●阪神が逆転勝利。 2回に今季初めてスタメンで出場した糸原健斗内野手(31)の適時打で先制に成功。逆転されて 2点を追いかける展開となったが 5回に近本光司外野手(29)の 3塁打、中野拓夢内野手(27)の犠飛で 1点差とすると、 7回二死から中野、森下翔太外野手(23)の連打で 1、 2塁から大山悠輔内野手(29)の 2点打で逆転に成功した。先発の才木浩人投手(25)は 5回 3失点。加治屋蓮投手(32)が 2回を無失点に抑えて今季2勝目。 8回はハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)、 9回は岩崎優投手(32)が締めて4セーブ目を挙げた。ゴールデンウイークに詰めかけた満員の虎党を熱狂させた阪神は貯金を今季最多の「5」とし、がっちり首位をキープした。打線をテコ入れし臨んだゲーム。主導権は握った。佐藤輝明内野手(25)が今季初のスタメン落ち。代わって糸原健斗内野手が「6番3塁」で今季初めてスタメンで起用された。その糸原が 2回に先制の中前適時打。自身3試合連続となる安打で応えてみせた。前日27日に続き、今季9度目の逆転勝ち。ゴールデンウイーク最初のカードで2勝1敗と勝ち越し、今季最多の貯金5とした。29日から広島戦(マツダ)、 5月 3日から巨人戦(東京ドーム)と敵地での戦いが待つが、〝貯金週間〟にしていく。
●スタメン発表でどよめきが起きた。今季初めて佐藤輝明内野手がスタメン落ち。「6番3塁・糸原」とコールされると、右翼席の阪神ファンを中心に驚いたようなリアクションがあった。
今季初スタメンの糸原健斗内野手が先制適時打を放った。前日4打数3三振の佐藤輝明内野手に代わり、「6番3塁」で先発出場。代打では3戦連続安打中と好調だ。スタメンが発表されると、スタンドからどよめきが起きていた。 2回無死 1、 3塁でカウント 1- 2から東京ヤクルト先発小澤怜史投手(26)の 4球目。外角低めのフォークをすくい上げ、中前適時打を決めた。技ありの一打で先制点をたたき出し、満員の甲子園を湧かせた。阪神の勝ち越しのチャンスは無得点に終わり、甲子園が再びため息に包まれた。 1- 1と同点に追いつかれた直後の 4回。一死から糸原が左前打、梅野隆太郎捕手(32)が今季初の長打となる左翼線への 2塁打を放ち、一死 2、 3塁とチャンスを拡大する。しかし、続く小幡竜平内野手(23)、才木が連続で空振り三振。勝ち越しとはならず、ゴールデンウイークの日曜日に詰めかけた大観衆からは、残念そうな声が響いた。不振の佐藤輝に代わって、 3塁での先発起用。27日は木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)に代えて遊撃手に小幡を起用し、その小幡が反撃ののろしをあげる適時打を放つなど躍動。 2日連続で決断がピタリとはまった形だ。そんな指揮官の起用に応えることができたのも、糸原の準備のたまもの。 2月の春季キャンプは実績組を 2軍で調整させるという岡田彰布監督(66)の意向もあって、プロ初の 2軍・具志川スタートだった。初日から誰よりも声を出す。どんな状況下にあっても、常に前向きに、全力で野球に取り組む姿があった。これからもたゆまぬ努力で虎を勝利へと導く。
●阪神打線が 2点を勝ち越された直後にすぐさま反撃した。 1- 3の 5回、先頭の近本が左翼へ痛烈な打球を放つと、スライディングキャッチを試みた東京ヤクルト・ドミンゴ・サンタナ外野手(31)のグラブをすり抜け、打球は外野芝生を転々。近本は悠々と 3塁へ到達した(記録は 3塁打)。続く中野が小澤の 136キロ直球をきっちりとセンターへ運び、中犠飛で 1点差。勝負の終盤へ向け、1&2番コンビが流れをもう一度引き寄せた。チャンスメークに納得の表情だった。1、2番コンビの連係に胸を張った。
●中野拓夢内野手の驚きの守備範囲に、ヒットでも拍手が起きた。 3回二死 1塁で丸山和郁外野手(24)の 1、 2塁間への打球に、全力で走ってダイビングでグラブに収めた。素早く立ち上がって、 1塁送球したが俊足打者にわずかに先をいかれた。明らかなヒット性だっただけに、それでも大きな拍手が起きた。中野拓夢内野手が 1点差に詰め寄る犠飛を放った。 1- 3の 5回無死 3塁で打席が回った。東京ヤクルト先発小澤から中堅への犠飛。 3塁走者を迎え入れて1点差とした。 7回には中前打を放ち、大山の適時打で同点のホームを踏んだ。中野拓夢内野手が 3試合ぶりの安打で流れを引き戻した。 2- 3の 7回、近本の併殺打で走者なしとなって迎えた第 4打席に中前打。ため息を歓声に変え、逆転劇を導いた。
●阪神の3番森下翔太外野手が11試合連続安打と好走塁で逆転劇をアシストした。 1- 3の 8回、二死 1塁で東京ヤクルト3番手大西広樹投手(26)の 4球目だ。低めのカットボールを左前にはじき返し、好機を広げた。これで16日の巨人戦(甲子園)から始まった自己最長の連続試合安打を11に伸ばした。背番号1がつなぐ野球で逆転劇に貢献した。
●阪神が大山悠輔内野手の 2点打で試合をひっくり返した。 2- 3の 7回、先頭の代打・前川右京外野手(20)が中前打で出塁するも、近本が遊ゴロ併殺打に倒れて二死となった。しかしここから中野、森下が連打で二死 1、 2塁とすると、打席には4番・大山。 2球目を強振して高々と打ち上げた。落下点は、そのままなら左翼の少し手前くらいかと思われた。阪神ファンは大きなため息。だが、甲子園上空には特有の強風が舞っていた。遊撃長岡秀樹内野手(22)は早々に引いて、左翼サンタナに任せたが、飛球はどんどん本塁側に押し戻され、サンタナが全速力で前進しても届かず、遊撃後方にポトリと落ちた。 2塁走者の中野のみならず 1塁から森下も生還し、一気に逆転に成功した。阪神の 8回のマウンドにはゲラが上がり、カード勝ち越しに向けて勝ちパターンのリレーに入った。阪神が「甲子園の魔物」のいたずら? で逆転に成功した。26日からの 3連戦はお立ち台でこどもからのインタビューも実施。大山もお立ち台でこどもから質問を受け、場内を沸かせた。首位阪神が「浜風」に背中を押され、逆転勝利を決めた。この日は右翼から左翼方向へ甲子園特有の「浜風」が吹いていた。球場から一番近いアメダス神戸観測所のデータをもとに、虎党歴20年超の気象予報士・橋本祐佳氏が、この日の風について解説した。ここから甲子園周辺の天気は、くだり坂の予定。時計回りに吹く高気圧が西から東へ離れていく途上だったことも、影響したと考えられる。虎を勝利に導いた神風を分析した。
● 7回、先頭で代打出場した前川右京外野手は追い込まれながらも粘って大西の 8球目を仕留め、 2遊間を抜く中前打を放った。これで今季は代打で8打数4安打の打率5割。 1打席に集中し、勝負強さを発揮している。
●阪神の先発・才木浩人投手が上々の内容で序盤の 3イニングを終えた。 1回先頭の西川に中前打、丸山和に犠打で一死 2塁のピンチを背負うも、ホセ・オスナ内野手(31)、村上宗隆内野手(24)と強力クリーンアップを抑えて無失点の立ち上がり。 2回はサンタナ、山田哲人内野手(31)を連続三振。 150キロ超の直球にスライダーとフォークといった変化球も冴えわたった。 3回は二死から西川に四球、丸山和に 2塁内野安打で 1、 2塁のピンチ。それでもオスナを 151キロ直球で 2ゴロに仕留めた。ピンチをしのぐと甲子園は大歓声で祝福。才木は悠々とベンチへ引き揚げた。才木浩人投手が16イニングぶりの失点を喫し、 5回7安打3失点で降板となった。初回から 154キロを計測。 3回までに4三振を奪う力強い直球を見せていたが、 4回だった。先頭村上に四球で出塁を許すと、5番サンタナの左翼越え 2塁打で初失点。 5回にもサンタナ、山田に連続適時打を浴びて今季最多の 3失点を喫した。前回21日中日戦(甲子園)では、降雨コールドでの7回完封勝利。14日中日戦(バンテリンドーム)以来となる失点となった。 5回を終えて球数は96球に到達。 6回からは加治屋蓮投手にバトンを託した。反省し、次回のリベンジを狙う。
●気迫に燃える23球が、逆転勝利を呼び込んだ。2番手で登板した加治屋蓮投手が移籍後初の 2回を無失点。登板2試合連続白星で今季2勝目を手にし、息をついた。 2― 3とビハインドの 6回に登板。西川から空振り三振を奪うなど3者凡退に仕留め、東京ヤクルトの勢いを止めた。 7回は先頭の丸山和に四球を許すも、梅野が盗塁を刺して結果的に 3人斬り。逆転への空気を作り上げた。ホームゲームでは娘を毎試合招待する。だからこそ、こどもまつりウイークでのお立ち台が誇らしかった。 2児のパパは粘ってつかんだ勝利に、目を細めた。これで阪神の逆転勝利は両リーグトップの9度目。その立役者は間違いなく救援陣だ。岡田監督は、改めて評価を口にした。加治屋は胸を張る。強固な虎のブルペン陣がまた自信をつけた。
●リードを奪った直後の 8回に3番手で登板したハビー・ゲラ投手は、サンタナから空振り三振を奪うなど 3人で抑えた。 9回に登板して5セーブ目を挙げた27日は本塁打を浴びて失点を喫していたが、一夜明けて好投。献身的な姿勢を示した。GIリレーで 1点差を守り抜いた。阪神は 7回裏に逆転すると、 8回ゲラ、 9回岩崎のダブル守護神で試合を締めた。これでそろって登板した12試合は9勝3分けと負けなし。前日27日の東京ヤクルト戦(甲子園)に続いて 2日連投となった 2人に、岡田監督は接戦が続く中で、絶大な信頼を寄せる。頼れるダブル守護神はこれからも白星へ腕を振る。
●岩崎優投手は 9回を無失点に抑えて4セーブ目を挙げた。27日は 8回に登板してホールドがついたが、一夜明けて試合を締め、役割に関係なく必死に腕を振った。これで不敗神話継続。今後に向けて力を込めた。
●梅野隆太郎捕手が攻守で勝利への執念を見せた。 4回に左翼線へ 2塁打、6回にも二死から左前打を放ち、今季初のマルチ安打を記録。 1試合2安打は昨季の 8月 3日中日戦(バンテリンドーム)以来となった。捕手としても先発才木を 3失点にまとめ、 6回以降は無失点。 1- 3の 7回には一死 1塁から走者をストライク送球で刺す「バズーカ」を発動。 7回裏の逆転劇へ流れを呼び込んだ。首位独走へ広島 3連戦を見据えた。梅野隆太郎捕手の「バズーカ」が発動した。 7回一死 1塁。俊足の丸山和郁外野手がスタートを切ったが、素早いストライク送球でアウト。ヘッドスライディングの丸山和は腕を入れ替えてタッチを避けにいったが、それでも余裕のタイミングだった。救援で 2イニング目の加治屋蓮投手を救い、この回も無失点。ネット上のファンも絶賛の声が相次いだ。
●29日の予告先発が発表され、西勇輝投手(33)が広島戦(マツダ)で中10日で登板する。甲子園の試合前練習に姿を見せ、キャッチボールやショートダッシュで調整した。試合日程の変更に伴い抹消されていた。広島とは今季 2度目の対戦となる。昨季は防御率8.00と相性が悪かった敵地に乗り込み、今季初勝利を目指す。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 4- 3東京ヤクルト>◇ 6回戦◇阪神 4勝 2敗 0分◇28日◇阪神甲子園球場
 阪神が逆転勝利。 2回に今季初めてスタメンで出場した糸原の適時打で先制に成功。逆転されて 2点を追いかける展開となったが 5回に近本の 3塁打、中野の犠飛で 1点差とすると、 7回二死から中野、森下の連打で 1、 2塁から大山の 2点打で逆転に成功した。先発の才木は 5回 3失点。加治屋が 2回を無失点に抑えて今季2勝目。 8回はゲラ、 9回は岩崎が締めて4セーブ目を挙げた。ゴールデンウイークに詰めかけた満員の虎党を熱狂させた阪神は貯金を今季最多の「5」とし、がっちり首位をキープした。


  7回、生還した森下翔太外野手と中野拓夢内野手を迎える阪神ナイン=阪神甲子園球場
 神風が吹いた。阪神が接戦を制した。今季初の貯金5とし、首位もキープ。これで4カード連続の勝ち越しとなった。
  7回だった。 1点ビハインドで二死 1、 2塁。この回には1番近本光司外野手が無死 1塁から併殺打に倒れていた。悪い流れの中、4番大山悠輔内野手が打ち上げた飛球は左中間の浅いフライ。これが右翼から左翼に吹く甲子園特有の「浜風」に押され、左翼サンタナの前に落ちた。ラッキーな2点適時打となり、逆転に成功。甲子園が沸いた。
 打線をテコ入れし臨んだゲーム。主導権は握った。佐藤輝明内野手が今季初のスタメン落ち。代わって糸原健斗内野手が「6番3塁」で今季初めてスタメンで起用された。その糸原が 2回に先制の中前適時打。自身3試合連続となる安打で応えてみせた。


  7回裏阪神二死 1、 2塁、大山悠輔内野手は左適時打を放った=阪神甲子園球場
 先発才木浩人投手は順調な立ち上がりだった。 3回まで2安打無失点。ただ、 1点リードの 4回にサンタナの適時 2塁打で同点に追いつかれると、 5回には再びサンタナ、そして山田に連続適時打を浴び、 2点を失った。今季最短となる5回で降板。 7安打浴びながら3失点と大崩れこそしなかったが、逆転を許しマウンドを降りた。
 打線は 2点ビハインドの 5回、中野拓夢内野手が犠飛を放ち 1点差に迫った。そして、7回の大山の一打につなげた。
 2番で2イニング無失点の加治屋蓮投手が2勝目を挙げた。


  7回裏阪神二死 1、 2塁、サンタナ外野手は大山悠輔内野手の左前への打球にグラブを伸ばすも捕球できず 2点を失い逆転を許す=阪神甲子園球場
 阪神は2連勝で貯金を今季最多の5とした。 2- 3の 7回二死 1、 2塁から大山悠輔内野手が逆転の 2点左前打。平凡なフライだったが、浜風で流されてラッキーな一打となった。ゴールデンウイーク最初のカードで勝ち越しに成功。風を味方につけた岡田虎が、このまま〝貯金ウイーク〟にする。
 甲子園特有の右翼から左翼に吹く浜風が〝神風〟となった。 2- 3の 7回二死 1、 2塁。大山の打球は高々と舞い上がった。悔しそうな表情を浮かべる4番。超満員の虎党からもため息が漏れた。だが、次の瞬間、外野の芝生にポトリ。ミラクルの逆転2点打だ。
 「いや、もう本当に浜風が味方をしてくれたので。よかったです」
 お立ち台に上がった大山は風に感謝した。


  7回裏阪神二死 1、 2塁、大山悠輔内野手の左前の打球に、サンタナ外野手がグラブを伸ばすも捕球できず2点適時打を許す=阪神甲子園球場
 あきらめない姿勢、執念が白球に乗り移った。無死 1塁から近本が 2ゴロ併殺に倒れ、二死走者なし。チャンスはしぼんだかと思われたが、ここから中野、森下が連打でしぶとさを発揮。大山は 1ボールからの 2球目、3番手・大西の高めのスライダーをフルスイングした。
 岡田監督が「打った瞬間は、ちょっと諦めましたけどね」という平凡なフライ。長打警戒で後ろに守っていた左翼手のサンタナが前進したが、スライディングキャッチを試みたクラブをかすめて落ちた。二走・中野に続いて、一走・森下も生還。大山は「これが野球なんだなというのを改めて思いましたし、何があるかわからない」と振り返った。
 神が宿る!?主砲のバットは過去にも〝神風〟を呼んでいた。2018年 7月 4日の中日戦(甲子園)。同点の 7回二死 2塁から右翼へ放った打球は外野フライの当たりだったが、浜風に戻されてラッキーな決勝の適時 3塁打決勝打となった。当時はまだプロ 2年目。 2軍落ちも経験する中、これが大きな一打となり、シーズン終盤には4番の座もつかんだ。甲子園の浜風は大山にとって強力な味方だ。


  7回、左前逆転2点適時打を放った大山悠輔内野手は笑顔を見せる=阪神甲子園球場
 この日、チーム一丸で勝利をもぎ取った。不振の佐藤輝に代わって、今季初めて「6番・3塁」で先発出場した糸原が 2回の先制打を含む3安打。大山は 2学年先輩の奮闘を無駄にしたくなかった。今オフ、小野寺とともに 3人で合同自主トレを行った間柄。「代打の切り札」で満足せず、レギュラー奪還に燃え、無休で体をいじめ抜く姿を見てきた。「ベンチで糸原さんや原口さん、(年)上の方が率先して(声を出して)盛り上げてくれていますし、そういう方たちに負けないようにやっていかないといけないと思っている」。頼れる先輩たちがベンチで控えているから思い切ってプレーできる。


 東京ヤクルトに勝利した岡田彰布監督はファンにあいさつをする=阪神甲子園球場
 前日27日に続き、今季9度目の逆転勝ち。ゴールデンウイーク最初のカードで2勝1敗と勝ち越し、今季最多の貯金5とした。29日から広島戦(マツダ)、 5月 3日から巨人戦(東京ドーム)と敵地での戦いが待つが、〝貯金週間〟にしていく。
 「(貯金5は)全員が勝ちに向かっている成果。誰一人、違う方向に向いていることはない。もちろん勝つことが大事ですし、どんな内容であれ、いまは勝つことなので。それが一番です」
 虎の不動の4番は「勝つ」を連呼した。これからも連覇への風を巻き起こす。

▼阪神の逆転勝ち9度は今季12球団最多だ。また、 1点差試合では7勝2敗で、勝利数と貯金5ともにこちらも両リーグ1位。逆転勝利9勝のうち、6勝が1点差試合。劣勢をひっくり返し、しのいで勝つパターンが目立つ。

 

 スタメン発表でどよめきが起きた。
 今季初めて佐藤輝明内野手がスタメン落ち。「6番3塁・糸原」とコールされると、右翼席の阪神ファンを中心に「おお~」と驚いたようなリアクションがあった。


 声援を送る阪神ファン=阪神甲子園球場
 今季初スタメンの糸原健斗内野手が先制適時打を放った。
 前日4打数3三振の佐藤輝明内野手に代わり、「6番3塁」で先発出場。代打では3戦連続安打中と好調だ。スタメンが発表されると、スタンドから「おお~」とどよめきが起きていた。
  2回無死 1、 3塁でカウント 1- 2から東京ヤクルト先発小澤の 4球目。外角低めのフォークをすくい上げ、中前適時打を決めた。「チャンスだったのでなんとかしたい気持ちでした。追い込まれてからも自分らしいバッティングができたと思います」
 技ありの一打で先制点をたたき出し、満員の甲子園を湧かせた。


  2回阪神無死 1、 3塁、糸原健斗内野手は中前に先制の適時打を放った=阪神甲子園球場
 「6番・3塁」で今季初のスタメン出場した糸原健斗内野手が、起用に応える先制打を放った。 0- 0の 2回に東京ヤクルト先発・小澤から、先頭の大山がチーム初ヒットとなる左前打で出塁。続くノイジーも左前打を放ち、無死 1、 3塁。ここで今季初スタメンの糸原が打席に入ると、追い込まれながらもフォークに対応した。打球は 2塁手の頭を越えて中前に弾み、 3塁走者の大山が生還。27日まで代打で3打席連続安打を放っていた職人が、スタメンに座って 3試合ぶりとなる先制点をもたらした。


  2回無死 1、 3塁、中前適時打を放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
 阪神の勝ち越しのチャンスは無得点に終わり、甲子園が再びため息に包まれた。 1- 1と同点に追いつかれた直後の 4回。一死から糸原が左前打、梅野が今季初の長打となる左翼線への 2塁打を放ち、一死 2、 3塁とチャンスを拡大する。しかし、続く小幡、才木が連続で空振り三振。勝ち越しとはならず、ゴールデンウイークの日曜日に詰めかけた大観衆からは、残念そうな声が響いた。


  2回裏阪神無死 1、 3塁、糸原健斗内野手の先制適時打に、ベンチで手をたたく佐藤輝明内野手(中央)ら阪神ナイン=阪神甲子園球場
 このときが来るのを待っていた。だから、驚きも焦りもない。今季初めてコールされた「6番・3塁 いとはら」。阪神が誇る〝仕事人〟糸原健斗内野手はスタメン起用に応え、華麗に快音を響かせた。
 「準備しているんで、別にいつも通り試合に入るだけだと思っていた。代打の気持ちで 1打席しかないぐらいの気持ちで打席に立って、それがいい結果につながったかなと思います」


  4回裏阪神一死、糸原健斗内野手は左前打を放った。投手は小澤怜史投手=阪神甲子園球場
 今季26試合目で初のスタメン出場。 2回無死 1、 3塁の第 1打席から持ち味の勝負強さを発揮した。小澤の 130キロフォークに食らいつき先制の中前適時打。「そこから乗っていけた部分もある」と勢いづいたバットは止まらない。 4回は直球を捉えて左前打を放つと、 8回は今野の 1484キロを逆らわず左前にはじき返した。「必死ですよ。必死にやりました」。4打数3安打1打点の内容に充実の汗を拭った。


  4回一死、左前打を放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
 不振の佐藤輝に代わって、 3塁での先発起用。岡田監督は「昨日(27日))の(佐藤輝の)内容を見ても、いっぺん糸原でいこうというのはあった」と語った。27日は木浪に代えて遊撃手に小幡を起用し、その小幡が反撃ののろしをあげる適時打を放つなど躍動。 2日連続で決断がピタリとはまった形だ。
 そんな指揮官の起用に応えることができたのも、糸原の準備のたまもの。 2月の春季キャンプは実績組を 2軍で調整させるという岡田監督の意向もあって、プロ初の 2軍・具志川スタートだった。初日から「僕が一番元気がある」と誰よりも声を出す。どんな状況下にあっても、常に前向きに、全力で野球に取り組む姿があった。


  8回裏阪神無死、糸原健斗内野手は 3安打目となる左前打を放ちグータッチ=阪神甲子園球場

 今季も代打出場が続いたがその姿勢は変わらない。出番を待ち、ひたむきに準備を続ける。だから、いざ声がかかったときに結果を残すことができる。先発・才木がピンチのときには 3塁から積極的に声をかけにいき、元キャプテンとしてリーダーシップも発揮した。
 「久しぶりにこの超満員の甲子園で野球ができたっていうか、守備について 4打席立って、それでいい結果も出たんで、すごく良かったなと思います」
 大歓声に包まれるこの瞬間のために-。これからもたゆまぬ努力で虎を勝利へと導く。

 


  5回裏阪神無死、近本光司外野手は左越えに 3塁打を放った=阪神甲子園球場
 阪神打線が 2点を勝ち越された直後にすぐさま反撃した。 1- 3の 5回、先頭の近本が左翼へ痛烈な打球を放つと、スライディングキャッチを試みた東京ヤクルト・サンタナのグラブをすり抜け、打球は外野芝生を転々。近本は悠々と 3塁へ到達した(記録は 3塁打)。続く中野が小澤の 136キロ直球をきっちりとセンターへ運び、中犠飛で 1点差。勝負の終盤へ向け、1&2番コンビが流れをもう一度引き寄せた。


  5回、先頭で左翼線に 3塁打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
 近本光司外野手が追い上げにつなげる 3塁打を放った。
  2点勝ち越された直後の 5回に先頭で打席に入った。東京ヤクルト小澤の外角直球を左翼線へはじき返すと、ダイレクト捕球を試みたサンタナが取れず。転々とする間に一気に 3塁まで到達し、続く中野の犠飛で生還した。チャンスメークに「それは当たり前のこと。 1点取れたので良かったと思います。展開的にも大きかった」と納得の表情だった。


  5回に生還した近本光司外野手と犠飛を放った中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 近本光司外野手は 1- 3と 2点差をつけられた直後の 5回、先頭で左翼線へ今季3本目の3塁打を放ち、続く中野の犠打で生還した。この回の反撃が終盤の逆転へとつながり、「結果的に(中野と) 2人でポンと点を取れたのが気持ち的にも楽になったと思う」と1、2番コンビの連係に胸を張った。

 


  3回表東京ヤクルト二死 1塁、中野拓夢内野手は丸山和郁外野手の打球を横っ跳びで好捕=阪神甲子園球場
 中野拓夢内野手の驚きの守備範囲に、ヒットでも拍手が起きた。
  3回二死 1塁で丸山和郁外野手の 1、 2塁間への打球に、全力で走ってダイビングでグラブに収めた。素早く立ち上がって、 1塁送球したが俊足打者にわずかに先をいかれた。
 明らかなヒット性だっただけに、それでも大きな拍手が起きた。


  5回無死 3塁で中犠飛を放った中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 中野拓夢内野手が 1点差に詰め寄る犠飛を放った。
  1- 3の 5回無死 3塁で打席が回った。「最低限の仕事はしっかりやろうと思って打席に入った」と東京ヤクルト先発小澤から中堅への犠飛。 3塁走者を迎え入れて1点差とした。「すぐ返すのと返さないで全然流れも違う。内野ゴロでもいいっていう、本当に楽な気持ちで打席に入っていた」。 7回には中前打を放ち、大山の適時打で同点のホームを踏んだ。


  7回裏阪神二死、中野拓夢内野手は中前打を放った=阪神甲子園球場
 中野拓夢内野手が 3試合ぶりの安打で流れを引き戻した。 2- 3の 7回、近本の併殺打で走者なしとなって迎えた第 4打席に中前打。ため息を歓声に変え、逆転劇を導いた。 2点を勝ち越された直後の 5回無死 3塁の好機では中犠飛を放ち、「すぐ(点を)かえす、かえさないで流れも違う。内野ゴロでもいいという楽な気持ちで打席に入ったので、最低限の仕事ができたかなと思います」とうなずいた。

 


  7回裏阪神二死 1、 2塁、森下翔太外野手は大山悠輔内野手の左前に落ちる逆転2点適時打で生還し、雄たけびを上げながらガッツポーズ=阪神甲子園球場
 阪神の3番森下翔太外野手が11試合連続安打と好走塁で逆転劇をアシストした。
 「自分が 1発で返そうというよりかは、大山さんにつなごうという意識だった」。 1- 3の 8回、二死 1塁で東京ヤクルト3番手大西の 4球目だ。低めのカットボールを左前にはじき返し、好機を広げた。
 これで16日の巨人戦(甲子園)から始まった自己最長の連続試合安打を11に伸ばした。さらに、4番大山の左前打で 1塁から全力疾走。「何かがあった時のために走りました」と一気に本塁を狙い、スライディングで生還した。背番号1がつなぐ野球で逆転劇に貢献した。

 


  7回裏阪神二死 1、 2塁、大山悠輔内野手は左前に2点適時打を放った=阪神甲子園球場
 阪神が大山悠輔内野手の 2点打で試合をひっくり返した。 2- 3の 7回、先頭の代打・前川が中前打で出塁するも、近本が遊ゴロ併殺打に倒れて二死となった。しかしここから中野、森下が連打で二死 1、 2塁とすると、打席には4番・大山。 2球目を強振して高々と打ち上げたが、これが左翼手の前にポトリ。 2塁走者の中野のみならず 1塁から森下も生還し、一気に逆転に成功した。阪神の 8回のマウンドにはゲラが上がり、カード勝ち越しに向けて勝ちパターンのリレーに入った。


  7回、大山悠輔内野手の逆転打に沸く 1塁ベンチ=阪神甲子園球場
 阪神が「甲子園の魔物」のいたずら? で逆転に成功した。
  1点を追う 7回二死 1、 2塁。大山悠輔内野手が高々とフライを打ち上げた。
 落下点は、そのままなら左翼の少し手前くらいかと思われた。阪神ファンは大きなため息。
 だが、甲子園上空には特有の強風が舞っていた。遊撃長岡は早々に引いて、左翼サンタナに任せたが、飛球はどんどん本塁側に押し戻され、サンタナが全速力で前進しても届かず、遊撃後方にポトリと落ちた。
 二死のため、 2人の走者が一気に生還。風と運を味方につけて、この試合初めてリードを奪った。


 ヒーローの大山悠輔内野手(右)と加治屋蓮投手は子供の質問に答える=阪神甲子園球場
 阪神が4番大山悠輔内野手の「神風逆転打」で接戦をものにした。お立ち台に上がった背番号3は意外な事実を一面を明かした。
 26日からの 3連戦はお立ち台でこどもからのインタビューも実施。大山もお立ち台でこどもから「好きな昆虫はなんですか?」と質問を受け、「僕は、ちょうちょが大好きです(笑い)」と回答。ひらひらと舞うチョウが大好きだと答えて場内を沸かせた。


 お立ち台で子供ファンと記念撮影をする加治屋蓮投手と大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
 首位阪神が「浜風」に背中を押され、逆転勝利を決めた。 1点ビハインドの 7回二死 1、 2塁で、4番大山悠輔内野手の飛球は左翼前へポトリと落ちる 2点適時打。岡田彰布監督も「ちょっと諦めた」という風に流された千金打で2連勝とつかみ、貯金を今季最多の5とした。
 この日は右翼から左翼方向へ甲子園特有の「浜風」が吹いていた。球場から一番近いアメダス神戸観測所のデータをもとに、虎党歴20年超の気象予報士・橋本祐佳氏が、この日の風について解説した。
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 「浜風」とは、気温が上昇したよく晴れた日に、球場の南西から吹き込んでくる海風のことをさす。橋本氏は「海と陸の気温差が大きいほど、海から陸に向かって吹く風が強まる」と説明する。


 東海地方を中心に活躍する、虎党で気象予報士の橋本祐佳氏
 気温がそこまで高くない 4、 5月は「そんなに浜風は吹かないデータがある」とするが、この日は違った。甲子園から最も近いアメダス神戸観測所のデータでは、神戸は今年一番の暑さとなる最高気温25.9℃を記録。今年初めての「夏日」で、 6月上旬並みの暑さになったという。「今日は、海と陸との気温差が大きくなったと思います。それで風が強かったんだと考えられます」と続けた。
 また、ここから甲子園周辺の天気は、くだり坂の予定。時計回りに吹く高気圧が西から東へ離れていく途上だったことも、影響したと考えられる。「高気圧が東に離れていく時は、ちょうど南の方から風が吹きやすくなる」とする。「夏日とくだり坂の天気。 2つの要因が重なったのでは」と、虎を勝利に導いた神風を分析した。

 


  7回裏阪神無死、代打前川右京外野手は中前打を放った=阪神甲子園球場
  7回、先頭で代打出場した前川右京外野手は追い込まれながらも粘って大西の 8球目を仕留め、 2遊間を抜く中前打を放った。「フォアボールでもなんでもよかったので、塁に出るという気持ちで立った」。これで今季は代打で8打数4安打の打率5割。 1打席に集中し、勝負強さを発揮している。

  7回先頭で代打で中前打を放った前川右京外野手=阪神甲子園球場
 前川右京外野手がまた代打で結果を残した。
  1点ビハインドの 7回に先頭の代打で登場。東京ヤクルト3番手大西にフルカウントと追い込まれながら 150キロ直球を中前へと運んだ。「なんとか事を起こして、フォアボールでもなんでもよかったので、塁に出るという気持ちで立ちました。塁に出られたのでよかったと思います」。今季代打では8打数4安打で打率5割と期待に応えている。


 阪神の先発・才木浩人投手が上々の内容で序盤の 3イニングを終えた。 1回先頭の西川に中前打、丸山和に犠打で一死 2塁のピンチを背負うも、オスナ、村上と強力クリーンアップを抑えて無失点の立ち上がり。 2回はサンタナ、山田を連続三振。 150キロ超の直球にスライダーとフォークといった変化球も冴えわたった。 3回は二死から西川に四球、丸山和に 2塁内野安打で 1、 2塁のピンチ。それでもオスナを 151キロ直球で 2ゴロに仕留めた。ピンチをしのぐと甲子園は大歓声で祝福。才木は悠々とベンチへ引き揚げた。

 力投する才木浩人投手=阪神甲子園球場
 阪神の先発・才木浩人投手が同点を許した。 1- 0とリードの 4回。先頭の村上を四球で歩かせると、セ・リーグ首位打者を走るサンタナに 146キロの直球を弾き返された。これが風にも乗って左中間フェンス直撃の 2塁打に。ノイジー、小幡とつないで本塁へ転送するも 1塁走者の生還を許し、同点に追いつかれた。才木にとっては14日の中日戦(バンテリンドーム)の 2回以来16イニングぶりの失点となった。その後二死 1、 3塁のピンチは小澤を三直に打ち取り、勝ち越しは許さなかった。


4回表東京東京ヤクルト無死一塁、才木浩人投手はサンタナ外野手に中適時 2塁打を打たれ失点。左は生還した 1塁走者村上宗隆内野手、右は梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 阪神の才木浩人投手が 1- 1の 5回に 4本の安打を浴びて勝ち越しを許した。一死から丸山和、オスナに連打を浴びると、その後二死 1、 3塁となって打席には前の打席で適時 2塁打を打たれたサンタナ。カウント 3- 2から 9球目の直球を投じると、打球はライナーで 3塁の頭上を襲う。ジャンプした糸原のグラブをはじき、勝ち越しの適時打となった。なおも二死 1、 2塁から山田への初球のカーブを左前適時打とされ、 2点を追う展開となった。


  5回に2点を失った才木浩人投手=阪神甲子園球場
 才木浩人投手が16イニングぶりの失点を喫し、 5回7安打3失点で降板となった。
 「ストレートの走り、感覚がよかっただけにコントロールがアバウトになってしまったのかなと思います。試合が続いている中で 5回で交代となってしまい、負担をかけてしまっている中継ぎの方に申し訳ないです」
 初回から 154キロを計測。 3回までに4三振を奪う力強い直球を見せていたが、 4回だった。先頭村上に四球で出塁を許すと、5番サンタナの左翼越え 2塁打で初失点。 5回にもサンタナ、山田に連続適時打を浴びて今季最多の 3失点を喫した。
 前回21日中日戦(甲子園)では、降雨コールドでの7回完封勝利。14日中日戦(バンテリンドーム)以来となる失点となった。
  5回を終えて球数は96球に到達。 6回からは加治屋蓮投手にバトンを託した。


  5回、勝ち越しを許した才木浩人投手は悔しそうな表情でベンチに引き揚げる=阪神甲子園球場
 才木浩人投手は 5回7安打3失点。同点で迎えた 5回二死 1、 3塁のピンチからサンタナ、山田に連続適時打を浴びた。「直球の走り、感覚がよかっただけにコントロールがアバウトになってしまった。試合が続いている中で 5回で交代となってしまい中継ぎの方に申し訳ない」。岡田監督も「もうちょっとコントロールというかね、力勝負で行くとやっぱり危ない」と次回登板へ課題を挙げた。


  5回、安藤優也投手コーチから言葉をかけられる才木浩人投手=阪神甲子園球場
 才木浩人投手が16イニングぶりの失点を喫し、 5回7安打3失点で降板となった。
  3回まで無失点も 4回にサンタナに適時打を浴び、 5回にもサンタナ、山田に連続適時打を許した。「真っすぐは今年で一番感触が良かった。ちょっとアバウトすぎたかなというのもある。調子が良いから力んでしまった感じもある」と分析。「負担をかけてしまっている中継ぎの方に申し訳ない」と反省し、次回のリベンジを狙う。

 

 気迫に燃える23球が、逆転勝利を呼び込んだ。2番手で登板した加治屋蓮投手が移籍後初の 2回を無失点。登板2試合連続白星で今季2勝目を手にし、息をついた。
 「(抑えられて)ホッとした。なんとしてでもゼロでつないでいく。もうそれしか考えていなかった」
  2― 3とビハインドの 6回に登板。西川から空振り三振を奪うなど3者凡退に仕留め、東京ヤクルトの勢いを止めた。「すごくこっちに流れが来るようなイニングの攻防だった」。 7回は先頭の丸山和に四球を許すも、梅野が盗塁を刺して結果的に 3人斬り。逆転への空気を作り上げた。


 今季2勝目の加治屋蓮投手=阪神甲子園球場
 ホームゲームでは娘を毎試合招待する。だからこそ、こどもまつりウイークでのお立ち台が誇らしかった。 2児のパパは粘ってつかんだ勝利に、「野球って素晴らしいものなんだよって思わせられる1試合だった」と目を細めた。
 これで阪神の逆転勝利は両リーグトップの9度目。その立役者は間違いなく救援陣だ。岡田監督は「負けているときのピッチャーが加治屋とか 2イニングぴしゃっと抑えてくれるからな。リズムっていうか、流れがようなってくるよな」と、改めて評価を口にした。
 加治屋は「特にビハインドでは点をやれない試合がずっと続く。ブルペンで一致団結して、役割を理解しながらできている」と胸を張る。強固な虎のブルペン陣がまた自信をつけた。

 


 阪神3番手のハビー・ゲラ投手=阪神甲子園球場
 リードを奪った直後の 8回に3番手で登板したハビー・ゲラ投手は、サンタナから空振り三振を奪うなど 3人で抑えた。 9回に登板して5セーブ目を挙げた27日は本塁打を浴びて失点を喫していたが、一夜明けて好投。「 7回であれ 8回であれ 9回であれ、言われたところで投げられるようにこれからも準備していきたい」と献身的な姿勢を示した。


  8回、サンタナ外野手を空振り三振に抑え、吠えるハビー・ゲラ投手=阪神甲子園球場
 GIリレーで 1点差を守り抜いた。阪神は 7回裏に逆転すると、 8回ゲラ、 9回岩崎のダブル守護神で試合を締めた。これでそろって登板した12試合は9勝3分けと負けなし。前日27日の東京ヤクルト戦(甲子園)に続いて 2日連投となった 2人に、岡田監督は「もう少し点差が開けばな、他のピッチャーも投げさせられるんやけど、そこまでまだね、まだ落ち着かんわ」と接戦が続く中で、絶大な信頼を寄せる。


  8回表を打者 3人で仕留めたハビー・ゲラ投手=阪神甲子園球場
 前日は 8回岩崎、 9回ゲラだった。順番を入れ替えた指揮官は「代打の出せる打順言うたら、そらゲラ先いくわ」と説明。ヤクルトの代打は川端や青木ら左打者が多い。5番から始まる 8回はゲラ、下位打線で代打が出る可能性が高い 9回は左腕岩崎に託した。
 ゲラは「どのイニングであれ、言われたところで投げられるように準備」。岩崎も「いつも通りです」とうなずいた。頼れるダブル守護神はこれからも白星へ腕を振る。

 


 試合を締めた岩崎優投手と梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 岩崎優投手は 9回を無失点に抑えて4セーブ目を挙げた。27日は 8回に登板してホールドがついたが、一夜明けて試合を締め「いつも通りですよ」と、役割に関係なく必死に腕を振った。これで自身とゲラがそろって登板した試合は今季9勝3分けと不敗神話継続。今後に向けて「一試合一試合頑張ります」と力を込めた。

 


  6回裏阪神二死、梅野隆太郎捕手は左前打を放った=阪神甲子園球場
 梅野隆太郎捕手が攻守で勝利への執念を見せた。
  4回に左翼線へ 2塁打、6回にも二死から左前打を放ち、今季初のマルチ安打を記録。 1試合2安打は昨季の 8月 3日中日戦(バンテリンドーム)以来となった。捕手としても先発才木を 3失点にまとめ、 6回以降は無失点。 1- 3の 7回には一死 1塁から走者をストライク送球で刺す「バズーカ」を発動。 7回裏の逆転劇へ流れを呼び込んだ。


  6回、左前打を放った梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 梅野隆太郎捕手が自慢の強肩でピンチを救った。 6回からマウンドに上がった加治屋は 7回、丸山和に四球を与え先頭の出塁を許した。オスナは 1邪飛で一死 1塁。村上を打席に迎えて 3球目だった。 1走・丸山和がスタート。梅野が強肩で 2塁にストライク送球でタッチアウト。〝梅ちゃんバズーカ〟で二死とすると加治屋が村上を 2ゴロに仕留めてこの回もスコアボードにゼロを刻んだ。梅野は 4回に左翼線へ 2塁打、 6回も左前打を放って今季初のマルチ安打とバットでも躍動。逆転に向け、懸命なプレーを続けている。


  7回表東京ヤクルト一死 1塁、梅野隆太郎捕手は打者村上宗隆内野手のとき 1塁走者丸山和郁外野手の 2塁盗塁を刺す=阪神甲子園球場
 梅野隆太郎捕手が攻守に存在感を放った。 2― 3の 7回の守備では、丸山和の 2盗を阻止。チームに流れを呼び込み、「大きいですね。自分の中でベストボールを投げられたので良かった」とうなずいた。バットでも 4回に今季初の長打となる左翼線への 2塁打を放つと、 6回にも左前打で今季初のマルチ安打を記録。「追い付いたり逆転したりする試合が続いている。ビジターで戦い方は違うけど、粘ることを続けていけたら」と首位独走へ広島 3連戦を見据えた。


  7回、丸山和郁外野手の 2盗を阻止する梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
 梅野隆太郎捕手の「バズーカ」が発動した。
  7回一死 1塁。俊足の丸山和郁外野手がスタートを切ったが、素早いストライク送球でアウト。ヘッドスライディングの丸山和は腕を入れ替えてタッチを避けにいったが、それでも余裕のタイミングだった。
 救援で 2イニング目の加治屋蓮投手を救い、この回も無失点。ネット上のファンも「久しぶりにバズーカ炸裂」「カッコ良すぎ」「(遊撃)小幡は待ってるだけだった」と絶賛の声が相次いだ。

 


 試合前練習でキャッチボールをする西勇輝投手=阪神甲子園球場
 29日の予告先発が発表され、西勇輝投手が広島戦(マツダ)で中10日で登板する。甲子園の試合前練習に姿を見せ、キャッチボールやショートダッシュで調整した。今季は 3試合に登板して防御率は1.69。前回登板の18日の巨人戦(甲子園)では 8回 1失点と好投したが、試合日程の変更に伴い抹消されていた。広島とは今季 2度目の対戦となるが、11日の初対戦(甲子園)では8回無失点と圧巻な投球を見せた。昨季は防御率8.00と相性が悪かった敵地に乗り込み、今季初勝利を目指す。

 

※ 4月29日の予告先発は、広島・大瀬良大地投手(32)―阪神・西勇輝投手(33)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(03月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

 

 

 

 

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