●阪神園芸出動!甲子園では小雨が降る中、土を入れて午後 2時 1分に試合が開始された。朝から弱い雨が降り続き、グラウンドのマウンドとホームベース付近にシートが敷かれていた。午後 1時半頃から阪神園芸が土入れを開始。 1塁や 3塁付近を中心に白土がまかれた。その後、本塁のシートもはがされ、準備は整った。選手は野手陣を中心に室内で試合前練習を行い、試合前のシートノックは実施しなかった。予定通りに試合が始まると、甲子園はカッパを着たファンで黄色に染まった。
●阪神は東京ヤクルトに連勝し、3カード連続の勝ち越しとした。先発の才木浩人投手(25)がリーグトップの5勝目を挙げた。 1回に 2点を失う立ち上がりとなったが、 2回以降は粘りのピッチングで追加点を許さず。 122球の熱投で6回2失点にまとめた。 7回からは石井大智投手(26)、ハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)、浜地真澄投手(25)の 3人が無失点でつないだ。打線は近本光司外野手(29)が 7試合ぶりに1番で先発。 2- 2の 4回に無死満塁で才木が押し出し四球を選んで勝ち越すと、続く近本が右前適時打を放ってリードを広げた。 8回にも無死満塁を作り、木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)が中堅へ2点適時2塁打を放つなど 3点を追加して試合を決めた。これで日曜日は6連勝と強さを発揮し、貯金を6とした。下位打線が抜群の働きをみせた。先頭の6番・シェルドン・ノイジー外野手(29)がこの日2安打目となる左前打で出塁し、梅野隆太郎捕手(32)が中前打、木浪が右前打で続いて無死満塁の大チャンス。ここで投手の才木が今岡真訪打撃コーチ(49)に声をかけられて打席に向かった。フルカウントまでカウントを進め、最後は内角に外れるボールを見送って勝ち越しの押し出し四球を選んだ。なお満塁のチャンスは続き、この日 7試合ぶりに1番で出場の近本光司外野手が初球を捉えて右前へ。 4― 2と点差を広げたところで東京ヤクルトの先発・石川雅規投手(44)が降板となった。降りしきる雨とぬかるんだマウンドに悪戦苦闘しながら、白星をつかんだ。 4- 2の 5回二死から連続四球で 1、 2塁のピンチを迎えたが、ドミンゴ・サンタナ外野手(31)をスライダーで見逃し三振に仕留めると、ガッツポーズだ。2020年11月に右肘靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けてから 4年。完全復活した右腕が先発投手陣を引っ張っている。3番に入っていた近本が、この日から 7試合ぶりに1番に復帰。3番には森下翔太外野手(23)が入る「基本オーダー」で臨んだゲームだった。 4回は下位打線の3連打でチャンスをつくり、上位の近本がかえした。 8回には木浪の 2点 2塁打、代打原口文仁内野手(32)の適時打で 3点を追加。打線が機能し、 7回からは継投で逃げ切った。女性ファン向けイベント「TORACO DAY」の最終日を勝利で飾った。貯金6で首位をキープ。岡田彰布監督(66)は、これで阪神監督通算500勝とした。これは球団歴代2位で、同1位藤本定義氏(76歳没)の514勝まで、あと14勝に迫った。 6月中の記録更新も見えてきた。
●阪神の先発・才木浩人投手が 1回から捕まった。先頭の東京ヤクルト・丸山和郁外野手(24)に中前打を許すと、西川遥輝外野手(32)は三振に仕留めるも長岡秀樹内野手(22)の打球が不運な形で内野安打となって一死 1、 2塁。村上宗隆内野手(24)は四球で満塁のピンチを背負った。迎えるはセ・リーグ打率トップのサンタナ。左翼へ犠飛を飛ばされ、先制点を献上した。さらに続くセ・リーグ打点トップのホセ・オスナ内野手(31)に中前へ運ばれて 2失点。雨中のマウンドと厳しい条件の中、才木は10イニングぶりに失点した。試合前から雨が降った甲子園球場。 3回の投球が始まる前には、マウンドへの土入れも行われた。悪天候でも集中力を切らさず、 6回5安打2失点で降板。 2点リードのまま 122球を投げきり、両リーグトップとなる今季5勝目の権利を手にした。
●ハビー・ゲラ投手がボークでの進塁を許した。 2点リードの 8回に登板。先頭の村上にストレートの四球を与えるなどで一死1 塁。6番オスナへの初球を投じかけたところでバランスを崩し、リリースすることができなかった。試合前から雨が降り、 3回には追加でマウンドへの土が投入されていた。しきりに足元を気にしながらの投球だった。二死 2塁にピンチを広げたが、その後は後続を打ち取り無失点。悪条件の登板に対応した。オスナは遊ゴロ、山田は中飛に仕留めてゼロに抑えたがピンチを招いたことを反省した。
●阪神が 2回に反撃した。先頭の渡辺が 2遊間深くへ打球を飛ばして出塁(記録は失策)。続くノイジーが左翼線へ 2塁打を放って無死 2、 3塁の好機を作った。打席には8番・梅野。東京ヤクルト・石川の投じた 2球目、 131キロ直球を逆方向へはじき返すと、右翼最深部へ犠飛を放って 1点差。 2走・ノイジーも 3進し、一死 3塁とした。続く木浪は 5球目を強振。右翼・丸山和のファインプレーで好捕されたが、ノイジーは悠々とホームへ生還した。犠飛 2本で阪神が試合を振り出しに戻した。薄い雨雲に覆われた甲子園上空はこの時点で、ほぼ無風。いつもは右翼から左翼方向に吹く「浜風」に押し戻される右翼側への飛球も、タッチアップに十分すぎる距離まで伸びた。
●シェルドン・ノイジー外野手が 7回に好守備を見せた。二死 1塁で長岡の打球は左翼へ。ノイジーは定位置の前方にフラフラと上がった打球めがけてスライディングを試みると、ボールは一度グラブから飛び出したものの、最後は素手の右手でキャッチ。アウトが認められると虎党から歓声が起こり、ベンチの岡田監督も拍手でたたえた。 2点差の接戦でリードをビッグプレーでピンチの芽を摘んだ。甲子園のファンから悲鳴が上がったが、ノイジーは目の前に浮いてきたボールを冷静に素手で再キャッチした。 1度も地面には触れていないという判断で、該当の 3塁塁審も即座に「キャッチ」を宣告した。
●木浪聖也内野手が満塁男ぶりを発揮した。 2点リードの 8回無死満塁。右腕ホセ・エスパーダ投手(27)の初球を捉えた。 141キロ直球を振り抜き、センターオーバーの 2塁打。 2者を生還させる、大きな追加点を挙げた。昨季も、満塁のケースでは打率4割4分4厘と打ちまくった満塁男。今季もここまで満塁時は5打数3安打4打点と、勝負強さを発揮し続けている。キュンッと輝く一打で雨模様の甲子園を晴らした。虎の満塁男がTORACOのハートをわしづかみ。トドメの 2点 2点塁打に木浪聖也内野手のさわやかな笑顔が弾けた。 4- 2で迎えた 8回無死満塁の好機。打球は中堅手の頭上を越え、木浪は 2塁上でガッツポーズ。 2回は同点の右犠飛を放ち、 1試合 3打点と躍動した。東京ヤクルト 3連戦はタイガースを応援する女性ファンのお祭り「TORACO DAY」として開催。そんなTORACOの〝推し選手ランキング〟で1位に輝いたのが木浪だった。打率.600(5打数3安打)と、同.444(18打数8安打)だった昨季に続いて満塁男ぶりは今季も健在だ。無類の勝負強さと屈託のない笑顔でTORACOをとりこにし続けていく。岡田監督も復調に納得。8番木浪のつなぐ意識が勝利に結びついた。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 7- 2東京ヤクルト>◇ 9回戦◇阪神 6勝 3敗 0分◇19日◇阪神甲子園球場
 阪神園芸出動! 甲子園では小雨が降る中、土を入れて午後 2時 1分に試合が開始された。
 朝から弱い雨が降り続き、グラウンドのマウンドとホームベース付近にシートが敷かれていた。午後 1時半頃から阪神園芸が土入れを開始。 1塁や 3塁付近を中心に白土がまかれた。その後、本塁のシートもはがされ、準備は整った。


 グラウンドに土を入れる阪神園芸の金沢健児さん=阪神甲子園球場
 選手は野手陣を中心に室内で試合前練習を行い、試合前のシートノックは実施しなかった。予定通りに試合が始まると、甲子園はカッパを着たファンで黄色に染まった。

 本塁に掛けられていたシートを持ち上げる阪神園芸の職員たち=阪神甲子園球場

 

 阪神は東京ヤクルトに連勝し、3カード連続の勝ち越しとした。先発の才木浩人投手がリーグトップの5勝目を挙げた。 1回に 2点を失う立ち上がりとなったが、 2回以降は粘りのピッチングで追加点を許さず。 122球の熱投で6回2失点にまとめた。 7回からは石井、ゲラ、浜地の 3人が無失点でつないだ。打線は近本光司外野手が 7試合ぶりに1番で先発。 2- 2の 4回に無死満塁で才木が押し出し四球を選んで勝ち越すと、続く近本が右前適時打を放ってリードを広げた。 8回にも無死満塁を作り、木浪聖也内野手が中堅へ2点適時2塁打を放つなど 3点を追加して試合を決めた。これで日曜日は6連勝と強さを発揮し、貯金を6とした。

  4回、才木浩人投手が押し出しとなる四球を選び、生還したシェルドン・ノイジー外野手を迎える岡田彰布監督=阪神甲子園球場

 阪神は 2― 2の 4回、才木浩人投手の押し出し四球などで 2点を追加した。
 下位打線が抜群の働きをみせた。先頭の6番・ノイジーがこの日2安打目となる左前打で出塁し、梅野が中前打、木浪が右前打で続いて無死満塁の大チャンス。ここで投手の才木が今岡打撃コーチに声をかけられて打席に向かった。フルカウントまでカウントを進め、最後は内角に外れるボールを見送って勝ち越しの押し出し四球を選んだ。
 なお満塁のチャンスは続き、この日 7試合ぶりに1番で出場の近本光司外野手が初球を捉えて右前へ。 4― 2と点差を広げたところで東京ヤクルトの先発・石川が降板となった。


 5勝目を挙げた才木浩人投手=阪神甲子園球場
 阪神が、雨中の甲子園で3カード連続勝ち越しを決めた。貯金6で首位をキープ。今季の日曜日はこれで7勝1敗と無類の強さを誇る。
 朝から雨が降り続き、試合前にはグラウンドに土が入れられた。試合中にはマウンドに土が補強されるなど、阪神園芸がフル回転した一戦。グラウンド状態が悪い中、先発才木浩人投手が踏ん張り、ハーラー単独トップの5勝目を挙げた。


 東京ヤクルトに勝利し、浜地真澄投手(右)から勝利球を受け取る才木浩人投手=阪神甲子園球場
 降りしきる雨とぬかるんだマウンドに悪戦苦闘しながら、白星をつかんだ。才木浩人投手は 6回を投げて 122球を要しながらも5安打2失点。 4回の打席では勝ち越しの押し出し四球を選び、両リーグ単独トップとなる5勝目を挙げた。
 「きょうはブルペンとマウンドの違いに合わせていくのに苦労した。本当に粘りの投球でした」
 投げるたびに足場が気になった。 1回に3安打と四球が絡んで 2点を先行されたが、 2回以降は踏ん張った。 4- 2の 5回二死から連続四球で 1、 2塁のピンチを迎えたが、サンタナをスライダーで見逃し三振に仕留めると、ガッツポーズだ。


 ヒーローインタビューを終えて子供たちと記念撮影に臨む(後列左から)近本光司外野手、才木浩人投手、木浪聖也内野手=阪神甲子園球場
 「(走者を)かえしちゃうとズルズルといっちゃうかもしれなかったので。あそこは本当にデカかった」
 打者でも逆転勝利に貢献した。 2- 2の 4回、3連打で迎えた無死満塁から44歳左腕・石川をスクイズの構えで幻惑させて、押し出しの四球をゲット。併殺打を避けるため、打席に入る前に今岡打撃コーチから「三振しろ」という〝岡田指令〟を耳打ちされていたが、「ボーッと突っ立っているよりは、投手目線的に揺さぶっていこうかなという感じ」と自画自賛の打席となった。


 ヒーローインタビューを終えリリーフカーで場内1周する才木浩人投手=阪神甲子園球場
 岡田監督は「(才木が)『ボール球まで振るんですか』言うから。何を言いよん、お前。立ってろいうことやからな。三振せえいうことは振るないうことやから。ボール球もどないしますかって、お前、そんなんいらんって」と今岡コーチを通じたやりとりの舞台裏を明かした。結果的に、2018年 8月22日の中日戦(バンテリンドーム)以来、自身6年ぶりとなる打点が決勝点。女性ファン「TORACO」の恋人にしたい選手ランキングで1位の才木が打席でも黄色い歓声を浴びた。
 「勝ち星を積み重ねているのは、いいことだと。前回(12日の横浜DeNA戦)みたいな完封のように、毎回はいかないけど、(粘りの)ピッチングが多くできるような投手になれれば」
 2020年11月に右肘靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けてから 4年。完全復活した右腕が先発投手陣を引っ張っている。


  4回裏阪神無死満塁、才木浩人投手は四球を選び押し出しとなる。投手は石川雅規投手=阪神甲子園球場
 比較的雨が強かった初回に 2失点。そこから立ち直った。 3回には3番から始まる好打順を3者凡退に仕留めた。雨がやんだ 5回二死 1、 2塁では、5番サンタナを外角のスライダーで見逃し三振。右拳を力強く握り、喜びをかみしめた。 6回5安打2失点、 122球で 2点リードを保って降板した。

  4回裏阪神無死満塁、才木浩人投手は押し出し四球を選んで勝ち越しに成功し筒井壮コーチ(左)とタッチ=阪神甲子園球場

  2点ビハインドの 2回に梅野隆太郎捕手、木浪聖也内野手の連続犠飛で同点に追いついた。 4回には無死満塁で9番才木が押し出し四球を選び、勝ち越し。続く近本光司外野手が右前適時打を放ち、たたみかけた。東京ヤクルト石川雅規投手を降板させ、プロ野球史上初となる新人から23年連続勝利の献上を阻止した。

 雨の中、大勢のTORACOたちが声援を送った=阪神甲子園球場
 3番に入っていた近本が、この日から 7試合ぶりに1番に復帰。3番には森下翔太外野手が入る「基本オーダー」で臨んだゲームだった。 4回は下位打線の3連打でチャンスをつくり、上位の近本がかえした。 8回には木浪の 2点 2塁打、代打原口文仁内野手の適時打で 3点を追加。打線が機能し、 7回からは継投で逃げ切った。女性ファン向けイベント「TORACO DAY」の最終日を勝利で飾った。

  4回裏阪神無死満塁、打者才木浩人投手の場面で今岡真訪コーチに作戦を伝える岡田彰布監督=阪神甲子園球場

 阪神が、雨中の甲子園で3カード連続勝ち越しを決めた。貯金6で首位をキープ。岡田彰布監督は、これで阪神監督通算500勝とした。これは球団歴代2位で、同1位藤本定義氏の514勝まで、あと14勝に迫った。 6月中の記録更新も見えてきた。
 勝負どころでの“指示”が光った。同点の 4回無死満塁。9番才木浩人投手が打席に向かう前、今岡打撃コーチに耳打ちした。同コーチは、これを受けて才木に耳打ち。先発投手に伝言を送り、決勝の押し出し四球をもぎとらせた。


  4回裏阪神無死満塁、才木浩人投手に伝言の今岡真訪打撃コーチがベンチに戻り笑顔を見せる岡田彰布監督(左から 3人目)=阪神甲子園球場
 才木を 122球と引っ張り、 6回 2失点。この日は中継ぎの桐敷拓馬投手(24)が3連投のため、ベンチ外となっていた。前日は 6回から、この日は 7回からの継投で逃げ切り、接戦をものにした。
 近本光司外野手を 7試合ぶりに1番に起用したゲーム。その近本が適時打を放つなど、起用が的中した。節目の1勝にも、岡田監督らしい采配が詰まっていた。

 


  1回、サンタナ外野手に犠飛を許した才木浩人投手=阪神甲子園球場
 阪神の先発・才木浩人投手が 1回から捕まった。
 先頭の東京ヤクルト・丸山和に中前打を許すと、西川は三振に仕留めるも長岡の打球が不運な形で内野安打となって一死 1、 2塁。村上は四球で満塁のピンチを背負った。迎えるはセ・リーグ打率トップのサンタナ。左翼へ犠飛を飛ばされ、先制点を献上した。さらに続くセ・リーグ打点トップのオスナに中前へ運ばれて 2失点。雨中のマウンドと厳しい条件の中、才木は10イニングぶりに失点した。


  4回裏阪神無死満塁、才木浩人投手は押し出し四球を選ぶ=阪神甲子園球場
 才木浩人投手は 6回 5安打 2失点で降板した。
  1回にサンタナの犠飛、オスナの適時打で 2点を失ったが立ち直った。 3回は長岡を遊ゴロ、村上を三振、サンタナを右飛と3者凡退。 5回は二死 1、 2塁のピンチを背負ったが、サンタナを 134キロのスライダーで見逃し三振に斬り、ガッツポーズで雄たけびをあげた。


  5回、サンタナ外野手を打ち取ってガッツポーズする才木浩人投手=阪神甲子園球場
  2- 2で迎えた 4回無死満塁の好機では石川の投球を見切って勝ち越しの押し出し四球。2018年 8月22日の中日戦以来、 6年ぶりの打点をあげた。「ブルペンとマウンドの違いに合わせていくのに苦労してしまいました。カウント負けして球数も多くなってしまいましたが、なんとか粘り強く投げることができたと思います」。才木は 6回に代打を送られて降板。 122球の力投でハーラートップの5勝目の権利を持ってマウンドをリリーフ陣に託した。

 6回表東京ヤクルト一死、才木浩人投手は山田哲人内野手を空振り三振に仕留めツーアウトポーズ=阪神甲子園球場
 才木浩人投手が悪条件のマウンドでリードを守りきった。
 「ブルペンとマウンドの違いに合わせていくのに苦労してしまいました。カウント負けして球数も多くなってしまいましたが、なんとか粘り強く投げることができたと思います」
 初回一死満塁、5番サンタナの左犠飛で先制点を許した。続く6番オスナにも中前適時打を浴び、いきなり 2失点した。


  8回裏阪神無死 2、 3塁、岡田彰布監督は代打原口文仁内野手を球審に告げる=阪神甲子園球場
 それでも 2回以降は無失点投球を継続。同点の 4回無死満塁では 6年ぶりの打点となる勝ち越しの押し出し四球も選んだ。
 試合前から雨が降った甲子園球場。 3回の投球が始まる前には、マウンドへの土入れも行われた。悪天候でも集中力を切らさず、 6回5安打2失点で降板。 2点リードのまま 122球を投げきり、両リーグトップとなる今季5勝目の権利を手にした。

 


  8回表東京ヤクルト一死 1塁、ゲラ投手は投球せずボールを持ったままとなり、ボーク。打者はオスナ内野手=阪神甲子園球場

 ハビー・ゲラ投手がボークでの進塁を許した。 2点リードの 8回に登板。先頭の村上にストレートの四球を与えるなどで一死1 塁。6番オスナへの初球を投じかけたところでバランスを崩し、リリースすることができなかった。
 試合前から雨が降り、 3回には追加でマウンドへの土が投入されていた。しきりに足元を気にしながらの投球だった。
 二死 2塁にピンチを広げたが、その後は後続を打ち取り無失点。悪条件の登板に対応した。


  8回表東京ヤクルト一死 1塁、打者オスナ内野手の時、ゲラ投手は投げられずボークとなる=阪神甲子園球場

 ハビー・ゲラ投手は 8回に登板。雨でぬかるんだマウンドで粘りの無失点投球を見せた。一死 1塁からオスナに対し、投球モーションを取りながら投げられず、ボークに。「足場が悪くて(リリースする)タイミングを逸した」。オスナは遊ゴロ、山田は中飛に仕留めてゼロに抑えたが「雨は言い訳にはできない」とピンチを招いたことを反省した。

  8回、ボークを取られたハビー・ゲラ投手=阪神甲子園球場
 梅野隆太郎捕手が「膝ブロック」で窮地を救った。
  8回から登板したハビー・ゲラ投手がめずらしく制球に苦しんだ。 8回一死 1塁から、バランスを崩してボールをリリースできないボークで一死 2塁のピンチとなった。
 オスナへの 2球目のスライダーは外角低めに大きく外れ、ワンバウンド。梅野は逆手で捕りにいったが届かず、投球を右膝に当てて前に落とした。走者は動けなかった。
 結局、この回は無失点。走者を 2塁にクギ付けにできたことが大きかった。


  8回表東京ヤクルト一死 1塁、打者オスナ内野手の時、ボークしたゲラ投手のもとに向かった安藤優也投手コーチ(右)=阪神甲子園球場
 岡田彰布監督が、阪神監督通算500勝を挙げた。
 雨中のヤクルト戦を制し、球団歴代1位の藤本定義氏の514勝まで14勝に迫った。 4回無死満塁では先発の9番才木浩人投手に「三振指令」を出し、決勝の押し出し四球奪取に導いた。 7試合ぶりに1番に戻した近本光司外野手が適時打を放つなど、采配が光った。貯金6で首位をキープ。記念星を通過点とし、球団初のリーグ連覇へ突き進む。
            ◇   ◇   ◇
 ゲラが珍しいボークをおかした。緩いマウンドがフィットせず、先頭に 4連続ボール。一死後、打者オスナの時につまずくような格好になり、ボールをリリースできなかった。一死 1塁から 2人を抑えて事なきを得た。「(ボークは)ちょっと足場が悪くてタイミングを逸したというか。なんとか抑えられて、仕事ができたと思う。形はちょっと悪かったけどよかったです」と苦笑いだった。

 


  2回裏阪神無死 2、 3塁、右犠飛を放った梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 阪神が 2回に反撃した。先頭の渡辺が 2遊間深くへ打球を飛ばして出塁(記録は失策)。続くノイジーが左翼線へ 2塁打を放って無死 2、 3塁の好機を作った。打席には8番・梅野。東京ヤクルト・石川の投じた 2球目、 131キロ直球を逆方向へはじき返すと、右翼最深部へ犠飛を放って 1点差。 2走・ノイジーも 3進し、一死 3塁とした。続く木浪は 5球目を強振。右翼・丸山和のファインプレーで好捕されたが、ノイジーは悠々とホームへ生還した。犠飛 2本で阪神が試合を振り出しに戻した。


  2回無死 2、 3塁で右犠飛を放った梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 阪神が珍しい 2連続の犠飛で 2点差を追いついた。
 初回に 2点を先制されたが、 2回、敵失と 2塁打で無死 2、 3塁とした。
 まず梅野隆太郎捕手が右翼に高々と打ち上げる犠飛で 1点。さらに木浪聖也内野手も右翼フェンス手前まで飛ばす大飛球。右翼の丸山和郁(24)にスーパーキャッチされたが、 3塁走者はゆっくりと生還した。
 薄い雨雲に覆われた甲子園上空はこの時点で、ほぼ無風。いつもは右翼から左翼方向に吹く「浜風」に押し戻される右翼側への飛球も、タッチアップに十分すぎる距離まで伸びた。


  7回表東京ヤクルト二死 1塁、左翼手ノイジー外野手は長岡秀樹内野手の飛球を好捕する=阪神甲子園球場

 シェルドン・ノイジー外野手が 7回に好守備を見せた。二死 1塁で長岡の打球は左翼へ。ノイジーは定位置の前方にフラフラと上がった打球めがけてスライディングを試みると、ボールは一度グラブから飛び出したものの、最後は素手の右手でキャッチ。アウトが認められると虎党から歓声が起こり、ベンチの岡田監督も拍手でたたえた。 2点差の接戦でリードをビッグプレーでピンチの芽を摘んだ。

  7回二死 1塁、長岡秀樹内野手の飛球を捕球したが、グラブからこぼれた白球を素手でキャッチしたノイジー外野手=阪神甲子園球場
 シェルドン・ノイジー外野手が好守を披露した。
  2点リードの 7回二死 1塁。石井大智投手が打ち取った左翼前への飛球に全力でチャージ。スライディングしながら好捕したかに見えたが、グラブからボールが飛び出した。
 甲子園のファンから悲鳴が上がったが、ノイジーは目の前に浮いてきたボールを冷静に素手で再キャッチした。 1度も地面には触れていないという判断で、該当の 3塁塁審も即座に「キャッチ」を宣告した。

 

 木浪聖也内野手が満塁男ぶりを発揮した。 2点リードの 8回無死満塁。右腕エスパーダの初球を捉えた。 141キロ直球を振り抜き、センターオーバーの 2塁打。 2者を生還させる、大きな追加点を挙げた。
 昨季も、満塁のケースでは打率4割4分4厘と打ちまくった満塁男。今季もここまで満塁時は5打数3安打4打点と、勝負強さを発揮し続けている。


  8回、 2点 2点塁打を放った木浪聖也内野手=阪神甲子園球場
 キュンッと輝く一打で雨模様の甲子園を晴らした。虎の満塁男がTORACOのハートをわしづかみ。トドメの 2点 2点塁打に木浪聖也内野手のさわやかな笑顔が弾けた。
 「満塁になって『絶対初球いく』と決めてたんで、思い切っていけたというのがああいう結果になりましたし、勝利を決定づけられた一打だったかなと思います」
  4- 2で迎えた 8回無死満塁の好機。エスパーダの 141キロ直球を振り抜いた。打球は中堅手の頭上を越え、木浪は 2塁上でガッツポーズ。 2回は同点の右犠飛を放ち、 1試合 3打点と躍動した。


  8回裏阪神無死満塁、中越え 2点適時 2点塁打を放ちベンチに向かって手を上げる木浪聖也内野手=阪神甲子園球場
 東京ヤクルト 3連戦はタイガースを応援する女性ファンのお祭り「TORACO DAY」として開催。そんなTORACOの〝推し選手ランキング〟で1位に輝いたのが木浪だった。
 「毎日たくさんの人が応援してくださっているので、それに応えられるように自分らはやっています」
 打率.600(5打数3安打)と、同.444(18打数8安打)だった昨季に続いて満塁男ぶりは今季も健在だ。背番号0は「『きたー!』って思いますね。満塁になると」と笑う。


 お立ち台で笑顔を見せる、左から近本光司外野手、才木浩人投手、木浪聖也内野手=阪神甲子園球場
 不振でスタメン落ちすることもあったが、ここ 2戦は先発復帰。岡田監督も「最後やっと出たしな。だいぶ変わってくると思うよ」と復調気配を感じている。帰ってきた恐怖の8番はTORACOが見守るお立ち台で誓った。
 「きょうは雨の中、応援ありがとうございました。これからはもっともっと貢献できるように頑張ります!」
 無類の勝負強さと屈託のない笑顔でTORACOをとりこにし続けていく。


 お立ち台で子どもたちと並んで笑顔を見せる、左から近本光司外野手、才木浩人投手、木浪聖也内野手=阪神甲子園球場

 虎の満塁男、健在! 阪神8番打者の聖也内野手が2安打3打点と暴れた。
  2点リードの 8回無死満塁。エスパーダの初球を振り抜き、ダメ押しの中越え 2点適時 2塁打。塁上でガッツポーズを決めた。これで今季満塁時は5打数3安打4打点と勝負強さが光る。「満塁は特に気持ちが強く入る。絶対に初球からいくと決めていたので、思い切っていけた。勝利を決定づけられた一打だったかなと思います」と喜んだ。


 ファンの歓声に手を振って応えるヒーローの木浪聖也内野手=阪神甲子園球場
  0- 2の 2回には7番梅野の犠飛で 1点を返し、なおも一死 3塁で2者連続の右犠飛も決めた。右翼フェンス際に痛烈な打球を放ち、好守に阻まれながらも試合を振り出しに戻した。 4回にも東京ヤクルト石川から右前打を放ち、この回の勝ち越し劇をお膳立て。16、17日はスタメンを外れたが、復帰後は2戦連続安打だ。
 岡田監督も「ヤクルト戦だけでもいい当たりを捕られているから。そういう意味でも木浪も吹っ切れたんじゃないですかね」と復調に納得。8番木浪のつなぐ意識が勝利に結びついた。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

 

 

 

 

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