●「ウル虎の夏2024」として開催され、試合前には元NMB48でシンガーソングライターの山本彩さん(31)が登場した。スペシャルライブを行いCMソングにもなっている「ひといきつきながら」を熱唱。大の阪神ファンとして知られる山本だが、今年は現地観戦した試合が全敗。虎ナインにエールを送った。この日は夏の恒例イベント「ウル虎の夏」の 2日目。限定の緑色のユニホームで選手は戦う。
●阪神は延長戦の末、広島に敗れて4連敗を喫した。好投の先発をまたも援護できなかった。及川雅貴投手(23)は今季2度目の先発マウンドで 6回3安打無失点。 1回二死 1、 3塁のピンチを切り抜け、 2回から 5回まで無安打投球と修正した。 6回の攻撃で代打を送られて降板。阪神は 0― 0の延長11一回に痛恨のミスから失点。先制を許した。最終盤でほころびが出た。6番手でマウンドに上がった富田蓮投手(22)が先頭の秋山翔吾外野手(36)に四球で出塁を許すと代走・大盛穂外野手(27)。続く矢野雅哉内野手(25)は投前の犠打。ボールを処理した富田の 1塁送球がそれ、大盛は 3塁を狙った。転々とするボールを拾った 2塁・中野拓夢内野手(27)が 3塁への送球をするも再びボールがそれた。バックアップの植田海外野手(28)がボールを処理し、 3塁を回りかけた大盛に 3塁・佐藤輝明内野手(25)がタッチを試みたが、セーフの判定はリプレー検証でも覆らなかった。野間峻祥外野手(31)を敬遠して無死満塁とし、4番・小園海斗内野手(24)と対戦。 2球で追い込んだのち、 3球目を中堅へ運ばれて犠飛で先制点を奪われた。 0- 0の延長11回。無死 1塁から富田蓮投手がバント処理したが、 1塁送球が浮いて打者走者を生かしてしまった(記録は犠打失策)。ボールがこぼれている間に 1塁走者・大盛穂が 3塁へ。こぼれたボールを拾った 2塁手の中野拓夢内野手があわてて 3塁に投げたが間に合わず。さらに送球が中途半端なバウンドになり、 3塁手の佐藤輝明が後ろにそらした。それを見た大盛は本塁に向かって走り出したが、左翼の植田海がファウルグラウンドに走ってカバーに入っていた。植田は素早く 3塁に送り、タイミング的には微妙だったがあえなくセーフ。岡田彰布監督(66)がリクエストしたが、判定は変わらなかった。無死 2、 3塁とピンチが大きく広がり、その後勝ち越しを許した。2戦続けて 0― 1で敗戦。前半戦1試合を残して貯金が0となった。広島の先発、大瀬良大地投手(33)も快投。阪神打線は 4回まで 1人の走者を出すこともできず、完璧に抑え込まれた。 5回一死から大山悠輔内野手(29)がチーム初安打となる左前打を放ち、前川右京外野手(21)も右前打で続いたが、梅野隆太郎捕手(33)が 3ゴロ併殺。好機を生かせず。 7回にも先頭の佐藤輝が左前打を放ったが、後続が続けなかった。先発及川の後を受けた石井大智投手(26)、桐敷拓馬投手(25)、岩崎優投手(33)、ハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)と盤石のリリーフ陣がつないでいったが、勝利にはあと 1歩届かなかった。
●今季 2度目の先発マウンドに立った及川雅貴投手は 6回3安打無失点でマウンドを降りた。 1回二死から連打で 1、 3塁のピンチを背負うも、上本崇司内野手(33=実兄は元阪神タイガースの上本博紀)を空振り三振に斬って無失点の立ち上がり。初回こそボールが浮いていた左腕だが、 2回以降はしっかりと修正した。 2回から 5回まで無安打投球。 6回二死から野間に安打と盗塁で得点圏へと進まれたが、4番・小園を 2ゴロに仕留めて試合をまとめた。 6回の攻撃で代打を送られて降板。ただ、味方の援護なく先発としての初星はおあずけとなった。投手戦から一転、阪神は延長11回に守備の乱れから失点し、 2夜連続で 0- 1で広島に敗れて4連敗。貯金が再びなくなり、前半戦を4位でターンすることが決まった。明るい希望は今季 2度目の先発登板だった及川雅貴投手。大瀬良と投げ合い、6回無失点と好投した。今季初先発だった 5月24日の巨人戦(甲子園)は 5回途中で緊急降板。つぶした左手中指のマメは、 4月の2軍戦でも負傷。再発防止に向けては秋山拓巳投手(33)、西勇輝投手(33)ら先輩にアドバイスを求め、火で炙って硬い部分を柔らかくするなど対策も施してきた。試合後も笑顔を作り、その視線は未来へ向けた。首脳陣は次回登板について明言しなかったが、23歳左腕は、後半戦の先発ローテーションに割って入ることができると証明した。先発としての初勝利はお預けとなったがやる気十分。敗戦の中で、明るい希望だ。
●富田蓮投手が痛恨ミスで敗戦を招いた。延長11回に登板したが先頭に四球。次のバント処理を 1塁に悪送球し、さらに失策が重なって無死 2、 3塁。満塁とされてから小園に決勝犠飛を許した。
●森下翔太外野手が審判も迷わす?大ファウルを放った。 4回二死から大瀬良大地投手の球を思い切りすくい上げた。飛球は左翼ポール際へ。走り出そうとした。上空は強い風が舞っていたとみられ、着弾点の予想が誰もつかなかった。森下も打った直後はファウルと思っていたが、一瞬、走り出そうとした。結局、ポール上部をかすめるように、わずかにファウルエリアの客席に落ちていった。 3塁塁審も少し迷ったように、しっかり確認してから手を広げた。
●梅野隆太郎捕手が捕手としての出場1000試合を達成した。 5回終了で試合が成立。球団史上初の生え抜き捕手1000試合出場達成したが、節目の試合を勝利で飾れず、笑顔はなかった。11年目の梅野は、 6月18日の北海道日本ハム戦で代打なども含めた通算1000試合出場を達成していた。チームは今季 2度目の4連敗で、貯金はゼロになった。21日は球宴前のラストゲーム。前を向いた。
●植田海外野手の隠れたファインプレーは実らなかった。延長11回無死 1塁から富田が 1塁に悪送球。中野の 3塁送球も悪送球となりファウルグラウンドに抜けたが、左翼に入っていた植田がきっちりボールの先にいた。オーバーランの走者を刺せるタイミングだったが佐藤輝が審判とぶつかり、植田の送球も遅れた。
●阪神は20日、育成選手だった髙橋遥人投手(28)、佐藤蓮投手(26)、川原陸投手(23)の 3人を支配下登録すると発表した。背番号は高橋が「29」、佐藤蓮が「98」、川原が「92」。阪神が同日に 3選手を一斉に支配下登録するのは、球団初。髙橋は17年ドラフト2位、佐藤蓮は20年ドラフト3位、川原は18年ドラフト5位で入団しており、全員が支配下復帰となった。少しのくもりもない鳴尾浜の晴天が、髙橋の節目を祝福した。何度も虎党を沸かせてきた背番号「29」を再び身に着け、支配下選手に復帰して1軍のマウンドを目指す。知らせは突然だった。ほかの選手と同様に練習を始め、グラウンドでキャッチボールやランニングをこなした。練習を終えた後に呼び出され、吉報が伝えられた。背番号は昨季まで背負った「29」を再びつけ、これからは 3年ぶりの1軍のマウンドを目指す。経過を見守ってきた和田豊2軍監督(61)も期待した。相手を制圧する投球を取り戻し、再び大観衆の前で投げる姿を思い描く。大きな感謝の思いを胸に、ここからはチームの戦力として貢献するべく腕を振る。2シーズンぶりの支配下復帰を果たした佐藤蓮投手は喜びを口にした。これまで課題だった制球も、技術面や精神面を鍛えて安定。自信を持ち、初の1軍登板へアピールを続けていく。川原陸投手は 3シーズンぶりの支配下復帰に気を引き締めた。度重なるけがにもめげずに練習に取り組み、背番号92で再出発。意気込んだ。
●野口恭佑外野手(24)が同級生の朗報に花を添えた。 6回一死から代打で登場。難敵・大瀬良大地からフルスイングで 3遊間を鋭く抜いた。試合前に創成館高校(長崎)の同級生、川原陸投手の支配下選手復帰を人づてに聞いた。気合を入れ直していた。
●阪神初代日本一監督・吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)が20日、兵庫・芦屋市内の医療・介護事業などを手がける「CCRC豊泉家 芦屋山手」主催の特別講演会に参加した。今年 7月26日に91歳を迎える同氏は持論を展開した上で、現役時代から監督として優勝を果たした当時のエピソードを披露した。得点力不足が響いているチームの現状についてゲキを飛ばした。講演会場は満席で熱気に包まれ、ドジャース大谷翔平投手、外野手(30)の話題などで盛り上がった。レジェンドはアレンパを熱望した。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 0― 1広島=延長11回>◇15回戦◇阪神 6勝 8敗 1分◇20日◇阪神甲子園球場
 「ウル虎の夏2024」として開催され、試合前にはシンガーソングライターの山本彩さんが登場した。
 スペシャルライブを行い「ひといきつきながら」を熱唱。「選手の皆さん、ファンの皆さんが(試合前で)ガッと熱くなると思うので、その前にリラックスできる曲がいいかなと思って選曲しました」と笑顔で振り返った。大の阪神ファンとして知られる山本だが、今年は現地観戦した試合が全敗。「勝利の女神になりたいですね。ホームで勝てたら一番うれしい。打ってほしいです」と虎ナインにエールを送った。


 甲子園球場で歌う山本彩さん=阪神甲子園球場
 元NMB48でシンガー・ソングライターの山本彩さんが、甲子園の試合前に登場し、CMソングにもなっている「ひといきつきながら」を熱唱した。甲子園での歌唱は昨季の日本シリーズで君が代を独唱して以来。外野の芝生で弾き語りを行い、虎党を盛り上げた。


 スペシャルライブを行ったシンガーソングライターの山本彩さん=阪神甲子園球場
 「風も含めてめちゃくちゃ気持ちよかったです。ホームのようなアウェーのような不思議な感覚はあったんですけど、席の近くにいくと、皆さん親近感を持ってくださって。『さや姉!』という声をかけてくださったので、安心感がありました」と振り返った。
 この日は夏の恒例イベント「ウル虎の夏」の 2日目。限定の緑色のユニホームで選手は戦う。

 


 11回表広島無死 1塁、富田蓮投手は矢野雅哉内野手の送りバントを 1塁へ悪送球した=阪神甲子園球場

 阪神は 0― 0の延長11一回に痛恨のミスから失点。先制を許した。
 最終盤でほころびが出た。6番手でマウンドに上がった富田が先頭の秋山に四球で出塁を許すと代走・大盛。続く矢野は投前の犠打。ボールを処理した富田の 1塁送球がそれ、大盛は 3塁を狙った。転々とするボールを拾った 2塁・中野が 3塁への送球をするも再びボールがそれた。バックアップの植田がボールを処理し、 3塁を回りかけた大盛に 3塁・佐藤輝がタッチを試みたが、セーフの判定はリプレー検証でも覆らなかった。
 野間を敬遠して無死満塁とし、4番・小園と対戦。 2球で追い込んだのち、 3球目を中堅へ運ばれて犠飛で先制点を奪われた。


 11回表広島無死 1塁、富田蓮投手は矢野雅哉内野手のバントを 1塁へ悪送球した=阪神甲子園球場

 阪神守備陣が勝負どころでドタバタの痛恨ミスを連発した。
  0- 0の延長11回。無死 1塁から富田蓮投手がバント処理したが、 1塁送球が浮いて打者走者を生かしてしまった(記録は犠打失策)。
 ボールがこぼれている間に 1塁走者・大盛穂が 3塁へ。
 こぼれたボールを拾った 2塁手の中野拓夢内野手があわてて 3塁に投げたが間に合わず。さらに送球が中途半端なバウンドになり、 3塁手の佐藤輝明が後ろにそらした。


 阪神は延長11回無死 1塁から守備に乱れ。送りバントの悪送球で 1走の大盛穂外野手に 3進を許した=阪神甲子園球場
 それを見た大盛は本塁に向かって走り出したが、左翼の植田海(28)がファウルグラウンドに走ってカバーに入っていた。
 植田は素早く 3塁に送り、タイミング的には微妙だったがあえなくセーフ。岡田彰布監督がリクエストしたが、判定は変わらなかった。
 無死二、三塁とピンチが大きく広がり、その後勝ち越しを許した。


 11回表広島無死 1塁、岡田彰布監督は大盛穂外野手の 3塁セーフ判定にリクエストする=阪神甲子園球場
 阪神は延長戦の末、広島に敗れて4連敗を喫した。好投の先発をまたも援護できなかった。及川雅貴投手は今季2度目の先発マウンドで 6回3安打無失点。 1回二死 1、 3塁のピンチを切り抜け、 2回から 5回まで無安打投球と修正した。 6回の攻撃で代打を送られて降板。ただ、味方が得点できず先発としての初星はお預けとなった。打線は 5回、 6回と 1、 2塁のチャンスを作るも凡退。今季18度目の延長戦に突入した。延長11回に富田が登板するも、四球と自身のバント処理ミスからノーヒットで無死満塁とピンチを広げ、小園に先制の中犠飛を許した。その裏の攻撃で得点できず、2戦続けて 0― 1で敗戦。前半戦1試合を残して貯金が0となった。


 11回表広島無死満塁、小園海斗内野手に犠飛を許し、ベンチで苦笑いする岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 阪神が延長戦の末に広島に敗れ、 5月26日~ 6月 1日に5連敗を喫して以来の4連敗となった。
 延長11回、この回から登板した富田蓮投手が先頭の秋山に四球を与えると、自身の犠打失策と中野の送球ミスで無死 2、 3塁とピンチを広げ、申告敬遠で無死満塁。最後は小園に決勝の中犠飛を浴び、接戦を落とした。
 阪神の先発マウンドは、今季 2度目となる及川雅貴投手だった。初回二死から野間、小園に連打を浴び、 1、 3塁のピンチを招いたが、上本をスライダーで空振り三振。その後は 2回から 5回まで、危なげなく無安打に抑えるなど、 6回3安打無失点と好投を見せた。


 11回表広島一死 1、 2塁、厳しい表情で投手交代を告げに向かう=阪神甲子園球場

 しかし広島の先発、大瀬良大地投手も快投。阪神打線は 4回まで 1人の走者を出すこともできず、完璧に抑え込まれた。 5回一死から大山悠輔内野手がチーム初安打となる左前打を放ち、前川も右前打で続いたが、梅野が 3ゴロ併殺。好機を生かせず。 7回にも先頭の佐藤輝が左前打を放ったが、後続が続けなかった。
 先発及川の後を受けた石井、桐敷、岩崎、ゲラと盤石のリリーフ陣がつないでいったが、勝利にはあと 1歩届かなかった。


 試合に敗れ暗い雰囲気の岡田彰布監督ら阪神ナイン=阪神甲子園球場
 打てん、守れん、勝てん! 投手戦から一転、阪神は延長11回に守備の乱れから失点し、 2夜連続で 0- 1で広島に敗れて4連敗。貯金が再びなくなり、前半戦を4位でターンすることが決まった。明るい希望は今季 2度目の先発登板だった及川雅貴投手。大瀬良と投げ合い、 6回無失点と好投した。
 タッチの差で届かなかった。ノーヒットでスコアボードに刻まれた 1点に佐藤輝は天を仰いだ。防げたはずのミスを誰も止めることができない。こぼれ落ちた白星と白球の行方に岡田監督は言葉を失った。


 延長11回、 3塁に戻る大盛穂外野手に佐藤輝明内野手のタッチは届かず。ひとつのプレーに 2つの失策が重なり、直後の失点につながった=阪神甲子園球場
 「何にも言うことないよ。ほんまに。もう、言葉がないわ。信じられへん、俺は…」
 両軍ゼロ行進で迎えた延長11回。6番手・富田が先頭の秋山に四球を与えた。代走・大盛が送られ、矢野は当然の送りバント。打球を処理した富田の送球がそれた。 1塁ベースカバーに入った中野が体を伸ばしてグラブに収めるも、白球はこぼれ落ちた。
 これを見て大盛は 3塁へと向かう。今度は中野の 3塁への送球が大きくそれた。左翼から植田がカバー。飛び出した大盛はあわてて帰塁。ボールを受けた佐藤輝がタッチしに向かったが届かなかった。無死 2、 3塁だ。申告敬遠で満塁としてから、犠飛で失点。この 1点をはね返す力は虎打線に残っていなかった。


 11回裏阪神二死、岡田彰布監督は近本光司外野手の中飛を見届けベンチから引き揚げる=阪神甲子園球場
▼佐藤輝明内野手(延長11回の 3塁での際どいタッチプレーについて)
 「審判とぶつかっちゃったんで…。(植田が)いいカバーしてくれたんですけど…」
▼中野拓夢内野手(延長11回の犠打処理で 1塁ベースカバーから 3塁悪送球)
 「自分としては勝負にいったので。しょうがないかなと思います」

◆阪神の完封負けは今季13度目。早くも昨年のシーズン通算13度と並んだ。また、この敗戦で今季の球宴前4位が決まった。阪神の前半戦Bクラスは、金本知憲監督時代の16年5位以来8年ぶり。
◆阪神が同一年に甲子園で広島戦に6連敗は、61年 4月11日~ 7月25日と並びワーストタイ。
◆阪神の 0- 1敗戦は今季5度目。 2試合連続は11年 8月10、11日のナゴヤドームでの中日戦以来、13年ぶり。甲子園で 2試合続けて 0- 1敗戦となると1リーグ時代も含め球団初となった。

 


 汗を飛ばしながら力投した及川雅貴投手=阪神甲子園球場
 今季 2度目の先発マウンドに立った及川雅貴投手は 6回3安打無失点でマウンドを降りた。 1回二死から連打で 1、 3塁のピンチを背負うも、上本を空振り三振に斬って無失点の立ち上がり。初回こそボールが浮いていた左腕だが、 2回以降はしっかりと修正した。 2回から 5回まで無安打投球。 6回二死から野間に安打と盗塁で得点圏へと進まれたが、4番・小園を 2ゴロに仕留めて試合をまとめた。 6回の攻撃で代打を送られて降板。「低めにボールを集めることを意識することでゴロアウトも多く取れたと思います。先発投手としての役目を果たすことができてよかったです」と納得のコメント。ただ、味方の援護なく先発としての初星はおあずけとなった。


 今季 2度目の先発の及川雅貴投手は 6回無失点と好投。抜擢に応えた=阪神甲子園球場
 投手戦から一転、阪神は延長11回に守備の乱れから失点し、 2夜連続で 0- 1で広島に敗れて4連敗。貯金が再びなくなり、前半戦を4位でターンすることが決まった。明るい希望は今季 2度目の先発登板だった及川雅貴投手。大瀬良と投げ合い、6回無失点と好投した。
 〝ひと皮むけた〟指先から放たれたボールに、鯉打線はきりきり舞い。先発マウンドを任された及川が自己最長の 6回を無失点で抑えてゲームメークし、スタンドを沸かせた。
 「低めにボールを集めることを意識することでゴロアウトも多く取れた。先発投手としての役目を果たすことができてよかった」
  1週間前に炎上した伊藤将が2軍に降格し、ローテに穴が空いたところで出番がやってきた。数多くこなしてきたリリーフでは味わえない 1回のマウンドに立つと、胸には緊張感もほとばしり、 2死から連打で 1、 3塁を招いた。このピンチで上本を空振り三振に斬ると、勢いづいた。


 阪神先発・及川雅貴投手は6回無失点と好投=阪神甲子園球場
 力のある速球とスライダーを中心とした配球で、 2回からの 4イニングは 1四球のみのノーヒット投球。安打と盗塁で背負った 6回二死 2塁のピンチも小園を 2ゴロに仕留めて脱出すると、グラブを何度もたたいて喜びを爆発させた。打線の援護がなく勝ち負けはつかなかったが、リーグトップの防御率を誇る難攻不落の大瀬良との投げ合いで、予想したロースコアの展開に持ち込む 6回3安打無失点の好投だった。
 今季初先発だった 5月24日の巨人戦(甲子園)は 5回途中で緊急降板。つぶした左手中指のマメは、 4月の2軍戦でも負傷。再発防止に向けては秋山、西勇ら先輩にアドバイスを求め、火で炙って硬い部分を柔らかくするなど対策も施してきた。試合後も「大丈夫です」と笑顔を作り、その視線は未来へ向けた。
 「(スタミナ面は)思ったよりは大丈夫だったと思うけど、どこかで落ちる部分がある。そこをなんとかしていきたい。次回にまたチャンスがもらえるなら、意識することはできると思う」
 さらに優れた結果を求め、その左腕には磨きをかけていく。及川はまだまだ強く、たくましくなる。


 初回を無失点に抑え笑顔を見せる及川雅貴投手=阪神甲子園球場
 悔しい延長戦負けの中、及川雅貴投手が、 6回無失点で後半戦の先発ローテーション入りへ大きなアピールを決めた。
 3安打、4奪三振の快投。87球でプロ最長イニングを投げ抜いた。「低めにボールを集めることを意識することで、ゴロアウトも多く取れた。先発投手としての役目を果たすことができてよかったです」。言葉通り、ゴロアウトは 7つ。リズム良く、スコアボードにゼロを並べた。
 「緊張した」という立ち上がり。初回二死から連打を浴び、 1、 3塁のピンチ。5番上本を 129キロスライダーで空振り三振に仕留めた。「一番心配な部分というか、中継ぎでは味わえない場所が初回。ゼロで抑えられたのは、自分にとってもチームにとってもよかった」と波に乗った。


 初回を無失点に抑えた及川雅貴投手は梅野隆太郎捕手と笑顔を見せながらハイタッチをする=阪神甲子園球場
  2回から 6回二死で野間に安打を浴びるまでは無安打投球。伊藤将の2軍落ちで空いた先発枠で結果を残した。 1週間前まで中継ぎとしてブルペンに入っていたが、堂々たる投球。「思ったよりは大丈夫」とスタミナ面も問題ない。
 前回先発した 5月24日の巨人戦(甲子園)では、 4回 1/3を 1失点の好投。ただ、左手中指のマメをつぶして緊急降板した。入念にケアし、再発防止に務めた約 2カ月間。この日の登板後は「大丈夫です」と強調した。前回先発時に続き、この日も実家の千葉・匝瑳(そうさ)市から観戦に訪れた母直美さんを安心させるピッチングだった。
 首脳陣は次回登板について明言しなかったが、23歳左腕は、後半戦の先発ローテーションに割って入ることができると証明した。先発としての初勝利はお預けとなったが「自分がこのまま抑えていけたら、めぐって来るものだと思っている」とやる気十分。敗戦の中で、明るい希望だ。

 


 11回表広島無死 1塁、富田蓮投手は矢野雅哉内野手のバントを 1塁へ悪送球する=阪神甲子園球場
 富田蓮投手が痛恨ミスで敗戦を招いた。
 延長11回に登板したが先頭に四球。次のバント処理を 1塁に悪送球し、さらに失策が重なって無死 2、 3塁。満塁とされてから小園に決勝犠飛を許した。「四球、エラーは自分の実力不足。(四球は)先頭を抑えるのを大事にしていたので厳しくいきすぎた。(悪送球は)ちょっと余裕を持ちすぎたから手元が狂った」と反省した。

 


  4回、特大のファウルを放った森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 阪神打線が沈黙を続けている。広島の先発・大瀬良の前に 4回まで一人の走者も出せず無安打。完璧に抑えられている。 4回二死では森下翔太外野手が左翼ポール際へ大飛球。高々と舞い上がった打球は浜風に押されて伸びたが、ファウルの判定にため息が場内を包んだ。阪神・先発の及川も広島打線を無得点に抑えているが、及川の今季初先発だった 5月24日の巨人戦(甲子園)では、相手先発・戸郷がノーヒットノーランを達成。この日も沈黙する打線に球場は不穏な空気に包まれた。

  4回裏阪神二死、森下翔太外野手は大飛球を放つもファウルとなる=阪神甲子園球場
 森下翔太外野手が審判も迷わす? 大ファウルを放った。
  4回二死から大瀬良大地投手の球を思い切りすくい上げた。飛球は左翼ポール際へ。走り出そうとした。上空は強い風が舞っていたとみられ、着弾点の予想が誰もつかなかった。森下も打った直後はファウルと思っていたが、一瞬、走り出そうとした。
 結局、ポール上部をかすめるように、わずかにファウルエリアの客席に落ちていった。 3塁塁審も少し迷ったように、しっかり確認してから手を広げた。

 


  5回裏阪神一死 1、 2塁、 3ゴロ併殺打に終わった梅野隆太郎捕手。投手は大瀬良大地投手=阪神甲子園球場
 梅野隆太郎捕手が捕手としての出場1000試合を達成した。 5回終了で試合が成立。
 阪神の生え抜き選手では初めて。
 11年目の梅野は、 6月18日の北海道日本ハム戦で代打なども含めた通算1000試合出場を達成していた。通算1015試合。


  6回、野間峻祥外野手の 2盗の際に 2塁へ送球する梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 「7番・捕手」で先発出場した梅野隆太郎捕手が球団史上初の生え抜き捕手1000試合出場達成したが、節目の試合を勝利で飾れず、笑顔はなかった。
 「(勝ち負けの)結果はあるものだから別にどうこうはないし、個人的な記録なわけで…」
 この日は4打数無安打で 2併殺。 5回一死 1、 2塁で 3ゴロ併殺に。 7回ニ死 1塁では空振り三振。延長10回一死 1塁からは 2ゴロ併殺に倒れた。バットで投手陣を援護できず、「(長い)シーズンでは絶対こういうことある。選手が一番悔しい」と無念さをにじませた。
 チームは今季 2度目の4連敗で、貯金はゼロになった。21日は球宴前のラストゲーム。「結果をしっかり受け止めて…。明日も試合があるので、いい締めくくりができるようにやっていく」と前を向いた。

 


 11回表広島無死 1塁、植田海外野手(右)は中野拓夢内野手の悪送球をカバーする=阪神甲子園球場
 植田海外野手の隠れたファインプレーは実らなかった。
 延長11回無死 1塁から富田が 1塁に悪送球。中野の 3塁送球も悪送球となりファウルグラウンドに抜けたが、左翼に入っていた植田がきっちりボールの先にいた。オーバーランの走者を刺せるタイミングだったが佐藤輝が審判とぶつかり、植田の送球も遅れた。「(カバーは)みんな行っていると思う。たまたま(球が)来ただけ」と語った。

 

 阪神は20日、育成選手だった髙橋遥人投手、佐藤蓮投手、川原陸投手の 3人を支配下登録すると発表した。背番号は高橋が「29」、佐藤蓮が「98」、川原が「92」。
 阪神が同日に 3選手を一斉に支配下登録するのは、球団初。髙橋は17年ドラフト2位、佐藤蓮は20年ドラフト3位、川原は18年ドラフト5位で入団しており、全員が支配下復帰となった。


 今年 4月から2軍で実戦登板をこなしてきた髙橋遥人投手。次は1軍復帰を目指す=阪神鳴尾浜球場
 阪神は20日、育成選手の髙橋遥人投手、佐藤蓮投手、川原陸投手と支配下選手契約を結んだことを発表した。いずれも復帰で、背番号は髙橋が以前つけていた「29」、佐藤蓮が「98」、川原が「92」となる。2完封を含む通算14勝を挙げている左腕・髙橋は左肘などの度重なる手術を乗り越え、 3シーズンぶりの1軍への復帰を目指す。
 少しのくもりもない鳴尾浜の晴天が、髙橋の節目を祝福した。何度も虎党を沸かせてきた背番号「29」を再び身に着け、支配下選手に復帰して1軍のマウンドを目指す。
 「ここまでずっと何年も投げられることができなかったので、それをまた返せるように、ここから頑張っていこうと思いました」
 知らせは突然だった。ほかの選手と同様に練習を始め、グラウンドでキャッチボールやランニングをこなした。「暑いなと思いながら(練習を)やっていました」。練習を終えた後に呼び出され、吉報が伝えられた。


 背番号29で支配下契約となった髙橋遥人投手=阪神鳴尾浜球場
 長い道のりだった。2021年11月に左肘のクリーニング手術、翌22年 4月には左肘のトミー・ジョン手術、昨年 6月には左尺骨(手首から肘にかけての骨)と左肩関節にも手術を受け、昨年オフに育成選手契約となった。リハビリを終えて今年 4月17日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)で実戦復帰し、2軍戦で9度登板。今月13日の広島戦(由宇)では8回2失点で完投し、アピールを続けていた。
 先が見えなかったリハビリ生活。「すごくもどかしい、悔しい気持ちもあった」と率直な思いを明かした。トレーニングを続ける中で、気持ちの保ち方に変化があった。
 「22年は悔しい気持ちがあったんですけど、そう思いすぎると落ちるときもある。自分は自分のことを精いっぱいやろうって思ったのが去年くらいからだった」


 支配下契約となった髙橋遥人投手は会見で心境などを語った=阪神鳴尾浜球場

 人と比べるのではなく、自分と向き合う。そうすることで前に進めた。そして、見える景色があった。「けがをしたことで知らない世界とか、いろいろな人の支え、けがをしている人の苦しみについていろいろ感じることがあった。人としては大きくなれたかな」。難しい経験を、成長のための時間に変えた。
 背番号は昨季まで背負った「29」を再びつけ、これからは 3年ぶりの1軍のマウンドを目指す。「(29番を)空けていただいていた。球団には感謝したい」。経過を見守ってきた和田2軍監督も「故障さえなければやれるという投手。あとはいかに故障前の遥人に近づいていけるか」と期待した。相手を制圧する投球を取り戻し、再び大観衆の前で投げる姿を思い描く。
 「1軍の戦力になれるように、これからもっと状態を上げていければと思います。投げられなかった期間が長かった分、ここから返していけるように一生懸命頑張っていきたい」
 大きな感謝の思いを胸に、ここからはチームの戦力として貢献するべく腕を振る。


 支配下復帰にポーズをとる佐藤蓮投手=阪神鳴尾浜球場
 2シーズンぶりの支配下復帰を果たした佐藤蓮投手は喜びを口にした。「支配下に戻りたいという気持ちだけを持ってやっていた。ここからがスタートだと思うが、とりあえずはうれしい気持ち」。これまで課題だった制球も、技術面や精神面を鍛えて安定。「自分の中で不安なく投げられているというのが、僕が成長したところ」と自信を持ち、初の1軍登板へアピールを続けていく。

  3シーズンぶり支配下復帰にポーズをとる川原陸投手=阪神鳴尾浜球場
 川原陸投手は 3シーズンぶりの支配下復帰に気を引き締めた。「育成になっても家族や友だち、チームメートと支えてもらった方々が多いと感じていた。1軍で結果出して恩返しできるように頑張りたい」。度重なるけがにもめげずに練習に取り組み、背番号92で再出発。長崎・創成館高時代をともにした野口も1軍で出番をもらっており、「僕も頑張って上(1軍)にあがって、一緒に頑張っていけたら」と意気込んだ。

 


  6回裏阪神一死、左前打を放った代打野口恭佑外野手=阪神鳴尾浜球場
 野口恭佑外野手が同級生の朗報に花を添えた。
  6回一死から代打で登場。難敵・大瀬良大地からフルスイングで 3遊間を鋭く抜いた。
 試合前に創成館(長崎)の同級生、川原陸投手の支配下選手復帰を人づてに聞いた。少しの驚きとともに「よかった~」と連呼。自身は育成入団で今季から支配下選手として1軍で奮闘している。「一緒に1軍でプレーできるようにお互いに頑張っていきたい」と気合を入れ直していた。

 

 阪神初代日本一監督・吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が20日、兵庫・芦屋市内の医療・介護事業などを手がける「CCRC豊泉家 芦屋山手」主催の特別講演会に参加した。
 今年 7月26日に91歳を迎える同氏は「元気の源は毎日ちょっとでも歩くことですわ」と持論を展開した上で、現役時代から監督として優勝を果たした当時のエピソードを披露した。
 得点力不足が響いているチームの現状について「もっともっと練習が必要ですし、バッティングも、守備も失敗して覚えるんです。それをさせないといけない」とゲキを飛ばした。


 CCRC豊泉家グループ代表会長・田中成和氏から講演を終えて花束を送られる吉田義男氏
 具体的には「1、2番が機能すれば、もっと点をとれるはずです。それに大山、佐藤輝にも期待しています」といってキーマンに近本の名前を上げた。
 講演会場は満席で熱気に包まれ、ドジャース大谷の話題などで盛り上がった。レジェンドは「 8月の長期ロードをうまく乗り切りたい。連覇を期待しているし、またできると思います」とアレンパを熱望した。

 

※ 7月21日の予告先発は、阪神・西勇輝投手(33)―広島・九里亜蓮投手(32=亜細亜大學OB)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦最終順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(07月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(08月)

 

 

 

 

 

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