●阪神はミスも重なり、 0― 1の 5回に同点機を逸した。流れを自ら手放すようなプレーになってしまった。先頭の渡辺諒内野手(29)が左翼への 2塁打を放ち、大山悠輔内野手(29)の 2ゴロで一死 3塁。ここで木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)はカウント 2― 2からの 5球目を空振り三振。さらに走者の渡辺が 3塁を大きく飛び出したところで捕手の佐藤都志也捕手(26)が 3塁に送球し、アウトで攻撃が終了となった。得点圏に走者を置きながらも 1本が出ず、それが焦りにつながる悪循環となった。阪神が2試合連続のサヨナラ負けで今季最長の5連敗を喫した。延長11回、二死 2塁から、西純矢投手(22)が(武田)愛斗外野手(27)に右越えタイムリーを浴び、 2- 3で敗れた。阪神は 1点を追う 6回に前川右京外野手(21)の死球で同点。 9回に渡辺の犠飛で 1点勝ち越した。逃げ切りを狙い、 2― 1での 9回に岩崎優投手(32)が登板。ところが、一死から中村奨吾内野手(32)の当たりは中堅へ。近本光司外野手(29)が前進しスライディングキャッチを試みるも、ボールはグラブをわずかにすり抜け後方に転がる 2塁打となり、二死から友杉篤輝内野手(23)に同点 2塁打を浴び、延長戦に持ち込まれていた。 4- 5のサヨナラ負けを喫した31日から一夜明け、この日は打線を大幅改造。近本光司外野手がプロ初となる4番で先発し、4番を担ってきた大山悠輔内野手は22年 5月以来となる7番に。前夜に途中出場で安打を放った植田海内野手(28)が今季初スタメンで2番に入るなど、打線テコ入れで臨んでいた。また2試合連続のサヨナラ負けは、17年 9月 5、 6日広島戦以来7年ぶり。試合後、岡田彰布監督(66)は前夜に続き取材に応じず、球場を後にした。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は、4回に2軍戦から数えて今季44イニング目で初失点を喫するも、6回3安打1失点と好投。味方の援護を待ったが、今季3連勝とはならなかった。
●ジェレミー・ビーズリー投手が、来日最多となる106球を投げた。 6回3安打1失点。5四死球と制球に苦しむシーンもあったが、引き分けを挟んで10連勝中と勢いのある千葉ロッテ打線を相手に、最少失点で切り抜けた。 4回には安田尚憲内野手(31)に適時 2塁打を許したが、失点はこの 1点のみ。2軍戦と合わせて連続無失点は43イニングで途切れたものの、試合をつくり 1- 1の同点のまま後続に託した。2連勝中の助っ人は 1回、 2回は一人も走者を許さぬ投球を見せる。しかし 3回、一死から四球、死球で一死 1、 2塁のピンチを背負う。打席には岡大海外野手(38)。初球はスイーパーで空振りを取り、 2球目はカットボールを選択した。強い打球はとんだものの、狙い通りゴロを打たせて 3塁の正面に。渡辺―中野拓夢内野手(27)―大山と渡って併殺を完成させ、マウンドで大きく咆哮をあげた。 4月12日のウエスタン・ソフトバンク戦からの連続イニング無失点は「43」に伸ばしている。 7回のマウンドには石井大智投手(26)が上がった。
●石井大智投手が、連続試合無失点を「10」にのばした。 1- 1で同点の7回に登板。友杉、和田康士朗外野手(25)、岡を 3人で仕留めた。 2つの三振を奪うなど圧倒。8試合連続で無四死球と制球力も抜群だ。前夜はハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)、漆原大晟投手(27)と中継ぎが失点し敗戦。苦しい台所事情の中、輝きを見せている。
●前夜と同じ流れで負けた。1点差の 9回に登板した岩崎優投手が、リードを守り切れなかった。一死から中村奨の当たりを中堅近本が後逸(記録は 2塁打)。その後、二死 2塁となり友杉に左翼越えの同点適時2塁打を浴びた。登板した直近5試合のうち3試合で失点。延長10回からは、この日1軍昇格した西純矢投手が今季初登板。二死 2、 3塁のピンチをしのいだものの、2イニング目となった11回につかまった。二死 2塁のピンチで愛斗に右越えのサヨナラ打を浴び肩を落とした。宿舎に帰るバスに向かう岩崎は必死で声をふり絞った。渡辺の犠飛で勝ち越した直後の 9回。チームの連敗ストップを託されたが、逃げ切りに失敗。不運もあった。一死から代打・中村奨の打球にスライディングキャッチを試みた近本が後逸して 2塁打に。二死後、友杉に左越えの同点 2塁打を食らった。開幕から岩崎&ゲラが同じ日に投げた試合は負けない-という伝説は19試合目となる 5月26日の巨人戦(甲子園)で途切れ、その後もダブルストッパーが打たれるシーンが増えてきている。安藤優也投手コーチ(46)は、岩崎が本来の調子でないのではと問われて多くは語らず。今季ワーストの5連敗。不安材料は、得点力不足の打撃陣だけでない。岡田虎の命綱でもある救援陣も気がかりだ。
● 9回に同点打を浴びた岩崎優投手は、前向きに切り替えた。 1点リードの 9回に登板。一死から代打中村奨が放った中前への飛球に近本は滑り込んで捕球を試みたが落球。不運な 2塁打でピンチを招き、その後8番友杉に同点の左適時2塁打を浴びていた。チームは2戦連続のサヨナラ負け。
●西純矢投手が、今季初登板で過酷なシーンを乗り切った。 2- 2で同点の延長10回に登板。先頭の岡に四球を許すと、犠打と申告敬遠などでピンチをつくり、二死 2、 3塁となった。最後はグレゴリー・ポランコ外野手(32)を 2飛に仕留め、このイニングを無失点。サヨナラのピンチをなんとか切り抜けた。続く延長11回には1死二塁のピンチをつくった。最後は愛斗にサヨナラ打を浴びた。西純は、この日出場選手登録を抹消された青柳晃洋投手(30)に代わり、1軍に昇格。2軍では先発調整を重ねてきたが、1軍ではひとまず、ロングリリーフ要員として期待される。この日1軍昇格し、延長10回に登板。2イニング目に、最後は愛斗にサヨナラ打を浴びた。2軍で先発調整していたが、急きょの1軍昇格で中継ぎ起用にも言い訳せず。前を向いた。
●阪神は 6回、前川右京外野手の押し出し死球で同点に追いついた。高卒 2年目右腕・田中晴也投手(19)に 5回まで無失点に抑えられるも、 0― 1の 6回、2番手の中村稔弥投手(27)を攻め立てた。二死から今季初めてスタメンに名を連ねた植田が捕手への内野安打で出塁すると、糸原健斗内野手(31)が中前打、近本が四球でつなぎ二死満塁を作る。打席には前日 5月31日の試合でプロ初本塁打を記録した前川。カウント 1- 1からの抜けた変化球が右手付近にあたり、押し出しの死球に。二死から必死につないで同点に追いついた。前夜にプロ1号2ランを含む3打点。この日はしぶとく結果を残した。
●大山悠輔内野手は22年 5月 8日の中日戦以来、2年ぶりに7番でスタメン出場した。4打数無安打に倒れ、直近3戦で1安打。 5月は月間打率1割8分2厘だったが、月が変わっても低調なままだ。シーズン打率も2割2厘と1割台目前となっている。
●阪神が2試合連続のサヨナラ負けで今季最長の5連敗を喫した。近本光司外野手は、この日はプロ6年目で初の4番で出場。死球で出塁した 9回に一時勝ち越しとなるホームを踏んだが、名手が悔しさを押し殺した。その直後の守備で一死から千葉ロッテ中村奨の打球に前進。スライディングキャッチを試みるも、ボールはグラブをわずかにすり抜け後方に転がる 2塁打となった。その後、岩崎が同点打を浴び、試合は延長戦へ。延長11回の末にサヨナラ負けを喫した。プロ初の4番を務めた一戦。
●才木浩人投手(25)が風を味方に、ZOZOマリンでの初登板に臨む。 2日の千葉ロッテ戦で先発予定。昨季の 6月 4日千葉ロッテ戦(甲子園)では佐々木朗希投手(22)に投げ勝ち完封勝利を挙げたが、強風が特徴の同球場では初の対戦だ。

記事をまとめてみました。

 

 

 日本生命セ・パ交流戦<千葉ロッテ 3- 2阪神>◇ 2回戦◇阪神 0勝 2敗 0分◇ 1日◇ZOZOマリンスタジアム
 阪神はミスも重なり、 0― 1の 5回に同点機を逸した。
 流れを自ら手放すようなプレーになってしまった。先頭の渡辺が左翼への 2塁打を放ち、大山の 2ゴロで一死 3塁。ここで木浪はカウント 2― 2からの 5球目を空振り三振。さらに走者の渡辺が 3塁を大きく飛び出したところで捕手の佐藤が 3塁に送球し、アウトで攻撃が終了となった。得点圏に走者を置きながらも 1本が出ず、それが焦りにつながる悪循環となった。


  4回裏千葉ロッテ二死満塁、打者友杉篤輝内野手を迎える前、マウンドで水分補給するビーズリービーズリー投手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神が2試合連続のサヨナラ負けで今季最長の5連敗を喫した。延長11回、二死 2塁から、西純が愛斗に右越えタイムリーを浴び、 2- 3で敗れた。阪神は 1点を追う 6回に前川の死球で同点。 9回に渡辺の犠飛で 1点勝ち越した。逃げ切りを狙い、 2― 1での 9回に岩崎が登板。ところが、一死から中村の当たりは中堅へ。近本が前進しスライディングキャッチを試みるも、ボールはグラブをわずかにすり抜け後方に転がる 2塁打となり、二死から友杉に同点 2塁打を浴び、延長戦に持ち込まれていた。


  5回表阪神一死 3塁、三振に倒れた木浪聖也内野手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神が2戦連続のサヨナラ負けで、今季ワーストを更新する5連敗を喫した。
 5連敗は、岡田彰布監督の第2時政権で昨季 6月17~25日に並ぶワーストタイ。交流戦は18年以来の開幕から4連敗となった。
  4- 5のサヨナラ負けを喫した31日から一夜明け、この日は打線を大幅改造。近本光司外野手がプロ初となる4番で先発し、4番を担ってきた大山悠輔内野手は22年 5月以来となる7番に。前夜に途中出場で安打を放った植田海内野手が今季初スタメンで2番に入るなど、打線テコ入れで臨んでいた。


  5回、木浪聖也内野手が三振した際に帰塁が遅れタッチアウトになった 3走の渡辺諒内野手=ZOZOマリンスタジアム
 しかし、プロ初先発の千葉ロッテ田中晴を前に 5回まで散発 2安打と苦戦。 1点を追う5回に先頭渡辺の 2塁打から好機をつくるも、一死 3塁から木浪が空振り三振に倒れ、 3塁走者の渡辺も戻れず併殺。苦しい時間が続いた。
 それでも6回二死から2番植田が内野安打で出塁すると、糸原が中前打でつなぎ二死 1、 3塁。近本が四球で塁を埋めると、迎えた前川が死球を受け押し出しで同点に追いついた。


  9回、選手交代を告げる岡田彰布監督=ZOZOマリンスタジアム
 そして 1- 1のまま迎えた9回。先頭の近本が死球で出塁すると、次打者前川の初球で 2盗に成功。前川が犠打をきっちり決めて一死 3塁から、渡辺が犠飛を放ち一時勝ち越し。しかし、悪夢はその裏。守護神岩崎がリードを守り切れず、同点に追いつかれると、延長戦で力尽き連日のサヨナラ負けとなった。
 先発のジェレミー・ビーズリー投手は、4回に2軍戦から数えて今季44イニング目で初失点を喫するも、6回3安打1失点と好投。味方の援護を待ったが、今季3連勝とはならなかった。


 10回表の攻撃を前にベンチで厳しい表情を見せる岡田彰布監督=ZOZOマリンスタジアム
 阪神が2戦連続のサヨナラ負けで、今季ワーストを更新する5連敗を喫した。5連敗は、岡田彰布監督の第2次政権で昨季 6月17~25日に並ぶワーストタイ。交流戦は18年以来の開幕から4連敗となった。
 また2試合連続のサヨナラ負けは、17年 9月 5、 6日広島戦以来7年ぶり。試合後、岡田監督は前夜に続き取材に応じず「もうええやろ」とだけ口にして、球場を後にした。


 10回表の攻撃を前にベンチでパインアレ(パインアメ)を口にする岡田彰布監督=ZOZOマリンスタジアム
  4- 5のサヨナラ負けを喫した31日から一夜明け、この日は打線を大幅改造。近本光司外野手がプロ初となる4番で先発し、4番を担ってきた大山悠輔内野手は22年 5月以来となる7番に。前夜に途中出場で安打を放った植田海内野手が今季初スタメンで2番に入るなど、打線テコ入れで臨んでいた。
 しかし、プロ初先発の千葉ロッテ田中晴を前に5回まで散発2安打と苦戦。 1点を追う5回に先頭渡辺の 2塁打から好機をつくるも、一死 3塁から木浪が空振り三振に倒れ、 3塁走者の渡辺も戻れず併殺。苦しい時間が続いた。


 千葉ロッテに連日のサヨナラ負けを喫し、険しい表情を見せながら引き揚げる岡田彰布監督=ZOZOマリンスタジアム
 それでも6回二死から2番植田が内野安打で出塁すると、糸原が中前打でつなぎ二死 1、 3塁。近本が四球で塁を埋めると、迎えた前川が死球を受け押し出しで同点に追いついた。
 そして 1- 1のまま迎えた9回。先頭の近本が死球で出塁すると、次打者前川の初球で二盗に成功。前川が犠打をきっちり決めて一死 3塁から、渡辺が犠飛を放ち一時勝ち越し。しかし、悪夢はその裏。守護神岩崎がリードを守り切れず、同点に追いつかれると、延長戦で力尽き連日のサヨナラ負けとなった。
 先発のジェレミー・ビーズリー投手は、4回に2軍戦から数えて今季44イニング目で初失点を喫するも、6回3安打1失点と好投。味方の援護を待ったが、今季3連勝とはならなかった。

 

 ジェレミー・ビーズリー投手が、来日最多となる106球を投げた。 6回3安打1失点。5四死球と制球に苦しむシーンもあったが、引き分けを挟んで10連勝中と勢いのある千葉ロッテ打線を相手に、最少失点で切り抜けた。
  4回には安田に適時 2塁打を許したが、失点はこの 1点のみ。2軍戦と合わせて連続無失点は43イニングで途切れたものの、試合をつくり 1- 1の同点のまま後続に託した。


  3回、岡大海を併殺に抑え、雄たけびをあげるビーズリー投手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神の先発、ジェレミー・ビーズリー投手がこの日初めてのピンチをしのいだ。
 2連勝中の助っ人は 1回、 2回は一人も走者を許さぬ投球を見せる。しかし 3回、一死から四球、死球で一死 1、 2塁のピンチを背負う。打席には岡。初球はスイーパーで空振りを取り、 2球目はカットボールを選択した。強い打球はとんだものの、狙い通りゴロを打たせて 3塁の正面に。渡辺―中野―大山と渡って併殺を完成させ、マウンドで大きく咆哮をあげた。 4月12日のウエスタン・ソフトバンク戦からの連続イニング無失点は「43」に伸ばしている。


 サムズアップポーズをして 4回裏のマウンドに向かうビーズリー投手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神の先発、ジェレミー・ビーズリー投手は 6回 1失点でマウンドを降りた。
 試合前まで40イニング無失点と圧巻の投球を続けていた右腕。この試合も力強い直球とカットボール、スイーパーをゾーンに集める好投を披露した。しかし 4回、二死 1、 2塁から安田に 1塁へのゴロを打たせるも、これがベースに当たって大きく弾み、適時2塁打に。不運な形で今季44イニング目で初の失点を喫した。それでもこの後二死満塁のピンチで友杉を中飛に打ち取ってしのぐと、 5回二死 1、 3塁でもソトを中飛に仕留めて追加点は与えなかった。 6回 106球を投じて被安打は3本。3戦連続で試合を作り、救援陣に後を託した。
 ビーズリーは「立ち上がりから 3回まではスムーズに投げることができたね。なかなか勝負が着かなくてたくさんファウルボールも打たれて球数も増えてしまったけど、根負けせず粘り強く投げることができたと思うよ」とコメントした。 7回のマウンドには石井が上がった。

 


 力投する阪神2番手の石井大智投手=ZOZOマリンスタジアム
 石井大智投手が、連続試合無失点を「10」にのばした。 5月 8日広島戦からゼロ行進を続けている。
 この日は 1- 1で同点の7回に登板。友杉、和田、岡を 3人で仕留めた。 2つの三振を奪うなど圧倒。8試合連続で無四死球と制球力も抜群だ。前夜はゲラ、漆原と中継ぎが失点し敗戦。苦しい台所事情の中、輝きを見せている。

 


  9回裏千葉ロッテ二死 2塁、岩崎優投手は友杉篤輝内野手に左翼へ同点適時2塁打を浴びる=ZOZOマリンスタジアム
 前夜と同じ流れで負けた。1点差の 9回に登板した岩崎優投手が、リードを守り切れなかった。一死から中村奨の当たりを中堅近本が後逸(記録は 2塁打)。その後、二死 2塁となり友杉に左翼越えの同点適時2塁打を浴びた。登板した直近5試合のうち3試合で失点。「絶対良くなるので、粘り強くやっていきたい」と振り絞った。
 延長10回からは、この日1軍昇格した西純矢投手が今季初登板。二死 2、 3塁のピンチをしのいだものの、2イニング目となった11回につかまった。二死 2塁のピンチで愛斗に右越えのサヨナラ打を浴びた。「カウント負けしていた。あそこでゾーンにフワっていってしまった感じが、すごく後悔します」と肩を落とした。


 11回裏千葉ロッテ二死 2塁、(武田)愛斗外野手にサヨナラの右適時2塁打を許した西純矢投手=ZOZOマリンスタジアム
 2軍では先発調整を続けてきたが、中継ぎ陣に疲労の色が見られることもあり、急きょ1軍昇格でブルペン入り。いきなり過酷な状況も「難しいとかは言ってられない」と言い訳にはしなかった。「次、チャンスがあれば頑張ります」。ロングリリーフ要員として期待のかかる右腕は、必死に前を向いた。
 前日 5月31日も1点リードの9回にゲラが同点に追いつかれていた。その後、延長戦で漆原の押し出し四球でサヨナラ負け。頼みのリリーフ陣が踏ん張り切れず、同じパターンで勢いに乗る千葉ロッテにのみこまれた。


  9回、同点にされ、ベンチに戻る岩崎優投手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神は 2- 3で千葉ロッテに2試合連続で延長サヨナラ負けし、5連敗となった。抑えの岩崎優投手が1点リードを守れず、1軍昇格即登板した西純矢投手が11回にサヨナラ打を浴び、救援陣が連日の背信投となった。
 幕張の悲劇だ。前日のゲラに続き、岩崎も1点リードの 9回、同点に追いつかれ、チームの勝利を消してしまった。虎のダブルストッパーが好調千葉ロッテの勢いに飲み込まれて、2試合連続の延長サヨナラ負けにつながった。
 「(チーム状況は)絶対、よくなるので。それまで、粘り強く戦っていきたいです」
 宿舎に帰るバスに向かう岩崎は必死で声をふり絞った。渡辺の犠飛で勝ち越した直後の 9回。チームの連敗ストップを託されたが、逃げ切りに失敗。不運もあった。一死から代打・中村奨の打球にスライディングキャッチを試みた近本が後逸して 2塁打に。二死後、友杉に左越えの同点 2塁打を食らった。


 11回裏千葉ロッテ二死 2塁、(武田)愛斗外野手に適時打を浴びサヨナラ負けし、悔しそうに引き揚げる西純矢投手と大山悠輔内野手=ZOZOマリンスタジアム
 待っていたのは2日連続の悪夢継投-。延長10回からは、この日1軍初昇格した西純がマウンドへ。先頭に四球を与えるも、なんとか一死 1、 2塁のピンチを無失点にしのいだが、イニングをまたいだ11回、二死 2塁から愛斗に右越えのサヨナラ打。西純は「どういう場所でも抑えていかないといけないので。きょうは悔しい結果になって残念です」と、サヨナラ負けの責任を一身に背負い込む形となった。
 前日の再現VTRを見ているかのようだった。 4- 3の 9回に登板したゲラが安打と 2四球で満塁とされて同点犠飛を許し、延長10回、漆原が押し出し四球を与えてサヨナラ負け。一夜明けても重苦しいムードをぬぐえなかった。


 11回裏千葉ロッテ二死 2塁、(武田)愛斗外野手にサヨナラ打を浴び、ベンチへ戻る西純矢投手(左)とぼうぜんとするナイン=ZOZOマリンスタジアム
 開幕から岩崎&ゲラが同じ日に投げた試合は負けない-という伝説は19試合目となる 5月26日の巨人戦(甲子園)で途切れ、その後もダブルストッパーが打たれるシーンが増えてきている。安藤投手コーチは、岩崎が本来の調子でないのではと問われて「どうなんでしょうね」と多くは語らず。今季ワーストの5連敗。不安材料は、得点力不足の打撃陣だけでない。岡田虎の命綱でもある救援陣も気がかりだ。
■データBOX
◉阪神の2試合連続のサヨナラ負けは、2017年9月5、6日の広島戦(マツダ)以来、7年ぶり
◉阪神の交流戦開幕4連敗は2012年(5連敗)、18年(4連敗)に次いで3度目。交流戦開幕から2カード連続負け越しも両年に次いで3度目

 


  9回裏千葉ロッテ二死 2塁、友杉に左適時2塁打を浴びた岩崎優投手=ZOZOマリンスタジアム
  9回に同点打を浴びた岩崎優投手は、前向きに切り替えた。 1点リードの 9回に登板。一死から代打中村奨が放った中前への飛球に近本は滑り込んで捕球を試みたが落球。不運な 2塁打でピンチを招き、その後8番友杉に同点の左適時2塁打を浴びていた。
 チームは2戦連続のサヨナラ負け。「絶対に良くなるので。それまで、粘り強くやっていきたいです」と話し、球場を後にした。

 


 10回裏の選手交代を告げる前、指示を出す岡田彰布監督=ZOZOマリンスタジアム
 西純矢投手が、今季初登板で過酷なシーンを乗り切った。
  2- 2で同点の延長10回に登板。先頭の岡に四球を許すと、犠打と申告敬遠などでピンチをつくり、二死 2、 3塁となった。最後はポランコを 2飛に仕留め、このイニングを無失点。サヨナラのピンチをなんとか切り抜けた。


 10回裏千葉ロッテ二死 2、 3塁、グレゴリー・ポランコ外野手を二飛に仕留めガッツポーズする西純矢投手=ZOZOマリンスタジアム
 続く延長11回には1死二塁のピンチをつくった。最後は愛斗にサヨナラ打を浴びた。
 西純は、この日出場選手登録を抹消された青柳に代わり、1軍に昇格。2軍では先発調整を重ねてきたが、1軍ではひとまず、ロングリリーフ要員として期待される。


 11回裏千葉ロッテ無死、中前打を放った中村奨吾内野手。投手は西純矢投手=ZOZOマリンスタジアム
 サヨナラ打を浴びた西純矢投手は「どういう場所でも抑えていかないといけないので、今日は悔しい結果になって残念です」とくちびるをかんだ。

 11回裏千葉ロッテ二死 2塁、サヨナラの右適時2塁打を放った(武田)愛斗外野手。投手は西純矢投手=ZOZOマリンスタジアム
 この日1軍昇格し、延長10回に登板。2イニング目に、最後は愛斗にサヨナラ打を浴びた。2軍で先発調整していたが、急きょの1軍昇格で中継ぎ起用にも「難しいとは言ってられない」と言い訳せず。「こういう失敗してられないので、次チャンスあれば頑張ります」と前を向いた。

 


  6回、死球を受けた前川右京外野手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神は 6回、前川右京外野手の押し出し死球で同点に追いついた。
 高卒 2年目右腕・田中晴に 5回まで無失点に抑えられるも、 0― 1の 6回、2番手の中村稔を攻め立てた。二死から今季初めてスタメンに名を連ねた植田が捕手への内野安打で出塁すると、糸原が中前打、近本が四球でつなぎ二死満塁を作る。打席には前日 5月31日の試合でプロ初本塁打を記録した前川。カウント 1- 1からの抜けた変化球が右手付近にあたり、押し出しの死球に。二死から必死につないで同点に追いついた。なおも好機は続いたが渡辺は見逃し三振に倒れて逆転とはならず。同点で後半戦に入る。


  6回表阪神二死満塁、死球を受けた前川右京外野手=ZOZOマリンスタジアム
 前川右京外野手が2試合連続の打点を挙げた。
 「5番左翼」で先発。 6回二死満塁で押し出しとなる死球を受け、同点に追いついた。右手の甲付近に直撃したものの「問題ないです」ときっぱり。 9回表無死 2塁では必死に腕をのばして 1ゴロを放ち、 2塁走者の進塁に成功。その後、渡辺の犠飛で一時勝ち越しの1点が入った。進塁打のサインが出ていたといい「ヒットじゃなくても進めたのでよかった」。前夜にプロ1号2ランを含む3打点。この日はしぶとく結果を残した。

 


  7回表阪神無死、右飛に倒れた大山悠輔内野手=ZOZOマリンスタジアム
 大山悠輔内野手は22年 5月 8日の中日戦以来、2年ぶりに7番でスタメン出場した。
 4打数無安打に倒れ、直近3戦で1安打。 5月は月間打率1割8分2厘だったが、月が変わっても低調なままだ。シーズン打率も2割2厘と1割台目前となっている。試合後は報道陣の問いかけに無言のまま球場を後にした。

 


  9回、 2盗を決めた近本光司外野手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神が2試合連続のサヨナラ負けで今季最長の5連敗を喫した。近本光司外野手は 9回の自身の守備について「風と距離感というので、全然捕れたと思うので。そこは練習でどうこうというのではないので。捕るのが一番ですけど、その次は前に止めるだと思うので。それができなかったのは反省するところだと思います」と振り返った。
 この日はプロ6年目で初の4番で出場。死球で出塁した 9回に一時勝ち越しとなるホームを踏んだが、その直後の守備で中村の当たりにスライディングキャッチを試みるも、ボールはグラブをわずかにすり抜け後方に転がる 2塁打となった。その後、二死から友杉に同点 2塁打を浴び、延長11回にサヨナラ負けとなった。
 初の4番については「今日は特別やったと思うので。 1打席目はちょっと、雰囲気とかも味わいながらとは思いましたけど。初回に回ってきてくれたのはよかったのかなと思います」と語った。


  9回裏千葉ロッテ一死、近本光司外野手は中村奨吾内野手の打球をキャッチできず2塁打を許した=ZOZOマリンスタジアム
 名手が悔しさを押し殺した。近本光司外野手が 1点リードの 9回の守備で痛恨のミスを犯した。一死から千葉ロッテ中村奨の打球に前進。最後は滑り込んだが、グラブの先をボールが通過。後逸し 2塁進塁を許した(記録は2塁打)。その後、岩崎が同点打を浴び、試合は延長戦へ。延長11回の末にサヨナラ負けを喫した。
 試合後、 9回の守備について「風と距離感というので、全然捕れたと思う」と回想。「そこは練習でどうこうというのではないので」とし「捕るのが一番ですけど、その次は前に止めるだと思うので。それができなかったのは反省するところだと思います」と語った。
 プロ初の4番を務めた一戦。「今日は特別やったと思う」としながら「その1打席目はちょっと、雰囲気とかも味わいながらとは思いましたけど。初回に回ってきてくれたのはよかったのかなと思います」と話し、初回の安打を振り返った。


 9回、中村奨吾内野手の打球を捕れず 2塁打とした近本光司外野手=ZOZOマリンスタジアム
 阪神は 2- 3で千葉ロッテに2試合連続で延長サヨナラ負けし、5連敗となったが、打線を大改造。109代4番打者となった近本光司外野手は3打数1安打2四死球、 9回には 2盗を決めて一時勝ち越しのお膳立てをするなど存在感を示した。
 プロ通算715試合目で初の4番起用にも、不変の存在感で打って走ってチームを動かした。先頭で引っ張る役割を果たし続けてきた近本に、 6年目で初めて4番の座が託された。一時勝ち越しのホームを踏んだが、最後は惜敗。それでも、見る者には確かに新しい風を吹かせた。
 「今日は特別だったと思うので。 1打席目はちょっと、雰囲気とかも味わいながらとは思いましたけど」
 打率、本塁打、打点の 3部門でチームトップの成績を残していた背番号5が、つながりを欠く打線の4番に入った。 1回は二死 1塁で最初の打席に入って右前打。「初回に(打席が)回ってきてくれたのはよかった」とリズムをつかんだ。


 11回表阪神無死一塁、遊ゴロ併殺に倒れた近本光司外野手。投手は澤田圭佑投手=ZOZOマリンスタジアム
 プロ初の4番で起用された近本光司外野手が、3打数1安打1得点も、守備で後悔を残した。
 初回に右前打。 6回には四球で同点劇につなげた。 9回は死球で出塁し 2盗を決め、その後本塁に生還。一時勝ち越しとなった。一方で、 9回の中堅守備では、中村奨の当たりに前進しグラブをのばしながらも後逸。「全然捕れたと思う。捕るのが一番ですけど、その次は前に止めること。それができなかったのは反省」。打順については「今日は特別だったと思う。1打席目は雰囲気も味わいながらとは思いましたけど」と振り返った。

 


 試合前練習を終えファンに手を振る才木浩人投手=ZOZOマリンスタジアム 
 才木浩人投手が風を味方に、ZOZOマリンでの初登板に臨む。
  2日の千葉ロッテ戦で先発予定。昨季の 6月 4日千葉ロッテ戦(甲子園)では佐々木に投げ勝ち完封勝利を挙げたが、強風が特徴の同球場では初の対戦だ。「よくフライが上がったら戻ってくるみたいに言っているので、自分にとってはすごくいい風。真っすぐも風に乗ったら、スーッと落ちないボールになると思う。そういう感じで投げられたら」と意気込んだ。

 

※ 6月 2日の予告先発は、千葉ロッテ・C.C.メルセデス投手(30)―阪神・才木浩人投手(25)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

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2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

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