●阪神は23日の広島戦(マツダ)でセ・リーグ通算1万試合に達する。1936年に1リーグでスタートしたプロ野球は50年に2リーグに分かれ、セ・リーグに属した阪神は 3月10日の中日戦(下関)が初戦だった。この日の広島戦が9999試合目で、通算4902勝4782敗315分け、勝率0.506。引き分け再試合の制度だったシーズンもあるため各球団で試合数に違いはある。
●阪神が接戦を勝利し、2位・広島とのゲーム差を1.5に広げた。 1回、近本光司外野手(29)が 2塁打で出塁すると、二死となって4番の大山悠輔内野手(29)が左翼線への先制の適時打を放つ。大山はこれでプロ通算500打点となった。  3回にも近本が先頭で四球で出塁し、中野拓夢内野手(27)もバントヒットでつなぐ。一死 2、 3塁となって再び大山が右翼への犠飛で 2点目を挙げた。この 2点を 3人の左腕が守り切る。先発した大竹耕太郎投手(28)は 7回4安打無失点で4勝目。 8回は桐敷拓馬投手(24)が3者凡退でつなぎ、 9回は岩崎優投手(32)が 1点を返されなおも二死満塁まで追い込まれるも同点は許さず、今季8セーブ目。阪神が 2- 0とリードして迎えた広島のラッキーセブンに生まれた珍事に、球場は笑いに包まれた。先頭、菊池涼介内野手(34)が 2球目を打った打球がフライとなり、 1塁頭上へ飛んだ。阪神の捕手・坂本誠志郎捕手(30)は追いかける。 1塁ベンチの本塁側の隣に座っていたボールボーイも、それを避けようとした。しかし立って逃げる際に、ボールが入ったケースがひっくり返り、無数のボールがベンチ前に転々とした。
●阪神の先発・大竹耕太郎投手が 7回無失点で降板した。大竹耕太郎投手がこの日初めてのピンチを背負うも、無失点で切り抜けた。 4回まで一人も走者を出さずに迎えた 2- 0の 5回、先頭の小園海斗内野手(23)に右前打を浴び、初めての走者を背負う。末包昇大外野手(27)にも中前打とされ、無死 1、 2塁と初めて得点圏に走者を置いた。それでも左腕は崩れなかった。坂倉将吾捕手(25)を右飛に取ると、矢野雅哉内野手(25)は遊ゴロ併殺崩れで二死 1、 3塁まで持ってくる。そして會澤翼捕手(35)は 4球目を打ち上げさせて中飛。近本のグラブに打球が収まるのを確認すると、大竹は右手のグラブを掲げて感情をあらわにした。 5回までわずか 2安打と圧巻の投球で試合を作っている。鯉キラーがその相性通りに流れを作った。実力を出し切れるマウンドで、またしても輝きを放った。大竹耕太郎投手が見事な 7回零封投球で、鯉キラーぶりを発揮。通算5戦5勝としたマツダスタジアムで、仁王立ちだ。岡田彰布監督(66)もここぞでの粘りを評価した。これで大竹は17回連続無失点。昨季からの広島戦通算成績も無傷の9戦7勝、防御率0.60と、好相性をアップデートした。先発として、投げ切ることへの意欲はもちろんある。これからも勝利に導く投球を続け、さらなる信頼を積み重ねていく。 8回のマウンドには桐敷が上がった。
●桐敷拓馬投手が大事な 8回を3者凡退で片付けた。 2点リードで登板し、會澤、石原、秋山翔吾外野手(35)を凡打に仕留めた。わずか10球で料理して今季10ホールド目。。一時は体調不良で戦線を離脱していたが、これで3試合連続無失点。安定感が戻ってきた。
●虎の守護神、岩崎優投手がヒヤヒヤながらリードを守り抜き、今季8セーブ目を挙げた。自身の仕事ぶりには不満げだったが、勝ち切ることがリリーフで一番大事な要素。サヨナラ負けならチームも首位から陥落していただけに、天国か地獄かの分かれ道で、大きな仕事を果たした。
 2点リードの最終回、3番手でマウンドへ。一死から菊池に遊撃へ内野安打を浴び、小園に四球を与え一死 1、 2塁。末包は空振り三振に斬ったが、坂倉に初球を中前に運ばれて 1点差に迫られた。さらに、続く二俣翔一外野手(21)に 6球ファウルで粘られた末の四球で二死満塁。大盛り上がりの赤いスタンドが揺れる中、最後は松山を直球で 2ゴロに斬った。ため息が充満する敵地でホッとした笑みを浮かべた。これでプロ通算74セーブとし、中西清起氏(62=日刊スポーツ評論家)が挙げた球団歴代5位の75セーブまであと1。積み上げた数字が増えるほど、頼もしさは増していく。
●阪神が大山悠輔内野手の適時打で先制に成功した。 1回、1番の近本が粘って広島・森下暢仁投手(26)の 7球目をとらえ、右翼線への 2塁打で出塁する。中野、森下翔太外野手(23)と倒れて二死 2塁となり、4番・大山が打席へ。 2ボールからの甘く入ったカットボールを一振りで仕留めた。左翼線へ弾む適時打で、近本をホームに迎え入れた。大山はこの打点で通算500打点。首位攻防戦の大事な先制点を、頼れる4番のバットが生み出した。 1回二死 2塁。大山が先制の適時打を放ち、田淵幸一氏(77)、掛布雅之氏(69)、岡田彰布現監督のレジェンドに並ぶ球団最速のプロ8年目で通算500打点を達成。試合数では岡田彰布監督を上回るスピードだ。前日21日は無安打に終わり、岡田監督からお小言を受けた4番の意地だった。 3回には先頭の近本の四球から一死 2、 3塁のチャンスで、飛距離十分の右犠飛。 2点目をもたらした。価値ある通算501打点目に大きくうなずいた。白鷗大から2017年ドラフト1位で阪神に入団。 3年目の19年にレギュラーに定着する。19年以降は5年連続で50打点以上をマーク。岡田監督が再登板した昨季からは4番を任されている。ここ一番で打てるのは、研究のたまものだ。ネクスト・バッタースボックスで最善を探る。投手との間合いをはかるために研究の日々だ。 4月の中日戦では突然、すり足打法にしたこともある。警戒網を上回る努力は惜しまない。目下の敵・広島を再び1.5差に引き離し、首位の牙城を守った。今日23日の同戦は、阪神がセ・リーグ最速で 1万試合目を迎える節目になる。伝統球団の4番は、変わらず勝利のためにバットを握る。
●阪神は肩や肘の手術から完全復活を目指す髙橋遥人投手(28=亜細亜大學OB)が、凱旋(がいせん)登板する。地元静岡で行われる23日のウエスタン・リーグくふうハヤテ戦に先発予定。15日の練習試合で 2回を投げ、今回は復帰後最長となる 3回を投げる予定。
●西勇輝投手(33)が22日、マツダでの試合前練習に参加し、先発する23日の広島戦(マツダ)に向けてキャッチボールで調整した。前回登板した16日の中日戦(バンテリンドーム)では 2回の打席で右手親指を痛めながらも 6回2失点と力投し、今季 5試合目でようやく初勝利をつかんだ。防御率も1.57と安定感抜群。自身の連勝につながる鯉倒へ不足はない。

記事をまとめてみました。

 

 

 <広島 1- 2阪神>◇ 9回戦◇阪神 3勝 5敗 1分◇22日◇MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(略称=マツダスタジアム)
 阪神は23日の広島戦(マツダ)でセ・リーグ通算1万試合に達する。1936年に1リーグでスタートしたプロ野球は50年に2リーグに分かれ、セ・リーグに属した阪神は 3月10日の中日戦(下関)が初戦だった。この日の広島戦が9999試合目で、通算4902勝4782敗315分け、勝率0.506。


 セ・リーグ通算勝敗表
 引き分け再試合の制度だったシーズンもあるため各球団で試合数に違いはあるが、他の 5球団も 6月上旬までにはすべて1万試合に到達する予定。
 パ・リーグは埼玉西武、千葉ロッテ、福岡ソフトバンクがすでに1万試合に到達している(すべて前身球団を含む)。


 阪神が接戦を勝利し、2位・広島とのゲーム差を1.5に広げた。 1回、近本光司外野手が 2塁打で出塁すると、二死となって4番の大山悠輔内野手が左翼線への先制の適時打を放つ。大山はこれでプロ通算500打点となった。
  3回にも近本が先頭で四球で出塁し、中野拓夢内野手もバントヒットでつなぐ。一死 2、 3塁となって再び大山が右翼への犠飛で 2点目を挙げた。
 この 2点を 3人の左腕が守り切る。先発した大竹耕太郎投手は 7回4安打無失点で4勝目。自慢の緩急で広島打線を翻弄(ほんろう)し、 4回までは一人の走者も許さなかった。 8回は桐敷拓馬投手が3者凡退でつなぎ、 9回は岩崎優投手が 1点を返されなおも二死満塁まで追い込まれるも同点は許さず、今季8セーブ目。 1点差ゲームの勝利は12試合目となった。


  7回、菊池涼介内野手のファールを坂本誠志郎捕手が追った際、ボールボーイが予備のボールをグランドにこぼしてしまうハプニング=マツダスタジアム
 阪神が 2- 0とリードして迎えた広島のラッキーセブンに生まれた珍事に、球場は笑いに包まれた。
 先頭、菊池が 2球目を打った打球がフライとなり、 1塁頭上へ飛んだ。阪神の捕手・坂本は追いかける。 1塁ベンチの本塁側の隣に座っていたボールボーイも、それを避けようとした。しかし立って逃げる際に、ボールが入ったケースがひっくり返り、無数のボールがベンチ前に転々とした。打球はスタンドに飛び込んでファウルとなったが、これを見ていた観客からは笑い声が響いた。

 

 阪神の先発・大竹耕太郎投手がこの日初めてのピンチを背負うも、無失点で切り抜けた。
  4回まで一人も走者を出さずに迎えた 2- 0の 5回、先頭の小園に右前打を浴び、初めての走者を背負う。末包にも中前打とされ、無死 1、 2塁と初めて得点圏に走者を置いた。それでも左腕は崩れなかった。坂倉を右飛に取ると、矢野は遊ゴロ併殺崩れで二死 1、 3塁まで持ってくる。そして會澤は 4球目を打ち上げさせて中飛。近本のグラブに打球が収まるのを確認すると、大竹は右手のグラブを掲げて感情をあらわにした。 5回までわずか 2安打と圧巻の投球で試合を作っている。


 投球する大竹耕太郎投手=マツダスタジアム
 阪神の先発・大竹耕太郎投手が 7回無失点で降板した。
 序盤から持ち味の緩急を発揮し、 4回までは一人の走者も許さなかった。 5回は先頭の小園に安打を浴び完全投球はストップしたが、無死 1、 2塁のピンチも後続を切って得点を許さない。 7回にも連打で無死 1、 2塁とされるも、タイミングをずらしながらフライアウト 3つで走者を進めなかった。 7回まで94球。 4つの三振を奪い、 4安打に抑え込んだ。これで大竹は 8日の広島戦(甲子園)の 4回から 3登板にわたって17イニング連続無失点。鯉キラーがその相性通りに流れを作った。 8回のマウンドには桐敷が上がった。


  5回、會澤翼捕手を中飛に打ち取り雄たけびをあげる大竹耕太郎投手=マツダスタジアム
 実力を出し切れるマウンドで、またしても輝きを放った。大竹耕太郎投手が見事な 7回零封投球で、鯉キラーぶりを発揮。通算5戦5勝としたマツダスタジアムで、仁王立ちだ。
 「(今カード)初戦を負けてしまったので、相手に流れをやらないように、勢いのあるチームですけど、自分らしいピッチングを心がけました」
 さえ渡ったのは最遅82キロを計測したスローボールなどの緩い球と、伸びのある直球の緩急。「手が出ないところに手が出ない球速を」と投球動作に変化も加えながら勝負し、 4回まではパーフェクト投球だった。
  5回は小園、末包の連打で無死 1、 2塁を招くも、後続 3人を斬ってピンチ脱出。 7回も先頭からの連打で同じ状況を作られたが、末包と坂倉、そして前回対戦した 8日(甲子園)に被弾していた代打・中村健を、いずれも内野フライに仕留めた。イレギュラーバウンドの可能性がある球場の特性も頭に入れ、飛球を打たせたのは狙い通り。高めをうまく使って上回った結果には、左拳を力強く握って喜んだ。


 真っ赤に染まった敵地で好投した大竹耕太郎投手=マツダスタジアム
 岡田監督も「きょう良かったよ。コントロールも良かったし。点取られてたら桐敷いってたかも分からんけど、よう踏ん張ったよな、 7回な」とここぞでの粘りを評価した。これで大竹は17回連続無失点。昨季からの広島戦通算成績も無傷の9戦7勝、防御率0.60と、好相性をアップデートした。
  3、 4月は土曜日のデーゲームが登板日だったが、 5月はローテ再編により平日ナイターへと日常のサイクルが変わった。昨季から取り入れたビジターでのナイター登板日のルーティーンは、午前中に散歩をし、神社に立ち寄っての参拝で、「神頼みというか、『いまからやってやるぞ』と、自分の中でスイッチを入れる意味でやっています」。東京でも横浜でも名古屋でもパワースポットを決めて手を合わせ、力を授かってマウンドに立つ。
 「一週一週、自分の状態も上がっていますし、 7回までと言わずに完投できるように、頑張っていけるようにしたいと思います」
 先発として、投げ切ることへの意欲はもちろんある。これからも勝利に導く投球を続け、さらなる信頼を積み重ねていく。

 


  8回裏広島、阪神2番手の桐敷拓馬投手=マツダスタジアム
 桐敷拓馬投手が大事な 8回を3者凡退で片付けた。
  2点リードで登板し、會澤、石原、秋山を凡打に仕留めた。わずか10球で料理して今季10ホールド目。「先頭を切れたのはよかった。接戦で勝てたので、明日にもつながると思います」と胸を張った。一時は体調不良で戦線を離脱していたが、これで3試合連続無失点。安定感が戻ってきた。

 

  9回裏広島、阪神3番手の岩崎優投手=マツダスタジアム
 虎の守護神、岩崎優投手がヒヤヒヤながらリードを守り抜き、今季8セーブ目を挙げた。
 「まあまあ、勝てたのはよかったですけど…。このままのピッチングじゃちょっとダメなので、もうちょっと頑張ります」。自身の仕事ぶりには不満げだったが、勝ち切ることがリリーフで一番大事な要素。サヨナラ負けならチームも首位から陥落していただけに、天国か地獄かの分かれ道で、大きな仕事を果たした。


 広島に勝利し坂本誠志郎捕手と握手を交わす岩崎優投手=マツダスタジアム
  2点リードの最終回、3番手でマウンドへ。一死から菊池に遊撃へ内野安打を浴び、小園に四球を与え一死 1、 2塁。末包は空振り三振に斬ったが、坂倉に初球を中前に運ばれて 1点差に迫られた。さらに、続く二俣に 6球ファウルで粘られた末の四球で二死満塁。大盛り上がりの赤いスタンドが揺れる中、最後は松山を直球で 2ゴロに斬った。ため息が充満する敵地でホッとした笑みを浮かべた。

 4勝目をあげた大竹耕太郎投手(右)に勝利球を手渡す岩崎優投手=マツダスタジアム
 「ほんまにもう…」。岡田監督も思わずこぼしたが、表情はにこやかだった。「 2点なあ、ここの球場はな、分からんもんな。やっぱりな」。迫られても追いつかれないのが、経験豊富なプロ11年目の左腕。指揮官の“本音”も信頼の証しだ。
 これでプロ通算74セーブとし、中西清起氏(日刊スポーツ評論家)が挙げた球団歴代5位の75セーブまであと1。積み上げた数字が増えるほど、頼もしさは増していく。

 

 阪神が大山悠輔内野手の適時打で先制に成功した。
  1回、1番の近本が粘って広島・森下の 7球目をとらえ、右翼線への 2塁打で出塁する。中野、森下と倒れて二死 2塁となり、4番・大山が打席へ。 2ボールからの甘く入ったカットボールを一振りで仕留めた。左翼線へ弾む適時打で、近本をホームに迎え入れた。大山はこの打点で通算500打点。首位攻防戦の大事な先制点を、頼れる4番のバットが生み出した。

 
  1回、適時打を放った大山悠輔内野手=マツダスタジアム
 4番の働きで首位攻防戦を制した! 阪神は 2- 1で2位広島に競り勝ち、差を1.5ゲームに広げた。大山悠輔内野手が 1回に先制打を放ち、プロ 8年目、891試合目で通算500打点に到達。阪神生え抜きでは田淵幸一、掛布雅之に次ぎ、現監督の岡田彰布を上回るスピード達成だ。 3回にも犠飛で 2点目をもたらし、大山サマサマです!
 乾いた打球音とともに白球はマツダスタジアムの左翼線で弾んだ。 1回二死 2塁。大山が先制の適時打を放ち、田淵、掛布、岡田のレジェンドに並ぶ球団最速のプロ8年目で通算500打点を達成。試合数では岡田監督を上回るスピードだ。


  1回表阪神二死 2塁、大山悠輔内野手は左前に先制適時打を放った=マツダスタジアム
 「いや、勝ったことが一番なんで。本当に。勝ててよかったですし、打点はチームの勝敗に直結するので、ひとつひとつ積み重ねていきたい」
 個人記録よりもチームの勝利を喜んだ。 1回、先頭の近本が右翼線に 2塁打を放つも、続く中野、森下が凡退。またも得点圏に走者を進めながらあと一本が出ないパターンか-と思われた中での打席で集中力を発揮した。 140キロのカットボールをとらえて左翼線へ。節目の通算500打点。チームにとっても 1回に得点が入るのは 5試合ぶりだった。
 前日21日は無安打に終わり、岡田監督から「中軸が打たんから」とお小言を受けた4番の意地だった。 3回には先頭の近本の四球から一死 2、 3塁のチャンスで、飛距離十分の右犠飛。 2点目をもたらし、「最低限ランナーをかえすことができてよかった」。価値ある通算501打点目に大きくうなずいた。


  1回、適時打を放った大山悠輔内野手=マツダスタジアム
 白鷗大から2017年ドラフト1位で阪神に入団。 3年目の19年にレギュラーに定着すると「ホームランよりもチームの勝利につながる打点にこだわりたい」と言い続けた。その言葉どおり、19年以降は5年連続で50打点以上をマーク。岡田監督が再登板した昨季からは4番を任されている。


  1回表阪神二死 2塁、大山悠輔内野手は左前に先制適時打を放った=マツダスタジアム
 これが4番だ! 大山悠輔内野手が通算500打点を決勝打で飾り、チームの首位を守った。負ければ 1週間ぶりにセ界トップから陥落した広島との首位攻防戦。初回に先発森下から先制タイムリーを放って大台に乗せると、 3回にも犠飛で501打点目を挙げ、全2得点をたたき出した。入団8年目での500打点は田淵、掛布、岡田と並ぶ球団最速。虎のレジェンドに並んだ背番号3が首位戦線を引っ張る。
            ◇   ◇   ◇
 薄氷を踏むような試合を勝ち切った。大山は少し笑みをたたえながら仲間からの祝福の嵐に応えた。「もう勝ったことが一番なので、本当に」と息をついた。


  3回表阪神一死 2、3塁、大山悠輔内野手は右犠飛を打ち上げる。投手は森下翔太外野手=マツダスタジアム
 通算500打点の区切りがV打になった。初回二死 2塁。 2ボールから厳しい内角 140キロをさばいて、左翼線に運んだ。「打者有利のカウントで、浮いた球を1球で仕留めることができました」。前日21日は主導権を握れず完敗。0.5差で対決し、負けれれば 1週間ぶりに首位を陥落する一戦だった。4連勝中だったコイの勢いを食い止めるべく、 3回一死 2、 3塁では右中間フェンス手前まで飛ばす犠飛で、貴重なもう 1点を大竹にプレゼントした。
 田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布。球団最速、歴代スラッガーと肩を並べる入団8年目での大台到達だ。
 「打点は勝敗に直結するので、 1つ 1つ積み重ねていきたい。なんとかチームに貢献できるようにと1試合1試合やっていきたい。通過点とかじゃなくて、目の前の試合なので」


  3回表阪神無死一死 2、3塁、大山悠輔内野手は右犠飛を放った=マツダスタジアム
 岡田監督が再び監督になった昨年、4番に指名され全試合務め上げた。開幕から不振に陥っている今年は 1試合5番、 1試合スタメン落ちがあったが、岡田監督が描く「V打線」は大山あって形成される。岡田監督は「4番が打点挙げて、リードオフマンが出て。展開的にはな」と、序盤の効果的な2得点をたたえた。
 ここ一番で打てるのは、研究のたまものだ。ネクスト・バッタースボックスで最善を探る。「タイミングがすべてだと思っています」。投手との間合いをはかるために研究の日々だ。 4月の中日戦では突然、すり足打法にしたこともある。「柳投手やマルティネス投手。そういう(クラスの)投手が頭を使ってタイミングをずらしてくる。いつも通りやっていては絶対に打てない」。警戒網を上回る努力は惜しまない。「これはもう引退するまで続くでしょうね」と言い切った。


  5回無失点に抑える大竹耕太郎投手(右)は大山悠輔内野手とタッチを交わす=マツダスタジアム
 目下の敵・広島を再び1.5差に引き離し、首位の牙城を守った。今日23日の同戦は、阪神がセ・リーグ最速で 1万試合目を迎える節目になる。「今日は今日で終わった。明日どうするかの準備はもう始まっている。時間を大事にしてやっていきたい」。伝統球団の4番は、変わらず勝利のためにバットを握る。
▼大山が 1回の適時打でプロ通算500打点に到達した。プロ8年目での達成は、阪神生え抜きでは田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布と並び最速だ。
▼阪神在籍中に500打点は16人目で、生え抜きでは13人目。ドラフト入団では10人目で、通算891試合目での到達は、10人中3位の速さだ。なおドラフト導入以前の生え抜き入団選手の500打点以上は、藤村富美男1126)(球団最多)遠井吾郎888(同10位)金田正泰568(同12位)の3人。

 


 髙橋遥人投手 (24年 5月15日撮影)
 阪神は肩や肘の手術から完全復活を目指す髙橋遥人投手が、凱旋(がいせん)登板する。
 地元静岡で行われる23日のウエスタン・リーグくふうハヤテ戦に先発予定。「知っているところで投げられて、ちょっとうれしい。見慣れた道ばっかりで、家からも学校(母校の常葉学園橘)からも一番近い球場」と心待ち。15日の練習試合で 2回を投げ、今回は復帰後最長となる 3回を投げる予定。「遠征は久々なんで緊張するかな。しっかり投げられれば」と引き締めた。

 


 試合前、キャッチボールする西勇輝投手=マツダスタジアム
 西勇輝投手が22日、マツダでの試合前練習に参加し、先発する23日の広島戦(マツダ)に向けてキャッチボールで調整した。
 「自分のマインドとか精神力が流されないように、しっかりと準備して、いい状態、いい心理で上がりたいかな、という感じですね」
 前回登板した16日の中日戦(バンテリンドーム)では 2回の打席で右手親指を痛めながらも 6回2失点と力投し、今季 5試合目でようやく初勝利をつかんだ。指の状態も不安はなく、防御率も1.57と安定感抜群。広島と前回激突した 4月111日(甲子園)も、勝ち負けはつかずも 8回5安打無失点と好投しており、自身の連勝につながる鯉倒へ不足はない。

 

※ 5月23日の予告先発は、広島・トーマス・ハッチ投手(29)―阪神・西勇輝投手(33)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

 

 

 

 

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