●元女子レスリング日本代表の吉田沙保里さん(41)が始球式を行った。「J:COM 超速ネット光デー」として開催され、そのイベントのひとつとして登場。自身の名前にちなんだ背番号「30」のユニホームを着用し、拍手を受けてマウンドへ。ノーバウンドのストライク投球を披露し、スタンドからはどよめきが起こった。3大会連続で五輪の金メダルを獲得し、世界大会16連覇など輝かしい実績を誇る吉田沙保里さんは、連覇を目指す阪神に向けエールを送った。吉田沙保里さんと同じく三重県津市出身の前川右京外野手(21)には「ふるさとが同じというだけで応援したくなりますし、頑張ってほしい」とエールを送った。
●阪神が延長10回の末に逆転負けを喫し、交流戦前最後に5カードぶりのカード負け越しとなった。 7回一死まで巨人菅野智之投手(34)に無安打に抑え込まれた打線に岡田彰布監督(66)も怒りモード。ぼやき節が止まらない。2位広島が横浜DeNAに勝利してゲーム差は0.5差。28日の北海道日本ハム戦(甲子園)から始まる交流戦は、打線が奮起するしかない。7戦負けなしと無敵を誇る昼の甲子園で、今年初めて六甲おろしは流れなかった。 1点リードの 9回一死、ハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)が和真内野手(27)に同点ソロを許し、延長10回に岩崎優投手(32)が丸佳浩外野手(35)に決勝犠飛を浴びた。今季12球団最多の 4万2613人が詰めかけた聖地が静まりかえる。岡田監督は 2人の守護神を責めなかった。怒りの矛先は、巨人菅野を前に 7回一死まで無安打だった打線だ。強い直球に差し込まれ、振り遅れる。快音の出ない選手たちへぼやきは止まらない。口調に怒気を含ませた。 2年連続リーグ首位、貯金6で交流戦スタートも首をかしげるほどのチーム状態。最後まで止まらないぼやき節。指揮官を笑顔にするには打つしかない。
●阪神がピンチを無失点でしのいだ。 2回、一死から先発才木浩人投手(25)が長野久義外野手(39)、泉口友汰内野手(25=NTT西日本)に連打を浴びて 1、 2塁のピンチを背負う。迎えるは7番・小林誠司捕手(34)。その初球、直球に差し込まれた打球は 1、 2塁間へ。虎が誇る鉄壁の 2遊間コンビが先発の才木を盛り立てた。阪神は巨人の先発・菅野智之投手の前に 5回まで無安打に倒れた。24日の10回戦で戸郷翔征投手(24)にノーヒットノーランを達成されてからわずか 2日で再び快音が止まった。出塁も 2回のシェルドン・ノイジー外野手(29)の四球のみで、攻略の糸口を見つけられていない。阪神の先発・才木もここまで無失点で投げており、試合前時点で、 5回終了時に 0― 0だった試合は今季2勝2敗。先制に成功した試合は今季18勝4敗1分け、12球団トップの勝率0.818と白星が先行している。阪神は巨人に接戦の末黒星を喫した。先発の才木浩人投手が 8回途中7安打無失点の好投。威力ある直球と変化球を織り交ぜて100球を超えても崩れず。走者を出した 8回は桐敷拓馬投手(24)、石井大智投手(26)がそれぞれ打者 1人を抑えて無失点で切り抜けた。打線は 6回まで無安打と先発・菅野の攻略に苦しんだが、 7回一死で森下翔太外野手(23)がチーム初安打となる 2塁打。大山悠輔内野手(29)も左前打で続き、渡辺諒内野手(29)の右前適時打で先制に成功した。 9回はゲラがマウンドに上がったが、一死から岡本和にソロ本塁打を許して同点に追いつかれた。延長10回は岩崎が登板。一死 1、 3塁とピンチを招き、丸に中堅への犠飛を許して勝ち越された。チームは交流戦前最後の試合を白星で締めることができず、5カード連続の勝ち越しを逃した。交流戦前最後の一戦は黒星ながら、首位はキープ。仕切り直して28日の北海道日本ハム戦(甲子園)から交流戦に向かう。
●森下翔太外野手が 7回の第 3打席でチーム初安打を放った。 4回一死まで巨人先発・菅野の前に無安打に抑えられていた阪神打線。異様な空気を若虎がかき消した。 149キロ直球を振り抜くと、打球は右中間を破る 2塁打。戸郷の前にノーヒットノーランを喫し、一夜明けた25日も、 1回にチーム初安打で球場の空気を変えた男が今季最多 4万2613人の観衆から大歓声を浴びた。大山悠輔内野手も左前打で続き、渡辺諒内野手の右前打で待望の先制点を手にした。この3連打で菅野をKOした。25日に1号ソロを放った渡辺の活躍で、球場のボルテージも最高潮に達した。
●才木浩人投手は 8回途中7安打無失点で降板。両リーグトップの6勝目の権利を手にしてマウンドを降りた。それでも 1点リードの 9回にハビー・ゲラ投手が岡本和にソロ本塁打を浴びて6勝目はお預けとなった。自身5連勝中でリーグトップタイの5勝を挙げている右腕はこの日も快投。 2回は一死から連打を食らったが併殺打。 6回は連打で二死 1、 2塁としたが岡本和を右飛に仕留めて右拳を握りしめた。 1- 0の 9回にゲラが一死から岡本和にソロ本塁打を被弾。才木はじっとベンチからグラウンドを見つめた。 1- 1の同点で延長戦にもつれ込む展開となった。才木浩人投手が両リーグ単独トップ6勝目を逃した。救援陣が踏ん張れず白星はつかなかったが、 8回途中7安打無失点。菅野との投げ合いには自ら及第点を与えた。岡田彰布監督もチームの勝ち頭をねぎらった。オールスターファン投票の中間発表後は初登板。24日発表分では先発投手部門1位に入っており、好投を続ければ選出の可能性はどんどん高まる。交流戦ではパ・リーグとの対戦となるが、好投の継続を誓った。防御率1.54はリーグ3位、47奪三振は2位と、すべての分野で投手部門の上位にいる。日曜日の登板が続けば交流戦で千葉ロッテ、福岡ソフトバンクとも対戦する。セ・リーグ〝最強〟であることを全国にアピールする。
●岡田彰布監督が執念の「1人一殺」継投を繰り出した。先発才木浩人投手が 7回まで無失点。 8回も続投し、一死 2塁とされたところで左の桐敷拓馬投手にスイッチ。桐敷が丸佳浩外野手を 2ゴロに打ち取ると、今度は右の石井大智投手をマウンドに送った。石井は坂本勇人内野手(35)を 3ゴロに仕留めた。左右の両セットアッパーをぜいたくに使った継投で、 1点を守りにいった。
●不敗神話が悲鳴とともに崩れた。ダブルストッパーの岩崎優投手とハビー・ゲラ投手がそろって失点し、交流戦前最後の一戦で虎の子の1点を守り切れなかった。阪神が誇るダブルストッパーのハビー・ゲラ投手と岩崎優投手が初めてそろって失点した。ゲラは 1点リードの9回に岡本和真内野手からソロ本塁打を被弾。同点の10回に登板した岩崎が一死、 1、 3塁から丸佳浩外野手に犠飛を許してともに失点した。ともに登板した19試合目で初めてそろって失点した。8セーブずつを挙げている阪神のダブル守護神が初めてそろって失点した。 1- 0の 8回に登板したハビアー・ゲラ投手は、直球を岡本和に左中間席まで運ばれた。延長10回は、岩崎優投手が 2安打でピンチを招いて丸に決勝犠飛を許した。ともに痛恨の失点となった。 2人がそろって登板した試合は14勝4引き分けと不敗だったが、19試合目で初黒星。ともに調子を落としており言葉少なに球場をあとにした。先に捕まったのはゲラだった。 1― 0の 9回に登板し、一死から岡本和と対戦。初球の 157キロ直球を捉えられ、その瞬間にうなだれた。打球は左中間スタンドへ一直線の同点ソロ。セーブ機会時の登板では初失点となる一発を浴び、試合が振り出しに戻った。この試合まで 2人がそろって登板した試合は 8試合で14勝4分けと負け知らずだったが崩れてしまった。岩崎優投手が 1― 1の延長10回にマウンドに上がり、勝ち越しを許した。先頭の小林に中前打を浴び、立岡が犠打を決めて代打・岸田が右前打。一死 1、 3塁とピンチを招き、丸の打球は中堅へ。近本光司外野手(29)が捕球し 3塁走者がタッチアップし、返球よりわずかに早く生還した。岩崎は22日の広島戦(マツダ)以来の失点。二死 1塁となったところでマウンドを降り、代わって漆原大晟投手(27)が登板した。今季の阪神はここまで延長戦で3勝1敗4分けと勝ち越しているが、先に劣勢に追い込まれた。
●阪神が交流戦開幕と同時に選手の入れ替えを行うことが26日、分かった。シェルドン・ノイジー外野手(29)が出場選手登録を抹消される見通しになった。 5月の月間打率は1割7分と急降下。シーズン通算も2割4分4厘に落ち込み、1本塁打、8打点と主軸としての期待に応えられていなかった。同じ右打ちの井上広大外野手(22)も再調整に入る見込み。交代要員は島田海吏(28)小野寺暖(26)の両外野手が濃厚。15日に出場選手登録を抹消され、2軍戦で再調整を続けている佐藤輝明内野手(25)の復帰は見送られる。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 1ー 2巨人>◇12回戦◇阪神 5勝 6敗 1分◇26日◇阪神甲子園球場
 元女子レスリング日本代表の吉田沙保里さんが始球式を行った。「J:COM 超速ネット光デー」として開催され、そのイベントのひとつとして登場。自身の名前にちなんだ背番号「30」のユニホームを着用し、拍手を受けてマウンドへ。ノーバウンドのストライク投球を披露し、スタンドからはどよめきが起こった。「多分今までの中で一番良かったんじゃないかなっていうぐらい綺麗なボールがいってよかった。(点数は)100点かもしれない」と喜んだ。


 始球式に登場した吉田沙保里さん=阪神甲子園球場
 3大会連続で五輪の金メダルを獲得し、世界大会16連覇など輝かしい実績を誇る吉田さんは、連覇を目指す阪神に向け「 1人 1人の気持ちがひとつになれば強いし、勝ちたい、負けたくないという気持ちになれば、勝てるんじゃないかなと。私は最後は気持ちだと思っていたので。もちろん普段の練習があってこそですけど、これだけやってきたんだから絶対負けないっていう気持ちだったので。プラス思考で、ポジティブに、気持ちを切り替えて」とエールを送った。


 始球式を務めた吉田沙保里さん=西宮市・阪神甲子園球場
 現役時代は「霊長類最強女子」と呼ばれた元アスリートは背中に「YOSHIDA」と名前の沙保里からとった「30」の特製ユニホームで登場。ノーバウンドのストライク投球を披露すると大きな拍手に包まれた。ベンチで始球式を見守った岡田彰布監督も笑顔で拍手を送った。
 始球式を終えて吉田は「甲子園球場では初めての始球式だったので緊張もあった。成功して、今までの中で一番良かった」と振り返り、「100点です」と笑顔だった。


 始球式を務め、梅野隆太郎捕手と握手する吉田沙保里さん=阪神甲子園球場
 現役時代には世界大会16連覇の偉業を打ち立ててきた。阪神は今季球団史上初のリーグ連覇を狙っており、連覇の秘訣(ひけつ)を問われると「 1人 1人の気持ちとか、勝ちたい負けたくないという気持ちが 1つになれば勝てるんじゃないかと思う。私は最後は気持ちだと思う」と団結の重要性を強調。「絶対私の方が練習してきたという気持ちで常にマットに上がっていました。それが勝ちにつながっていたかな」と振り返った。
 吉田と同じく三重県津市出身の前川右京外野手には「ふるさとが同じというだけで応援したくなりますし、頑張ってほしい」とエールを送った。

 


 巨人にリードを許しベンチで厳しい表情を見せる岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 阪神が延長10回の末に逆転負けを喫し、交流戦前最後に5カードぶりのカード負け越しとなった。 7回一死まで巨人菅野智之投手に無安打に抑え込まれた打線に岡田彰布監督も怒りモード。「何にもせえへんのやもんなあ」とぼやき節が止まらない。2位広島が横浜DeNAに勝利してゲーム差は0.5差。28日の北海道日本ハム戦(甲子園)から始まる交流戦は、打線が奮起するしかない。
            ◇   ◇   ◇
 7戦負けなしと無敵を誇る昼の甲子園で、今年初めて六甲おろしは流れなかった。 1点リードの 9回一死、ゲラが岡本に同点ソロを許し、延長10回に岩崎が丸に決勝犠飛を浴びた。今季12球団最多の 4万2613人が詰めかけた聖地が静まりかえる。「いや、そら打たれるよお。そんな 1年間打たれんことはないわけやからなあ」。岡田監督は 2人の守護神を責めなかった。怒りの矛先は、巨人菅野を前に 7回一死まで無安打だった打線だ。


 岡田彰布監督は選手交代を告げにベンチを出る。右は中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 「打線よ、そんなもん。何にもせえへんのやもんなあ」。初戦に戸郷から喫したノーヒットノーランもよぎる沈黙ぶり。 6回の攻撃前にはしびれをきらし、ベンチ前で円陣を組むことを促した。「なんにもせえへんから、俺が言うたんやで。こんなんやってたら、またやられるでって」。その効果もあって 7回に森下のチーム初安打から3連打で先制したが、得点はこの 1点のみだった。
 強い直球に差し込まれ、振り遅れる。「水口(打撃コーチ)もミーティングで前行って打ってって言うてるけど、誰1人前行って打ってないやろ」。快音の出ない選手たちへぼやきは止まらない。「技術がないんやろな。差されるのはずーっとやんか。およげ言うてんのにな」と口調に怒気を含ませた。前日25日の勝利後は打線について「(まだ)奮起まではいかん。明日点取ったら奮起と言えるな」と話していただけにガックリだ。


 10回表巨人一死 1、 3塁、勝ち越しを許した岩崎に交代を告げ、厳しい表情でベンチへ戻る岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 今季の 1点差以内の試合は、12球団で2番目に多い22試合。「 1- 0で勝とうと思う方が間違いよ。ピッチャーもたんよ。そらこんなんで勝ったらあかんということやろ。失礼やいうことよ」。接戦が続けば、楽な展開は減り、投手陣に負担がかかる。報いることのできない打線へ、苦言をいとわなかった。
  2年連続リーグ首位、貯金6で交流戦スタートも「そら不思議よ、はっきりいうて」と首をかしげるほどのチーム状態。「パ・リーグのピッチャーなんか、強いストレートくるよ。もっと点入らんわ、交流戦なったらな、今の状態じゃな」。最後まで止まらないぼやき節。指揮官を笑顔にするには打つしかない。

 


  2回、併殺を完成したバックを称える才木浩人投手=阪神甲子園球場
 阪神がピンチを無失点でしのいだ。 2回、一死から先発才木が長野、泉口に連打を浴びて 1、 2塁のピンチを背負う。迎えるは7番・小林。その初球、直球に差し込まれた打球は 1、 2塁間へ。 2塁・中野が捕球から素早く反転し、 2塁へ送球すると、遊撃・木浪が 1塁へ軽やかに送って併殺完成。虎が誇る鉄壁の 2遊間コンビが先発の才木を盛り立てた。


  3回、 1ゴロに倒れた近本光司外野手=阪神甲子園球場
 阪神は巨人の先発・菅野の前に 5回まで無安打に倒れた。24日の10回戦で戸郷にノーヒットノーランを達成されてからわずか 2日で再び快音が止まった。出塁も 2回のノイジーの四球のみで、攻略の糸口を見つけられていない。阪神の先発・才木もここまで無失点で投げており、試合前時点で、 5回終了時に 0― 0だった試合は今季2勝2敗。先制に成功した試合は今季18勝4敗1分け、12球団トップの勝率0.818と白星が先行している。好投の才木のためにも先に得点を奪いたいところだ。


  6回、ベンチ前で円陣を組む阪神ナイン=阪神甲子園球場
 阪神は巨人に接戦の末黒星を喫した。先発の才木浩人投手が 8回途中7安打無失点の好投。威力ある直球と変化球を織り交ぜて100球を超えても崩れず。走者を出した 8回は桐敷、石井がそれぞれ打者 1人を抑えて無失点で切り抜けた。打線は 6回まで無安打と先発・菅野の攻略に苦しんだが、 7回一死で森下がチーム初安打となる 2塁打。大山も左前打で続き、渡辺諒内野手の右前適時打で先制に成功した。 9回はゲラがマウンドに上がったが、一死から岡本にソロ本塁打を許して同点に追いつかれた。延長10回は岩崎が登板。一死 1、 3塁とピンチを招き、丸に中堅への犠飛を許して勝ち越された。チームは交流戦前最後の試合を白星で締めることができず、5カード連続の勝ち越しを逃した。


  6回の攻撃前、円陣を組み平田勝男ヘッドコーチの話を聞く阪神ナイン=阪神甲子園球場
  6回の攻撃開始を前に、阪神ナインがベンチ前で円陣を組んだ。
 直前の守備で 1、 2塁のピンチを才木が脱したのち、選手が平田勝男ヘッドコーチ((61)の話に耳を傾けた。チームは巨人の先発・菅野の前に 5回まで無安打。24日の同戦で戸郷にノーヒットノーランを喫しており、岡田監督が就任した昨季以降では珍しい円陣で奮起が促されたが、 6回の攻撃は3者凡退に倒れた。


 延長10回、勝ち越しを許した失点した岩崎優投手=阪神甲子園球場
 阪神が 9回に追いつかれて逆転負けを喫し、5カードぶりのカード負け越しとなった。
 今カードは初戦で巨人戸郷にノーヒットノーランを許し、この日も菅野智之投手を前に 7回一死までノーヒット。いやな流れの中で、森下翔太外野手がチーム初安打を放つと一気に 3連打で先制点をもぎとった。しかし、 1点リードの 9回にハビー・ゲラ投手が岡本に9号ソロを被弾し試合は振り出し。延長10回に小林、代打岸田の安打から一死 1、 3塁のピンチを招くと、丸に決勝の中犠飛を許して連勝とはならなかった。
 試合は白熱の投手戦だった。この試合前まで5勝の阪神才木、4勝の巨人菅野と勝利数リーグトップを争う右腕2人が投げ合った。才木は初回を3者凡退でスタートすると、 2回は一死から長野、泉口に連打を浴びたが、続く小林を初球の直球で 2ゴロ併殺。 6回にも二死から連打を浴びたが、最後は4番岡本を直球で右飛に仕留めた。


 ベンチで浮かない表情を見せる岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 一方、打線は快投の菅野に苦戦。 2回二死から四球でノイジーが出塁するのみで 5回まで無安打無得点。 6回の攻撃前にはベンチで円陣を組んだが、この回も8番木浪から3者凡退に終わった。
  7回一死までノーヒット。突破口を開いたのは、森下翔太外野手だった。外の変化球をうまく右中間へ運び、 2塁へヘッドスライディング。続く4番大山悠輔内野手が左前打で続き二死 1、 3塁。渡辺諒内野手が内角直球に詰まりながらも右前に運び、待望の先制点となっていた。
 交流戦前最後の一戦は黒星ながら、首位はキープ。仕切り直して28日の北海道日本ハム戦(甲子園)から交流戦に向かう。

 


  7回一死、右中間に2塁打を放った森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 森下翔太外野手が 7回の第 3打席でチーム初安打を放った。 4回一死まで巨人先発・菅野の前に無安打に抑えられていた阪神打線。異様な空気を若虎がかき消した。 149キロ直球を振り抜くと、打球は右中間を破る 2塁打。戸郷の前にノーヒットノーランを喫し、一夜明けた25日も、 1回にチーム初安打で球場の空気を変えた男が今季最多 4万2613人の観衆から大歓声を浴びた。


  7回裏阪神一死、中 2塁打を放ち、 2塁にヘッドスライディングをする森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 森下翔太内野手がまた突破口を開いた。 0- 0の 7回一死で、巨人巨人菅野智之からチーム初安打となる右中間 2塁打を放った。
 阪神は 2日前の24日に戸郷翔征投手に無安打無得点試合をやられている。嫌なムードがあった前日25日は初回に森下がチーム初安打。さらに適時打も放って勝利に貢献していた。
 大山悠輔内野手も左前打で続き、渡辺諒内野手の右前打で待望の先制点を手にした。この3連打で菅野をKOした。


  7回裏阪神一死、中 2塁打を放ち、ガッツポーズを見せる森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 森下翔太外野手がまた突破口を開いた。
 打線は 6回まで巨人菅野を前に無安打無得点。 7回一死から 149キロ外角低めを右中間に運び、 2塁へヘッドスライディング。前日25日にもチーム初安打を放ち、 2日連続の口火打を放った。「ワンチャンスをものにしないと菅野さんから(点を)れないと思った。後ろに大山さんがいて良い打順だったので、結果的に 2打になってよかった」とうなずいた。

 


  7回一死 2塁、左前打を放った大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
 阪神4番大山悠輔内野手はつなぎの打撃で先制点をお膳立てした。
  7回、一死から森下がチーム初安打の 2塁打を放った直後に打席が回った。カウント 1- 1から巨人菅野の浮いたスライダーを引っ張り込んで左前打。 1、 3塁と好機を拡大させて続く渡辺の先制打につなげた。勝利に直結する打撃にはならず、「勝ち負けなので」と敗戦に言葉少なだった。


  7回裏阪神一死 2塁、左前打を放った大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
 大山悠輔内野手は 7回一死 2塁で左前打。森下の 2塁打に続き、 1、 3塁と好機を広げ、渡辺の適時打につなげた。しかし、同点に追いつかれた直後の 9回は 3ゴロに倒れるなど、一発で仕留めた岡本和とは雲泥の差。 3日の巨人戦(東京ドーム)から出場19試合連続でノーアーチと、貧打から抜け出せない要因となっている。試合後は「勝ち負けなので」と唇をかんだ。

 


  7回阪神一死 1、 3塁、渡辺諒内野手は右前に先制適時打を放った=阪神甲子園球場
 阪神は 7回に渡辺諒内野手の適時打で先制に成功した。ついに均衡を破った。一死から森下がこの日チーム初安打となる中堅への 2塁打で出塁し、大山が左前打で続いて 1、 3塁の絶好機を作る。渡辺は先発・菅野が 4球目に投じた 149キロツーシームを捉えると、打球は右前へ。森下が生還し 1点を加えた。 6回まで無安打と抑え込まれていた打線が3連打で先制し、 7回まで無失点の先発・才木の好投に応えた。25日に1号ソロを放った渡辺の活躍で、球場のボルテージも最高潮に達した。

  7回一死 1、 3塁で右前適時打を放った渡辺諒内野手=阪神甲子園球場
 阪神5番渡辺諒内野手がこの日唯一の得点を生んだ。
 「5番3塁」で先発。 0- 0の 7回一死 1、 3塁塁で巨人菅野の 3球連続となるツーシームを詰まりながらも右前へ。待望の先制点を奪った。「(森下)翔太と大山さんがつないでくれて、何とかかえせてよかった。うまく体が反応してくれていいところに落ちてくれた」と納得。15日に1軍昇格後、10試合の出場で3割8厘と好調を維持している。

 


 阪神先発の才木浩人投手=阪神甲子園球場
 才木浩人投手は 8回途中7安打無失点で降板。両リーグトップの6勝目の権利を手にしてマウンドを降りた。それでも 1点リードの 9回にハビー・ゲラ投手が岡本和にソロ本塁打を浴びて6勝目はお預けとなった。
 自身5連勝中でリーグトップタイの5勝を挙げている右腕はこの日も快投。 2回は一死から連打を食らったが併殺打。 6回は連打で二死 1、 2塁としたが岡本和を右飛に仕留めて右拳を握りしめた。


  6回、力投する才木浩人投手=阪神甲子園球場
  1点の援護をもらった直後の 8回には一死 2塁のピンチでマウンドを譲った。それでも 7回 1/3を7安打無失点。ベンチ前では観客から大きな拍手を送られた。後を受けた救援陣はこの回を無失点で切り抜けた。
 しかし、 1- 0の 9回にゲラが一死から岡本和にソロ本塁打を被弾。才木はじっとベンチからグラウンドを見つめた。 1- 1の同点で延長戦にもつれ込む展開となった。


  6回表巨人二死 1、 2塁、才木浩人投手はナインに声を掛けられる=阪神甲子園球場
 阪神の才木浩人投手が両リーグ単独トップ6勝目を逃した。救援陣が踏ん張れず白星はつかなかったが、 8回途中7安打無失点。
 「カウントもずっと悪くしてるわけでもなく、しっかり攻めながらの感じでいけてますし、まあまあよかった。あの展開でしっかりゼロでいけたのがよかった」と役割は果たした。
 白熱した投手戦だった。相手先発の巨人菅野は 6回までノーヒットピッチングと快投。対する才木は 7安打を許しながらも粘った。 2回は一死から連打を食らったが併殺打。 6回は連打で二死 1、 2塁としたが岡本和を右飛に仕留めて右拳を握りしめた。 1点の援護をもらった直後の 8回は安打と犠打で一死 2塁として降板。「投げきりたかったですね、正直」と表情はすっきりしなかったが、観客からは大きな拍手で迎えられた。


 好投する才木浩人投手をベンチから見守る岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 菅野との投げ合いには「守備でリズムを渡さないようにと思っていた。そういう意味でも先制点あげなかったのはよかった」と自ら及第点を与えた。岡田彰布監督も「粘った、粘った。もう十分よ」とチームの勝ち頭をねぎらった。
 オールスターファン投票の中間発表後は初登板。24日発表分では先発投手部門1位に入っており、好投を続ければ選出の可能性はどんどん高まる。交流戦ではパ・リーグとの対戦となるが、「変わらずでいいかな。どんどん自分のピッチングができたら」と好投の継続を誓った。


 岡田彰布監督は 8回途中無失点で降板した才木浩人投手に拍手を送る=阪神甲子園球場
 才木浩人投手は 8回途中7安打無失点と好投したが、ハビー・ゲラ、岩崎優両投手がつかまり、ハーラー単独トップとなる6勝目はお預けとなった。防御率1.54はリーグ3位。球宴のファン投票で最も人気を集める若きエースよ、次も頼むぞ~!
 勝ち星がスルリと消えた。才木は 9回に同点弾を許したゲラの背中をなでて、ねぎらった。打線は菅野の前にヒットを打つのもやっと-。それでも才木が投げているからという安心感を与えた。
 「きょうは悪くはなかった。しっかりゼロで抑えられ、先制点を与えなかったのもよかった」


  6回、岡本和真内野手を抑えた才木浩人投手=阪神甲子園球場
 最速 151キロの速球にフォーク、スライダー、カーブを織り交ぜ、的を絞らせない。 1回は3者凡退。わずか 9球で終わらせた。 6回二死 1、 2塁で岡本和を右飛に打ち取ると、右拳を突き上げてガッツポーズ。梅野に近寄って満面の笑みで「変化球を(うまく)配球してくれた」と感謝した。 8回途中まで7安打されながらも無失点。「守備でリズムを渡さないように」と、菅野との投げ合いを意識した。
  8回先頭の代打・立岡に右前打を許し、その後、一死 2塁とされたところで降板したことについて「イニングは最後まで投げ切りたいと思っていた。中継ぎの方に負担をかけちゃったのは申し訳ない」と悔しさをにじませたが、 106球の熱投に今季最多 4万2613人のスタンドからは大きな拍手が降り注いだ。


 始球式に登場した吉田沙保里さん=阪神甲子園球場
 試合前には霊長類最強パワーを注入された。元女子レスリング日本代表の吉田沙保里さんが始球式に登場。マウンドの後ろでストライク送球を見届けた場面について才木は「タックル、来るかと思ったんですけど」とおどけた。6勝目はお預けになったが、白星は床田、アドゥワ(ともに広島)と並びセ・リーグトップ。球宴のファン投票、中間発表でも先発部門の1位だ。
 「今はチームが勝てるようにと思って投げている。次は交流戦だけど(今と)変わらず、どんどん自分のピッチングができたら」
 防御率1.54はリーグ3位、47奪三振は2位と、すべての分野で投手部門の上位にいる。日曜日の登板が続けば交流戦で千葉ロッテ、福岡ソフトバンクとも対戦する。セ・リーグ〝最強〟であることを全国にアピールする。

 


 桐敷拓馬投手=マツダスタジアム (2024年 5月23日撮影)
 岡田彰布監督が執念の「1人一殺」継投を繰り出した。
 先発才木浩人投手が 7回まで無失点。 8回も続投し、一死 2塁とされたところで左の桐敷拓馬投手にスイッチ。桐敷が丸佳浩外野手を 2ゴロに打ち取ると、今度は右の石井大智投手をマウンドに送った。石井は坂本勇人内野手を 3ゴロに仕留めた。
 左右の両セットアッパーをぜいたくに使った継投で、 1点を守りにいった。

 


  8回途中、球審に交代を告げる岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 阪神が誇るダブルストッパーのハビー・ゲラ投手と岩崎優投手が初めてそろって失点した。
 ゲラは 1点リードの9回に岡本和真内野手からソロ本塁打を被弾。同点の10回に登板した岩崎が一死、 1、 3塁から丸佳浩外野手に犠飛を許してともに失点した。
 ともに登板した19試合目で初めてそろって失点した。
 8セーブずつを挙げている阪神のダブル守護神が初めてそろって失点した。
  1- 0の 8回に登板したハビアー・ゲラ投手は、直球を岡本和に左中間席まで運ばれた。延長10回は、岩崎優投手が 2安打でピンチを招いて丸に決勝犠飛を許した。ともに痛恨の失点となった。 2人がそろって登板した試合は14勝4引き分けと不敗だったが、19試合目で初黒星。ともに調子を落としており「次、頑張ります」と言葉少なに球場をあとにした。岡田監督は「いつもいつも 1点差で投げとって、それはもう言うのが酷よ。はっきり言うて」と、かばった。


  9回、岡本和真内野手に本塁打を浴びたハビー・ゲラ投手=阪神甲子園球場
 不敗神話が悲鳴とともに崩れた。ダブルストッパーの岩崎優投手とハビー・ゲラ投手がそろって失点し、交流戦前最後の一戦で虎の子の1点を守り切れなかった。
 「次、頑張ります」
 岩崎の短い言葉に無念さがにじんだ。延長に入って10回のマウンドへ上がったが、2本の安打と犠打で一死 1、 3塁のピンチを招き、丸に中堅へ運ばれた。勝ち越しを許す犠飛を浴びて、ここで降板。1点を争う展開でリードを奪われた。


 10回に登板した岩崎優投手=阪神甲子園球場
 先に捕まったのはゲラだった。 1― 0の 9回に登板し、一死から岡本和と対戦。初球の 157キロ直球を捉えられ、その瞬間にうなだれた。打球は左中間スタンドへ一直線の同点ソロ。セーブ機会時の登板では初失点となる一発を浴び、試合が振り出しに戻った。この試合まで 2人がそろって登板した試合は 8試合で14勝4分けと負け知らずだったが崩れてしまった。
 「いや、そら打たれるよ。そんな一年間、打たれんことはないわけやからな」
 岡田監督は「岩崎はちょっとボールがいってない、調子悪いなあ。こないだ(22日の)広島(戦)ぐらいからなあ」と分析。ゲラで逃げ切り、岩崎を休ませるプランだったことを明かした。
 「いつもいつも 1点差で投げとって、それは、もう(注文を)言うのが酷よ、はっきり言うて」と指揮官。貧打の影響は確実に出てきている。


 10回表巨人一死 1、 3塁、勝ち越しを許した岩崎優投手に交代を告げ、厳しい表情でベンチへ戻る岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 阪神は 1― 0の 9回にストッパーのハビー・ゲラ投手が岡本和真内野手に痛恨の同点ソロを被弾した。 9回先頭の吉川は 2ゴロに封じたが、続いて打席に入った巨人の主砲に初球を完璧に捉えられ、左中間スタンドへと運ばれた。この瞬間に、 8回途中無失点で降板していた才木の6勝目も幻に。今季最多 4万2613人が詰めかけた甲子園が、悲鳴とため息に包まれた。
 ゲラはここまで岩崎とともにダブルストッパーの一角を担い、0勝2敗8セーブ、12ホールドだった。同点の 8、 9回に失点し敗戦投手となったことはあったが、セーブ失敗は来日初となった。被本塁打は 4月27日の東京ヤクルト戦(甲子園)で武岡に右越えソロを浴びて以来、2本目となった。ゲラは後続を断ったが、チームはその裏の攻撃で無得点に終わり、延長戦に突入した。


 10回、犠飛を放った丸佳浩外野手=阪神甲子園球場
 岩崎優投手が 1― 1の延長10回にマウンドに上がり、勝ち越しを許した。
 先頭の小林に中前打を浴び、立岡が犠打を決めて代打・岸田が右前打。一死 1、 3塁とピンチを招き、丸の打球は中堅へ。近本が捕球し 3塁走者がタッチアップし、返球よりわずかに早く生還した。岩崎は22日の広島戦(マツダ)以来の失点。二死 1塁となったところでマウンドを降り、代わって漆原が登板した。今季の阪神はここまで延長戦で3勝1敗4分けと勝ち越しているが、先に劣勢に追い込まれた。

 


 シェルドン・ノイジー外野=阪神甲子園球場 (2024年 5月 8日撮影)
 阪神が交流戦開幕と同時に選手の入れ替えを行うことが26日、分かった。シェルドン・ノイジー外野手が出場選手登録を抹消される見通しになった。開幕当初から前川との併用で左翼での先発を重ねたが、 5月の月間打率は1割7分と急降下。シーズン通算も2割4分4厘に落ち込み、1本塁打、8打点と主軸としての期待に応えられていなかった。

 島田海吏外野手=阪神鳴尾浜球場 (2024年 5月12日撮影)
 同じ右打ちの井上広大外野手も再調整に入る見込み。2軍で打撃の状態がよく今月10日に昇格。5番、1番、代打などで出場していたがノイジーと同じく調子を落とし、10打席連続で凡退中だった。
 交代要員は島田海吏、小野寺暖の両外野手が濃厚。15日に出場選手登録を抹消され、2軍戦で再調整を続けている佐藤輝明内野手の復帰は見送られる。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

 

 

 

 

 ペタしてね