●阪神は敵地での同一カード3連敗阻止をかけた一戦で、今季17度目の延長戦に突入した。先発した西勇輝投手(33)は再三のピンチをしのぎ、 6回 1失点。 3回には自ら中前先制打を放つも、 5回に投手の松葉貴大投手(33)に中前同点打を許した。 7回以降は互いにリリーフ陣を投入。阪神は 7回を桐敷拓馬投手(25)、 8回をハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)が任され、ともにピンチを背負いながらも無失点。 9回を任された石井大智投手(26)は3者凡退で切り抜けた。 1― 1の10回は先頭の前川が右前打を放つと、梅野隆太郎捕手(33)が試みた送りバントは中日の5番手・橋本侑樹投手(26)が 2塁へ悪送球し、チャンス到来。一死 1、 2塁で登場した代打・原口文仁内野手(32)が左前にはじき返し、 2点目をもたらした。さらに二死満塁で途中出場の植田海内野手(28)が左中間を破る走者一掃の 3塁打を放つと、佐藤輝明内野手(25)もあと少しでスタンドインという右翼フェンス直撃の適時2塁打で続き、この回打者10人攻撃での5得点で一気に突き放した。先発の西勇は本業のマウンドで 6回5安打1失点。 5回には松葉に中前同点打を浴びたが、 6回二死満塁のピンチを断つなど勝ち越しは許さず、再三のピンチを背負いながらも最少失点にしのいだ。その後も 7回を桐敷、 8回をゲラが、ともにピンチを背負いながらも乗り切り、 9回は石井が 8球で3者凡退斬り。 5点差をつけた10回はこの日に1軍昇格した加治屋蓮投手(32)が登板して 1点を返されたが、最後は一死 2、 3塁からバトンを受けた岩崎優投手(33)が試合を締め、同一カード3連敗を阻止した。
● 延長戦を制する道筋を作った、西勇輝投手の投打にわたる執念。右腕は 6回1失点粘投&先制打で、勝ち負けは付かなかったが同一カード3連敗阻止に貢献した。最初に訪れた 2回のピンチを断つと、直後の 3回一死 3塁の打席で松葉のチェンジアップをセンター返し。女房役の 2塁打に続き、貴重な先制点をたたき出した。 5回には一死 3塁で松葉に仕返しの中前同点打を食らったが、変わらずコースを厳しく突いて踏ん張るのは経験豊富な右腕の成せる技。 6回二死満塁では木下拓哉捕手(32)を内角球で詰まらせて飛球を打たせ、中堅・近本光司外野手(29)が白球をつかむと右拳を振り下ろして喜びを爆発させた。今カードは12日の初戦で村上頌樹投手(26)が 2回に 3点の先制点を与えて敗れ、12日は伊藤将司投手(28)が 2― 0から高橋周平内野手(30)に逆転3ランを浴びていた。だが、中日戦4連勝中のチーム最年長はピンチは招きながらも、〝魔の2回〟をしっかりと無失点で切り抜けた。阪神が延長戦を制し、カード3連敗を阻止した。先発の西勇輝投手は 3回一死 3塁から中前へ先制適時打。 4回無死 2塁で福永裕基内野手(27)を17球投じた末に 2ゴロで打ち取った後にベンチ前で〝水入り休憩〟。4勝目を逃したものの、 6回 108球1失点で降板した。試合後、岡田彰布監督(66)は「途中足つった言うとったけどな、あっこまでよう投げたよ」とコメント。
●同点の 9回を任された石井大智投手が大量得点への流れを呼び込み、今季3勝目を手にした。田中幹也内野手(23)と前夜に 2塁打を浴びている代打・大島洋平外野手(38)を仕留めると、山本泰寛内野手(30)を空振り三振。わずか 8球での1回零封だった。今月は11試合中8試合に登板と鉄腕を発揮。上旬の2戦連続失点から一転、5戦連続無失点と安定感も戻ってきた。連投もこなし、防御率は2.01に良化した。
●岩崎優投手がプロ通算80セーブを挙げた。ルーキーイヤーから 2年間ともにプレーした呉昇桓氏(41)に並ぶ、球団歴代4位の記録だ。 4点差に迫られた延長10回一死 2、 3塁で登板。ここを無失点で切り抜け、今季14セーブ目となった。この日は 4点差でマウンドに上がったがセーブがついた。
●梅野隆太郎捕手が頭脳プレーでチームを救った。 1- 1の 8回一死 1塁。中日・板山祐太郎外野手(29=亜細亜大學OB)の打席でハビー・ゲラ投手が暴投。ボールは跳ね返り、 1塁ベンチ方向へ転がった。ボールに追いついた時点で、走者はすでに 3塁ベース付近まで到達。あえて、見送ったことでボールデッドとなり、審判員から「走者を 2塁に戻して試合を再開」とアナウンスがあった。球団生え抜き初の捕手1000試合出場まであと「3」とする男が経験値を生かして、無失点で切り抜けた。実際に責任審判が「場内に説明したように、 1塁走者の高橋周は 1度は 3塁まで進むも、2塁へ戻ることになった。この回一死 2塁から、板山を空振り三振、加藤匠馬捕手(31)を左飛に仕留めて無失点。 1- 1のまま辛抱を続け、延長10回の勝ち越しにつなげた。
●前川右京外野手(21)がミスを挽回する口火打で勝利に貢献した。延長10回先頭で左腕・橋本侑樹投手から右前打。この一打が一挙5点を呼び込んだ。しかし 5回無死 1塁では投ゴロ併殺打。 7回も無死 1塁で三振ゲッツー。 1― 0の 4回の守備ではオルランド・カリステ内野手(32)の飛球の目測を誤って 2塁打となり、気を引き締めた。さらなる向上を目指す。
●育成出身の星! 野口恭佑外野手(23)が、プロ初のクリーンアップで意地の安打を放った。野口恭佑外野手は右翼に入り、プロ初の「3番」で出場して3打数1安打1死球。 9回の第 4打席で松山晋也投手(24)の直球を右前にはじき返した。12日は3打数ノーヒットに終わっていたが、結果を残した。松山は自身と同じく22年の育成ドラフトで入団。もちろん、分かっていた。松山は中日のブルペンに欠かせない存在となっている右腕。実績を積んでいる段階の若武者も負けるわけにはいかなかった。育成から這い上がり、1軍の舞台にたどり着いた者同士の対決を制し、今季3本目の安打をマークした。育成ドラフト入団選手のクリーンアップは小野寺暖外野手(26)に続き球団 2人目で、プロ8試合目での起用は小野寺をしのぎ球団最速。着実に結果を残し続ける。左投手が先発時は、今後もスタメン起用が続きそうだ。
●「海の日」よりも 1日早く波に乗った。俊足の植田海内野手が、この日はバットで魅せた。延長10回、 1点を勝ち越し、なおも二死満塁。 9回に代走で途中出場した植田に打席が回ってきた。少し楽にバットを握ると、中日岩嵜翔投手(34)の 151キロ直球をしっかりはじき返した。左中間深くへ飛ぶ適時 3塁打で、走者全員が生還。いつもはホームを踏むことの多い男が、味方を次々にホームへとかえした。プロ10年目で初の 3塁打をマーク。控えめに喜ぶ本人以上に、ベンチの仲間たちも大喜びだった。22年 7月13日以来2年ぶりの打点で、20年 8月 6日に並ぶ自身最多の 1試合3打点。韋駄天(いだてん)が放った一打に、岡田監督も手放しでたたえた。15日の「海の日」の前日に「海(かい)」が大活躍だ。
●佐藤輝明がとどめの一撃だ。 2試合連続で4番に座った佐藤輝明内野手が延長10回二死 3塁で右翼フェンス上段を直撃する 2塁打を放ち、 6点目をあげた。 2回には右前打を放っており、 3試合ぶりのマルチ安打。ただ、 6回二死満塁の好機では遊飛に倒れ、反省も忘れなかった。次の東京ドームでの本塁打に自ら期待した。
●小幡竜平内野手(23)は先輩たちのプレーに救われた。 6回の守備では失策でピンチを広げるも西勇輝投手が粘投して無失点でしのぎ、延長10回の攻撃では無死 1、 2塁で送りバントを決められなかったが、原口文仁内野手らの快打で勝利し感謝。連続試合安打も「11」で止まったが今後の挽回に目を向けた。
●阪神が両リーグ最多今季17度目の延長戦を制し、中日に 6- 2で勝利。拙攻とミスが続いてたどり着いた延長10回に代打・原口文仁内野手が左前へV打。12球団1位タイの今季代打9安打目でチームを救い、この回一挙5点の猛攻に導いた。15日からの直接対決を前に首位巨人に1.5ゲーム差。驚異の集中力を見せる仕事人が、虎を押し上げる。原口文仁内野手が、値千金の勝ち越し打を放った。 1- 1で同点の延長10回一死 1、 2塁で代打で登場。左腕橋本から左前適時打を放ち、 1点リードを奪った。七夕だった 7月 7日の横浜DeNA戦(甲子園)で代打サヨナラ打を放った男が、またも貴重な一打だ。 7月は4打数3安打、2本の適時打と好調を維持している。ハートは熱く。頭は冷静に。フルカウントから左前へ運び、仲間もチームも一気に救った。 2、 3、 5回に 3つの併殺打があった。 7回には三振ゲッツーもあった。 5回に西勇が投手の松葉に適時打を浴びて同点とされて、 1- 1のまま12球団最多、今季17試合目の延長戦に突入した。同一カード3連敗は目前かに思えたが、原口のガッツが効いて、 4時間 1分の激闘は虎が制した。

記事をまとめてみました。

 

 

 <中日 2ー 6阪神=延長10回>◇15回戦◇阪神 8勝 5敗 2分◇14日◇バンテリンドームナゴヤ
 阪神は敵地での同一カード3連敗阻止をかけた一戦で、今季17度目の延長戦に突入した。先発した西勇は再三のピンチをしのぎ、 6回 1失点。 3回には自ら中前先制打を放つも、 5回に投手の松葉に中前同点打を許した。 7回以降は互いにリリーフ陣を投入。阪神は 7回を桐敷、 8回をゲラが任され、ともにピンチを背負いながらも無失点。 9回を任された石井は3者凡退で切り抜けた。


  9回二死 1塁、中飛に倒れた大山悠輔内野手=バンテリンドーム
 阪神は延長戦を制し、連敗を「2」で止めた。 1― 1の10回は先頭の前川が右前打を放つと、梅野が試みた送りバントは中日の5番手・橋本が 2塁へ悪送球し、チャンス到来。一死 1、 2塁で登場した代打・原口が左前にはじき返し、 2点目をもたらした。さらに二死満塁で途中出場の植田が左中間を破る走者一掃の 3塁打を放つと、佐藤輝もあと少しでスタンドインという右翼フェンス直撃の適時2塁打で続き、この回打者10人攻撃での5得点で一気に突き放した。

 延長10回、適時打を放った原口文仁内野手=バンテリンドーム
  3回に中前先制打を放った先発の西勇は本業のマウンドで 6回5安打1失点。 5回には松葉に中前同点打を浴びたが、 6回二死満塁のピンチを断つなど勝ち越しは許さず、再三のピンチを背負いながらも最少失点にしのいだ。その後も 7回を桐敷、 8回をゲラが、ともにピンチを背負いながらも乗り切り、 9回は石井が 8球で3者凡退斬り。 5点差をつけた10回はこの日に1軍昇格した加治屋が登板して 1点を返されたが、最後は一死 2、 3塁からバトンを受けた岩崎が試合を締め、同一カード3連敗を阻止した。

 


  4回、高橋周平内野手を投ゴロ併殺打に打ち取った西勇輝投手=バンテリンドーム
 延長戦を制する道筋を作った、西勇輝投手の投打にわたる執念。右腕は 6回1失点粘投&先制打で、勝ち負けは付かなかったが同一カード3連敗阻止に貢献した。
 「結果的にチームが勝つことが一番大事。梅野のリードだったり、野手のみんなも声をかけてくれたり、なんとか粘り強く投げることができたかなと思います」
 最初に訪れた 2回のピンチを断つと、直後の 3回一死 3塁の打席で松葉のチェンジアップをセンター返し。「梅野がいい打撃でチャンスメークしてくれたので、いい形でホームにかえすことができてよかった」と女房役の 2塁打に続き、貴重な先制点をたたき出した。
  5回には一死 3塁で松葉に仕返しの中前同点打を食らったが、変わらずコースを厳しく突いて踏ん張るのは経験豊富な右腕の成せる技。 6回二死満塁では木下を内角球で詰まらせて飛球を打たせ、中堅・近本が白球をつかむと右拳を振り下ろして喜びを爆発させた。


  4回、福永裕基内野手に17球粘られながらも内野ゴロに斬り、水を飲む阪神先発・西勇輝投手=バンテリンドーム

  4回無死 2塁での4番・福永との勝負では12球連続ファウルという猛烈な粘りに遭い、最後は17球目を打たせて 2ゴロに斬るも〝代償〟として両足をつった。それでもしっかりと水分補給をして次の勝負へと繰り出し、 6回まで 108球で熱投。岡田監督は粘られた場面を「しかし、あんなん、はよセカンドゴロ打たした方がエエんやで、お前」と振り返りつつ「あっこまでよう投げたよ」とねぎらった。
 西勇も「中継ぎ陣がつないでくれて、最後に勝ち切れたのが全てだと思います」とバトンをつないでくれた仲間たちへの感謝を口にし、この1勝を喜んだ


  2回を抑えた西勇輝投手=バンテリンドーム
 西勇輝投手が 2回のピンチを乗り越えた。 1回は 6球で3者凡退に抑えて好発進。 2回は一死から5番・細川に四球を与えると、高橋周には中前打を浴び、板山の中飛で 2走・細川がタッチアップで 3進して、木下との勝負を迎えた。それでも 1ボールから内角にシュートを投じて 1飛に仕留め、最初のピンチを脱した。
 今カードは12日の初戦で村上が 2回に 3点の先制点を与えて敗れ、12日は伊藤将が 2― 0から高橋周に逆転3ランを浴びていた。だが、中日戦4連勝中のチーム最年長はピンチは招きながらも、〝魔の2回〟をしっかりと無失点で切り抜けた。


  3回に先制の適時打を放った西勇輝投手=バンテリンドーム
 阪神が 3回に先制した。先頭の梅野が左中間への 2塁打で出塁すると、暴投で 3進。一死から打席に立った先発の西勇が、オリックス時代の元同僚・松葉のチェンジアップをとらえ、前進守備の 2遊間を破って中前に運び、最初の 1点をもぎ取った。西勇のタイムリーは 5月16日の中日戦(バンテリンドーム)、 6月 6日の楽天戦(甲子園)に続き、今季3本目。自らのバットで快投への後押しをした。


  4回に高橋周平内野手を併殺に斬りガッツポーズを作る西勇輝投手=バンテリンドーム
 西勇輝投手が 1― 0の 4回のピンチを脱出した。この回先頭のカリステに左翼・前川のグラブをかすめる左越えの 2塁打で出塁されると、福永との勝負はカウント 2― 2から12球連続ファウルと粘られたすえに、 2ゴロ。状況はこの進塁打と細川への死球で一死 1、 3塁と変わった。だが、 2回に中前打を打たれていた高橋周にはフォークを打たせてゴロに。自らつかみ取って体を反転させ、 2塁ベースへ素早く送球し、 1― 6― 3の併殺を完成させた。粘り勝ちも見せながら最高の形でホームを踏ませず1点を守り、ガッツポーズを作った。


  4回途中、水分を補給する西勇輝投手=バンテリンドーム
 西勇輝投手が 5回に同点に追いつかれた。先頭の板山に右翼への 2塁打を打たれ、木下の 1ゴロで一死 3塁。ここで投手の松葉に中前へはじき返され、同点とされた。西勇は 3回に松葉から先制中前打を放っていたが、お返しを食らった。先頭打者に 2塁打を許したのは 4回から2イニング連続。 4回は一死 1、 3塁のピンチで高橋周に投ゴロ併殺を打たせて無失点を継続していたが、ここで試合を振り出しに戻された。


  5回一死 3塁、松葉貴大投手に適時打を浴びた西勇輝投手=バンテリンドーム
 西勇輝投手が 6回の大ピンチを乗り切った。打線が二死満塁の勝ち越しの大チャンスをものにできなかった直後のマウンドだった。カリステに3イニング連続での先頭打者の出塁となる右前打を許すと、福永には遊撃へのゴロを打たせるも小幡が打球を捕りきれず、無死 1、 2塁(記録は失策)。一発のある細川は空振り三振に抑えたが、高橋周には四球を与え、満塁のピンチを背負った。ただ、ここから粘り切った。昨年まで同僚の板山にはショートにタイミングを合わされながらも、小幡がジャンプして打球をつかんで遊直となり、二死。長打力のある木下にはスライダーをとらえられたが、浅い飛球に中堅・近本が前進してつかみ取り、この難所も断ち切った。打球がグラブに収まるのを確認した西勇は右拳を振り下ろし、感情爆発。ロースコアの展開で先発の役目を果たしている。


  6回に無失点で抑えガッツポーズをする西勇輝投手=バンテリンドーム
 西勇輝投手が先発し、 6回5安打1失点だった。ピンチも連続も熟練の投球で粘り抜いた。まずは 2回一死 1、 3塁のピンチを乗り切ると、直後の攻撃では先制打を放ち、自らを援護した。 5回には一死 3塁で投手の9番・松葉に〝お返し〟の中前同点打を許したが、崩れることなくマウンドに立ち続ける。中盤3イニングは全てで先頭打者に出塁を許し、 6回も二死満塁のピンチを背負ったが、ここでも木下を中飛に打ち取り、ガッツポーズ。前回登板した 7日の横浜DeNA戦(甲子園)では 3回6安打3失点と早期降板していたが、得意の名古屋では4度の得点圏ピンチを招きながらも、しっかりとゲームメークしてみせた。「長いシーズンを戦っていると今日のような苦しい展開の試合もありますが、梅野がうまくリードで引っ張ってくれましたし、野手陣も声をかけてくれたおかげで、なんとか粘り強く投げることができました」とコメントした。


 降板後、 8回を投げ終えたゲラ投手を迎える西勇輝投手=バンテリンドーム
 阪神が延長戦を制し、カード3連敗を阻止した。先発の西勇輝投手は 3回一死 3塁から中前へ先制適時打。 4回無死 2塁で福永裕基内野手を17球投じた末に 2ゴロで打ち取った後にベンチ前で〝水入り休憩〟。4勝目を逃したものの、 6回 108球1失点で降板した。試合後、岡田彰布監督は「途中足つった言うとったけどな、あっこまでよう投げたよ」とコメント。西勇自身は「粘り強く投げることができた。中継ぎ陣がつないでくれて、最後に勝ち切れたのが全て」と話していた。

 


  9回裏、阪神4番手で登板した石井大智投手=バンテリンドーム
 同点の 9回を任された石井大智投手が大量得点への流れを呼び込み、今季3勝目を手にした。「テンポよく投げられたかなと思います」。田中と代打・大島を仕留めると、山本を空振り三振。わずか 8球での1回零封だった。今月は11試合中8試合に登板と鉄腕を発揮。上旬の2戦連続失点から一転、5戦連続無失点と安定感も戻ってきた。

  9回に登板した石井大智投手=バンテリンドーム
 石井大智投手が好投で流れを呼び、今季3勝目を手にした。
  1- 1の 9回裏に4番手で登板。田中、大島、山本を 3人で仕留め、直後にチームが勝ち越し勝ち星がついた。前夜に 2塁打を浴びている大島を 2ゴロに抑え、リベンジ成功。「本当に嫌なバッター。そういうバッターは抑えていかないといけないっていうのが、もちろんある」と強気だった。連投もこなし、防御率は2.01に良化した。

 


 10回に登板しセーブを挙げた岩崎優投手=バンテリンドーム
 岩崎優投手がプロ通算80セーブを挙げた。
 ルーキーイヤーから 2年間ともにプレーした呉昇桓に並ぶ、球団歴代4位の記録だ。
  4点差に迫られた延長10回一死 2、 3塁で登板。ここを無失点で切り抜け、今季14セーブ目となった。「(状況は)どこでも一緒です。楽な展開はないので」と冷静。記録については「あっ、そうなんですか。まあ 1個ずつ頑張ります」と前だけを見た。この日は 4点差でマウンドに上がったが「 2者連続で本塁打が出ると同点か逆転される場面」という条件に当てはまるため、セーブがついた。

 


  4回裏中日一死 3塁、梅野隆太郎捕手と言葉を交わす西勇輝投手=バンテリンドーム
 梅野隆太郎捕手が頭脳プレーでチームを救った。 1- 1の 8回一死 1塁。中日・板山祐太郎外野手(29=亜細亜大學OB)の打席でハビー・ゲラ投手が暴投。ボールは跳ね返り、 1塁ベンチ方向へ転がった。「あえて(ベンチに)入るまで待った。( 1走が 2塁を)回るのが分かっていたけど少し冷静に。(テイク)ワンベースと頭にあったので」。ボールに追いついた時点で、走者はすでに 3塁ベース付近まで到達。あえて、見送ったことでボールデッドとなり、審判員から「走者を 2塁に戻して試合を再開」とアナウンスがあった。球団生え抜き初の捕手1000試合出場まであと「3」とする男が経験値を生かして、無失点で切り抜けた。


  8回裏中日一死 1塁、梅野隆太郎捕手はゲラ投手の暴投でボールを捕りに行ったがベンチに入ったため本塁へ引き揚げる。手前は 1塁走者高橋周平内野手に 2塁へ戻るよう促す審判員=バンテリンドーム
 梅野隆太郎捕手の冷静な目が、ピンチを最小限にとどめた。
  1- 1のまま迎えた 8回一死 1塁、3番手ゲラが板山に投じた 2球目のスライダーは内角低めに外れ、捕手梅野がミットを伸ばすも、わずか下を抜けた。
 ボールはそのまま転がって、中日ベンチの中へ。梅野は慌てて追いかけず、冷静にボールの行方を追っていた。
 「あえて入るまで待ちました。(テイク)ワンベースやなあと思って、あそこは止めにかからんと、そのまま見送ったっす」


 試合に勝利し、岩崎優投手とグータッチを交わす梅野隆太郎捕手=バンテリンドーム
 実際に責任審判が「投球がデッドの場所に入りましたので、投球時からワンベース、走者 2塁で再開します」と場内に説明したように、 1塁走者の高橋周は 1度は 3塁まで進むも、2塁へ戻ることになった。
 「もう( 3塁に)回るのは分かってたから、やばいと思ったけど、入るのを待ったっす。 1点入っていたかもしれないし、内野前進守備だったし。勝ててよかったです」。
 この回一死 2塁から、板山を空振り三振、加藤匠を左飛に仕留めて無失点。 1- 1のまま辛抱を続け、延長10回の勝ち越しにつなげた。

 


  4回無死、カリステ内野手の飛球に対し、目測を誤った前川右京外野手=バンテリンドーム
 前川右京外野手がミスを挽回する口火打で勝利に貢献した。「その前で守備でもバッティングでも迷惑をかけているので、最後は何とかできた」。延長10回先頭で左腕・橋本侑樹投手から右前打。この一打が一挙5点を呼び込んだ。しかし 5回無死 1塁では投ゴロ併殺打。 7回も無死 1塁で三振ゲッツー。 1― 0の 4回の守備ではオルランド・カリステ内野手の飛球の目測を誤って 2塁打となり、「ミスをしたらダメだと思うので、まずはちゃんと守れるように」と気を引き締めた。

 10回表阪神無死、前川右京外野手は右前打を放った=バンテリンドーム
 前川右京外野手が猛攻の口火を切った。 1- 1で同点の延長10回、先頭で左腕橋本から左前打。チームはそこから一挙5得点で試合を決めた。
  4回の守備ではカリステの打球をグラブに当てながらも捕球できず。打撃でも、それまで 3打席で無安打だっただけに「守備でもバッティングでも迷惑をかけている」と反省したが、最後に結果を残した。「もう少し内容を濃くしていかないといけない」とさらなる向上を目指す。

 


  6回表阪神二死 1、 2塁、死球を受けた野口恭佑外野手=バンテリンドーム
 野口恭佑外野手は右翼に入り、プロ初の「3番」で出場して3打数1安打1死球。 9回の第 4打席で松山の直球を右前にはじき返した。「(先発が)左ピッチャーなので、スタメンもあるかなと思って準備していた。松山投手は同級生で(同じ)育成で入団しているのは知っていたので、なんとか打ててよかった」。12日は3打数ノーヒットに終わっていたが、結果を残した。

  9回表阪神一死、野口恭佑外野手は右前打を放った=バンテリンドーム
 育成出身の星! 野口恭佑外野手が、プロ初のクリーンアップで意地の安打を放った。
 事前には「知らされていなかった」という3番でのスタメン。「おっ! と思いました。やることは変わらないので」。 6回に死球で出塁したものの、 3打席を終え無安打と気合が空回り気味だったが、 9回に力を発揮した。一死から右腕松山の 150キロ直球を強振。 2球で追い込まれた後、迷いなく振り切って右前打で出塁した。


  9回、右前打を放った野口恭佑外野手=バンテリンドーム
 松山は自身と同じく22年の育成ドラフトで入団。もちろん、分かっていた。「松山投手は同級生で育成で入っている。知っているので、なんとか 1本出せたのはよかったかなと思います」。松山は中日のブルペンに欠かせない存在となっている右腕。実績を積んでいる段階の若武者も負けるわけにはいかなかった。育成から這い上がり、1軍の舞台にたどり着いた者同士の対決を制し、今季3本目の安打をマークした。

  9回表阪神一死、野口恭佑外野手は右前打を放ち代走植田海内野手とタッチを交わす=バンテリンドーム
 育成ドラフト入団選手のクリーンアップは小野寺に続き球団 2人目で、プロ8試合目での起用は小野寺をしのぎ球団最速。着実に結果を残し続ける。左投手が先発時は、今後もスタメン起用が続きそうだ。

 


 10回表阪神二死 3塁、佐藤輝明内野手の右前適時打で生還し、ナインに出迎えられる植田海内野手=バンテリンドーム
 「海の日」よりも 1日早く波に乗った。俊足の植田海内野手が、この日はバットで魅せた。延長10回、 1点を勝ち越し、なおも二死満塁。 9回に代走で途中出場した植田に打席が回ってきた。
 「原口さんがタイムリー打って勝ち越していたので、ちょっと気楽に。打てなくてもしゃあないわと思って入りました」
 少し楽にバットを握ると、中日岩嵜の 151キロ直球をしっかりはじき返した。左中間深くへ飛ぶ適時 3塁打で、走者全員が生還。いつもはホームを踏むことの多い男が、味方を次々にホームへとかえした。


 10回表阪神二死 3塁、佐藤輝明内野手の右適時 2塁打で生還した植田海内野手を迎える岡田彰布監督=バンテリンドーム
 プロ10年目で初の 3塁打をマーク。「うれしいです。外野めちゃくちゃ前やったんで。なので、ラッキーです」と控えめに喜ぶ本人以上に、ベンチの仲間たちも大喜びだった。22年 7月13日以来2年ぶりの打点で、20年 8月 6日に並ぶ自身最多の 1試合3打点。韋駄天(いだてん)が放った一打に、岡田監督も「いやいや、そら植田のが大きかったよ」と手放しでたたえた。
 今季はすでに43試合に出場し、昨季の28試合を大きく上回る。先発は「2番右翼」だった 6月 1日千葉ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)のみで、守備からが 6試合。36試合と大半を占める代走でさすがの働きぶりを続けているが、この日は別の持ち味も見せた。「みんな勝ちたいという気持ちがめちゃくちゃあったので、よかったです」。15日の「海の日」の前日に「海(かい)」が大活躍だ。

 


  6回二死満塁で遊飛に倒れた佐藤輝明内野手=バンテリンドーム
  2試合連続で4番に座った佐藤輝明内野手が延長10回二死 3塁で右翼フェンス上段を直撃する 2塁打を放ち、 6点目をあげた。「ヒットになってよかったです」。 2回には右前打を放っており、 3試合ぶりのマルチ安打。ただ、 6回二死満塁の好機では遊飛に倒れ、「それ(早い回に得点すること)が課題」と反省も忘れなかった。

 10回表阪神二死 3塁、佐藤輝明内野手は右前適時打を放った=バンテリンドーム
 佐藤輝明がとどめの一撃だ。
 延長10回、原口の勝ち越し打、植田の 3点 3塁打に続いて右翼フェンス上部にライナーでぶつける 2塁打でこの回 5点目。少しでも角度がつけばという当たりに「まあヒットになってよかったです。惜しかったですけど」と悔しさ半分。「同じ打球を打てば入ると思うので頑張ります」。次の東京ドームでの本塁打に自ら期待した。

 


 延長10回無死 1、 2塁、犠打を試みるも投飛となった小幡竜平内野手=バンテリンドーム
 小幡竜平内野手は先輩たちのプレーに救われた。 6回の守備では失策でピンチを広げるも西勇輝投手が粘投して無失点でしのぎ、延長10回の攻撃では無死 1、 2塁で送りバントを決められなかったが、原口文仁内野手らの快打で勝利した。「今日はいろいろなところでいろいろな人に救われました」と感謝。連続試合安打も「11」で止まったが「いずれは終わること。また明日から打てるように頑張ります」と今後の挽回に目を向けた。

 


 延長10回、左前適時打を放った原口文仁内野手。勝利のため、仲間のために打った=バンテリンドーム
 原口文仁内野手が、値千金の勝ち越し打を放った。 1- 1で同点の延長10回一死 1、 2塁で代打で登場。左腕橋本から左前適時打を放ち、 1点リードを奪った。七夕だった 7月 7日の横浜DeNA戦(甲子園)で代打サヨナラ打を放った男が、またも貴重な一打だ。 7月は4打数3安打、2本の適時打と好調を維持している。


 10回表阪神一死 1、 2塁、左前適時打を放った原口文仁内野手=バンテリンドーム
 出てきた! 打った! また救った~!! 阪神が両リーグ最多今季17度目の延長戦を制し、中日に 6- 2で勝利。拙攻とミスが続いてたどり着いた延長10回に代打・原口文仁内野手が左前へV打。12球団1位タイの今季代打9安打目でチームを救い、この回一挙5点の猛攻に導いた。15日からの直接対決を前に首位巨人に1.5ゲーム差。驚異の集中力を見せる仕事人が、虎を押し上げる。
 意地と仲間への思いが乗り移った白球が、遊撃の頭を越える。2連敗中の空気を振り払い、ただただ必死のパッチで、原口が延長10回に値千金の勝ち越し打を放った。
 「いい詰まり方をしたので、打った瞬間、落ちるかなという感覚はあった。重苦しい雰囲気を打ち破れたので、いいヒットになったと思います」


 10回表阪神一死 1、 2塁、左前適時打を放った原口文仁内野手=バンテリンドーム
  1― 1の延長10回に5番手・橋本を攻め、無死 1、 2塁の絶好機ができた。だが、小幡が痛恨のミスを犯す。犠打を試みるも投飛となり一死 1、 2塁に…。ここでベンチから登場したのが、代打・原口だった。
 「小幡もいつも頑張っている。なんとかカバーしてあげたいなという気持ちで打席に向かっていた」
 ハートは熱く。頭は冷静に。フルカウントから左前へ運び、仲間もチームも一気に救った。 2、 3、 5回に 3つの併殺打があった。 7回には三振ゲッツーもあった。 5回に西勇が投手の松葉に適時打を浴びて同点とされて、 1- 1のまま12球団最多、今季17試合目の延長戦に突入した。同一カード3連敗は目前かに思えたが、原口のガッツが効いて、 4時間 1分の激闘は虎が制した。

 

※ 7月15日の予告先発は、巨人・赤星優志投手(25)―阪神・ジェレミー・ビーズリー投手(28)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦最終順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(07月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(08月)

 

 

 

 

 

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