●2024年に株式会社サンリオのハローキティが50周年、阪神甲子園球場が100周年を迎えることを記念して「ハローキティ50thみんななかよくナイター」として行われ、ハローキティがファーストピッチに登場した。背番号50の阪神のユニホームを身にまとって投げたボールは、かわいらしく転がる〝ストライク〟投球となり、場内は拍手に包まれた。ハローキティは 4月には大谷翔平投手(29)、山本由伸投手(25)が所属する米大リーグ、ドジャースのゲームでもドジャースタジアムで始球式を務め 3バウンド投球を披露するなど、世界を飛び回りながら長きにわたって活躍を続けている。同日には甲子園歴史館で 1日館長就任も務めたハローキティ。試合前には両軍にハローキティグッズをプレゼントし、試合中のイベントにも出演して甲子園を盛り上げる。
●阪神はサヨナラのチャンスを生かせず、 3時間59分の熱闘で今季5度目のドロー。岡田彰布監督(66)は監督通算700勝に王手をかけてから3戦連続の足踏みとなり、東京ヤクルトに勝利した首位広島とのゲーム差は「3.5」に広がった。 4回に佐藤輝明内野手(25)が右越え適時 3塁打を放って 1カ月半ぶりの打点をマークし、先制したのは阪神だった。先発した大竹耕太郎投手(28)は 1- 0の 6回に中日・細川成也外野手(25)に同点ソロを浴びたものの、 7回を7安打1失点でまとめた。打線は終盤に訪れた再三のチャンスを生かせず。 9回には一死満塁で代打・渡邉諒内野手(29)が空振り三振に倒れ、続く小幡竜平内野手(23)も中飛に打ち取られてサヨナラ機を逃した。延長10回にも中野拓夢内野手(27)の 2塁打と、代打・豊田寛外野手(27)の 2塁内野安打で二死 1、 3塁としたが、4番の大山悠輔内野手(29)が 3ゴロに倒れた。「ハローキティ50thみんななかよくナイター」として行われ、ハローキティも来場した一戦は〝なかよく〟 1- 1のまま延長戦に突入。阪神が延長戦を戦うのは今季14度目で、ここまで13試合では4勝5敗4分けと負け越している。10回のマウンドには桐敷拓馬投手(25)が上がり、きっちりと無失点に封じた。首位広島と3.5差に広がり、NPB史上20人目となる監督通算700勝は、またも次戦へ持ち越し。次こそがっちりかみ合った投打で、すっきり勝ち切りたい。
●先発した阪神の大竹耕太郎投手が、立ち上がりから満塁のピンチを背負うも無失点で切り抜けた。 1回先頭からカリステ、田中幹也内野手(23)に連打を浴びると、板山祐太郎内野手(30=亜細亜大學OB)の 3前犠打で一死 2、 3塁とされる。さらに細川は四球で歩かせて満塁となったが、ここから踏ん張った。石川昂弥内野手(22)は高めのボールで空振り三振。二死満塁から福永裕基内野手(27)にはカウント 1― 2からの 4球目をはじき返されたが、左翼後方へ上がった打球を前川右京外野手(21)が背走しながらがっちりとキャッチ。大竹はグラブをポンとたたいて喜び、好守の前川をハイタッチで迎えた。チームは先制点を許した試合で11連敗中で、今季はまだ 3点差以上をつけられたゲームで逆転勝利したことがない。いきなり大量失点も頭をよぎる場面だったが、しっかりと踏ん張った。今季登板12試合で白星はまだ4個だが、うち9度がクオリティースタート(6回以上、自責3以下)。この日も安定感を見せた。12日オリックス戦以来、中13日での登板。粘りの投球を次戦は白星につなげる。
●岩崎優投手(32)が延長戦の無失点リレーをつないだ。同点の延長11回に登板。一死から3番板山に 1塁内野安打で出塁を許したが、続く4番細川は空振り三振。5番石川昂は 2ゴロで封じ込めた。 9日埼玉西武戦(甲子園)から4試合連続の無失点投球だ。
●漆原大晟投手(27)がピンチで粘った。 1- 1の延長12回に6番手で登板。佐藤輝の失策で先頭福永を出し、その後も山本、加藤匠に連打を浴びるなど1死満塁を招いた。さらに1番カリステにフルカウントまで粘られたが、 143キロ直球で遊ゴロ併殺に斬って渾身(こんしん)のガッツポーズ。 4日東北楽天戦(甲子園)からの連続無失点を8試合に伸ばした。
●大山悠輔内野手(29)の果敢な本塁突入が、昨季限りで阪神を戦力外となった中日・板山祐太郎外野手の好返球によって阻まれてしまった。 0- 0の 2回二死 1、 2塁から小幡竜平内野手が右前へ安打を放ったシーンだった。 2走・大山は懸命な走塁を見せ 3塁を蹴ったが、右翼・板山が本塁へと見事なノーバウンド送球。捕手の宇佐見真吾捕手(31)ががっちりとつかみ、大山は滑り込もうとするタイミングでタッチアウトとされてしまった。板山には、25日のカード初戦(倉敷マスカットスタジアム)でも 0- 0の 8回に才木浩人投手(25)が決勝打を浴びていた。前日は 1塁手として先発出場していたが、持ち前のユーティリティーさでこの日は右翼で先発出場。好返球だけでなく 3回の攻撃では中前打を放ち、かつて本拠地とした甲子園で暴れ回った。
●一足早く、甲子園に「魔曲」が降臨した。 4回二死。前川右京外野手が 2打席目に向かう際、入場曲で初めて「ジョックロック」が流れた。高校野球ではおなじみだが、プロ野球では耳慣れないメロディーに、甲子園の虎党も少しどよめいた。前川は背中を押されるように、涌井の甘く入った変化球を見逃さず、右前打を放った。続く佐藤輝のフェンス直撃3塁打で先制のホームイン。前日0封負けの嫌な空気を吹き飛ばす先制攻撃だった。高校野球の名門、智弁和歌山がオリジナル曲として作ったチャンステーマ。前川の出身の兄弟校・智弁学園(奈良)でも定番としている。ブラスバンドが奏で始めると、球場は異様なムードに包まれる。不思議と打線がつながり、猛打智弁の象徴として、相手を恐怖に陥れる「魔曲」と呼ばれるようになった。これからが高校野球のシーズン本番。21年夏の甲子園で大暴れし準優勝に輝いた21歳にとっては燃える 1曲だ。 9回一死 1塁からはまたも魔曲に乗って、右中間 2塁打。打線は相変わらず決め手を欠いた。連日の5番起用に応えた“夏男”前川のバットにかかる期待はこれから大きくなる。
●佐藤輝明内野手の久々の適時打で先制に成功した。 4回二死から前川が右前打を放って出塁すると、続く佐藤輝のバットがついに火を噴いた。涌井秀章投手(38=妻はモデルの押切もえ)の初球、 120キロの変化球を強振。高々と甲子園の夜空へ舞い上がった白球は、右翼・板山の懸命のジャンプも届かず、フェンス上部に直撃。ボールがグラウンドへ跳ね返る間に前川が生還し、佐藤輝も 3塁を陥れた。試合前時点で自己ワーストを更新する「100打席連続アーチなし」となっていた佐藤輝。飛距離がわずかに足らずに柵越えを逃し、 3塁上でも悔しそうな表情を見せた。それでも 5月11日の横浜DeNA戦(横浜)以来、約 1カ月半ぶりのタイムリーで、 6月 7日の1軍再昇格から44打席目でようやくの打点をマーク。チームにも貴重な先制点をもたらした。延長12回の守備では痛恨のミス。先頭福永のゴロをさばけなかった。1軍再昇格後は12試合目で初失策。それでも仲間が無失点で切り抜けた。今季はすでに23日間の2軍生活を味わった。このまま最後まで主軸として完走するのみ。背番号8のバットが打てばチームも乗っていける。
●豊田寛外野手の執念がにじみ出ていた。 1- 1の延長10回二死 2塁に代打で登場。 2遊間のヒットコースに飛んだ打球を 2塁手田中に好捕され、 1塁送球されたが、頭から飛び込んでセーフをもぎ取った。走者を 3塁に進め、サヨナラ機を作った。今季初昇格後は12打数4安打、打率3割3分3厘。1軍生き残りへ食らいついている。 9回に続いて10回も、サヨナラのチャンスを逃してしまった。
●村上頌樹投手(26)が26日、先発する27日の中日戦(甲子園)に向けショートダッシュなどで調整を行った。開幕から週頭の火曜のゲームを任されていたが、先発ローテーションの再編に伴い今季の登板12試合目で初めての木曜&カード3戦目の登板に挑む。中日の先発予定は東洋大學の 2学年先輩にあたる梅津晃大投手(27)で、昨年 9月25日(バンテリンドーム)以来の投げ合いとなる。リベンジを誓い、 4月30日の広島戦(マツダ)を最後に遠ざかっている3勝目を目指す。
●阪神の西純矢投手(22)が26日、1軍の選手登録を抹消された。 防御率は1.93と安定した成績を残していた。代わって同日の中日戦(甲子園)に先発する大竹耕太郎投手が登録された。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 1- 1中日=延長12回>◇11回戦◇阪神 6勝 3敗 2分◇26日◇阪神甲子園球場
 2024年に株式会社サンリオのハローキティが50周年、阪神甲子園球場が100周年を迎えることを記念して「ハローキティ50thみんななかよくナイター」として行われ、ハローキティがファーストピッチに登場した。


 試合前には両軍にグッズを贈呈したハローキティさん。阪神は豊田寛外野手が受け取った=阪神甲子園球場

 多くの虎党から手を振って迎えられたハローキティは「50周年のお祝いをしてくれてありがとうございます。阪神甲子園球場も今年で100周年おめでとうございます。今回はそのお祝いとして駆け付けました!」とあいさつして、そのままマウンドへ。背番号50の阪神のユニホームを身にまとって投げたボールは、かわいらしく転がる〝ストライク〟投球となり、場内は拍手に包まれた。ハローキティは 4月には大谷翔平、山本由伸が所属する米大リーグ、ドジャースのゲームでもドジャースタジアムで始球式を務め 3バウンド投球を披露するなど、世界を飛び回りながら長きにわたって活躍を続けている。

 ファーストピッチセレモニーに登場し、トラッキーと握手を交わすハローキティさん=阪神甲子園球場
 同日には甲子園歴史館で 1日館長就任も務めたハローキティ。試合前には両軍にハローキティグッズをプレゼントし、試合中のイベントにも出演して甲子園を盛り上げる。

 ファーストピッチセレモニーに臨むハローキティさん=阪神甲子園球場

 

 阪神はサヨナラのチャンスを生かせず、 3時間59分の熱闘で今季5度目のドロー。岡田彰布監督は監督通算700勝に王手をかけてから3戦連続の足踏みとなり、東京ヤクルトに勝利した首位広島とのゲーム差は「3.5」に広がった。
  4回に佐藤輝明内野手が右越え適時 3塁打を放って 1カ月半ぶりの打点をマークし、先制したのは阪神だった。先発した大竹耕太郎投手は 1- 0の 6回に中日・細川成也外野手に同点ソロを浴びたものの、 7回を7安打1失点でまとめた。
 打線は終盤に訪れた再三のチャンスを生かせず。 9回には一死満塁で代打・渡邉諒内野手が空振り三振に倒れ、続く小幡竜平内野手も中飛に打ち取られてサヨナラ機を逃した。延長10回にも中野拓夢内野手の 2塁打と、代打・豊田寛外野手の 2塁内野安打で二死 1、 3塁としたが、4番の大山悠輔内野手が 3ゴロに倒れた。


  9回、外野フライに倒れた小幡竜平内野手とベンチの岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 阪神は 9回一死満塁のサヨナラ機を逸し、 1- 1のまま今季14度目の延長戦に突入した。
 ゲラが1軍復帰登板で 9回を無失点に封じた直後の攻撃で、先頭の森下が死球を受けて 1塁に生きた。代走・植田が送られ、中日の4番手・松山を一気に攻める。無死 1塁で大山は痛烈な当たりの中飛に倒れたが、続く前川が右中間へ 2塁打を放ち、一死 2、 3塁となった。佐藤輝は申告敬遠で一死満塁。ここで岡田監督は捕手の坂本に代打・渡邉を送る-。だが、渡邉は松山の直球に空振り三振に倒れてしまう。続く小幡も中飛に打ち取られ、絶好のサヨナラ機は一気にしぼんでしまった。
 「ハローキティ50thみんななかよくナイター」として行われ、ハローキティも来場した一戦は〝なかよく〟 1- 1のまま延長戦に突入。阪神が延長戦を戦うのは今季14度目で、ここまで13試合では4勝5敗4分けと負け越している。10回のマウンドには桐敷が上がり、きっちりと無失点に封じた。


 12回表中日一死満塁、カリステ内野手を遊ゴロ併殺に仕留めベンチで口をふくらます岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 阪神は延長12回の果てに 1- 1で中日と引き分け、岡田彰布監督の史上20人目となる監督700勝はまたもお預けになった。
 今季5度目の執念ドローで2位はキープしたが、指揮官は 9回に「待てのサイン」で 2塁打を放った前川は「罰金やん」と厳しく指摘するなどおかんむりだ。攻撃は5試合連続2点以下の低空飛行で、首位広島とのゲーム差は今季最大タイの3.5に拡大。今日こそスカッと大台勝利を飾りたい。
           ◇   ◇   ◇
 すっきりしない攻撃が続いたまま、延長12回、 3時間59分の激闘の果てにドローの結末を迎えた。あと 1本が、という問いに岡田監督は「なあ」とだけ答えた。だが、顔をしかめたのは、意外な場面だった。

 12回裏阪神二死、中野拓夢内野手の 2ゴロで引き分けに終わりグラウンドを見つめる岡田彰布監督=阪神甲子園球場
  1- 1の 9回、一死1塁の場面。迎えた前川がカウント 3- 1から、右中間へ 2塁打を放って 2、 3塁に好機を拡大した。だが、指揮官の表情は渋かった。「罰金やん。待て(のサイン)やん」。次打者は 4回に先制の適時 3塁打を放った佐藤輝だった。中日松山は先頭森下に死球を与えるなど制球が不安定。四球の可能性もあり、背番号8に 1、 2塁で回すイメージだった。ところが長打で 1塁が空いた分、主砲は申告敬遠。サインの見落としで打った長打を認めることはできず、代打渡辺と小幡も凡退する最悪のシナリオで、サヨナラ機がついえた。
 序盤からチグハグだった。 2回二死 1、 2塁で小幡が右前打を放ち、 2塁走者の大山が激走。だが本塁は悠々タッチアウトにされた。 4回は死球で出塁した先頭森下が、涌井のカーブがそれた隙に果敢に 2塁を狙うも走塁死。その後、佐藤輝の先制適時3塁打が生まれた。 9回は一死 1塁で、前川の痛烈な 2塁打が出てサヨナラかと思わせたが、 1塁走者の植田が 3塁ストップ。 2点目が遠かった。


 試合後、スタンドの観客にあいさつするハローキティさん=阪神甲子園球場
 前夜は 0- 1負けでも「内容的には最近ではまだ良かった」と話していた打線も、一夜明けは不発。「戻ってしもたなあ。フライアウトばっかりやろ。今日は」とため息で、「ポップフライやん。足のあるもんがな。足を生かせばええのにな」と拙攻の連続に苦虫をかみつぶした。
  6月18日の北海道日本ハム戦(甲子園)から、5戦連続で2得点以下。この日も好投の大竹を援護で期す、再び“2点打線”の低空飛行が続く。「チカナカ」コンビも元気がない。1番近本は6数無安打、2番中野は延長10回に右中間へ 2塁打を放つも、そこまで4打数無安打。指揮官は「(得点が)入るわけないやん」とばっさりだ。首位広島と3.5差に広がり、NPB史上20人目となる監督通算700勝は、またも次戦へ持ち越し。次こそがっちりかみ合った投打で、すっきり勝ち切りたい。

 


  1回、満塁のピンチを切り抜け安どの表情を見せる先発・大竹耕太郎投手=阪神甲子園球場
 先発した阪神の大竹耕太郎投手が、立ち上がりから満塁のピンチを背負うも無失点で切り抜けた。
  1回先頭からカリステ、田中に連打を浴びると、板山の 3前犠打で一死 2、 3塁とされる。さらに細川は四球で歩かせて満塁となったが、ここから踏ん張った。石川昂は高めのボールで空振り三振。二死満塁から福永にはカウント 1― 2からの 4球目をはじき返されたが、左翼後方へ上がった打球を前川が背走しながらがっちりとキャッチ。大竹はグラブをポンとたたいて喜び、好守の前川をハイタッチで迎えた。
 チームは先制点を許した試合で11連敗中で、今季はまだ 3点差以上をつけられたゲームで逆転勝利したことがない。いきなり大量失点も頭をよぎる場面だったが、しっかりと踏ん張った。


 1回表中日一死満塁、大竹耕太郎投手は石川昂弥内野手を空振り三振に仕留める=阪神甲子園球場
 阪神の先発・大竹耕太郎投手が痛恨の同点弾を浴びた。
 佐藤輝の適時打で先制した直後の 5回、先頭の田中に右前打を許すも、板山を 1球で併殺に打ち取り、簡単に 2つのアウトを重ねた。しかし、4番・細川への 2球目に投じた外角のボールを捉えられると、右翼線へライナーで上がった打球がそのままポール際のスタンド最前列へ飛び込んだ。大竹はマウンドから呆然と打球の行方を見つめるしかなかった。 3戦ぶりに先制した直後だったが、二死から相手主砲のひと振りで試合を振り出しに戻されてしまった。


  2回表中日無死、大竹耕太郎投手は宇佐見真吾捕手の投ゴロに反応する=阪神甲子園球場
 大竹耕太郎投手が躍動し、ゲームメークした。
 初回から一死満塁の先制機を招いたが、5番石川を空振り三振、6番福永を左飛に打ち取り無失点。 6回二死から4番細川に逆方向の右翼ポール際への同点弾を許したが、失点はこの 1点のみ。白星には恵まれなかったが、 7回7安打1失点と好投した。「立ち上がりはあんな感じでしたけど、0点で行けましたし。そこを乗り越えて 7回まで行けたので」。


  6回、細川成也外野手に本塁打を浴びた大竹耕太郎投手=阪神甲子園球場
 今季登板12試合で白星はまだ4個だが、うち9度がクオリティースタート(6回以上、自責3以下)。この日も安定感を見せた。
 12日オリックス戦以来、中13日での登板。投げる前から「力みすぎていた」という中での好投だった。「調子良い時に抑えられるのは普通ですけど、今日みたいな日の1失点とかの方が価値が高いし、自信になると思います」。粘りの投球を次戦は白星につなげる。

 


 力投した阪神5番手の岩崎優投手=阪神甲子園球場
 岩崎優投手が延長戦の無失点リレーをつないだ。
 同点の延長11回に登板。一死から3番板山に 1塁内野安打で出塁を許したが、続く4番細川は空振り三振。5番石川昂は 2ゴロで封じ込めた。 9日埼玉西武戦(甲子園)から4試合連続の無失点投球だ。試合後は「いつも通りです。明日も頑張ります」と語り、クラブハウスへ引き上げた。

 


 12回表に登板した漆原大晟投手=阪神甲子園球場
 漆原大晟投手がピンチで粘った。
  1- 1の延長12回に6番手で登板。佐藤輝の失策で先頭福永を出し、その後も山本、加藤匠に連打を浴びるなど1死満塁を招いた。さらに1番カリステにフルカウントまで粘られたが、 143キロ直球で遊ゴロ併殺に斬って渾身(こんしん)のガッツポーズ。「いつも守ってもらっているので、なんとかカバーできるようにと。ゼロで終われたのは一番よかった」と胸をなで下ろした。 4日東北楽天戦(甲子園)からの連続無失点を8試合に伸ばした。

 


  2回、小幡竜平内野手の安打で本塁を突くも憤死した大山悠輔内野手=甲子園球場
 大山悠輔内野手の果敢な本塁突入が、昨季限りで阪神を戦力外となった中日・板山祐太郎外野手の好返球によって阻まれてしまった。
  0- 0の 2回二死 1、 2塁から小幡が右前へ安打を放ったシーンだった。 2走・大山は懸命な走塁を見せ 3塁を蹴ったが、右翼・板山が本塁へと見事なノーバウンド送球。捕手の宇佐見ががっちりとつかみ、大山は滑り込もうとするタイミングでタッチアウトとされてしまった。
 板山には、25日のカード初戦(倉敷)でも 0- 0の 8回に才木が決勝打を浴びていた。前日は 1塁手として先発出場していたが、持ち前のユーティリティーさでこの日は右翼で先発出場。好返球だけでなく 3回の攻撃では中前打を放ち、かつて本拠地とした甲子園で暴れ回った。

 

 一足早く、甲子園に「魔曲」が降臨した。 4回二死。前川右京外野手が 2打席目に向かう際、入場曲で初めて「ジョックロック」が流れた。高校野球ではおなじみだが、プロ野球では耳慣れないメロディーに、甲子園の虎党も少しどよめいた。
 前川は背中を押されるように、涌井の甘く入った変化球を見逃さず、右前打を放った。「ちょっと 1打席目が淡泊になった。打てる球をちゃんと打とうと思っていました」。続く佐藤輝のフェンス直撃3塁打で先制のホームイン。前日0封負けの嫌な空気を吹き飛ばす先制攻撃だった。


  4回裏阪神二死、前川右京外野手は右前打を放った。投手は涌井秀章投手=阪神甲子園球場

 積極的な打撃がジョックロックと連動した。球団関係者に 2打席目と 4打席目の指定で依頼していた。「気分転換くらいな感じですね」。高校野球の名門、智弁和歌山がオリジナル曲として作ったチャンステーマ。前川の出身の兄弟校・智弁学園(奈良)でも定番としている。ブラスバンドが奏で始めると、球場は異様なムードに包まれる。不思議と打線がつながり、猛打智弁の象徴として、相手を恐怖に陥れる「魔曲」と呼ばれるようになった。これからが高校野球のシーズン本番。21年夏の甲子園で大暴れし準優勝に輝いた21歳にとっては燃える 1曲だ。

  9回裏阪神一死 1塁、右中間へ 2塁打を放った前川右京外野手=阪神甲子園球場
  9回一死 1塁からはまたも魔曲に乗って、右中間 2塁打。ただ、ここは「待て」のサインが出ており、岡田監督はおかんむり。さらに、延長11回先頭の 3邪飛も悔やまれる。「 1本目は先っぽでしたが、 2本目は芯でした。でも最後の打席がもったいない。ああいうのをなくさないと」と前川は反省した。
 打線は相変わらず決め手を欠いた。連日の5番起用に応えた“夏男”前川のバットにかかる期待はこれから大きくなる。

 


  4回裏阪神二死 1塁、右越え適時3塁打を放った佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 阪神が佐藤輝明内野手の久々の適時打で先制に成功した。
  4回二死から前川が右前打を放って出塁すると、続く佐藤輝のバットがついに火を噴いた。涌井の初球、 120キロの変化球を強振。高々と甲子園の夜空へ舞い上がった白球は、右翼・板山の懸命のジャンプも届かず、フェンス上部に直撃。ボールがグラウンドへ跳ね返る間に前川が生還し、佐藤輝も 3塁を陥れた。


  4回、先制の適時3塁打を放った佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 「打ったのはカーブかな。打った感触が良かったので、ホームランにならずに悔しい気持ちもありますが、緊迫した試合展開の中で先に点を取ることができてよかったです」
 試合前時点で自己ワーストを更新する「100打席連続アーチなし」となっていた佐藤輝。飛距離がわずかに足らずに柵越えを逃し、 3塁上でも悔しそうな表情を見せた。それでも 5月11日の横浜DeNA戦(横浜)以来、約 1カ月半ぶりのタイムリーで、 6月 7日の1軍再昇格から44打席目でようやくの打点をマーク。チームにも貴重な先制点をもたらした


 12回表中日無死、 3塁手佐藤輝明内野手は福永裕基内野手の 3ゴロをファンブルする=阪神甲子園球場
 佐藤輝明内野手が唇をかんだ。「いや~、もうね、いったと思ったんですけど、風と甲子園にやられましたね」。 0- 0の 4回二死 1塁。中日涌井の初球 120キロカーブを前さばきで捉えた。右翼フェンス直撃。特大の先制適時3塁打でチーム18イニングぶりの得点を呼び込んだ。
 「ホームランにならずに悔しい気持ちもある」と振り返る一撃。確かに、 3塁ベース上では悔しそうな表情も垣間見えた。105打席連続ノーアーチで、自己ワーストを更新し続けてしまっている。甲子園特有の「浜風」に押され、もうひと伸びが足りなかった。
 それでも、ドローゲームで貴重な 1点をもたらしたのも事実。タイムリーは 5月11日の横浜DeNA戦以来、実に 1カ月半ぶり。2軍調整をへて、 7日に1軍昇格してから44打席目での初打点をあげた。


 12回表中日無死、福永裕基内野手の打球をはじく 3塁手佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 これで3試合連続安打と上昇気配。 7回には左中間への大飛球。凡打でも、左腕斎藤から手応えのある当たりだった。延長11回にも祖父江から左翼ポール際への左飛。打球に角度がつき「いいかなと思います」。惜しかった。惜しいだけに、虎党のため息も漏れた。
 延長12回の守備では痛恨のミス。先頭福永のゴロをさばけなかった。1軍再昇格後は12試合目で初失策。それでも仲間が無失点で切り抜けた。今季はすでに23日間の2軍生活を味わった。このまま最後まで主軸として完走するのみ。背番号8のバットが打てばチームも乗っていける。

 


 10回裏阪神二死 2塁、代打豊田寛外野手は 2塁内野安打を放ち 1塁にヘッドスライディングする。 1塁手は板山祐太郎外野手=阪神甲子園球場
 豊田寛外野手の執念がにじみ出ていた。 1- 1の延長10回二死 2塁に代打で登場。
  2遊間のヒットコースに飛んだ打球を 2塁手田中に好捕され、 1塁送球されたが、頭から飛び込んでセーフをもぎ取った。走者を 3塁に進め、サヨナラ機を作った。「二死だったのでなんとか事(こと)を起こそうと思っていた」。今季初昇格後は12打数4安打、打率3割3分3厘。1軍生き残りへ食らいついている。


 延長10回、ヘッドスライディングで内野安打をもぎとった豊田寛外野手=阪神甲子園球場
 阪神は 9回に続いて延長10回も得点圏に走者を置いたがサヨナラのチャンスを生かせず。代打で出場した豊田寛外野手が気迫あふれるヘッドスライディングで内野安打を勝ち取ったが、二死 1、 3塁で大山悠輔内野手が 3ゴロに倒れた。

 10回裏阪神二死 2塁、 2塁内野安打を放ち 1塁へヘッドスライディングした豊田寛外野手=阪神甲子園球場
 10回二死走者なしから中野がこの日初安打となる右中間 2塁打を放ち、一気に一打サヨナラの場面を演出する。代走から右翼に入っていた植田の打順で、岡田監督は代打・豊田を告げた。豊田が放った当たりは 2塁キャンバス方向へのゴロとなり、 2塁・田中が懸命に処理したが、豊田はがむしゃらに頭から 1塁ベースへと飛び込んでいた。二死 1、 3塁となって甲子園が大いに盛り上がり、打席には4番-。しかし、この場面で大山はボテボテの 3ゴロに…。 9回に続いて10回も、サヨナラのチャンスを逃してしまった。

 


 27日の先発へ向け、キャッチボールを行う村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 村上頌樹投手が26日、先発する27日の中日戦(甲子園)に向けショートダッシュなどで調整を行った。
 25日には26歳の誕生日を迎え、「あまり勝てていないので、心機一転、一からという意味でチームに貢献できるように、勝っていけるようにいきたい」と意気込んだ。開幕から週頭の火曜のゲームを任されていたが、先発ローテーションの再編に伴い今季の登板12試合目で初めての木曜&カード3戦目の登板に挑む。
 中日の先発予定は東洋大の 2学年先輩にあたる梅津晃大で、昨年 9月25日(バンテリンドーム)以来の投げ合いとなる。「そのときは負けてしまったので今年は勝てるようにしていきたい」とリベンジを誓い、 4月30日の広島戦(マツダ)を最後に遠ざかっている3勝目を目指す。

 


 西純矢投手=阪神甲子園球場
 阪神の西純矢投手が26日、1軍の選手登録を抹消された。 6月 1日に昇格してから1軍では主にビハインドの展開で3試合に登板。防御率は1.93と安定した成績を残していた。今後は先発調整に回るとみられる。
 代わって同日の中日戦(甲子園)に先発する大竹耕太郎投手が登録された。

 

※ 6月27日の予告先発は、阪神・村上頌樹投手(26)―中日・梅津晃大投手(27)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦最終順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(07月)

 

 

 

 

 

 ペタしてね