●阪神が 3点を追う 2回の攻撃前に早くも円陣を組んだ。横浜DeNAの先発・ケイの前に、 1回は無死 1、 3塁の好機を作りながら、豊田寛外野手(27)、大山悠輔内野手(29)、前川右京外野手(21)が三振に倒れて無得点。反攻の兆しをみせたい打線だったが、梅野隆太郎捕手(33)が 2飛に倒れると、小幡竜平内野手(23)、西勇輝投手(33)が 2ゴロに倒れて3者凡退に終わった。阪神の先発・西勇輝投手が 2回につかまった。先頭の宮﨑敏郎内野手(35)の打球は 3遊間深くへのゴロ。一度はグラブに収めた遊撃手の小幡だったが、ボールを捕球しきれず内野安打とした。佐野恵太外野手(29)に右前打を浴び、無死 1、 2塁となり、続く山本祐大捕手(25)には初球を痛打されて先制点を献上。さらに続く京田陽太内野手(30)にも初球を右前に運ばれ、4連打で3点を失った。さらにピンチは続く。投手・アンソニー・ケイ(29=ニューヨーク・メッツ)は送りバントの構え。投前に転がった打球を処理した西勇だったが、 2塁への送球を遊撃・小幡が捕球しきれず、西勇に失策が記録された。再び無死 1、 2塁で桑原は投犠打で一死 2、 3塁。内野は前進守備をひいた。度会の打球はふらふらっと右翼方向へ。これを 2塁・中野拓夢内野手(27)が背走からスライディングでスーパーキャッチ。タイラー・オースティン内野手(32)は左飛に打ち取り、これ以上の失点は許さなかった。 1点を追う 9回二死満塁で、代打原口文仁内野手(32)が右翼へ安打を放つと、相手の悪送球を誘って一気に 2点を奪い試合を決めた。最大 4点差から逆転勝ちを収め、チームは3位に浮上した(成績=38勝36敗5分、観衆= 4万2600人)。
●阪神の先発・西勇輝投手が今季最短の 3回で降板した。 2回に4連打で3失点を奪われ、 3回も二死から連打などで満塁のピンチ。投手のケイを 3ゴロに抑えて無失点で切り抜けたが、捉えた打球を放たれて修正の兆しがみられなかった。 3回6安打3失点で今季最短のノックアウト。代わって 4回のマウンドには 6日に1軍昇格した西純矢投手(22)が上がった。西勇は 6月は4度の先発で防御率0.96と抜群の安定感を見せていた。
●野口恭佑外野手(23)が甲子園の七夕の夜空を彩った。サクセスストーリーのページをめくった。快音を響かせ、白球が右翼の芝生にバウンドする。育成で入団し、 2年目の野口恭佑外野手がプロ6打席目で初めてHランプをともし、初めてのお立ち台で喜びの声を上げた。恩返しの瞬間は 5回だった。同学年の小幡が左前打で出塁。打席に入ると、 1ボールからケイの 153キロ直球を痛烈にはじき返した。強い打球を右翼手・度会隆輝外野手(21=ENEOS)が後逸し、小幡が生還。野口も 3塁に到達して大きく両手を挙げ、息をついた。初ヒットにとどまらず 6回一死満塁でも中犠飛を放ってプロ初打点。プロ 4試合 7打席目での打点は、球団の育成出身野手では最速となった。2023年育成D1位で入団し、同年の秋季キャンプで打撃が岡田監督の目に留まり、支配下登録を勝ち取った。そして今年の 1月、初めての1軍春季キャンプを前に甲子園に向かうと、クラブハウスには自分のロッカーが追加されていた。梅野、青柳晃洋投手(30)とチームの顔の両選手の間に堂々と「97」が。目頭が熱くなった。思わず両親にLINEをした。2桁になった背番号の責任を自覚した。オフシーズンも実家に帰ったのは 5日間のみだった。 1月には九州産業大學で自主トレ。大学関係者に自ら願い出て許可をもらい、現役生も生活する学生寮に泊まり込んで、体を追い込んだ。今季にかける思いが実を結んだ。
●七夕の夜の〝虎祭り〟に甲子園のスタンドは揺れた。最後まであきらめない。中野がタイムリーを含む今季6度目となる猛打賞&12試合連続安打で、チームの逆転サヨナラ勝利に貢献した。  3- 5の 8回。先頭の前川が 2失で出塁。小幡が中前打、近本光司外野手(29)が四球で歩いて二死満塁。中野は集中力を研ぎすました。ローワン・ウィック投手(31=シカゴ・カブス)の投じた 154キロ直球に力負けしなかった。この日3本目となる安打は右前へ。 1点差に詰め寄るタイムリー。相手のミスからの得点でダメージを与えた。 6月22日の横浜DeNA戦(甲子園)からの連続試合安打を「12」に。打率は0.249。昨季最多安打のタイトルに輝いた中野らしい数字ではないが、完全復活のデモンストレーションだった。守備でも魅せた。 3点を先制された直後の 2回一死 2、 3塁。2番度会の飛球が右翼手前に飛んだ。落ちれば 1失点は避けられない打球だったが、懸命な背走から後ろ向きでキャッチ。ビッグプレーで追加点を防いだ。 6月には16打席連続無安打と苦しんだ中、この試合で12試合連続安打。今季最長を更新している。苦しい試合展開の中、虎の選手会長が結果でチームをけん引した。
●大、大、大逆転! 阪神は横浜DeNAに 6- 5で今季4度目のサヨナラ勝ち。 9回二死満塁で代打・原口文仁内野手の右前適時打が 1塁悪送球を誘った。貯金2とし、3位に浮上。 3点以上のビハインドをひっくり返したのも今季初で反発力もアップ! 織姫と彦星が年に一度会う七夕の日。虎の願いごとは絶対にかなう!七夕の夜に、甲子園で奇跡が起きた。天の川のようにウオーターシャワーが輝く。ライトゴロが〝サヨナラ打〟に変わった。白球が 1塁ベンチ付近を転々とし、虎戦士が飛び跳ねる。原口は何度も何度も右手を天に突き上げ、喜びを味わった。 9回二死満塁。代打として登場し、森原康平投手(32)の初球、 151キロをとらえた。 1、 2塁間を破る。前進守備を敷いていたドラフト1位・度会(ENEOS)は猛然とダッシュし、 1塁を狙った。映像を確認した岡田監督が冷や汗をかいたシーン。送球はベンチ方向に逸れ、誰も捕ることができなかった。ヒットを放ったにもかかわらず、 1塁を駆け抜けていた原口は振り返って、劇打になったことを確認。ようやく白い歯がこぼれた。原口は抜かりなし。 1塁送球が大きくそれて、結果的には珍しい形での逆転サヨナラシーンとなった。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 6x- 5横浜DeNA>◇13回戦◇阪神 7勝 5敗 1分◇ 7日◇阪神甲子園球場
 阪神が 3点を追う 2回の攻撃前に早くも円陣を組んだ。横浜DeNAの先発・ケイの前に、 1回は無死 1、 3塁の好機を作りながら、豊田、大山、前川が三振に倒れて無得点。反攻の兆しをみせたい打線だったが、梅野が 2飛に倒れると、小幡、西勇が 2ゴロに倒れて3者凡退に終わった。


  2回無死 2、 3塁、京田陽太内野手に適時打を許した西勇輝投手=阪神甲子園球場
 阪神の先発・西勇輝投手が 2回につかまった。先頭の宮崎の打球は 3遊間深くへのゴロ。一度はグラブに収めた遊撃手の小幡だったが、ボールを捕球しきれず内野安打とした。佐野に右前打を浴び、無死 1、 2塁となり、続く山本には初球を痛打されて先制点を献上。さらに続く京田にも初球を右前に運ばれ、4連打で3点を失った。さらにピンチは続く。投手・ケイは送りバントの構え。投前に転がった打球を処理した西勇だったが、 2塁への送球を遊撃・小幡が捕球しきれず、西勇に失策が記録された。再び無死 1、 2塁で桑原は投犠打で一死 2、 3塁。内野は前進守備をひいた。度会の打球はふらふらっと右翼方向へ。これを 2塁・中野が背走からスライディングでスーパーキャッチ。オースティンは左飛に打ち取り、これ以上の失点は許さなかった。


 〝サヨナラ打〟を放ってナインから祝福される原口文仁内野手=阪神甲子園球場
 阪神が逆転サヨナラ勝ち。1点を追う 9回二死満塁から代打・原口文仁内野手の右前打で同点。安打を処理したD1位・度会隆輝外野手の「右翼ゴロ」を狙った 1塁送球が乱れ、 2走も生還した。 2回、西勇輝投手が4連打で 3点を失い、 3回で降板。2番手の西純矢投手も 5回に 1点を奪われた。打線は野口恭佑外野手(23)の 5回のプロ初安打をきっかけに2点。 6回は野口の初打点となる中犠飛で詰め寄り、最大 4点差から逆転勝ちを収め、チームは3位に浮上した(成績=38勝36敗5分、観衆= 4万2600人)。


 15年7月21日のセ・リーグ勝敗表
 阪神が劇的なサヨナラ勝ちで2カード連続の勝ち越しを決めた。
  1点を追う 9回二死満塁で、代打原口文仁内野手が右翼へ安打を放つと、相手の悪送球を誘って一気に 2点を奪い試合を決めた。
           ◇   ◇   ◇

広島●、阪神○の結果、セ・リーグは首位広島から4位横浜DeNAまでが1ゲーム差。全球団が70試合以上消化したセ・リーグで、上位4球団が1ゲーム差以内は15年 7月21日以来、 9年ぶり。15年は巨人、阪神、ヤクルトの上位3球団が0差、4位横浜DeNAが0.5差だった。15年以前には75、92年にも見られ、75年は 8月 3日、92年は 7月28日に上位4球団が0.5差になっている。

 


  2回に3点を失った西勇輝投手=阪神甲子園球場
 阪神の先発・西勇輝投手が今季最短の 3回で降板した。 2回に4連打で3失点を奪われ、 3回も二死から連打などで満塁のピンチ。投手のケイを 3ゴロに抑えて無失点で切り抜けたが、捉えた打球を放たれて修正の兆しがみられなかった。 3回6安打3失点で今季最短のノックアウト。代わって 4回のマウンドには 6日に1軍昇格した西純矢投手が上がった。


  2回表横浜DeNA無死 2、 3塁、西勇輝投手は京田陽太内野手に右翼へ2点適時打を許した=阪神甲子園球場
 西勇輝投手が今季最短の 3回6安打3失点でマウンドを降りた。
 初回、先頭の横浜DeNA1番桑原が味方の失策で出塁するも、後続 3人をしっかり打ち取った。しかし 2回、先頭の宮崎を内野安打で出塁させると、佐野に右前打、山本には初球を捉えられ、左翼への先制適時2塁打を献上。続く京田にも初球を右翼へ運ばれ、4連打で一挙3点を失った。
  3回は二死から佐野、山本に連打を浴び、申告敬遠で二死満塁のピンチも無失点で切り抜けたが、 4回から西純にスイッチ。4勝目はならずマウンドを降りる形となった。
 西勇は 6月は4度の先発で防御率0.96と抜群の安定感を見せていた。

 

 サクセスストーリーのページをめくった。快音を響かせ、白球が右翼の芝生にバウンドする。育成で入団し、 2年目の野口恭佑外野手がプロ6打席目で初めてHランプをともし、初めてのお立ち台で喜びの声を上げた。
 「本当に 1打席魂込めて、集中していたので打ててよかった。歓声がすごかった。お母さんやったよー!」
 恩返しの瞬間は 5回だった。同学年の小幡が左前打で出塁。打席に入ると、 1ボールからケイの 153キロ直球を痛烈にはじき返した。「前日からケイ投手の映像を見ていたので、準備が結果につながった」。強い打球を右翼手・度会が後逸し、小幡が生還。野口も 3塁に到達して大きく両手を挙げ、「やっと壁を越えられた」と息をついた。


 野口恭佑外野手の七夕の願い事=阪神甲子園球場
 初ヒットにとどまらず 6回一死満塁でも中犠飛を放ってプロ初打点。プロ 4試合 7打席目での打点は、球団の育成出身野手では最速となった。
 しっかりとオチもつけた。 8回に 2ゴロ。併殺崩れで 1塁に残ると、代走・植田と入れ替わった。岡田監督は「最後、残そうと思ったら『足がつってます』と言いやがって」とニヤリとした。野口も「両足のふくらはぎと太ももがつっていた。チームのことなので(首脳陣に)言ったほうがいいかなと」と頭をかく。屈託ない姿に、周囲は自然と笑顔になれた。
 2023年育成D1位で入団し、同年の秋季キャンプで打撃が岡田監督の目に留まり、支配下登録を勝ち取った。そして今年の 1月、初めての1軍春季キャンプを前に甲子園に向かうと、クラブハウスには自分のロッカーが追加されていた。梅野、青柳とチームの顔の両選手の間に堂々と「97」が。目頭が熱くなった。「やばい、泣きそう」。思わず両親にLINEをした。2桁になった背番号の責任を自覚した。


  5回、代打の野口恭佑外野手が安打を放った=阪神甲子園球場

 オフシーズンも実家に帰ったのは 5日間のみだった。 1月には九産大で自主トレ。大学関係者に自ら願い出て許可をもらい、現役生も生活する学生寮に泊まり込んで、体を追い込んだ。今季にかける思いが実を結んだ。
 前夜にはルーズリーフに『明日初ヒット打てますように』と願いごとを書いて眠りについた。「日付回って〝明日〟って書いちゃったんですけど、かなってよかったです」。七夕の夜に現れた虎の新戦力が、確かな一歩を踏み出した。


 サヨナラ打を放った原口文仁内野手(右)に駆け寄る野口恭佑外野手(左から 2人目)ら=阪神甲子園球場
 野口恭佑外野手が甲子園の七夕の夜空を彩った。 4点を追う 5回、無死 1塁で代打登場。横浜DeNA左腕ケイの直球を強振すると、打球は流れ星のように一直線のライナーで右前にはずんだ。右翼手の度会が後逸する間に 1塁走者がホーム生還し、自身も 3塁まで進んだ。1軍昇格後 6打席目で飛び出したプロ初安打。運も味方につけた記念の一打となった。
           ◇   ◇   ◇
 創成館の同級生でもある阪神育成の川原は、1軍に初昇格が決まった野口の背中を押していた。


 プロ初安打を放ち記念球を手に笑顔を見せる野口恭佑外野手=阪神甲子園球場
 18年に春夏連続で甲子園の土を踏み、高卒で一足早く阪神に入団した川原。野口は 6月27日に2軍の名古屋遠征から帰寮すると、川原の部屋を突撃訪問した。すでに寝ていた川原は、野口の「行ってくるわ」の言葉をすぐに理解できなかった。「『おう』みたいな感じで終わりました」と笑う。それでも「あいつ(1軍に)行くんやと思って次の日の朝ばったり会ったので『稼いでこいよ』と言いました」。
 高校時代から夜遅くまでバットを振っていた印象が強い。「本当に野球が好きなんだなと思います。今もこっそりウエートトレしてるんじゃないですか」とニッコリ笑った。高校時代も今もずっと隣でその姿を見てきた。「(同い年の森下)翔太も(小幡)竜平も頑張ってほしいけど、やっぱり高校の同級生ですし。( 2人に)負けないぐらい頑張ってほしい」とエールを送った。


 野口恭佑外野手の母・和香子さん(右)=阪神甲子園球場
★母・和香子さんは涙
 野口の母・和香子さん(51)はスタンドから生観戦。「うちのお父さんに『打ってくれる気がするけど、自分が仕事だから、お前が行ってきて、見て』と言われた」と舞台裏を明かし、目の前でプロ初安打を見守った。甲子園では長崎・創成館高時代も活躍。「特別な場所なので、本当にここで打ってくれたことが最高の恩返しになりました」と涙を浮かべた。

■データBOX
◉…阪神の育成ドラフト出身野手で1軍でプロ初安打を放ったのは2009年育成D1位・野原祐也、10年育成D2位・田上健一、20年育成D1位・小野寺暖に続き、 4人目。 4試合、 7打席目での初打点は球団最速

■野口 恭佑 (のぐち・きょうすけ)
 2000(平成12)年 7月17日生まれ、23歳。長崎・雲仙市出身。創成館高を経て九産大に入学。福岡六大学リーグで 4年春には外野手でベストナインに選出された。23年育成ドラフト1位で阪神入団。昨季ウエスタンで67試合に出場し、打率0.303、6本塁打、18打点。11グではNPBレッドに所属し、16試合に出場、打率0.313、1本塁打、3打点で準優勝。今季ウエスタンでは56試合に出場し、打率0.308、1本塁打、26打点。 180センチ、88キロ。右投げ右打ち。背番号「97」


 5回裏阪神無死 3塁、近本光司外野手の適時打で生還した野口恭佑外野手を迎える岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 岡田彰布監督が、プロ初安打&初打点で勝利に貢献した野口恭佑外野手の裏側を明かした。
 この日右翼で先発したのは、豊田寛外野手(27)だった。「(野口か)どっちかを使おうと思っていたんだけど、豊田とね、豊田は先輩だから、もうそのくらいの理由しかなかった」。 5回に代打で途中出場した野口は、この打席でプロ初となる右前打をマーク。敵失もからんで 1点目を呼び込むと、 6回にも中犠飛を放ち 3点目を奪った。


 原口文仁内野手のサヨナラ打で勝利し、ナインを迎える岡田彰布監督(左から 3人目)ら=阪神甲子園球場
 8回に 2ゴロを放ち、 1塁走者として残ったところで、代走植田を送られ交代。指揮官は笑いながら振り返った。「最後お前、残そうと思ったら、足がつってます言いやがって(笑い)。帰ってこられへんやん、お前。 1塁コーチャーがなあ、足つってます言うて、情けない(笑い)。初めてやもんなあ、守ってやらせて」。

 サヨナラで勝利しスタンドのファンにあいさつする岡田彰布監督ら=阪神甲子園球場
 それだけ緊張していたことの表れ? 「まあそうやろなあ、そら初めての出場みたいなもんやから、守ってなあ、おーん。そら初めて 3塁まで走ったやろ」。それでもしっかり結果を残したプロ 2年目の若手をねぎらっていた。

 


  2回表横浜DeNA一死 2、 3塁、中野拓夢内野手は度会隆輝外野手の飛球を好捕する=阪神甲子園球場
 七夕の夜の〝虎祭り〟に甲子園のスタンドは揺れた。最後まであきらめない。中野がタイムリーを含む今季6度目となる猛打賞&12試合連続安打で、チームの逆転サヨナラ勝利に貢献した。
 「まずは 1点ずつ返そうという気持ちで打席に入った。しっかりと真っすぐを強くたたけた」
  3- 5の 8回。先頭の前川が 2失で出塁。小幡が中前打、近本が四球で歩いて二死満塁。中野は集中力を研ぎすました。ウィックの投じた 154キロ直球に力負けしなかった。この日3本目となる安打は右前へ。 1点差に詰め寄るタイムリー。相手のミスからの得点でダメージを与えた。


  2回表横浜DeNA一死 2、 3塁、中野拓夢内野手は度会隆輝外野手の飛球を好捕する=阪神甲子園球場
 「あの 1点が最後、(横浜DeNAの)抑え投手のピッチャーにもプレッシャーをかけられたと思う」
  1回には先頭の近本が 2塁打で出塁した直後に左前へ。無死 1、 3塁とチャンスを拡大させた。 7回は先頭で中前打。ともに得点にはならなかったが、中野のバットは右肩上がりだ。これで 6月22日の横浜DeNA戦(甲子園)からの連続試合安打を「12」に。打率は0.249。昨季最多安打のタイトルに輝いた中野らしい数字ではないが、完全復活のデモンストレーションだった。


  5回表横浜DeNA無死 1塁、 2塁手中野拓夢内野手は宮﨑敏郎内野手の打球に飛びつくが右前打となる=阪神甲子園球場
 中野拓夢内野手が劣勢のチームを攻守でもり立てた。
  2点を追う 8回二死満塁。カウント 1- 2と追い込まれながらも、右腕ウィックの 154キロ直球を引っ張り込んだ。 1、 2塁間を破る右前適時打で、 3塁走者を生還させた。初回、 7回にも安打を放ち、 6月27日中日戦以来、今季6度目の3安打猛打賞。終盤で 1点差に迫る粘りの一打を決めた。
 「チャンスで回ってきましたし。 2人を返そうとは思わずに、 1点ずつ返そうという気持ちで打席に入っていました。追い込まれてからしっかりと真っすぐを強くたたけた。最後、抑えのピッチャーにもプレッシャーがかかる1点だったのかなと思います」


  8回、中野拓夢内野手が適時打。1点差に迫った=阪神甲子園球場
 守備でも魅せた。 3点を先制された直後の 2回一死 2、 3塁。2番度会の飛球が右翼手前に飛んだ。落ちれば 1失点は避けられない打球だったが、懸命な背走から後ろ向きでキャッチ。ビッグプレーで追加点を防いだ。
 「打った瞬間はどうかなと思ったんですけど、追いながら捕れるかなと思ったので。しっかりと最短(距離)で捕ることができた。あそこで点が入らなかったところで、流れを止められた。良かったと思います」
  6月には16打席連続無安打と苦しんだ中、この試合で12試合連続安打。今季最長を更新している。苦しい試合展開の中、虎の選手会長が結果でチームをけん引した。

 


  9回裏阪神2死満塁、原口文仁内野手は右前打を放ち、度会隆輝外野手の 1塁悪送球でサヨナラとなった=阪神甲子園球場
 大、大、大逆転! 阪神は横浜DeNAに 6- 5で今季4度目のサヨナラ勝ち。 9回二死満塁で代打・原口文仁内野手の右前適時打が 1塁悪送球を誘った。貯金2とし、3位に浮上。 3点以上のビハインドをひっくり返したのも今季初で反発力もアップ! 織姫と彦星が年に一度会う七夕の日。虎の願いごとは絶対にかなう!
 七夕の夜に、甲子園で奇跡が起きた。天の川のようにウオーターシャワーが輝く。ライトゴロが〝サヨナラ打〟に変わった。白球が 1塁ベンチ付近を転々とし、虎戦士が飛び跳ねる。原口は何度も何度も右手を天に突き上げ、喜びを味わった。


  9回裏阪神2死満塁、原口文仁内野手は右前打を放ち、度会隆輝外野手の 1塁悪送球でサヨナラとなった=阪神甲子園球場
 「(度会の 1塁送球が)それたのも分かりました。ランナーを確認して、かえってきたので、『サヨナラやな』と思って、よかった」
  9回二死満塁。代打として登場し、森原の初球、 151キロをとらえた。 1、 2塁間を破る。前進守備を敷いていたドラフト1位・度会(ENEOS)は猛然とダッシュし、 1塁を狙った。映像を確認した岡田監督が「いい球やったらアウト」と冷や汗をかいたシーン。送球はベンチ方向に逸れ、誰も捕ることができなかった。ヒットを放ったにもかかわらず、 1塁を駆け抜けていた原口は振り返って、劇打になったことを確認。ようやく白い歯がこぼれた。


  9回、適時打とサヨナラ送球エラーでナインと喜ぶ原口文仁内野手(中央)=阪神甲子園球場
 原口文仁内野手はしっかり気付いていた。
  1点を追う 9回二死満塁。代打で登場し、初球を打って 1、 2塁間を抜いた。ただ、右翼手の度会隆輝(21)は前進守備から猛チャージして「右ゴロ」を狙いにきた。
 原口は決して足が速くない。もし 1塁がアウトなら当然、 1点も入らず試合終了となる。
 ただ、原口は「見えていました。抜けた瞬間から(度会の)チャージがこっち(ライン寄り)に向かっていたので、本当に一生懸命、走りました」と抜かりなし。 1塁送球が大きくそれて、結果的には珍しい形での逆転サヨナラシーンとなった。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦最終順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(07月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(08月)

 

 

 

 

 

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