●阪神が雨天中止となっていた北海道日本ハム戦第 3戦で延長11回、矢澤宏太投手(23)の暴投でサヨナラ勝ちを収め、交流戦を白星で締めた。阪神が2度目のサヨナラ勝ち。7勝11敗で交流戦を終え、18試合制となった2015年以降の最多敗戦更新を免れ、単独2位となった。延長11回、代打・豊田寛外野手(27)の中前打と敵失などで一死 2、 3塁とし、矢澤宏太投手の暴投で試合が決まった。スタメンの梅野隆太郎捕手(33)はプロ野球530人目の通算1000試合出場を達成した。今季の延長戦成績は4勝5敗4分で連敗を「4」で止め、 4月30日広島戦(マツダ)以来の火曜日白星となった。チームは15三振を加え、488個となり、12球団最多となった(成績=32勝30敗4分、観衆= 4万2601人)。先発の村上頌樹投手(25)は、東洋大の 3学年後輩でプロ初先発の北海道日本ハム細野晴希投手(22=東洋大學)と投げ合い、 5回2安打無失点。しかし降板後に味方が追いつかれ、6試合ぶりの今季3勝目はお預けとなった。打線はその細野を前に 4回二死まで無安打。二死から渡邉諒内野手(29)がこの日チーム初安打を放つと 5回。二死満塁から近本光司外野手(29)が先制の中前適時打を放った。 6回から中継ぎが懸命につなぐと、最後にサヨナラ勝ち。北海道日本ハムには連敗を喫していたが、最後に一矢報いた。
●先発した村上は 5回2安打無失点だった。緩急ともに精度よく、7三振を奪って 2塁を踏ませず。今季3勝目への権利は追いつかれたことで失い、6試合ぶりの白星はならなかったが、87球でゲームメークした。 4月30日の広島戦で2勝目を挙げて以来、自身には6試合勝ち星がない。それでもチームは火曜日の連敗を5でストップ。岡田彰布監督(66)からは評価された。この日は打順のめぐり合わせで降板となったが、上々の7奪三振。納得しなかったが、次回こその期待を抱かせる87球だ。相手先発の東洋大の 3学年後輩、細野にも投げ負けなかった。 150キロオーバーを連発した後輩に対し、先輩はさすがの制球力で昨季MVPの意地を見せた。
●石井大智投手(26)が回またぎを敢行するも、自身13試合ぶりの失点を喫した。 1点リードの 6回に登板。先頭郡司裕也内野手(26)に右前打を許すも、その後はけん制でアウトをとるなど、結果的に 3人で片付けた。 7回も続投したが、一死から万波中正外野手(24)に中前打を許したところで降板。桐敷拓馬投手(24)が適時打を浴びたことで、走者を残した石井に失点がついた。
●阪神が 1― 0の 7回に 1点を失い、同点に追いつかれた。 6回から登板した石井が続投したが、一死から万波に中前打を浴びたところで降板。3番手で桐敷がマウンドに上がった。水野達稀内野手(23)に犠打を決められ二死 2塁とされると、代打・清宮幸太郎内野手(25)に初球のスライダーを捉えられ右前適時打。これで先発で 5回無失点だった村上頌樹投手の勝ち星が消えた。走者を残した石井大智投手には、13試合ぶりの失点がついた。
●33歳の誕生日前夜、登板した岩崎優投手(32)が142ホールドを記録し、ジェフ・ウィリアムス氏(52)を抜いて球団単独2位に立った。同点の 9回先頭の5番万波は遊ゴロ。6番水野には中前に運ばれたが7番清宮を右飛で打ち取った。二死 1塁の8番上川畑大悟内野手(27)の打席では、 1塁走者の水野をけん制で誘い出してアウトにし、3試合連続の無失点でマウンドを降りた。
●梅野隆太郎捕手が、プロ通算1000試合出場を達成した。 5回終了後、甲子園のグラウンドでパネルを持ち、祝福された。梅野隆太郎捕手が通算1000試合出場を達成した。この日は「7番・捕手」で先発し、 5回を終えて試合が成立。プロ11年目での達成となった。生え抜きでは球団初となる捕手1000試合出場にもあと「15」と間近に迫っている。阪神は交流戦最終戦の北海道日本ハム戦で延長11回、 2- 1で今季2度目のサヨナラ勝ち。一死 2、 3塁で梅野隆太郎捕手が暴投を呼んだ。プロ11年目の梅野は通算1000試合出場を達成。交流戦は7勝11敗で2年連続負け越しとなったが、単独2位に浮上。リーグ戦再開となる21日の横浜DeNA戦(甲子園)へ弾みをつけた! 幸運の瞬間がやってきた。自らの記念日を勝利で祝うことができた。バットは4打数無安打。それでも勝利の瞬間を打席で迎えることができた。延長11回一死 2、 3塁で、サヨナラ暴投-。通算1000試合出場を達成した梅野は照れながらお立ち台に呼ばれると、感謝の思いを口にした。入団以来、捕手1本。身長 173センチと小柄だがケアの意識が高い。驚異的なブロッキング、強肩、力強い打撃で貢献。阪神で長年、活躍した捕手は多くない。代打などを除く「捕手」だけでの出場は、生え抜きでは田淵幸一氏(77)や木戸克彦氏(63)を超えて985試合で1位。こちらもあと15試合で球団初の大台に到達する。前日17日に33歳を迎えたばかり。アレンパにこの男は欠かせない。
●前川右京外野手(21)が 2回、守備でフライに飛びついて捕球するビッグプレーを披露した。一死で水野の打球は左翼ファウルゾーンへ。前川は勢いよく打球に向かい、日差しを浴びながら前向き飛び込んでキャッチ。スタンドが歓声に包まれた。打撃を買われて定位置をつかみつつある若虎が、この日最初の打席を迎える前に守備で貢献した。前川右京外野手がエビ反りキャッチで拍手喝采をもらった。 2回一死の守備で、北海道日本ハム水野が打ち上げた打球は左翼ファウルエリアに。前川は定位置から全力で走り、最後は人工芝部分でダイビングキャッチ。勢い余って体が大きく沿ったが、ボールは大事にキープした。
●近本が貴重な先制打を放った。 5回二死満塁で宮西の 144キロ直球を捉え、打球は 2遊間を破って中前へ。11打席ぶりの安打で走者1人が生還した。 6月は前の試合まで打率0.200、2打点と苦しんでいたが、値千金の一打で貢献。この回はセーフティースクイズ不発など攻めあぐねていた中で得点を奪い手応えをにじませた。今季初登板の左腕・宮西尚生投手(39)がマウンドに上がると、岡田監督は 5回無失点の村上頌樹投手に代えて代打・原口文仁内野手(32)を起用した。原口は右翼フェンス際への邪飛に倒れ、 3塁走者の森下翔太外野手(23)もタッチアップを切れなかった。二死満塁となって近本が打席へ。宮西の 144キロ直球を捉え、打球は 2遊間を破って中前へ。 1点を先制する適時打で、降板した村上に3勝目の権利をもたらした。
●小幡竜平内野手(23)が“忍者送球”を決めた。 6回無死 1塁の守備。 3遊間へのゴロを捕球。この時、スリップしたため体勢を崩した。体は宙に浮きながらも 2塁送球。きっちりとフォースアウトをもぎ取った。木浪聖也内野手(30=亜細亜大學OB)が左肩甲骨の骨折で戦列を離れる中、16日福岡ソフトバンク戦から 2戦連続の遊撃スタメン。責任感をにじませた。
●たった一度与えられたチャンスを生かし、プロ3年目の豊田寛外野手がサヨナラ劇の起点になった。生還した植田に浴びせられるウオーターシャワー。顔を真っ赤にして、甲子園初安打を振り返った。出番が回ってきたのは延長11回一死走者なし。原口、糸原健斗内野手(31)と代打の切り札が先に起用されていく中、出番がやってきた。矢澤の 144キロ直球を捉えて中前へ。出塁を果たして代走・植田海内野手(28)とバトンタッチ。2つのミスが重なるサヨナラ劇の幕を上げた。19日はゲーム勘を養うため、ウエスタン・リーグの福岡ソフトバンク戦(鳴尾浜)に出場予定。朝は 6時起きという。クラブハウスにバットを持って引き揚げた。

●佐藤輝明内野手(25)が、美技で甲子園を沸かせた。ベアハンドから 1塁へストライク送球を決め、アウトをもぎ取った。
●代走で出場した植田海内野手が好判断でサヨナラのホームに飛び込んだ。延長11回一死から安打を放った豊田の代走で登場。失策で一気に 3塁に進み、最後は暴投に反応した。捕手とボールの距離を冷静に見て、思い切ってスタートを切った。

記事をまとめてみました。

 

 

 日本生命セ・パ交流戦<阪神 2- 1北海道日本ハム>◇ 3回戦◇阪神 1勝 2敗 0分◇18日◇阪神甲子園球場
 阪神が2度目のサヨナラ勝ち。7勝11敗で交流戦を終え、18試合制となった2015年以降の最多敗戦更新を免れ、単独2位となった。延長11回、代打・豊田寛外野手の中前打と敵失などで一死 2、 3塁とし、矢澤宏太投手の暴投で試合が決まった。スタメンの梅野隆太郎捕手はプロ野球530人目の通算1000試合出場を達成した。今季の延長戦成績は4勝5敗4分で連敗を「4」で止め、 4月30日広島戦(マツダ)以来の火曜日白星となった。チームは15三振を加え、488個となり、12球団最多となった(成績=32勝30敗4分、観衆= 4万2601人)。


  5回裏阪神二死満塁、近本光司外野手の中前先制適時打で盛り上がる阪神ナイン=阪神甲子園球場

 阪神が雨天中止となっていた北海道日本ハム戦第 3戦で延長11回、矢澤宏太投手の暴投でサヨナラ勝ちを収め、交流戦を白星で締めた。これで今年の交流戦を7勝11敗で終えた。この日行われたのは同戦だけで、首位広島とは2.5ゲーム差に縮まった。
 先発の村上頌樹投手は、東洋大の 3学年後輩でプロ初先発の北海道日本ハム細野と投げ合い、 5回2安打無失点。しかし降板後に味方が追いつかれ、6試合ぶりの今季3勝目はお預けとなった。


 サヨナラ勝ちに喜ぶ阪神ナイン=阪神甲子園球場
 打線はその細野を前に 4回二死まで無安打。二死から渡邉がこの日チーム初安打を放つと 5回。二死満塁から近本光司外野手が先制の中前適時打を放った。
 しかし 7回、2番手石井が一死を奪った後に万波に中前打を浴びると、代わった桐敷が二死 2塁から代打清宮に初球を右翼へ運ばれ、同点適時打を許した。
 それでも 6回から中継ぎが懸命につなぐと、最後にサヨナラ勝ち。北海道日本ハムには連敗を喫していたが、最後に一矢報いた。

 

 先発した村上は 5回2安打無失点だった。「状態もよかったので球数少なく、もっと長いイニングを投げていきたかったですが、(攻撃の)チャンスで(代打で)交代となってしまいました」。緩急ともに精度よく、7三振を奪って 2塁を踏ませず。今季3勝目への権利は追いつかれたことで失い、6試合ぶりの白星はならなかったが、87球でゲームメークした。

 力投した阪神先発の村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 村上頌樹投手の執念が、サヨナラ勝利へ結びついた。 5回2安打無失点。 5回に代打原口を送られ交代したが、1番近本の適時打で、勝ち投手の権利を得た。 7回に桐敷が同点打を浴びて3勝目は消えたが、「状態は良かった」と前を向いた。


 阪神先発・村上頌樹投手=阪神甲子園球場
  4月30日の広島戦で2勝目を挙げて以来、自身には6試合勝ち星がない。それでもチームは火曜日の連敗を5でストップ。岡田監督からは「(村上は)勝ってないから何とか先に点やらないというかね、そういう姿が見えて」と評価された。この日は打順のめぐり合わせで降板となったが、上々の7奪三振。「球数少なく、もっと長いイニングを投げたかった」と納得しなかったが、次回こその期待を抱かせる87球だ。
 相手先発の東洋大の 3学年後輩、細野にも投げ負けなかった。 150キロオーバーを連発した後輩に対し、先輩はさすがの制球力で昨季MVPの意地を見せた。


 阪神先発の村上頌樹投手=阪神甲子園球場

 村上頌樹投手の勝ち星は、スルリと消えた。 5回2安打無失点。 0- 0で迎えた 5回裏一死満塁で、北海道日本ハムが2番手宮西にスイッチしたタイミングだった。 1度は打席に向かう準備をしていたものの、代打原口が送られ交代。原口は右邪飛に倒れたが、兵庫・淡路島の先輩でもある1番近本が中前打適時打で先制点を挙げた。“滑り込み”で勝ち投手の権利を得た。


  9回表を抑えた岩崎優投手を出迎える村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 ただ、 7回に桐敷が同点打を浴びた。この時点で村上の勝利は消えた。 4月30日の広島戦で2勝目を挙げて以来、これで6試合勝ち星がついていない。この日は打順のめぐり合わせで 5回で降板となったが、7奪三振でバトンをつないだ。「状態もよかったので球数少なくもっと長いイニングを投げていきたかった」。納得はしなかったが次につながる87球だ。

  5回裏阪神一死満塁、代打原口文仁内野手が送られベンチで口をふくらます村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 後輩に負けるわけにはいかなかった。相手先発の細野は東洋大の 3学年後輩。村上にとって、東洋大の後輩と投げ合うのはプロ初のことだった。大学 4年時、当時 1年生の細野を見て「投げている球はすごかった」と回想する。 150キロオーバーを連発した後輩に対し、先輩はさすがの制球力で意地を見せた。

 


  6回表、阪神 2番手で登板の石井大智投手=阪神甲子園球場
 石井大智投手が回またぎを敢行するも、自身13試合ぶりの失点を喫した。 1点リードの 6回に登板。先頭郡司に右前打を許すも、その後はけん制でアウトをとるなど、結果的に 3人で片付けた。 7回も続投したが、一死から万波に中前打を許したところで降板。桐敷が適時打を浴びたことで、走者を残した石井に失点がついた。 3月30日巨人戦以来の失点。 5月 4日の1軍再昇格後は、初めての失点となった。

 


  7回途中に登板した桐敷拓馬投手だが…=阪神甲子園球場
 阪神が 1― 0の 7回に 1点を失い、同点に追いつかれた。
  6回から登板した石井が続投したが、一死から万波に中前打を浴びたところで降板。3番手で桐敷がマウンドに上がった。水野に犠打を決められ二死 2塁とされると、代打・清宮に初球のスライダーを捉えられ右前適時打。


  7回表北海道日本ハム二死 2塁、桐敷拓馬投手は清宮幸太郎内野手に同点適時打を浴びる=阪神甲子園球場
  5回のチャンスに代打を送られて 5回無失点で降板した先発・村上の3勝目の権利が消え、試合は振り出しに戻った。

  7回表北海道日本ハム二死 2塁、桐敷拓馬投手は清宮幸太郎内野手に同点適時打を浴びる=阪神甲子園球場
 桐敷拓馬投手が、北海道日本ハムの勝負手にやられた。 1点リードの 7回一死 1塁、石井に代わって登板。犠打の後、二死 2塁から代打清宮に右前適時打を許し、試合は同点となった。
 これで先発で 5回無失点だった村上頌樹投手の勝ち星が消えた。走者を残した石井大智投手には、13試合ぶりの失点がついた。

 


 力投する阪神4番手の岩崎優投手=阪神甲子園球場
 33歳の誕生日前夜、登板した岩崎優投手が142ホールドを記録し、ウィリアムス氏を抜いて球団単独2位に立った。
 同点の 9回先頭の5番万波は遊ゴロ。6番水野には中前に運ばれたが7番清宮を右飛で打ち取った。二死 1塁の8番上川畑の打席では、 1塁走者の水野をけん制で誘い出してアウトにし、3試合連続の無失点でマウンドを降りた。「続けていけるように、頑張ります」と誓った。

 

 梅野隆太郎捕手が通算1000試合出場を達成した。この日は「7番・捕手」で先発し、 5回を終えて試合が成立。プロ11年目での達成となった。生え抜きでは球団初となる捕手1000試合出場にもあと「15」と間近に迫っている。

 通算1000試合出場のボードを持つ梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 梅野隆太郎捕手が、プロ通算1000試合出場を達成した。 5回終了後、甲子園のグラウンドでパネルを持ち、祝福された。
 プロ11年目。13年ドラフト4位で入団し、毎年1軍での試合に出続け、節目に到達した。この日の試合前には、プロ 1年目の初出場の際の記憶を問われ「いやもう、忘れんね」と緊張に包まれたゲームを思い返していた。

▼通算1000試合出場=梅野隆太郎捕手
 18日の北海道日本ハム 3回戦(甲子園)に先発出場して達成。プロ野球530人目。初出場は14年 3月28日の巨人 1回戦(東京ドーム)。


  4回表終了後、梅野隆太郎捕手の話を聞きながらベンチに引き揚げる阪神先発の村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 さすが、もってる男や~! 阪神は交流戦最終戦の北海道日本ハム戦で延長11回、 2- 1で今季2度目のサヨナラ勝ち。一死 2、 3塁で梅野隆太郎捕手が暴投を呼んだ。プロ11年目の梅野は通算1000試合出場を達成。交流戦は7勝11敗で2年連続負け越しとなったが、単独2位に浮上。リーグ戦再開となる21日の横浜DeNA戦(甲子園)へ弾みをつけた!
 幸運の瞬間がやってきた。自らの記念日を勝利で祝うことができた。バットは4打数無安打。それでも勝利の瞬間を打席で迎えることができた。延長11回一死 2、 3塁で、サヨナラ暴投-。通算1000試合出場を達成した梅野は照れながらお立ち台に呼ばれると、感謝の思いを口にした。


 サヨナラ勝ちし喜ぶ梅野隆太郎捕手(左から 3人目)ら=阪神甲子園球場
 「記念の日に、こういう風にみんなの前で勝てたのが良かったかなと思います。幸運的なものがあったけど、1000試合(出場)でいい思いをできたのは自分でも忘れない、ポイントになるのかなと思います」
 試合開始から 3時間54分。矢澤の速球を捕手の田宮が弾いた。白球が転々とする間に 3走・植田がホームに滑り込む。 5回に近本の適時打で 1点を先制も、 7回に追いつかれた後は膠着状態が続いていた。攻撃陣は球団ワーストにあと1と迫る15三振。 5回には梅野のセーフティースクイズで 3走・前川が飛び出し、憤死する場面があるなど、もどかしさが充満していた。終わりよければすべてよし。梅野の笑顔でミスを帳消しにした。


 11回裏阪神一死 2、 3塁、梅野隆太郎捕手の時、矢澤宏太投手の暴投で三走植田海内野手がサヨナラ生還する=阪神甲子園球場
 苦しい試合のラストシーン。打席には梅野隆太郎捕手がいた。延長11回一死 2、 3塁から相手の暴投で決着。通算1000試合出場の節目で、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。
 「なかなか打てなかったけど、守りで何とかと思っていた。必死に投手陣も頑張ってくれて、何とかつないでいきながらだった。形としては幸運でしたけどね。勝つために自分たちはやっている。守り勝てたのは本当に大きいです」。
  5回終了時、記念パネルを掲げ、甲子園のファンに頭を下げた。負ければ貯金0でリーグ4位に沈んだ大事な試合で村上の 5回無失点を演出。ブルペン勝負になった 6回からも懸命に勢いある北海道日本ハム打線と相対した。


 11回裏阪神一死 2、 3塁、梅野隆太郎捕手は矢澤宏太投手の暴投でサヨナラ勝ちを決め喜ぶ=阪神甲子園球場
 相手ベンチには“恩師”の山田バッテリーコーチがいた。新人時代の担当コーチだ。「今も忘れません。夜遅くまで練習した思い出もある。厳しくしかられたりもした。携わってくれた皆さんに、感謝しています」と思いを込めた。
 阪神で4人目の監督となる岡田監督の下でも、成長できた。機を見た采配には今でも感服することが多い。「引き出しが増えました」。交流戦前にふと、タブレットで岡田監督の現役時代の成績を調べた。1639試合。監督としての実績は知っていても、世代的に現役時のイメージは少なかった。「主軸を打ちながらこれだけ出ていたんだ、と。やっぱりすごい人」と、あらためて仰ぎ見た。


 ヒーローインタビュー後、笑顔で記念撮影する梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 入団以来、捕手1本。身長 173センチと小柄だがケアの意識が高い。驚異的なブロッキング、強肩、力強い打撃で貢献。阪神で長年、活躍した捕手は多くない。代打などを除く「捕手」だけでの出場は、生え抜きでは田淵幸一氏や木戸克彦氏を超えて985試合で1位。こちらもあと15試合で球団初の大台に到達する。
 前日17日に33歳を迎えたばかり。「今後もしんどい試合が絶対ある。連敗を少なく、連勝をできるようなチームにできればいいなと思う」。アレンパにこの男は欠かせない。

▼梅野は阪神生え抜き捕手初の1000試合出場へあと15試合に迫った。通算1000試合中、代打のみの出場が14試合、代走のみが1試合あるため、捕手として試合に出たのは985試合。昨年は71試合でマスクをかぶって捕手通算945試合とし、田淵幸一氏の917試合、木戸克彦氏の943試合を抜いて生え抜き最多を更新した。なお、移籍選手を含めた球団最多は矢野燿大氏の1281試合で、梅野がこの日達成した1000試合は2位に該当する。

 


 水野達稀内野手の打球を好捕した前川右京外野手=阪神甲子園球場
 前川右京外野手が 2回、守備でフライに飛びついて捕球するビッグプレーを披露した。
 一死で水野の打球は左翼ファウルゾーンへ。前川は勢いよく打球に向かい、日差しを浴びながら前向き飛び込んでキャッチ。スタンドが歓声に包まれた。打撃を買われて定位置をつかみつつある若虎が、この日最初の打席を迎える前に守備で貢献した。


  2回表北海道日本ハム一死、左翼手前川右京外野手は水野達稀内野手の邪飛を好捕する=阪神甲子園球場
 前川右京外野手がエビ反りキャッチで拍手喝采をもらった。
  2回一死の守備で、北海道日本ハム水野が打ち上げた打球は左翼ファウルエリアに。前川は定位置から全力で走り、最後は人工芝部分でダイビングキャッチ。勢い余って体が大きく沿ったが、ボールは大事にキープした。この日は安打はなかったが、2四死球で出塁。交流戦打点王にあと2に迫る活躍が光った。

 


  5回に適時打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
 近本が貴重な先制打を放った。 5回二死満塁で宮西の 144キロ直球を捉え、打球は 2遊間を破って中前へ。11打席ぶりの安打で走者1人が生還した。 6月は前の試合まで打率0.200、2打点と苦しんでいたが、値千金の一打で貢献。この回はセーフティースクイズ不発など攻めあぐねていた中で得点を奪い「(村上)頌樹も頑張ってくれていましたし、どんな形でもランナーをかえしたいと思っていました」と手応えをにじませた。


  5回、適時打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
 阪神は 5回、近本光司外野手の適時打で先制した。
 勝負手連発の末に試合を動かした。先頭の前川が四球で出塁し、暴投で 2塁へ。森下が中前打で無死 1、 3塁とチャンスを作った。この日の 2打席目を迎えた梅野は初球にセーフティースクイズを敢行。当たりは投手の正面に転がり、飛び出した前川が 3本間でアウトになった。
 小幡が四球を選んで満塁となり、ここで新庄監督はプロ初先発で無失点のD1位・細野(東洋大)の交代を決断。今季初登板の左腕・宮西がマウンドに上がると、岡田監督は 5回無失点の村上頌樹投手に代えて代打・原口を起用した。原口は右翼フェンス際への邪飛に倒れ、 3塁走者の森下もタッチアップを切れなかった。
 二死満塁となって近本が打席へ。宮西の 144キロ直球を捉え、打球は 2遊間を破って中前へ。 1点を先制する適時打で、降板した村上に3勝目の権利をもたらした。

 


  6回表北海道日本ハム無死 1塁、松本剛外野手の遊ゴロで好守を見せる小幡竜平内野手=阪神甲子園球場
 小幡竜平内野手が“忍者送球”を決めた。
  6回無死 1塁の守備。 3遊間へのゴロを捕球。この時、スリップしたため体勢を崩した。体は宙に浮きながらも 2塁送球。きっちりとフォースアウトをもぎ取った。


  9回裏阪神二死、小幡竜平内野手は右前打を放った=阪神甲子園球場
 小幡竜平内野手が 3出塁で貢献した。
  9回二死からマーフィーの変化球を捉えて右前打。 5回と 7回にも四球を選び、何度も好機を演出した。木浪が左肩甲骨の骨折で戦列を離れる中、16日福岡ソフトバンク戦から 2戦連続の遊撃スタメン。「先発で出ても後から出ても、自分の役割を全うするだけだと思っていた。(交流戦が明けても)自分が引っ張っていくような気持ちで、チームに貢献できるような働きができたら」と責任感をにじませた。

 


 11回裏阪神一死、代打豊田寛外野手は中前打を放った=阪神甲子園球場
 たった一度与えられたチャンスを生かし、プロ3年目の豊田寛外野手がサヨナラ劇の起点になった。生還した植田に浴びせられるウオーターシャワー。顔を真っ赤にして、甲子園初安打を振り返った。
 「なんでもいいので塁に出ようと思っていた。すごく緊張していましたけど、思い切っていこうと。いいピッチャーなので、一球で仕留める準備はしていました」
 出番が回ってきたのは延長11回一死走者なし。原口、糸原と代打の切り札が先に起用されていく中、出番がやってきた。矢澤の 144キロ直球を捉えて中前へ。出塁を果たして代走・植田とバトンタッチ。2つのミスが重なるサヨナラ劇の幕を上げた。


 延長11回にサヨナラ勝ち。豊田寛外野手(61番)らがウオーターシャワーを浴びる=阪神甲子園球場
 サヨナラ呼ん打! 売り出し中の豊田寛外野手が、劇勝を導く代打安打を決めた。 1- 1の延長11回一死。島本に代わって起用され、北海道日本ハム矢澤の 144キロ直球を中前へ。お手本のようなセンター返しで、代走植田にバトンタッチした。その後、 3進した植田が矢澤の暴投で生還。サヨナラ勝ちを呼び込み「ほんとに、素直にうれしい」とかみしめた。
 植田はもちろん、豊田にも歓喜のウオーターシャワーが浴びせられた。「初めてですね。まだちょっと興奮しているという感じ」。試合後もクールな男の興奮は収まらず。入団 3年目で3本目の安打は、チームを救う貴重な 1本となった。


 11回裏阪神一死、 2、 3塁、サヨナラ勝ちで梅野隆太郎捕手と喜ぶ豊田寛外野手。中央はノイジー外野手=阪神甲子園球場
 13日のオリックス戦でプロ初安打を含む2安打をマーク。昨季は1軍昇格が 1度もなかった男が新たな風を吹かせている。その効果は2軍にも。豊田がプロ初安打を放った翌日、鳴尾浜でともに汗を流してきた男たちは歓喜の声を上げ、刺激を受けていた。高寺が、遠藤が、戸井が、小野寺が、北川2軍打撃コーチが…。自分のことのように「うれしい」と口をそろえた。
 誰にでも優しく、穏やかな27歳だからこそ、そう言ってもらえるのだろう。 2年ぶりの1軍では「ピッチャーの研究、裏での準備。見習うものがある。そのぐらいしないと結果が出ないっていうところ。自分も準備していけたら」と、代打で一振りにかける糸原、原口らの姿から学んでいる。19日はゲーム勘を養うため、ウエスタン・リーグの福岡ソフトバンク戦(鳴尾浜)に出場予定。朝は 6時起きという。クラブハウスにバットを持って引き揚げた。

 


 11回表北海道日本ハム一死、 3塁手佐藤輝明内野手は五十幡亮汰外野手の 3塁塁線バントを処理しアウトにする=阪神甲子園球場
 佐藤輝明内野手が、美技で甲子園を沸かせた。
 延長11回一死、五十幡の 3塁前へのセーフティーバントに猛ダッシュ。ベアハンドから 1塁へストライク送球を決め、アウトをもぎ取った。

 


 11回裏阪神一死、 2、 3塁、矢澤宏太投手(中央)の暴投で植田海内野手が生還、サヨナラとなる=阪神甲子園球場
 代走で出場した植田海内野手が好判断でサヨナラのホームに飛び込んだ。
 延長11回一死から安打を放った豊田の代走で登場。失策で一気に 3塁に進み、最後は暴投に反応した。捕手とボールの距離を冷静に見て、思い切ってスタートを切った。「はじくと思っていなかった。見えて、行けると思って走りました。最初はあまり見えなくて。(行ける)距離があるかなと」と振り返った。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 交流戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(07月)

 

 

 

 

 

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