●阪神は 0- 0のまま延長に突入したゲームで、延長10回に 3点を奪って首位広島に競り勝った。巨人が中日に敗れたため3位に浮上。敗れれば勝率5割を切り借金生活に突入する一戦だったが踏ん張り、首位広島とは3ゲーム差となった。先発した才木浩人投手(25)は 7回1安打無失点の好投を見せたが、相手先発の森下暢仁投手(26)の好投もあって援護に見放され、自己最多を更新する9勝目はおあずけとなった。阪神が延長10回に勝ち越しに成功した。一死から小幡竜平内野手(23)が四球を選ぶと、ここで代打で途中出場していた島田海吏外野手(28)が右前打を放つ。 1走・小幡が 3塁を狙ったが、打球を処理した広島の右翼・野間峻祥外野手(31)が 3塁を大きく越える悪送球。そのまま送球がカメラマン席に飛び込み、 3塁に滑り込んでいた小幡に本塁が与えられて虎が先制に成功した。さらに一死 2塁から近本光司外野手(29)にも18打席ぶり安打となる左越え適時2塁打が飛び出して加点。中野拓夢内野手(28)にも右前適時打が出て、得点を重ねた。
●大山悠輔内野手(29)が、 1塁守備でさすがの好守を見せ、9勝目を目指す先発の才木浩人投手を盛り立てた。 0- 0の 1回一死から野間が放った 1、 2塁間への強い当たりに飛び込むと、すぐさま体を起こして 1塁へ。投手の才木も素早くベースカバーに入っており、息の合ったプレーでアウトを完成させた。打撃でも状態を上げている大山は、直後の 2回の攻撃では先頭で左前打を放ち5試合連続安打とした。
●近本光司外野手が15打席連続無安打となった。 3回二死の第 2打席。森下のカットボールをうまく逆方向へはじき返すと、打球は 3遊間最深部へ。 1塁を駆け抜け、セーフの判定となった。しかし、広島ベンチがリプレー検証を要求し、判定が覆ってアウトに。広島の遊撃・矢野のスーパープレーに阻まれて、ヒットは幻に消えた。岡田彰布監督(66)が動いた。 0- 0の 8回無死 1、 2塁で打席へ向かう近本光司外野手の元へと歩み寄り、なにやらささやいた。近本は前の打席まで16打席連続で凡退中だった。安打にはならなかったが、近本は中堅へ強い当たりの飛球を放ち、走者を進める役割を果たした。先頭・小幡の左前打と代打・島田の犠打が野選となってできあがった、 8回無死 1、 2塁の絶好機だった。ベンチを出て悩めるリードオフマンの元へ向かった岡田監督は、数秒にわたって声をかけた。近本は必死で耳を傾け、打席へ向かった。バントの構えは見せず、ヒッティングだった。 2人の表情は柔らかかった。カウント 1- 0から近本が放った打球は中堅への強い当たりの飛球に。 2走・小幡が好判断を見せ、 3塁を奪った。〝オカダのささやき〟から一死 1、 3塁とチャンスを拡大したが、ここで中野は空振り三振…。続く森下翔太外野手(23)も右飛に倒れ、またも先制のチャンスを生かすことはできなかった。
●前川右京外野手(21)は好投の森下から 4回に左前打、 7回に右前打と広角に打ち分け、チーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。打率は0.283まで上昇。複数安打は2試合連続と状態上向きの若虎だがさらに上を見ていた。
●「3番・右翼」で 2試合ぶりに先発復帰した森下翔太外野手は4打数無安打、3三振に終わった。 8回二死 1、 3塁では捉えた打球も右飛に終わり、直後の守備からベンチに退いた。一方で森下に代わって右翼に入った島田が攻守で躍動。。
●中野拓夢内野手が延長10回一死 3塁で右前打を放ち、大きな3点目。これで7試合連続安打となった。
●小幡竜平内野手の選球眼が試合終盤の猛攻につながった。 0- 0の延長10回一死でフルカウントから、島内颯太郎投手(27)の内角 153キロ直球を見極め、四球で出塁。続く島田の打席のエンドランで 3進し、右翼・野間の悪送球の間に生還。喉から手が出るほど欲しかった先制点に貢献した。
●島田海吏外野手が好守でサヨナラ機を救った。 0- 0の 9回一死 1塁。6番菊池涼介内野手(34)の打球は右翼前に上がった。落ちればピンチ拡大、抜ければサヨナラも考えられる打球。チャージをかけ、最後は飛び込みながらつかみ取った。ここぞのプレーでピンチを救った。途中出場の男が、チームを救うダイビングキャッチに、勝利を呼び込む一打と躍動した。小幡が先制のホームを踏むと、島田海吏外野手はグッと拳を握りしめた。 8回、先発才木の代打で途中出場。この打席で犠打(記録は捕犠打野選)を決めると、 0― 0の延長10回一死 1塁で打席に立った。カウント 1- 1から 1走・小幡がスタートを切る。島内の 151キロを引っ張った。痛烈な打球は右前へ。小幡が 3塁へ走る。右翼からの返球は大きくそれて 3塁カメラマン席へ。 3塁へと到達していた小幡に本塁生還が宣告された。白熱の投手戦で、島田の〝決勝打〟が試合を決めた。岡田監督はスタメン起用を確約した。島田も力を込めた。もう伏兵とは呼ばせない。チーム内での愛称『うなぎ』が、 7月の上昇気流を巻き起こす。
●才木浩人投手は大粒の汗を流しながらゼロを並べた。広島森下と 7回まで緊迫した投手戦の中、 1歩も引かなかった。 7回 1安打無失点、6奪三振の粘投。キャリアハイの9勝目はお預けも、 113球を投げ抜いてチームの連敗は2でストップさせた。今季6度目の「連敗ストッパー」だ。ピンチは自らの失策からだった。 2回、広島先頭小園海斗内野手(23)の投ゴロを 1塁へ悪送球。ボールが右翼へ転々としている間に 3塁まで進まれた。無死 3塁でも冷静だった。5番坂倉将吾捕手(26)を 150キロの直球で 3邪飛に差し込み、菊池の投ゴロで 3塁走者を挟んで 2アウト。最後は矢野雅哉内野手(25)をスライダーで 2直に仕留めて、安堵(あんど)の表情でうなずいた。 6回先頭の會澤翼捕手(35)に右前打を浴びるまで無安打無失点投球。さらに 6回秋山翔吾外野手(35)から奪った空振り三振で、今季85奪三振。巨人戸郷翔征投手(24)の83奪三振を抜き、再びリーグトップに立った。御礼快投だ。この日、ファン投票の最終結果が発表された。今季8勝の右腕はセ・リーグ先発部門で選出され、プロ8年目で初の球宴出場が決まった。そのほか、中継ぎ投手部門では岩崎優投手(33)が51万9818票を集めて4年連続4度目の選出。近本光司外野手は89万6913票を集め、外野手部門トップで2019年から5回連続選出(2020年は新型コロナウイルスの影響により中止)。昨年はけがの影響で出場を辞退しており、胸を躍らせていた。この日も 40キロ後半の直球に、フォークやスライダーを操り、広島打線を手玉に取った。「新・火曜日の男」が気迫の投球で勝利を呼び込んだ。
●桐敷拓馬投手(25)が好リリーフで零封リレーをつないだ。 8回一死 2塁で石井大智投手(26)に代わって登板。秋山を 3ゴロに打ち取った後、野間に死球を与えるも最後は上本崇司外野手(33=実兄は元阪神タイガースの上本博紀)を右飛に仕留めた。 6月30日の東京ヤクルト戦(神宮)でピンチを招き、3失点で逆転負けに絡むも即修正。胸を張った。
●岩崎優投手が 9回を無失点で切り抜けて勝利につなげた。一死 1塁から菊池の右翼への飛球は島田の好捕もあり、最後は矢野を左飛に仕留めた。延長10回に打線が奮起して今季3勝目。仕事を果たして2年連続の球宴ファン選出にも応えた。
●ハビー・ゲラ投手(28)がピンチで何とか踏ん張り、 6月21日の1軍再昇格後初となる今季9セーブ目をあげた。 3- 0の延長10回に登板すると一死から代打・堂林翔太内野手(32=妻は元TBSテレビアナウンサーでフリーアナウンサーの枡田絵理奈)に四球。続く秋山、野間に単打を浴びて塁を埋めたが、代打・松山竜平内野手(38)をスライダーで 2ゴロ併殺に片付けた。
●「マイナビオールスター2024」(第1戦= 7月23日・エスコンフィールド北海道、第2戦=同24日・明治神宮野球場)の出場選手を決めるファン投票の最終結果が 2日に発表され、阪神から 3選手が選出された。先発投手部門では才木浩人投手が45万1456票を集めて初選出。今季は両リーグトップの8勝(2敗)、セ・リーグ2位の防御率1.20と好投を続ける右腕は2位の東克樹投手(28=横浜DeNA)に22万7028票差をつける圧倒的な支持を得た。夢舞台の切符をつかみ、意気込みを語った。そのほか、中継ぎ投手部門では岩崎優投手が51万9818票を集めて4年連続4度目の選出。近本光司外野手は89万6913票を集め、外野手部門トップで2019年から5回連続選出(2020年は新型コロナウイルスの影響により中止)。昨年はけがの影響で出場を辞退。今後は 4日に選手間投票、 8日に監督選抜、17日にプラスワン投票で選出された選手がそれぞれ発表される。
●阪神電鉄は2日、今月5日から8月1日の期間に開催される甲子園での阪神主催試合において、「100 周年直前グルメキャンペーン」を開催することを発表した。キャンペーンは第1弾から第3弾までで、豪華景品が当たる抽選や記念ノベルティのプレゼントなど、内容盛りだくさん。第1弾は今月5-7日の横浜DeNA戦と9、10日の東京ヤクルト戦で、対象の100周年記念グルメ購入者の中から抽選で「岡田監督直筆サイン入り100周年記念ボール」が当たる。本キャンペーンの開催に合わせて、100周年記念グルメには暑い季節にぴったりな絶品メニューも新登場。キャンペーンの詳細は
阪神電鉄公式サイトまで。
記事をまとめてみました。

 

 

 <広島 0- 3阪神=延長10回>◇11回戦◇阪神 5勝 5敗 1分◇ 2日◇MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(略称=マツダスタジアム)
 阪神は 0- 0のまま延長に突入したゲームで、延長10回に 3点を奪って首位広島に競り勝った。巨人が中日に敗れたため3位に浮上。敗れれば勝率5割を切り借金生活に突入する一戦だったが踏ん張り、首位広島とは3ゲーム差となった。


 延長10回、生還した小幡竜平内野手をむかえる阪神ベンチ=マツダスタジアム
  0- 0の延長10回一死から小幡が四球を選ぶと、ここで代打で途中出場していた島田が右前打を放つ。一気に 1走・小幡が 3塁を狙ったが、打球を処理した右翼の野間が 3塁を大きく越える悪送球。そのまま送球がカメラマン席に飛び込み、 3塁に滑り込んでいた小幡に本塁が与えられ虎が先制に成功した。さらに一死 2塁から、近本にも18打席ぶり安打となる左越え適時2塁打が飛び出して加点。中野にも右前適時打が出て、得点を重ねた。 3- 0の10回のマウンドにはゲラが上がり、四球と連打で一死満塁を背負った。代打・松山を迎え、一発出れば逆転サヨナラ負けの危機だったが、最後は 2ゴロ併殺に打ち取り逃げ切った。
 先発した才木は 7回1安打無失点の好投を見せたが、相手先発の森下の好投もあって援護に見放され、自己最多を更新する9勝目はおあずけとなった。


 延長10回、適時2塁打を放った近本光司外野手=マツダスタジアム
 阪神が延長10回に勝ち越しに成功した。一死から小幡竜平内野手が四球を選ぶと、ここで代打で途中出場していた島田海吏外野手が右前打を放つ。 1走・小幡が 3塁を狙ったが、打球を処理した広島の右翼・野間峻祥外野手が 3塁を大きく越える悪送球。そのまま送球がカメラマン席に飛び込み、 3塁に滑り込んでいた小幡に本塁が与えられて虎が先制に成功した。さらに一死 2塁から近本光司外野手にも18打席ぶり安打となる左越え適時2塁打が飛び出して加点。中野拓夢内野手にも右前適時打が出て、得点を重ねた。

 


  1回、野間峻祥外野手を 1ゴロを好捕した大山悠輔内野手(左下)は、 1塁のベースカバーの才木浩人投手に転送してアウトを完成させた=マツダスタジアム
 大山悠輔内野手が、 1塁守備でさすがの好守を見せ、9勝目を目指す先発の才木浩人投手を盛り立てた。
  0- 0の 1回一死から野間が放った 1、 2塁間への強い当たりに飛び込むと、すぐさま体を起こして 1塁へ。投手の才木も素早くベースカバーに入っており、息の合ったプレーでアウトを完成させた。
 才木は 6月25日の中日戦(倉敷)で 8回1失点の好投を見せながら、打線の援護がなくチームも 0- 1で敗戦。才木の連勝も8でストップし、2敗目を喫していた。主砲が、まずは守りで才木を助ける形となった。
 打撃でも状態を上げている大山は、直後の 2回の攻撃では先頭で左前打を放ち5試合連続安打とした。

 


  3回、あと一歩のところで遊撃内野安打が遊ゴロとなってしまった近本光司外野手=マツダスタジアム
 近本光司外野手が15打席連続無安打となった。
  3回二死の第 2打席。森下のカットボールをうまく逆方向へはじき返すと、打球は 3遊間最深部へ。 1塁を駆け抜け、セーフの判定となった。しかし、広島ベンチがリプレー検証を要求し、判定が覆ってアウトに。広島の遊撃・矢野のスーパープレーに阻まれて、ヒットは幻に消えた。
 近本は 6月25日の中日戦(倉敷)の第 2打席で右前打を放ってからこれで15打席連続無安打。同27日、29日と2試合連続で欠場し、30日の東京ヤクルト戦(神宮)でスタメン復帰も5打数無安打に終わっていた。


  8回の打席に入る前、岡田彰布監督と言葉を交わす近本光司外野手。口元を覆っているが、笑顔のようにも見える=マツダスタジアム
 岡田彰布監督が動いた。 0- 0の 8回無死 1、 2塁で打席へ向かう近本光司外野手の元へと歩み寄り、なにやらささやいた。近本は前の打席まで16打席連続で凡退中だった。安打にはならなかったが、近本は中堅へ強い当たりの飛球を放ち、走者を進める役割を果たした。
 先頭・小幡の左前打と代打・島田の犠打が野選となってできあがった、 8回無死 1、 2塁の絶好機だった。犠打を命じることも予想される場面だっただけに、犠打はないぞと背中を押したのだろうか-。ベンチを出て悩めるリードオフマンの元へ向かった岡田監督は、数秒にわたって声をかけた。近本は必死で耳を傾け、打席へ向かった。バントの構えは見せず、ヒッティングだった。
 カウント 1- 0から近本が放った打球は中堅への強い当たりの飛球に。 2走・小幡が好判断を見せ、 3塁を奪った。
 〝オカダのささやき〟から一死 1、 3塁とチャンスを拡大したが、ここで中野は空振り三振…。続く森下も右飛に倒れ、またも先制のチャンスを生かすことはできなかった。


 延長10回、左越え適時2塁打を放った近本光司外野手。18打席ぶりの安打で勝利を呼び込んだ=マツダスタジアム
 待ってたで!! 阪神は首位広島に 3― 0で勝ち、連敗を2で止めて3位に浮上した。延長10回に近本光司外野手が、18打席ぶりの安打で貴重な2点目をたたき出した。この日発表された「マイナビオールスターゲーム2024」の外野手部門で、ルーキーイヤーから5度連続で選出されたリードオフマン。負ければ借金生活の危機で久しぶりに響かせた快音が虎の 7月反攻の号砲だ。
 広島の夜空に確かな光が見えた。近本の打球がべたべたした梅雨の空気を切り裂き、左翼手の頭上を越える。指揮官にも背中を押され、誰もが待ち望んだHランプをようやくともした。
 「狙いとかないので、ヒット打つだけなので。ヒットになって良かったです」


 球宴ファン投票で選出された近本光司外野手、才木浩人投手、岩崎優投手=マツダスタジアム
 相手の失策が絡んで 1点を先制した延長10回。一死 2塁で島内の直球を捉えた。外角のボールに逆らわず、左翼に運んで 2点目を加える適時2塁打。 6月25日の中日戦(倉敷)以来、18打席ぶりの安打で勝利をグッとたぐり寄せた。
 快打の兆しはその前の打席にあった。 8回無死 1、 2塁の絶好機で打席へ。守備のタイムが取られる中、打席内でルーティンを始める近本がベンチまで走って戻った。呼び声の主は岡田監督だ。直接声を掛ける珍しいワンシーン。 2人の表情は柔らかかった。

 


  4回、安打を放った前川右京外野手=マツダスタジアム
 前川右京外野手は好投の森下から 4回に左前打、 7回に右前打と広角に打ち分け、チーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。
 打率は0.283まで上昇。複数安打は2試合連続と状態上向きの若虎だが「打撃の状態としてはまだまだいけると思うので、もう一工夫加えて、もうちょっとよくしていけたらなと思います」とさらに上を見ていた。

 


  6回、三振に倒れた森下翔太外野手=マツダスタジアム
 「3番・右翼」で 2試合ぶりに先発復帰した森下翔太外野手は4打数無安打、3三振に終わった。
 「結果が全てなんで。結果が出せなかったというのは悔しい」
  8回二死 1、 3塁では捉えた打球も右飛に終わり、直後の守備からベンチに退いた。一方で森下に代わって右翼に入った島田が攻守で躍動。岡田監督は「森下の内容見てみ。いつまでもホームランばっかり狙ろて。そんなんお前、バッティング教える以前の問題や」と苦言を呈した。

 


  8回の好機に三振した中野拓夢内野手=マツダスタジアム
 中野拓夢内野手が延長10回一死 3塁で右前打を放ち、大きな3点目。これで7試合連続安打となった。
 ただ、 8回一死 1、 3塁の好機では空振り三振に倒れており「あそこで点をとっていれば才木に勝ちがついていたかもしれない。最後打ったというより、あの打席で打点を取れなかった悔しさの方がある」と反省を忘れなかった。

 


 延長10回、島田海吏外野手の安打で 3塁へ進んだ小幡竜平内野手。送球が逸れ、このあと生還する=マツダスタジアム
 小幡竜平内野手の選球眼が試合終盤の猛攻につながった。
  0- 0の延長10回一死でフルカウントから、島内の内角 153キロ直球を見極め、四球で出塁。続く島田の打席のエンドランで 3進し、右翼・野間の悪送球の間に生還。喉から手が出るほど欲しかった先制点に貢献した。
 下位打線からのチャンスメークに「上位が打ってくれている。そこでしっかりと(塁に)出ること。その場その場で状況をみながらやれたら」と胸を張った。

 


  9回裏広島一死 1塁、島田海吏外野手は菊池涼介内野手の打球をランニングキャッチ=マツダスタジアム
 島田海吏外野手が好守でサヨナラ機を救った。
  0- 0の 9回一死 1塁。6番菊池の打球は右翼前に上がった。落ちればピンチ拡大、抜ければサヨナラも考えられる打球。チャージをかけ、最後は飛び込みながらつかみ取った。
 代打から途中出場した島田だったが、ここぞのプレーでピンチを救った。
 途中出場の男が、チームを救うダイビングキャッチに、勝利を呼び込む一打と躍動した。小幡が先制のホームを踏むと、島田海吏外野手はグッと拳を握りしめた。
 「エンドラン(のサイン)だったので、真っすぐに振り負けないようにとイメージして入れた。結果的にその後に点が入ったのでよかった」


  9回、飛球を好捕してピンチを救った島田海吏外野手=マツダスタジアム
  8回、先発才木の代打で途中出場。この打席で犠打(記録は捕犠打野選)を決めると、 0― 0の延長10回一死 1塁で打席に立った。カウント 1- 1から 1走・小幡がスタートを切る。島内の 151キロを引っ張った。痛烈な打球は右前へ。小幡が 3塁へ走る。右翼からの返球は大きくそれて 3塁カメラマン席へ。 3塁へと到達していた小幡に本塁生還が宣告された。白熱の投手戦で、島田の〝決勝打〟が試合を決めた。
 守備でもチームを救った。代打から右翼の守備に就いて迎えた 9回一死 1塁。菊池の打球に飛び込んだ。「一歩目は思い切りよく切れたかな」。華麗なダイビングキャッチ。全身全霊を懸けて躍動するその姿に苦しんでいた昨季の面影はない。


 延長10回、島田海吏外野手の右前打が勝利につながった=マツダスタジアム
 昨年は原因不明の腰痛に苦しんだこともあった。一からの体作りを掲げて始まったオフシーズン。その甲斐あって、今は痛みなく野球ができている。全力でプレーできることがうれしくて仕方ない。
 「その場、その場で全力を尽くすことが僕にとってのできること。それがきょうはいい結果になってよかった」


 延長10回、島田海吏外野手の安打で 3塁に進塁する小幡竜平内野手=マツダスタジアム

 全力で虎を勝利に導いた男に、岡田監督は「(島田を)残しといてよかったよな。こんな仕事しとったら先発で使うよ」とスタメン起用を確約した。島田も力を込めた。
 「スタメンだろうが、後からだろうが、やることは一緒。強い気持ちを持って毎試合臨んでいきたい」
 もう伏兵とは呼ばせない。チーム内での愛称『うなぎ』が、 7月の上昇気流を巻き起こす。

 


 広島に勝利し岡田彰布監督とタッチを交わす才木浩人投手。右は平田勝男ヘッドコーチ=マツダスタジアム
 才木浩人投手は大粒の汗を流しながらゼロを並べた。広島森下と 7回まで緊迫した投手戦の中、 1歩も引かなかった。 7回 1安打無失点、6奪三振の粘投。キャリアハイの9勝目はお預けも、 113球を投げ抜いてチームの連敗は2でストップさせた。今季6度目の「連敗ストッパー」だ。
 「正直1点覚悟しましたけど、ファウルフライに取れたのが一番大きかった。そこからちょっといけるかもという感じだったので、結果的にゼロでいけてよかったです」


 好投した阪神先発の才木浩人投手=マツダスタジアム
 ピンチは自らの失策からだった。 2回、広島先頭小園の投ゴロを 1塁へ悪送球。ボールが右翼へ転々としている間に 3塁まで進まれた。無死 3塁でも冷静だった。5番坂倉を 150キロの直球で 3邪飛に差し込み、菊池の投ゴロで 3塁走者を挟んで 2アウト。最後は矢野をスライダーで 2直に仕留めて、安堵(あんど)の表情でうなずいた。
  6回先頭の會澤に右前打を浴びるまで無安打無失点投球。さらに 6回秋山から奪った空振り三振で、今季85奪三振。巨人戸郷の83奪三振を抜き、再びリーグトップに立った。


  2回、菊池涼介内野手の打球を処理し、挟殺プレーに持ち込む才木浩人投手。ここではきっちりと処理し、ピンチで踏ん張った=マツダスタジアム
 御礼快投だ。この日、ファン投票の最終結果が発表された。今季8勝の右腕はセ・リーグ先発部門で選出され、プロ8年目で初の球宴出場が決まった。「選んでいただいて、すごくありがたいし、ファンの方が喜んでくれるようなパフォーマンスをできれば」と喜び、ファンに感謝だ。どんな投球を見せたいか問われると「最初はカーブばっかり投げようかなと思ったんですけど、さすがに違うなと思って(笑い)思い切り真っすぐ勝負でいきたい」と、ちゃめっ気たっぷりに意気込んだ。
 この日も 40キロ後半の直球に、フォークやスライダーを操り、広島打線を手玉に取った。「粘っていたら、今日みたいに最後に点が入ることがある。こういうピッチングが続けてできたらいいかなと思います」。「新・火曜日の男」が気迫の投球で勝利を呼び込んだ。


  5回、坂倉将吾捕手のファーストゴロのベースカバーに走る才木浩人投手。 5回まで無安打投球を繰り広げた=マツダスタジアム
 才木浩人投手が、守りで痛いエラーを犯した。
  0- 0の 2回に先頭の小園が放った投前へのゴロを処理した際に、 1塁へ悪送球。急いだために速く、ワンバウンドの送球となってしまい 1塁・大山もつかむことができず。さらに、 1塁内野スタンドのフェンスで跳ね返ったことでカバーに入った右翼・森下もそらす形となってしまい、小園に一気に 3進を許してしまった。
 無死 3塁となり、先制点献上が頭をよぎる大ピンチとなったが、球宴ファン投票1位に輝いた右腕はここから粘る。まずは坂倉を 3邪飛に打ち取ると、菊池は投ゴロ。飛び出した 3走・小園を落ち着いて挟殺プレーに持ち込んでアウトにした。二死 2塁となり、続く矢野は 2直に打ち取って事なきを得た。
 試合前時点で、阪神は先制点を献上した試合で12連敗中。打線が反発力を失った 5月以降に限れば、先制を許した試合では1勝17敗と苦しんでいる。自身のミスから招いたピンチとはいえ、才木は見事な粘りで最初のピンチをしのいだ。


  5裏広島無死、坂倉将吾捕手の 1ゴロでベースカバーに入る才木浩人投手=マツダスタジアム
 先発の才木浩人投手が 5回まで広島打線を無安打に抑えた。 1回一死では野間の打球を 1塁・大山が好守でアウトに。 2回は自身の悪送球で無死 3塁のピンチを背負うも、後続を抑えて無失点で切り抜けた。 3回、 4回と3者凡退に抑えた右腕は 5回も打者 3人で終え、無安打投球。粘る広島打線に 5回終了時で球数は82球を擁しているが、抜群の投球を続けている。
 才木は 6月25日の中日戦(倉敷)で 8回 1失点の好投を見せながら、打線の援護がなくチームも 0ー 1で敗戦。才木の連勝も8でストップし、2敗目を喫していた。 7回 1失点で白星をつかんだ同16日の福岡ソフトバンク戦(みずほペイペイ)では 1回に 4点の援護をもらったが、その回以来、才木の投げている間には打線の援護がなく、この日の 5回終了時点で「登板19イニング連続援護なし」となってしまった。


 真っ赤に染まった敵地で奮闘した才木浩人投手。またも無援護に泣いた=マツダスタジアム
 先発の阪神・才木浩人投手は 7回1安打無失点で降板した。 5回まで無安打投球を続けた右腕は 6回先頭の會澤に右前打を浴びた。それでも続く森下のバントを 2塁へ送球し、 1走・會澤をアウト。二死から四球で 1、 2塁としたが、最後は上本を 3ゴロに仕留めた。 7回は二死 1塁で矢野を遊直に抑えて無失点。 113球の力投でスコアボードにゼロを並べた右腕は 8回の攻撃で代打を送られて降板した。防御率は1.11となった。
 才木の力投に応えたい打線は、 8回先頭の小幡が左前打で出塁すると、才木の代打・島田が犠打。これが広島の捕手・會澤の野選を誘って無死 1、 2塁。近本の中飛で 2走・小幡が 3塁へ進塁する好走塁で好機を作った。しかし、2番・中野が三振に倒れると、3番・森下は右飛に終わり、勝ち投手の権利を届けることができなかった。


  8回、投球した桐敷拓馬投手=マツダスタジアム
 桐敷拓馬投手が好リリーフで零封リレーをつないだ。
  8回一死 2塁で石井に代わって登板。秋山を 3ゴロに打ち取った後、野間に死球を与えるも最後は上本を右飛に仕留めた。 6月30日の東京ヤクルト戦(神宮)でピンチを招き、3失点で逆転負けに絡むも即修正。
 「前回点を取られてしまいましたけど、ここからズルズル行かないようにするのも大事なこと。そこは良かったですし、(石井)大智さんを助けられてよかった」と胸を張った。

 


 投球する岩崎優投手=マツダスタジアム
 岩崎優投手が 9回を無失点で切り抜けて勝利につなげた。
 一死 1塁から菊池の右翼への飛球は島田の好捕もあり、最後は矢野を左飛に仕留めた。延長10回に打線が奮起して今季3勝目をつかみ「またあした頑張ります」と冷静に語った。前回登板した 6月30日の東京ヤクルト戦(神宮)では山田に勝ち越し打を浴びたが、仕事を果たして2年連続の球宴ファン選出にも応えた。

 


 延長10回を抑え、ほえるハビー・ゲラ投手=マツダスタジアム
 ハビー・ゲラ投手がピンチで何とか踏ん張り、 6月21日の1軍再昇格後初となる今季9セーブ目をあげた。
  3- 0の延長10回に登板すると一死から代打・堂林に四球。続く秋山、野間に単打を浴びて塁を埋めたが、代打・松山をスライダーで 2ゴロ併殺に片付けた。「興奮する展開にしてしまいましたけど、勝てて良かった。結果的にセーブが取れて勝てたことが良かった」と声を弾ませた。

 

 「マイナビオールスター2024」(第1戦= 7月23日・エスコンフィールド北海道、第2戦=同24日・明治神宮野球場)の出場選手を決めるファン投票の最終結果が 2日に発表され、阪神から 3選手が選出された。
 先発投手部門では才木浩人投手が45万1456票を集めて初選出。今季は両リーグトップの8勝(2敗)、セ・リーグ2位の防御率1.20と好投を続ける右腕は2位の東(横浜DeNA)に22万7028票差をつける圧倒的な支持を得た。夢舞台の切符をつかみ、「そういう形(大差)でファンのみなさんに選んでいただいたということですごくありがたいですし、ファンの方に喜んでもらえるようなパフォーマンスがオールスターでできればいいかなと思います」と意気込みを語った。


 才木浩人投手=マツダスタジアム

 右腕にとって印象的な過去のオールスターの名場面は「ベタですけど、球児さんが〝申告真っすぐ〟で三振を取ったシーン」。2006年第1戦(神宮)の 9回に登板した藤川球児氏(阪神)が直球宣言を繰り出してカブレラ氏(埼玉西武)、小笠原道大氏(北海道日本ハム)から連続空振り三振を奪い、火の玉ストレートの脅威を見せつけた。才木が球宴で対戦したい打者に挙げたのは、 6月16日の福岡ソフトバンク戦(みずほペイペイ)でソロアーチを浴びている近藤で、「ホームランを打たれているので、やり返したいという気持ちがある。真っすぐを打たれているので、真っすぐでやり返したい」。18年前の藤川氏同様、武器の力強い直球でファンを沸かせる意欲を明かした。
 そのほか、中継ぎ投手部門では岩崎優投手が51万9818票を集めて4年連続4度目の選出となり、「個人的にはすごくいいシーズンというわけではないんですけど、そんな中で投票していただき、感謝しています」。近本光司外野手は89万6913票を集め、外野手部門トップで2019年から5回連続選出(2020年は新型コロナウイルスの影響により中止)。昨年はけがの影響で出場を辞退しており、「今年はしっかりとその舞台に立って、楽しくプレーできたらいいなと思います」と胸を躍らせていた。
 今後は 4日に選手間投票、 8日に監督選抜、17日にプラスワン投票で選出された選手がそれぞれ発表される。

 


 岡田監督直筆サイン入り100周年記念ボール
 阪神電鉄は2日、今月5日から8月1日の期間に開催される甲子園での阪神主催試合において、「100 周年直前グルメキャンペーン」を開催することを発表した。
 キャンペーンは第1弾から第3弾までで、豪華景品が当たる抽選や記念ノベルティのプレゼントなど、内容盛りだくさん。第1弾は今月5-7日の横浜DeNA戦と9、10日の東京ヤクルト戦で、対象の100周年記念グルメ購入者の中から抽選で「岡田監督直筆サイン入り100周年記念ボール」が当たる。本キャンペーンの開催に合わせて、100周年記念グルメには暑い季節にぴったりな絶品メニューも新登場。キャンペーンの詳細は
阪神電鉄公式サイトまで。


 阪神電気鉄道株式会社(本社:大阪市福島区、社長:久須勇介)が運営する阪神甲子園球場では、2024年8月1日(木)に迎える100周年に向けて、7月5日(金)~8月1日(木)の阪神タイガース公式戦開催日において、「100周年直前グルメキャンペーン」を開催します。キャンペーンは第一弾から第三弾まで、豪華景品の当たる抽選や記念ノベルティのプレゼントなど、盛り沢山の内容を予定しています。
 第一弾は7月5日(金)~7日(日)対横浜DeNAベイスターズ戦及び 9日(火)・10日(水)対東京ヤクルトスワローズ戦で100周年記念グルメを購入された方に抽選で「岡田監督直筆サイン入り100周年記念ボール」が当たります!
 また、本キャンペーンの開催に合わせて、100周年記念グルメに暑い季節にぴったりな絶品メニューが新登場!パワーアップした球場グルメを食べて、是非キャンペーンにご参加ください。
100周年記念グルメ詳細:https://koshien.hanshin.co.jp/gourmet/100th_gourmet/

〔阪神電鉄公式サイトより抜粋〕

 

※ 7月 3日の予告先発は、広島・九里亜蓮投手(32)―阪神・大竹耕太郎投手(28)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦最終順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(07月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(08月)

 

 

 

 

 

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