●阪神は 9回に好機を迎えたが、得点は奪えなかった。
  0- 0の 9回。先頭の中野拓夢内野手(27)が小笠原慎之介投手(26)の直球を捉えて、右翼線を破る 2塁打で出塁。 4回以来となる走者で、先頭の出塁はこの試合初めてだった。ここで中日は守護神ライデル・マルティネス投手(27)にスイッチ。近本光司外野手(29)は申告敬遠で無死 1、 2塁となったが、大山悠輔内野手(29)は空振り三振に倒れる。続くシェルドン・ノイジー外野手(29)の中飛で中野が 3塁へ。この日1軍に昇格したばかりでスタメンに抜てきされた渡邉諒内野手(29)が打席に入った。近本が盗塁を決めて 2、 3塁としたが、カウント 1- 2と追い込まれての 4球目。内角への 153キロの直球に手が出ず、見逃し三振。ここまでセ・トップの11セーブを誇る守護神の前に、スコアボードに 1点を刻むことはできなかった。阪神が延長戦を制した。 0- 0の11回に1番・森下翔太外野手(23)が 2塁打で出塁。一死 3塁となり、3番・近本光司外野手の右前適時打で均衡を破った。先発の大竹耕太郎投手(28)が 7回を無失点で、救援陣も零封リレー。4番手の島本浩也投手(31)が今季初勝利を挙げた。
●阪神の新打順が見事につながり、近本光司外野手の適時打で待望の先制点を挙げた。 0- 0の延長11回。中日の4番手・齋藤綱記投手(27)から、 2試合続けて「1番」に入った森下が左翼フェンス直撃の 2塁打で出塁。すぐさま代走・植田海内野手(28)が送られた。続く2番の中野は送りバントがファウルになって追い込まれるも、何とか 2ゴロで走者を進塁させて一死 3塁で3番・近本を迎える。カウント 2- 2からの直球を鮮やかに右前へとはじき返した。1番が出塁し、2番がつないで、3番が打点を挙げる。理想の得点パターンを土壇場の11回に決まり、虎が大きな大きな 1点をもぎ取った。渡邉はこの日、2軍降格となった佐藤輝明内野手(25)に代わり1軍昇格。 2回一死の第 1打席で中前打をマークすると、 4回の第 2打席は四球で出塁。守備機会も難なくこなした。新打線で勝ちを拾い、岡田監督はたたえた。佐藤輝が出場選手登録を抹消された日に、その“ショック”を振り払うような 1- 0勝利。この日も勝った首位巨人を0.5差でピタリ追う。近本が、どんな時も虎打線の核だ。
●15日に昇格して「6番・3塁」で今季初めてスタメン出場した渡邉諒内野手がいきなり安打を放った。 0― 0の 2回一死で先発・小笠原の初球を一閃。乾いた音を響かせると、ライナーを中前に弾ませた。今季初打席でいきなり灯したHランプ。昇格即のスタメン起用に一振りで応えた。昨年の中日戦では打率.500(10打数5安打)、1本塁打、3打点をマークしている。続く坂本誠志郎捕手(30)の投ゴロの間に 2塁へ進塁したが、木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)が左飛に倒れて先制はならなかった。試合前の円陣では声出し役を務め、ナインにゲキを飛ばした。競争と結束―。この 2つが、連覇を目指すチームをさらに強くする。第1打席には今季初打席で中前打を放ち、第2打席も四球で出塁。攻守で存在感を示している。
●延長11回にチャンスメークしたのは森下翔太外野手だった。先頭で左腕・齋藤から左中間を破る 2塁打を放ち、 2塁ベース上からナインを鼓舞。近本のV打を呼び込んだ。 2試合連続で1番打者を任された一戦で喜んだ。
●大竹耕太郎投手の超遅球がさく裂した。 0- 0の 4回二死。加藤匠への 2球目に投じた山なりのスローボールを打ち返されるも、左飛に仕留めた。外角へ弧を描いた1球には、球場のスピードガンも反応しなかった。緩急自在のピッチングで 4回まで無失点に抑えている。らしさあふれる投球だった。球場のスピードガンに球速が表示されないほどのスローボールを駆使し、緩急自在に中日打線を抑え込んだ。今季 7試合目の先発で無失点投球は初。今季最高の内容ともいえる96球だった。大竹耕太郎投手が 7回無失点で交代した。 8回のマウンドにはハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)が上がった。
●ハビー・ゲラ投手は 8回に2番手として登板。 2登板連続となる3者凡退で、付け入る隙を与えなかった。2番からの上位打線と対戦したが田中を 2ゴロ、カリステを右飛、細川を遊ゴロとわずか 7球で料理。10ホールド目を挙げ、セ・リーグ2位タイとなった。岩崎優投手(32)とのダブル守護神が同一ゲームで登板した試合は12勝4分け。「不敗神話」はそう簡単に崩れない。
●延長10回に登板した島本浩也投手がピンチを招きながらも無失点で切り抜けた。二死 2塁から田中幹也内野手(23)を 130キロフォークで 2ゴロに仕留め力こぶ。直後に味方が勝ち越し今季初勝利&通算10勝目をマークした。登板15試合で防御率は脅威の0.73。
●岩崎優投手が零封リレーを仕上げ、6セーブ目を挙げた。 1点を奪った直後の11回に5番手として登板。先頭のオルランド・カリステ内野手(32)を四球で歩かせるも、細川成也外野手(25)を遊ゴロ、代打・中島宏之内野手(41=妻はファッションモデルの相沢紗世さん)を右飛で二死とすると、最後は石川昂弥内野手(22)を三振に斬ってゲームセット。それでも気を引き締めた。ダブル守護神のゲラと肩を並べる6セーブ目。 2人が同一ゲームで登板した試合は12勝4分けの「不敗神話」も更新した。 7回無失点の先発大竹からゲラ、石井大智投手(26)、島本とつないだ「0」のバトンをつなぎ切った。

記事をまとめてみました。

 

 

 <中日 0- 1阪神>◇ 8回戦◇阪神 5勝 2敗 1分◇15日◇バンテリンドーム
 阪神は 9回に好機を迎えたが、得点は奪えなかった。
  0- 0の 9回。先頭の中野が小笠原の直球を捉えて、右翼線を破る 2塁打で出塁。 4回以来となる走者で、先頭の出塁はこの試合初めてだった。ここで中日は守護神マルティネスにスイッチ。近本は申告敬遠で無死 1、 2塁となったが、大山は空振り三振に倒れる。続くノイジーの中飛で中野が 3塁へ。この日1軍に昇格したばかりでスタメンに抜てきされた渡邉が打席に入った。近本が盗塁を決めて 2、 3塁としたが、カウント 1- 2と追い込まれての 4球目。内角への 153キロの直球に手が出ず、見逃し三振。ここまでセ・トップの11セーブを誇る守護神の前に、スコアボードに 1点を刻むことはできなかった。


  9回、三振に倒れた大山悠輔内野手=バンテリンドーム

 阪神は緊迫の延長戦を制した。
 先発の大竹耕太郎投手が7回無失点と好投。バンテリンドームでは 4月13日の前回登板で 4失点を喫して敗戦投手となっていたが、この日は相手を寄せ付けない投球でスコアボードに0を並べた。
 打線は14日に失点につながる失策を犯した佐藤輝が出場選手登録を外れ、渡邉諒内野手が「6番・3塁」で先発。 8回まで先発・小笠原に無得点に抑え込まれたが、 9回に先頭の中野が 2塁打を放ち、中日はここで2番手・マルティネスに交代。二死 1、 3塁で渡邉が見逃し三振に倒れ、先行できなかった。
 スコアレスのまま延長戦に入り、延長11回一死 3塁で近本光司外野手が先制の右前適時打。3試合連続の3番起用に結果で応え、これが決勝点になった。


 延長11回、適時打を放った近本光司外野手=バンテリンドーム

 阪神が延長戦を制した。 0- 0の11回に1番・森下翔太外野手が 2塁打で出塁。一死 3塁となり、3番・近本光司外野手の右前適時打で均衡を破った。先発の大竹耕太郎が 7回を無失点で、救援陣も零封リレー。4番手の島本浩也投手が今季初勝利を挙げた。

 


 11回表阪神一死 3塁、近本光司外野手は右前先制適時打を放った。投手齋藤綱記投手=バンテリンドーム
 阪神の新打順が見事につながり、近本光司外野手の適時打で待望の先制点を挙げた。
  0- 0の延長11回。中日の4番手・齋藤から、 2試合続けて「1番」に入った森下が左翼フェンス直撃の 2塁打で出塁。すぐさま代走・植田が送られた。続く2番の中野は送りバントがファウルになって追い込まれるも、何とか 2ゴロで走者を進塁させて一死 3塁で3番・近本を迎える。カウント 2- 2からの直球を鮮やかに右前へとはじき返した。1番が出塁し、2番がつないで、3番が打点を挙げる。理想の得点パターンを土壇場の11回に決まり、虎が大きな大きな 1点をもぎ取った。


 11回表阪神一死 3塁、右前適時打を放った近本光司外野手=バンテリンドーム
 阪神が延長にもつれこむ熱戦を制し、敵地で連敗を阻止した。今季延長戦は 8試合目で、3勝1敗4分けとなった。 3試合連続で「3番中堅」で先発した近本光司外野手が、延長11回に決勝打を放った。
 阪神先発の大竹耕太郎投手、中日先発の小笠原慎之介投手が投手戦を演じ、 7回まで両者無失点。大竹は 7回4安打無失点、96球を投げ終えた直後の 8回表の攻撃で、代打原口を送られて降板となった。


 11回表阪神一死 3塁、近本光司外野手は右前に先制適時打を放った。手前は肩を落とす齋藤綱記投手=バンテリンドーム
 援護したい打線だったが、 8回までに散発3安打。相手の好守備にも阻まれて、なかなか好機を広げられなかった。 0- 0のまま迎えた 9回には、先頭の中野が右翼線ギリギリの 2塁打を放ってから二死 3塁としたが、今季初昇格&初先発した渡邉諒内野手が中日マルティネスを前に、空振り三振に倒れた。
 それでも、迎えた延長11回、先頭の森下が左中間への 2塁打で出塁すると、中野の 2ゴロの間に 3塁へ進塁。一死 3塁から、3番近本が右前適時打を放ち、試合を動かした。
 渡邉はこの日、2軍降格となった佐藤輝明内野手に代わり1軍昇格。 2回一死の第 1打席で中前打をマークすると、 4回の第 2打席は四球で出塁。守備機会も難なくこなした。


 11回表阪神一死 3塁、右前適時打を放った近本光司外野手=バンテリンドーム
 背番号5が決めた。 0- 0で進んだ延長11回、近本光司外野手が均衡を破る決勝タイムリー。前日敗戦につながる痛恨失策を犯した佐藤輝明内野手が2軍落ちし、無得点が続いた重苦しい展開を一振りで切り裂いた。近本は打率、打点、本塁打、勝利打点、安打数、盗塁数でチームトップの6冠に浮上。チームは今季延長戦で 8戦1敗の粘り強さを発揮し、首位巨人を追う0.5差は変わらず食らいついた。
           ◇   ◇   ◇
 右手でベンチへ合図し、軽く息を吐いた。 1塁ベース上で近本は、少しだけ緊張から解き放たれた。先頭の森下が 2塁打。2番中野が 2ゴロでつないだ好機をものにし、虎の子の1点をつかんだ。


 延長11回裏の守備に就く際に声援に応える近本光司外野手=バンテリンドーム
 「森下が打ってくれたので、絶対にチャンスで回ってくると思っていた。『あっ、これ絶対打たなあかんな』と思いながら、初球にすごい空振りしました」
 仲間の懸命なつなぎを感じるからこそ力んだ。 0- 0の11回一死 3塁。変則左腕齋藤の初球、外角ボール球のスライダーにバットが空を切った。これで「空振りするのはスライダーだけ。それをケアしながら」と冷静になれた。カウント 2- 2になると開き直った。
 「自分のスイングをしてミスショットするより、追い込まれてしっかり対応した方がいいなと、追い込まれてから思いました」
 制限がかかり、それをプラスに変えた。最後は低めボール気味のシュートに食らいつき、決勝の右前適時打。「楽しく打席には入ってました」と笑ってみせた。2試合連続マルチ安打。3試合連続で3番に座り、同打順では今季初打点だ。チームでも3番が打点を挙げるのは 5月 5日の佐藤輝以来。主軸が打てば勝つ。


 ヒーローインタビューで明るい笑顔を見せる近本光司外野手=バンテリンドーム
  2月の沖縄キャンプ。そこは近本にとって研究発表の場でもある。「自主トレで何をしたか、みんな披露する機会だから」。ただ、今年は違った。自らの打撃に没頭していた。「自分のことで精いっぱいやったな、今年は」。個別練習では打撃フォームを撮影。修正の毎日だった。しっかり土台をつくったからこそ今がある。打率、本塁打、打点、安打、盗塁、そしてこの日マークした勝利打点5を含め、“チームの打撃6冠”にも浮上し、打線をけん引している。
 新打線で勝ちを拾い、岡田監督は「こういうゲーム展開は、(ミスなく)ちゃんとした方が点入るよ」とたたえた。佐藤輝が出場選手登録を抹消された日に、その“ショック”を振り払うような 1- 0勝利。この日も勝った首位巨人を0.5差で
ピタリ追う。「自分のやることは1番であろうが3番であろうが変わらない。チャンスで回ってきたらかえすということだけは、何番であっても変わらない」。そう言える近本が、どんな時も虎打線の核だ。

 

 15日に昇格して「6番・3塁」で今季初めてスタメン出場した渡邉諒内野手がいきなり安打を放った。
  0― 0の 2回一死で先発・小笠原の初球を一閃。乾いた音を響かせると、ライナーを中前に弾ませた。今季初打席でいきなり灯したHランプ。昇格即のスタメン起用に一振りで応えた。昨年の中日戦では打率.500(10打数5安打)、1本塁打、3打点をマークしている。
 続く坂本の投ゴロの間に 2塁へ進塁したが、木浪が左飛に倒れて先制はならなかった。


  2回、中安打を放った渡邉諒内野手=バンテリンドーム
 バックを信じ、坂本のミットをめがけて腕を振る。1カ月ぶりに立つバンテリンドームのマウンドで、阪神・大竹耕太郎(28)が緩急を駆使して竜打線に立ち向かった。
 「(球場が)広い狭い関係なく投げられるようになりたいんけど、どうしても狭いところだと窮屈になる。広い分、大胆にいけたらいいなと思います」
 同球場初登板だった4月13日は5回0/3を投げて7安打4失点で黒星。マウンドの硬さは足の裏に感触として残しながら、13日の投手指名練習後にはピッチャーズパークでもある敵地での登板を前にして、イメージを膨らませていた。
 伸びのある直球にカットボールやカーブ、ときには100キロを下回るスローボールも投げ、凡打の山を築いていく。得点圏に走者を背負った二、三回を粘り切ると、四、五回はノーヒット投球。白星はつかなかったが、7回無失点と好投をみせ、小笠原との見応えある左腕対決を演じた。


  2回、安打を放った渡邉諒内野手=バンテリンドーム
 打線は 4回まで毎回走者を出すも、小笠原を打ち崩せない。その中で結果を出したのは、この日に2軍に降格した佐藤輝に代わって1軍に昇格し、「6番・3塁」に入った渡邉諒内野手だ。 2回一死での今季初打席では初球の 142キロを振り抜き、中前へクリーンヒット。〝直球破壊王子〟の異名の通りに速球を捉えてみせると、 4回二死での第 2打席ではストレートの四球を選んで出塁。先制点にきっかけになろうと打席で存在感を示した。
 14日の同戦(豊橋)で失点につながる痛恨の捕球ミスがあった佐藤輝が1軍から姿を消した。試合前練習では米大リーグ、アスレチックス時代の2022年に44試合で 3塁出場の経験があるノイジーも、小幡のグラブを借りてホットコーナーでノックを受けた。代役として1軍にやってきた渡邉だって、このチャンスをものにするために必死。 6回二死 2塁のピンチでは山本のライナーをダイビングキャッチし、大竹を救った。
 「自分を信じて、チームを信じて、チーム一丸で、絶対に勝ちましょう!!」
 試合前の円陣では声出し役を務め、ナインにゲキを飛ばした。競争と結束―。この 2つが、連覇を目指すチームをさらに強くする。


  6回、山本泰寛内野手の打球を好捕した渡邉諒内野手=バンテリンドーム
 渡邉諒内野手の好プレーでピンチをしのいだ。
 両軍無得点の 6回。先発の大竹は先頭の細川に左翼への 2塁打を浴び、無死 2塁とこの日 3度目の得点圏に走者を背負う。それでも中田を 1球で遊ゴロ、石川昂も遊ゴロに打ち取って 2アウト。続く山本が変化球にうまく合わせた打球は 3遊間を襲ったが、 3塁の渡邉が飛びついて好捕。窮地を脱した。
 渡邉は14日に拙守で逆転負けを招いた佐藤輝に代わり、この日1軍に昇格。いきなり「6番・3塁」でスタメンに抜てきされた。第1打席には今季初打席で中前打を放ち、第2打席も四球で出塁。攻守で存在感を示している。

 

 延長11回、 2塁打を放った翔太外野手。ベンチに向かって両手を掲げた=バンテリンドーム
 延長11回にチャンスメークしたのは森下翔太外野手だった。「自分が(塁に)出てチャンスを作れば、何か起こる打順だった。結果的に長打だったので良かった」。先頭で左腕・齋藤から左中間を破る 2塁打を放ち、 2塁ベース上からナインを鼓舞。近本のV打を呼び込んだ。 2試合連続で1番打者を任された一戦で「 1点を先にどっちが取るか、そういう戦いだった。なんとか勝てて良かった」と喜んだ。

 


 阪神先発の大竹耕太郎投手=バンテリンドーム
 大竹耕太郎投手の超遅球がさく裂した。 0- 0の 4回二死。加藤匠への 2球目に投じた山なりのスローボールを打ち返されるも、左飛に仕留めた。外角へ弧を描いた1球には、球場のスピードガンも反応しなかった。緩急自在のピッチングで 4回まで無失点に抑えている。


  1回裏、登板した阪神先発の大竹耕太郎投手=バンテリンドーム
 大竹耕太郎投手が、 7回4安打無失点の好投で降板した。 8回の攻撃で代打を送られた。試合は 0- 0の展開で、大竹に勝敗はつかない。
 らしさあふれる投球だった。球場のスピードガンに球速が表示されないほどのスローボールを駆使し、緩急自在に中日打線を抑え込んだ。今季 7試合目の先発で無失点投球は初。今季最高の内容ともいえる96球だった。


 緩急自在の投球を披露した先発の大竹耕太郎投手=バンテリンドーム
 大竹耕太郎、中日・小笠原慎之介(26)の両先発が、遅球を巧みに織り交ぜてドームをどよめかせた。
 まずは 1回。大竹が田中を93キロのスローボールで中飛に打ち取る。「緩急の緩の部分でも緩急をつけたい」と話す左腕の真骨頂だ。
  3回は小笠原だ。二死 1塁で近本に対して 108キロのカーブで勝負。遊ゴロに仕留めた。高校生が 150キロ超をマークする時代で、プロならでは技を示した。


  7回、岡林勇希外野手の打球を捕球する大竹耕太郎投手。 7回零封で先発の仕事を果たした=バンテリンドーム
 大竹耕太郎投手が 7回無失点で交代した。
 得意の緩急を存分に発揮し、テンポ良くアウトを積み重ねた。球場のスピードガンが反応しないほどのスローボールを織り交ぜ、観客からはどよめきが起こる。 6回は無死 2塁のピンチを背負うも、中田と石川昂を遊ゴロに抑え、山本は 3塁・渡邉のダイビングキャッチで 3直に。今季最長タイとなった 7回は 3人で斬り、許した安打はわずかに 4本だった。96球を投じて今季 7登板目で初めての無失点投球。 8回の打席で代打を送られ勝敗はつかなかったが、役割を全うして救援陣につないだ。 8回のマウンドにはゲラが上がった。

◆阪神・大竹「立ち上がりからランナーを背負う投球が続きましたが、相手投手もいい投球を続けていたので先に点を与えないという気持ちで投げ続けた結果、無失点で抑えることができて良かったです」

 


  8回裏、阪神2番手で登板したハビー・ゲラ投手=バンテリンドーム
 ハビー・ゲラ投手は 8回に2番手として登板。 2登板連続となる3者凡退で、付け入る隙を与えなかった。2番からの上位打線と対戦したが田中を 2ゴロ、カリステを右飛、細川を遊ゴロとわずか 7球で料理。「あまり状況や打者を変に考え過ぎないように。リズム良く投げることが大事だと思って投げて、その通りできたのでよかった」。10ホールド目を挙げ、セ・リーグ2位タイとなった。

  8回、2番手で登板して3者凡退に抑えたハビー・ゲラ投手=バンテリンドーム
 ハビー・ゲラ投手が上位打線を 1回3人斬りで節目の10ホールド目を手にした。
  8回から2番手で登場。田中を 2ゴロ、カリステを右飛に料理し、最後は細川を外角スライダーで遊ゴロに仕留めた。「あまり状況とか打者とかを考えずに、とにかく 3つアウトを取ること、リズム良く投げることが大事だと思って投げて、その通りできたのでよかった」。岩崎とのダブル守護神が同一ゲームで登板した試合は12勝4分け。「不敗神話」はそう簡単に崩れない。

 


 延長10回、無得点に抑えて今季初勝利を挙げた島本浩也投手=バンテリンドーム
 延長10回に登板した島本浩也投手がピンチを招きながらも無失点で切り抜けた。二死 2塁から田中を 130キロフォークで 2ゴロに仕留め力こぶ。直後に味方が勝ち越し今季初勝利&通算10勝目をマークした。これで5試合連続無失点。登板15試合で防御率は脅威の0.73と安定感は増すばかりだ。

 


 最後を締めた岩崎優投手=バンテリンドーム
 岩崎優投手が零封リレーを仕上げ、6セーブ目を挙げた。 1点を奪った直後の11回に5番手として登板。先頭のカリステを四球で歩かせるも、細川を遊ゴロ、代打・中島を右飛で二死とすると、最後は石川昂を三振に斬ってゲームセット。それでも「前回(11日の横浜DeNA戦、四球から 2被弾で敗戦投手)の反省があったのでフォアボールに対して考えすぎてしまった。整理してまたマウンドに上がりたい」と気を引き締めた。


 11回表、阪神5番手で登板した岩崎優投手=バンテリンドーム
 今季3度目の 1- 0完封は、岩崎優投手のリベンジセーブで締めた。近本の勝ち越し打で虎の子の 1点をゲットした延長11回。しびれるラストイニングを任された守護神が、名誉挽回に成功した。
 「前回の反省があったので…」。苦い記憶と向き合っていた。11日の横浜DeNA戦(横浜)で 2点リードの 8回に登板したが四球から大崩れ。蝦名に同点 2ラン、筒香に決勝ソロをたたき込まれ、悪夢のイニング途中KOを味わった。


 11回裏中日二死 1塁、石川昂弥内野手を空振り三振に打ち取りグラブをたたく岩崎優投手=バンテリンドーム
  4日ぶりに巡ってきたリベンジの機会。先頭カリステに、 1ストライク後にまさかの4連続ボール。またも四球を与えてしまったが、百戦錬磨の左腕は慌てなかった。最も怖い細川を打席に迎えると、何度も 1塁にけん制球を入れてリズムを整え直した。チェンジアップを低めに連投すると直球で遊ゴロ。代打中島は右飛、最後は石川昂のバットを完璧なチェンジアップで空を切らせた。本塁打も長打も許されない場面で、失投はゼロ。それでも口をついたのは反省だった。
 「(今日も)フォアボールがあったので。ちょっと四球に対して考えすぎてしまったかなと。そういったところをもう 1回整理して、マウンドに上がりたい」


 延長11回を締めた岩崎優投手と坂本誠志郎捕手=バンテリンドーム
 ダブル守護神のゲラと肩を並べる6セーブ目。 2人が同一ゲームで登板した試合は12勝4分けの「不敗神話」も更新した。 7回無失点の先発大竹からゲラ、石井、島本とつないだ「0」のバトンをつなぎ切った。
 「決まりごとは少ない方がいいんですよ。単純にそっちの方が楽じゃないですか?」。セットアッパー、クローザーを務めて 8年目になるが、神経をすり減らす毎日を乗り切るために無駄を省く。ルーティンは一切なし。打たれても験担ぎはしない。シンプルに、体と心を万全に整えて、マウンドに向かう毎日を繰り返してきたからこそ、2試合連続で崩れることはない。頼れるベテランが力強く健在を示した。

 

※ 5月16日の予告先発は、中日・梅津晃大投手(27)―阪神・西勇輝投手(33)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

 

 

 

 

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