲を描いているという。カモメのシルエットでよく見る形にそっくりだとか。仲間からイジられることがしばしばあり、そこからヒントをもらったというわけだ。海上で飛び回るカモメは、自由や希望、幸運を象徴する鳥と言われる。後半戦は5戦全勝。幸運のポーズとともにある進撃だ。大きく翼を広げる4番に導かれるように、チームは4試合連続2桁安打の猛打。後半戦打率4割5分5厘、5打点の男が中心にいる。この日は近大の先輩糸井嘉男氏の43歳の誕生日。祝福のコメントも忘れなかった。長期ロード前最後のゲーム。幼少期から何度も甲子園のスタンドで野球を見続けてきた背番号8が、グラウンドで羽ばたく。
●森下翔太外野手が気持ちを前面に押し出すプレーで甲子園をわかせた。 7回二死 2、 3塁の好機で迎えた第 5打席。巨人・平内龍太投手(25=亜細亜大學OB)の投じた初球は森下の頭部付近へ。寸前で避けた森下だったが、怒りの表情で平内をにらみつけた。続く 2球目も内角へ厳しいボール。どよめく甲子園。それでも心は熱く、頭は冷静だった。 4球目、 146キロ変化球に食らいつくと、打球は 3遊間深くへ。全速力で駆け抜ける。内野安打をもぎ取ると、セーフの判定に雄たけびをあげた。 1点を追加して 9- 4と大量リード。森下の熱い気持ちが勝利をグッと手繰り寄せた。岡田監督は一連の投球にあきれ顔だった。
●阪神の先発・及川雅貴投手は 5回4安打2失点でマウンドを降りた。打線の援護をもらいながら快投を続けていたが、 5回のピンチで自身の暴投もあって 2失点したことを反省。それでも先発初勝利の権利を持ってベンチからナインに声援を送った。及川雅貴投手が待望のプロ初安打だ。 3- 0で迎えた 1回二死満塁で打席へ。グリフィンの 148キロ直球にバットを合わせた。打球は左翼線へ落ちる適時打。高卒 5年目のシーズン。通算5打席目で放った野手顔負けの技ありヒットだった。 3回には内野安打も放ち、2安打1打点。高校野球さながら、投打での躍動だ。高校時代は 3年間で3度甲子園に出場。しかし、 3年春の明豊戦では 3回途中 5失点で敗戦するなど、納得のいく投球は出来ず。いま最初に浮かぶ「甲子園の思い出」はすでに塗り替えられた。悔しい思いもたくさんしてきたマウンド。入団前に語った悔しさは、自らの力投で払拭してきた。勝利記念球は両親に送る予定。岡田監督は今後に期待を込めた。涙も汗も流した聖地で、またひとつ節目の白星を挙げた。
●石井大智投手がわずか 1球でホールドを記録した。石井が 1球でピンチをしのいだ。 8― 3の 7回に登板した漆原大晟投手(27)が吉川尚輝内野手(29)に適時打を浴び、さらに二死 1、 2塁のピンチを招いたところでマウンドへ。4番の岡本和真内野手(28)に 152キロ直球を投じ、右飛に仕留めた。これが 7月14試合目の登板。連投の中でも役割を果たした右腕は力強く宣言して球場を後にした。
●桐敷が嫌な流れを断った。 9― 4の 8回、富田蓮投手(22)が 1点を失ってなお一死 2、 3塁とされたところで登板。門脇誠内野手(23)の 1ゴロの間に 1点は許したが、丸佳浩外野手(35)を中飛に打ち取りリードを保った。 7月は全13登板で無失点と貢献。これがリーグ単独トップとなる45試合目の登板で負担は大きいが力を込めた。
●中盤以降に点の取り合いとなった一戦も、ゲラはきっちりと試合を締めた。代打・坂本勇人内野手(35)、岡本和を三振に仕留めるなど3人斬り。ガッツポーズを決めて今季11セーブを挙げ、これで13試合連続無失点と調子も右肩上がりだ。
●阪神甲子園球場は 8月 1日で開場100周年を迎える。当日はイベントがめじろ押しだ。
 午後 5時30分から記念式典を予定。俳優渡辺謙氏(64)が式典のナビゲート役を務める。吉田義男氏(91=日刊スポーツ客員評論家)、堀内恒夫氏(76)が始球式を務め、 5回裏終了時にはアーティストのAI(42)によるパフォーマンスも行われる。
●プロ野球が2024年シーズンの補強期限を迎えた31日、阪神・嶌村聡球団本部長(56)が甲子園球場で取材に応じた。1軍の試合に出場できる支配下選手は68人となっており、上限の70人まで枠を残す形となったが説明した。 7月20日には育成枠だった髙橋遥人投手(28=亜細亜大學OB)、佐藤蓮投手(26)、川原陸投手(23)の 3投手と支配下選手契約を結んだが、他球団とのトレードや新戦力の獲得はなかった。アンソニー・マルティネス投手(24)、ホセ・ベタンセス投手(24)の両育成助っ人については「もう少し見ながら」とした。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 9- 6巨人>◇17回戦◇阪神 8勝 8敗 1分◇31日◇阪神甲子園球場
  5回終了後、阪神甲子園球場100周年記念事業のアンバサダーアーティストを務めるベリーグッドマンによるスペシャルライブが開催された。


 スペシャルライブを行うベリーグッドマン=阪神甲子園球場
 グラウンドでは「ハイライト」、甲子園100周年を記念した応援ソング「CLASSIC」の 2曲を披露。どちらも中野が打席登場曲としており、虎党にとってもなじみのあるメロディーで盛り上げた。Roverは「うれしかった。今日は子供たちが多く来ている。(甲子園は)子供たちの夢の場所なので、夢を追いかけるきっかけになってくれたらな、と思って歌いました」と振り返った。

  5回裏を終え甲子園球場ではベリーグッドマンのライブが行われた=阪神甲子園球場

  3人組音楽グループのベリーグッドマンが、 5回裏終了後にスペシャルライブを開催した。外野の芝生上に登場した 3人は代表曲「ハイライト」や、同記念事業の応援ソングである「CLASSIC」を歌唱。いずれも阪神中野拓夢内野手が打席登場時に使用している楽曲を披露した。

  5回裏終了後、スペシャルライブで球場を盛り上げるベリーグッドマン=阪神甲子園球場
 阪神甲子園球場100周年記念事業のアンバサダーも務める同ユニット。結成10周年の23年11月には、同球場でのワンマンライブも開催していた。

  5回裏終了後、スペシャルライブで球場を盛り上げるベリーグッドマン=阪神甲子園球場
 メンバーのRoverは「うれしかったです。僕たちの時のライブよりも、さらに多い方々が集まってくださってますし。今日は子どもたちが多く来ているなと中継見てて思った。子どもたちの夢の場所なので、夢を追いかけるきっかけになってくれたらなと思って歌いました」と振り返った。

 

 阪神は打線が奮起し、逃げ切った。 1回に満塁から押し出し四球、木浪の 2点打などで一挙4得点。 1点差に迫られた 6回は中野、佐藤輝に適時打が飛び出して再び4得点。4試合連続の2桁14安打で9得点と打ち勝った。
 先発の及川は 5回4安打2失点で今季初勝利をマーク。先発としての白星は高卒 5年目で初だった。リリーフ陣は失点を喫しながらも、石井、桐敷と勝ちパターンの投手が要所を締めて、逆転は許さず。採取 9回はゲラが締め11セーブ目をあげた。
 阪神は6連勝で貯金6。首位巨人との大事な3連戦の勝ち越しを決め、ゲーム差は1.5に迫った。 7月は14勝8敗で終了。 8月 1日に開場100周年を迎える甲子園球場で虎が勢いに乗ってきた。


 阪神先発・及川雅貴投手=阪神甲子園球場
 阪神が先制。「6番・左翼」で先発した野口恭佑外野手が押し出し四球をもぎ取った。 1回先頭の近本がグリフィンの 146キロを左前に運ぶと、中野が犠打で一死 2塁。森下が 3遊間をしぶとく破り、 1、 3塁と好機を広げた。しかし、佐藤輝が空振り三振で二死。大山は四球で満塁とした。野口が打席へ。フルカウントから 6球目、内角低め 148キロを見極め、押し出し四球で先制した。
 虎の猛攻は終わらない。なおも満塁で打席には木浪。試合前の時点で、今季満塁での打率0.500(6打数3安打)、4打点を誇る満塁男は、 146キロ直球を捉えた。中前に運ぶ 2点打で 3- 0。「打ったのはストレート。野口がつないでくれましたし、満塁でランナーが残っていたので、なんとか 1点でも多く取ろういう気持ちでした。初回から良い流れを作ることができてよかったです」とコメント。
 さらに坂本が四球でつなぎ、再び満塁から先発の及川が左前に運んで4点目。制球に苦しむグリフィンを猛虎打線が初回から攻略した。


  1回、押し出しの四球で出塁する野口恭佑外野手=阪神甲子園球場
 さぁ「8.1」や! 阪神は 9- 6で首位巨人に 2戦続けて快勝。今季 2度目の6連勝で、1.5ゲーム差に迫った。甲子園開場100周年となる 8月 1日を前に、打線の状態は今季初4試合連続2桁安打と最高潮。追い上げられても、絶好調の佐藤輝明内野手(25)の適時打などで 6回に4点を奪い突き放した。貯金6とし、 7月は14勝8敗でフィニッシュ。ベリーグッドな形で記念日を迎える!
 響かせた大歓声が甲子園99歳ラストデーを飾った。飛びついた 2塁手・吉川の頭上を越え、白球が右前で弾む。追いすがる宿敵に引導を渡す一打。佐藤輝が超人から引き継いだ自慢のパワーで聖地100周年を前祝いだ。
 「ヒットになったのでよかったです。捕られなくて、よかった」


  6回、2点打を放った佐藤輝明内野手。グングンと調子を上げ、勝利を決定づける一打を放った=阪神甲子園球場
  1点差に迫られた 6回。同期・中野の適時打で再びリードを広げた。なおも二死 2、 3塁の好機。泉の 149キロツーシームを引っ張り、詰まったがパワーでもうひと押しして右前 2点打として巨人を突き放した。アルプス席が特別拡張され、今季最多を更新する 4万7011人の観衆が詰めかけた 7月最後の一戦で、虎の4番がマンモススタジアムを揺らした。
  2回にも右前打を放って9試合連続&3試合連続の複数安打。絶好調の主砲に導かれ、猛虎打線は4試合連続の2桁14安打9得点で巨人に打ち勝った。前半戦の貧打がウソだったかのように打ちまくる打線に、岡田監督も「凡退しても後ろのバッターがカバーする。いい流れになっている」とうなずいた。

 


 スコアボードに表示された野口恭佑外野手の夢を叶えるために大切なこと=阪神甲子園球場
 野口が〝なにくそ根性〟を封印し、貴重な先制点をもたらした。「前の大山さんが勝負を避けられた。なにくそ根性のような気持ちもあったなかで、冷静に四球をとれたのはよかった」。 1回二死 1、 3塁で大山がストレートの四球で歩かされた直後、満塁でグリフィンから押し出し四球をもぎとった。 6回には中前適時打で1安打2打点の活躍。「特別な試合に1軍で出ることは、(甲子園が次の)100歳のときはもうない。明日は何が何でも勝ちたい」と気合を入れた。

  2回表巨人一死、左前打で 2塁を狙った泉口友汰内野手を刺す野口恭佑外野手=阪神甲子園球場
 野口恭佑外野手が強肩を見せつけた。 2回一死から泉口友汰内野手が 3塁線を破るヒット。
 完全な 2塁打コースだったが、左翼の野口は素早くライン際に回り込み、間髪入れずに 2塁に矢のような送球。やや中途半端なバウンドになったが中野拓夢内野手が冷静につかみ、余裕をもってアウトにした。
 ネットでは「実は強肩」「ノイジーみたい」と、左翼守備に定評があるシェルドン・ノイジーと重ねる反応もあった。

 


  1回裏阪神二死満塁、木浪聖也内野手は中前に2点適時打を放った。投手はグリフィン投手=阪神甲子園球場
 木浪が「満塁男」ぶりを発揮し、試合の主導権を握った。野口の押し出し四球で先制した直後、 1- 0の 1回二死満塁でグリフィンの直球を中前へ弾き返す2点打で大観衆をわかせた。「点数を欲しい場面だった。なんとか 1点でも多く取ろうと、つなぐイメージでいきました」とうなずいた。満塁で通算打率0.367(49打数18安打)という勝負強さでG倒に大貢献した。

  1回、2点適時打を放った、木浪聖也内野手=阪神甲子園球場
 木浪聖也内野手が一気に波に乗せた。初回、押し出し四球で 1点先制した直後、中前にライナーで打ち返して 2点を加えた。
 高め直球を力強くたたき、 5月19日以来の複数打点。「野口がつないでくれたし、満塁で走者が残っていたので、なんとか 1点でも多く取ろういう気持ちでした。初回からいい流れを作ることができてよかった」と笑った。

 


  6回裏阪神一死 1、 2塁、中野拓夢内野手は適時2塁打を放った=阪神甲子園球場
 阪神が大きな追加点をあげた。 4- 3と 1点差に迫られて迎えた 6回。先頭の坂本が中前打を放つと、代打・糸原が右前打でつないで無死 1、 2塁の好機を作った。場内から大声援が送られる中、1番・近本は痛恨の見逃し三振。選手会長の中野が打席に立った。 2球目、泉の 139キロツーシームを引っ張ると、打球は 1塁線を抜け、外野を転々。適時2塁打に中野は大きく右手を突き上げた。なおも二死 2、 3塁から今度は佐藤輝が 149キロ直球を詰まりながらも右前へ。再び4点差とする一打で阪神は4試合連続の2桁10安打に到達。勝負の後半戦、猛虎打線が活発だ。


  6回、適時2塁打を放った中野拓夢内野手。1点差に迫られていた中で貴重な一打となった=阪神甲子園球場
 100周年の特別な雰囲気に中野拓夢内野手が乗った。ずっと支えてくれた曲が、目の前で見届けた生の歌唱が後押しになった。強い気持ちで捉えた打球がライン際を抜いて右翼へ転がる。再び巨人を突き放す〝ベリーグッド〟な一打で、6連勝に貢献した。
 「及川に余裕もって見てもらえるように、点数がほしいと思っていた。 5回終わった後にベリーグッドマンさんが歌ってくださったので、何とか打ちたいと気合を入れていきました」


  6回裏阪神一死 1、 2塁、中野拓夢内野手は右翼線適時2塁打を放った=阪神甲子園球場
 巨人に 1点差に迫られた 6回。無死 1、 2塁で近本が三振に倒れた直後だった。泉が 2球目に投じたツーシームを思い切り引っ張った。リードを 2点に広げる一打で、この回の4得点を呼び込んだ。「きょうはチャンスがきたら積極的にいこうと決めていた。しっかり一発で仕留められたかな」と手応えをにじませた。
 大切な曲に後押しされて、打てる確信を持って打席に立てた。この日は甲子園100周年記念のイベントで3人組ボーカルグループ、ベリーグッドマンが来場。 5回終了後に中野が登場曲にする「ハイライト」「CLASSIC」の 2曲を披露した。ルーキーイヤーから登場曲にするアーティストの登場をベンチから見届け、中野の心は奮い立った。


  6回裏阪神二死 2、 3塁、佐藤輝明内野手の右前適時打で生還した中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 「歌っていただいた後の打席は打てるかなっていう、そんな勝手な思い込みがあった。チャンスで回ってきたので、その打席はすごく打ちたい気持ちだった」
 長く親交があり、今回の歌唱もメンバーから直接聞いていたという中野にとっては、最高のモチベーションの中で放った一打になった。この 1本で4試合連続安打とし、5試合ぶりの打点も記録。勢い止まらず6連勝を達成したチームの選手会長として、100周年当日の勝利を誓った。
 「本当に一戦も落とせないような試合が続きますし、首位巨人を迎えての戦い。絶対に3連勝したい。いい流れできていると思いますし、明日の試合も勝てるように頑張ります」
 特別な演出に力をもらって、中野が優勝争いの中でさらにチームを勢いづける。

 


  6回裏阪神二死 2、 3塁、佐藤輝明内野手は右前適時打を放った。投手は泉圭輔投手=阪神甲子園球場
 100周年を迎える甲子園で最高の前夜祭だ。阪神が14安打9得点の猛攻で6連勝。両軍合わせて23安打と打ち合いの伝統の一戦は4番佐藤輝明内野手が 6回に 2点打を放ち試合を決定づけた。今季12球団最多となる 4万7011人の観客も狂喜乱舞。首位巨人とは1.5差に迫った。今日 1日は甲子園100周年のメモリアルゲーム。G3連倒でスペシャルな試合を飾る。
            ◇   ◇   ◇
 100歳目前の甲子園に前祝いをささぐ。佐藤輝に快打が出た。 2点リードの 6回二死 2、 3塁。泉から右前2点適時打を決めた。最終的には 9- 6の乱打戦。緩めることなく重ねた得点が最後に利いた。11年ぶりに 4万7000人を突破する 4万7011人の大観衆を沸かせ「ヒットになってよかったです」とうなずいた。


  6回裏阪神二死 2、 3塁、佐藤輝明内野手は右前2点適時打を放った=阪神甲子園球場
  1塁ベース上ではバサバサと手を揺らした。まるで翼のように。実はこれ、チーム内でも徐々に定着しつつあるポーズだ。前半戦終盤あたりから、佐藤輝を中心に取り入れ始めたもの。当初はベンチの仲間も無反応の時もあったが、今では前川らを中心に呼応する。佐藤輝は「意味ですか? カモメっす。右京(前川)の眉毛に着想を得て」と笑いながら明かす。
 前川の右眉が、絶妙な湾曲を描いているという。カモメのシルエットでよく見る形にそっくりだとか。仲間からイジられることがしばしばあり、そこからヒントをもらったというわけだ。「カモメポーズでいいんじゃないですか」と命名。海上で飛び回るカモメは、自由や希望、幸運を象徴する鳥と言われる。後半戦は5戦全勝。幸運のポーズとともにある進撃だ。
 大きく翼を広げる4番に導かれるように、チームは4試合連続2桁安打の猛打。後半戦打率4割5分5厘、5打点の男が中心にいる。「 8月、 9月、もっと大事になってくるのでしっかり頑張ります」。この日は近大の先輩糸井嘉男氏の43歳の誕生日。「おめでとうございます」と祝福のコメントも忘れなかった。


  6回裏阪神二死 2、 3塁、佐藤輝明内野手は右前2点適時打を放ちベンチに向かってポーズを決める=阪神甲子園球場
 今季 2度目の6連勝で首位巨人とは 7月16日以来の1.5ゲーム差。巨人に10カードぶりの負け越しをつけてみせた。さあ、 8月 1日は甲子園開場100周年。メモリアルゲームで地元西宮市出身の「宮っ子」が暴れる予感は十分だ。岡田監督も「明日ね、記念日ですからね。いい形で勝利したい」と誓う。長期ロード前最後のゲーム。幼少期から何度も甲子園のスタンドで野球を見続けてきた背番号8が、グラウンドで羽ばたく。
▼ハビー・ゲラ投手 (最速 159キロで打ち合いの 9回を完璧に締め11セーブ目)
 「たくさん点が入る試合だったけど、ブルペン陣はいい仕事ができたと思う」
▼糸原健斗内野手 ( 6回に代打で右前打。 7月 2日以来13打席ぶりのHランプも苦笑いで)
 「何もないですよ」


  6回裏阪神二死 2、 3塁、佐藤輝明内野手は右前適時打を放った=阪神甲子園球場
<データ>
・阪神が6連勝。今季最長の 4月14日中日戦から同24日横浜DeNA戦にかけての7連勝( 2分けはさむ)以来、今季2度目。
・阪神が 1回に打者一巡で4得点。 1回の4得点は 6月16日福岡ソフトバンク戦で前川の満塁本塁打での4得点に並んで今季最多タイで、 1回の打者一巡は今季初めての猛攻だった。
・巨人戦の 9得点は今季最多で、これまで最多だった 5得点を大きく上回った。
・今季チーム安打数2位タイの14安打。 7月27日中日戦から13→16→13→14安打と今季最長の4試合連続2桁安打となった。
・今季12球団最多となる 4万7011人の観衆が詰めかけた。 4万7000人以上は13年10月 5日巨人戦(甲子園)の 4万7046人以来、11年ぶり。

 


  7回、頭部付近のボールをよける森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 森下翔太外野手が気持ちを前面に押し出すプレーで甲子園をわかせた。 7回二死 2、 3塁の好機で迎えた第 5打席。巨人・平内の投じた初球は森下の頭部付近へ。寸前で避けた森下だったが、怒りの表情で平内をにらみつけた。続く 2球目も内角へ厳しいボール。どよめく甲子園。それでも心は熱く、頭は冷静だった。 4球目、 146キロ変化球に食らいつくと、打球は 3遊間深くへ。全速力で駆け抜ける。内野安打をもぎ取ると、セーフの判定に雄たけびをあげた。 1点を追加して 9- 4と大量リード。森下の熱い気持ちが勝利をグッと手繰り寄せた。

  7回、あわや死球のボールを避けた森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 森下が熱い気持ちのこもった一打で追加点を奪った。 8― 4の 7回二死 2、 3塁で平内の初球は頭部付近へ。寸前で避けた森下は怒りの表情で平内をにらみつけた。 2球目も内角への厳しいボールになったが、外角への 4球目に食らいつき、遊撃への内野安打で 1点を加えて雄たけびをあげた。試合後は「試合になったら結果が全て。勝ったことが一番だと思います」とつとめて冷静に振り返った。岡田監督は一連の投球に「情けないねえ。伝統の一戦にならんよ、はっきり言うて」とあきれ顔だった。

 


 阪神先発の及川雅貴投手=阪神甲子園球場
 阪神の先発・及川雅貴投手は 5回4安打2失点でマウンドを降りた。「初回から 4点取ってもらい、いいペースで投げられていただけに、本来 6回 7回と長いイニングを自分が投げていかないといけない試合でした。今日のピッチングでも自分の課題が見えたのでしっかり練習します」。打線の援護をもらいながら快投を続けていたが、 5回のピンチで自身の暴投もあって 2失点したことを反省。それでも先発初勝利の権利を持ってベンチからナインに声援を送った。


  5回2失点の及川雅貴投手=阪神甲子園球場
 阪神の先発・及川雅貴投手が待望のプロ初安打だ。 3- 0で迎えた 1回二死満塁で打席へ。グリフィンの 148キロ直球にバットを合わせた。打球は左翼線へ落ちる適時打。高卒 5年目のシーズン。通算5打席目で放った野手顔負けの技ありヒットだった。

  1回、適時打を放った及川雅貴投手=阪神甲子園球場

 自身通算4度目の先発マウンドに上がった及川雅貴投手が投打の活躍で、先発初勝利を挙げた。甲子園球場100周年のメモリアルシリーズ第2戦。 5回に自身の暴投などで 2失点したが、 4回までは 3塁すら踏ませなかった。「100周年の前日で、ある意味節目の日でもあった。チームも勢いに乗ってますし、連勝で来ていた。流れを崩さずによかった」。 5回4安打2失点。今季初先発で敗戦した巨人相手に、リベンジを果たした。

 力投した阪神先発の及川雅貴投手=阪神甲子園球場
 バットでも湧かせた。初回二死満塁。「三振だけはしないように」とグリフィンの 148キロ速球を左前に運んだ。これがプロ初安打で初適時打となった。 3回には内野安打も放ち、2安打1打点。高校野球さながら、投打での躍動だ。
 横浜高 2年時も夏の甲子園100回大会に出場した経験があり、登板前から「縁があるなと思います」と語っていた。高校時代は 3年間で3度甲子園に出場。しかし、 3年春の明豊戦では 3回途中 5失点で敗戦するなど、納得のいく投球は出来ず。阪神入団直前の仮契約では「悔しい思いは晴らしていかないといけない」とも宣言していた。


 ヒーローインタビュー後、笑顔で記念撮影する、野口恭佑外野手、及川雅貴投手、中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 それでも、いま最初に浮かぶ「甲子園の思い出」はすでに塗り替えられた。
「1番はリーグ優勝。やっぱり巡り合わせで、すごい確率なので。18年ぶりの優勝で、自分がプロ 5年目で在籍していて。そこに甲子園でとなればなかなか経験できることじゃない」
 悔しい思いもたくさんしてきたマウンド。だが今では「悪いイメージはないかもしれない」とも語る。入団前に語った悔しさは、自らの力投で払拭してきた。
 勝利記念球は両親に送る予定。岡田監督は「自信にはなると思いますけどね」と今後に期待を込めた。涙も汗も流した聖地で、またひとつ節目の白星を挙げた。

 


  7回途中から登板した石井大智投手=阪神甲子園球場
 石井が 1球でピンチをしのいだ。 8― 3の 7回に登板した漆原が吉川に適時打を浴び、さらに二死 1、 2塁のピンチを招いたところでマウンドへ。4番の岡本に 152キロ直球を投じ、右飛に仕留めた。これが 7月14試合目の登板。連投の中でも役割を果たした右腕は「任されたところを投げるだけなので。野手に感謝しながら、またチーム一丸となって、明日も勝ちます」と力強く宣言して球場を後にした。

  7回、ワンポイントリリーフで岡本和真内野手を抑えた、石井大智投手=阪神甲子園球場
 石井大智投手がわずか 1球でホールドを記録した。
  7回、漆原大晟投手が 1点奪われ、なお二死 1、 2塁でマウンドへ。岡本和真内野手に初球、 152キロを投げ込み、右飛に打ち取った。
  4点差あったが走者 2人を背負っており、ホールドの条件を満たしていた。
 「気持ち的にはホームラン打たれても 1点差なので、どんどん思い切っていくという感じでした。本当に野手が打ってくれた。野手に感謝しながら明日もチーム一丸となって勝ちます」と、力強かった。



  8回、投球する桐敷拓馬投手=阪神甲子園球場
 桐敷が嫌な流れを断った。 9― 4の 8回、富田が 1点を失ってなお一死 2、 3塁とされたところで登板。門脇の 1ゴロの間に 1点は許したが、丸を中飛に打ち取りリードを保った。「どちらも点を取る展開で自分も 1点取られましたけど、その後は抑えて流れを断ち切れた」。 7月は全13登板で無失点と貢献。これがリーグ単独トップとなる45試合目の登板で負担は大きいが「一戦一戦準備していくだけ」と力を込めた。

 


 試合に勝利し雄たけびをあげる阪神のハビー・ゲラ投手=阪神甲子園球場
 中盤以降に点の取り合いとなった一戦も、ゲラはきっちりと試合を締めた。「点数以上にブルペン陣は粘っていい仕事できたと思う。自分もゼロで抑えられたから、粘って勝ててよかった」。代打・坂本、岡本和を三振に仕留めるなど3人斬り。ガッツポーズを決めて今季11セーブを挙げ、これで13試合連続無失点と調子も右肩上がりだ。

 


 阪神甲子園球場
 阪神甲子園球場は 8月 1日で開場100周年を迎える。当日はイベントがめじろ押しだ。
 午後 5時30分から記念式典を予定。俳優渡辺謙氏が式典のナビゲート役を務める。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)、堀内恒夫氏が始球式を務め、 5回裏終了時にはアーティストのAI(42)によるパフォーマンスも行われる。

 


 阪神は2枠を残して補強を終え、 8月以降の戦いへ踏み出す
 プロ野球が2024年シーズンの補強期限を迎えた31日、阪神・嶌村聡球団本部長が甲子園球場で取材に応じた。1軍の試合に出場できる支配下選手は68人となっており、上限の70人まで枠を残す形となったが「70(を)埋めるのが全てではない。( 8月以降を)68人で戦うということです」と説明した。


 髙橋遥人投手 (2024年 7月20日撮影)
  7月20日には育成枠だった髙橋、佐藤蓮、川原の 3投手と支配下選手契約を結んだが、他球団とのトレードや新戦力の獲得はなかった。
 球団初となるドミニカ共和国でのトライアウトで今春獲得した育成枠のマルティネス、ベタンセス両投手の今後については「現時点でどうなるかちょっと言えないです。 4月からの成長途上というところを今、見ているところ」と語るにとどめた。


 佐藤蓮投手、川原陸投手
 阪神は支配下選手68人でシーズンを戦い抜く。 7月31日で新規選手契約可能期間、トレード可能期間が終了した。同20日に髙橋遥人投手、佐藤蓮投手、川原陸投手の育成3選手と支配下契約を締結。投手34、野手34の68人は、上限より2枠少ない。嶌村聡球団本部長は「70人埋めるのが全てではない」と説明。アンソニー・マルティネス投手、ホセ・ベタンセス投手の両育成助っ人については「もう少し見ながら」とした。シーズン中のトレードは 3年続けて行わず、シーズン開幕後の助っ人補強は 3年ぶりに行わなかった。

 

※ 8月 1日の予告先発は、阪神・ジェレミー・ビーズリー投手(28)―巨人・戸郷翔征投手(24)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦最終順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(07月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(08月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(09月)

 

 

 

 

 

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