●阪神のホーム開幕戦ではパリ五輪女子マラソン代表に内定した前田穂南選手(天満屋)が始球式を務めた。前田は自身の誕生日が入った「717」のユニホームを身にまとい、「A.R.E」と刺繍が入ったグラブを手にマウンドへ。投じたボールは左打者の背中側に逸れて思わず声を上げたが、ワンバウンドで坂本のミットに収まった。
●阪神は 1回の失点が響き横浜DeNAに敗れた。先発した村上頌樹投手(25)が誤算だった。 1回に四球と安打で一死 1、 3塁のピンチを背負うと、牧秀悟内野手(25)の打球を 3塁・佐藤輝明内野手(25)がファンブルして先制点を献上。さらに二死満塁から山本祐大捕手(25)に走者一掃の 3塁打を浴びてこの回 4失点。 3回にも 1点を失い、昨季セ・リーグの最優秀選手に選ばれた右腕が 3回7安打5失点(自責1)で降板した。打線は 1回に近本が 3塁打を放ち、中野拓夢内野手(27)の中前適時打で 1点を返す。しかし、その後は先発・アンドレ・ジャクソン投手(27)に反撃を封じられた。 7回に木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)が右翼へソロ本塁打を放って 1点を返し、 8回にも森下翔太外野手(23)の 3ゴロの間に 3塁走者が生還したが、追いつくには至らず。 昨季8戦8勝、2022年 8月からレギュラーシーズン9連勝中だった京セラドームで、ホーム開幕星を飾ることはできなかった。本拠地開幕戦でいきなり連勝がストップし、まだ 4試合ながら単独最下位となった。胸元で金色に輝く日本一王者の威厳を見せるためにも、ホーム開幕カードで連敗するわけにはいかない。
●近本光司外野手(29)が今季初のマルチ安打と気を吐いた。近本は 4点を先制された直後の 1回、初対戦のジャクソンのチェンジアップを捉えて右中間を破る 3塁打。中野の適時打で生還した。 8回も先頭で右翼フェンス直撃の 2塁打を放ったが、 5回二死 2、 3塁のチャンスではジャクソンのカーブに空振り三振。悔しがった。
●阪神1番、2番の「チカナカコンビ」がすぐさま反撃を開始した。初回に 4点を先制されたその裏、1番近本が 3塁打を放つと、2番中野が横浜DeNA先発ジャクソンの 142キロを打ち返し中前適時打。すぐさま 1点を返した。今季初適時打の中野は次戦につながる一打にうなずいた。
●佐藤輝明内野手が先制点を献上した初回の失策を悔やんだ。こんなんじゃアカン!! 阪神は横浜DeNAに 3― 5で敗れ、今季のホーム開幕戦を落とした。岡田彰布監督(66)は 1回の 4失点につながった佐藤輝明内野手の失策にオカンムリだ。春季キャンプから守備練習を重ねてきたが、拙守でリズムを乱して一昨年から 9連勝中だった京セラドームで敗れ、借金2で最下位転落…。この 3連戦限定で着用する黄金ユニホームにふさわしいプレーを、虎党に見せてくれ!!熱気ムンムンだった京セラでのホーム開幕戦。試合前のセレモニーで上がったファンの大歓声は、初回にため息と悲鳴に変わる。それを一身に浴びたのは、痛恨のタイムリーエラーを犯した佐藤輝だ。岡田監督は淡々としていたが、言葉の端々に怒気をにじませた。自身の今季初失策が負の連鎖を招き、その後満塁とされて伏兵・山本祐大捕手(25)の 3点打で 4点のビハインドを背負った。
●坂本誠志郎捕手(30)が今季初安打を放った。 5回1死から横浜DeNAジャクソンの真っすぐをとらえて中前へ。
●木浪聖也内野手の「レア弾」が最後の意地につながった。木浪聖也内野手が 1- 5で迎えた 7回二死で右翼席へ1号ソロを放った。2番手・伊勢大夢投手(26)の 1484キロ直球を捉えた。打球は逆転を信じる虎党が待つ右翼席へ。木浪はここまで開幕から無安打が続き、10打席目で待望の今季初安打。恐怖の8番が虎に帰ってきた。プロ 6年目で11本目だ。手応え十分だったが、試合後は表情を崩さなかった。昨年、恐怖の8番打者としてV打線を支えた男は、地に足をつけて仕事をまっとうする。
●先発した村上頌樹投手は 3回7安打5失点(自責1)で降板した。 1回に四球と安打で一死 1、 3塁のピンチを背負うと、牧の打球を 3塁・佐藤輝がファンブルして先制点を献上した。さらに二死満塁から山本に走者一掃の 3塁打を浴びてこの回 4失点。 3回は一死満塁から石上泰輝内野手(22=東洋大)のボテボテの 1ゴロを大山悠輔内野手(29)が懸命にホームへ送球も、リクエストで判定が覆り、さらに 1点を追加された。昨季、セ・リーグの最優秀選手に選ばれた右腕だったが今季初登板は不本意な結果に終わった。試合前には華々しいホーム開幕セレモニーが行われたが、ムンムンだった熱気もあっけなくしぼんだ。ただ、村上が任されるのは先発ローテの軸。このまま沈んでいるわけにはいかない。どよめきとため息が充満すると、 3回には 3安打で満塁を背負い、D4位・石上の 1ゴロを大山が本塁送球するも、リプレー検証で判定が覆ってセーフ(記録は野選)に。さらなる不運で 5点目を与え、この回をもって交代となった。 7安打も 5失点も、自己ワーストタイだった。
●阪神2番手の漆原大晟投手(27)が試合を立て直した。 4回からマウンドに上がり、今季初となるイニングまたぎを遂行。 2イニング無失点で仕事を果たした。 4回には無死 2、 3塁のピンチをつくるも、ゼロで切り抜けた。
● 6回から 3番手でマウンドに上がった島本浩也投手(30)が 2回無失点。 7回は連打で 1、 2塁のピンチを背負ったが、この日 2安打だった山本を左飛で仕留めた。開幕前は状態が不安視されていた左腕だが、役割を果たした。
●門別啓人投手(19)が 8回のマウンドへ上がった。先頭のD4位・石上は遊飛、桑原を 3ゴロに仕留めると、注目のD1位・度会(ENEOS)と対戦。初球 124キロスライダーで見逃しを奪うと、続いて 143キロ直球で空振りと追い込む。再びスライダーでファウルをとると、最後は 4球目、 148キロ直球で空振り三振。セ界を沸かせる注目ルーキーを期待の左腕が斬った。ホーム開幕戦でスタンドを埋めた虎党に、自慢の快速球で自己紹介した。プロ通算 4試合目で初めてのホームのマウンド。門別が回をまたいで無失点の好投を披露した。未来の虎のエースを目指し、ゼロを積み重ねる。今季は中継ぎとして開幕1軍入り。30日の巨人戦(東京ドーム)での今季初登板も 1回無失点に抑えており、無失点投球を継続中だ。関西の虎党にお披露目となったホーム開幕戦。潜在能力の高さを早速、見せつけた。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 3- 5横浜DeNA>◇ 1回戦◇阪神 0勝 1敗 0分◇ 2日◇京セラドーム大阪
 阪神のホーム開幕戦ではパリ五輪女子マラソン代表に内定した前田穂南選手(天満屋)が始球式を務めた。前田は自身の誕生日が入った「717」のユニホームを身にまとい、「A.R.E」と刺繍が入ったグラブを手にマウンドへ。投じたボールは左打者の背中側に逸れて思わず「あっ!」と声を上げたが、ワンバウンドで坂本のミットに収まった。「(レースより)今日のほうが緊張します。貴重な経験ができて、すごくうれしいです」と振り返った。


 始球式に臨む前田穂南選手=京セラドーム大阪
 尼崎市出身で小学校時代には甲子園に応援に行っていたという生粋の虎党の前田は、 1月末に行われた大阪国際女子マラソンでは「アレを絶対につかみ取る」と宣言。有言実行し、日本記録を19年ぶりに更新した。岡田監督へ「岡田監督のおかげでアレという言葉を使わせてもらって、重圧なく走れたことが一番大きかった。その言葉で目標が達成できたので、感謝しています」と話した。

 

 阪神は 1回の失点が響き横浜DeNAに敗れた。
 先発した村上頌樹投手が誤算だった。 1回に四球と安打で一死 1、 3塁のピンチを背負うと、牧の打球を 3塁・佐藤輝がファンブルして先制点を献上。さらに二死満塁から山本に走者一掃の 3塁打を浴びてこの回 4失点。 3回にも 1点を失い、昨季セ・リーグの最優秀選手に選ばれた右腕が 3回7安打5失点(自責1)で降板した。
 打線は 1回に近本が 3塁打を放ち、中野の中前適時打で 1点を返す。しかし、その後は先発・ジャクソンに反撃を封じられた。 7回に木浪が右翼へソロ本塁打を放って 1点を返し、 8回にも森下の 3ゴロの間に 3塁走者が生還したが、追いつくには至らず。 昨季8戦8勝、2022年 8月からレギュラーシーズン9連勝中だった京セラドームで、ホーム開幕星を飾ることはできなかった。


  3回、戦況を見つめる村上頌樹投手=京セラドーム大阪
 阪神が誇る 1、 2番がチームを奮い立たせた。日本一チームとして迎えたホーム開幕戦。近本が作ったチャンスで、中野が横浜DeNAに傾いた流れを引き戻す一打を放った。
 「打ったのはたぶんチェンジアップ。先制された後でしたし、なるべく早く得点を返したかったので、打ててよかった。ここから逆転できるように頑張ります」
 昨季MVPの村上が初回から 4点を失い、大量ビハインドからのスタートとなった 1回。まずは近本が重い流れを振り払う。追い込まれながらも来日初登板となった先発・ジャクソン(前パイレーツ)の変化球をはじき返した。右中間への打球にD1位・度会(ENEOS)が飛びつくも、わずかに届かず白球は転々。近本は快足を飛ばして一気に 3塁を陥れた。昨季両リーグトップとなる12本の 3塁打を放った近本が、今季初の 3塁打でいきなりチャンスを演出した。


  9回裏阪神一死 1塁、代打前川右京外野手は右前打を放った。投手は山﨑康晃投手=京セラドーム大阪
 1番が打てば、2番も続く。中野も 2球目の低めのチェンジアップに食らいつき、 2遊間を抜く中前適時打。わずか 6球で、新選手会長が今季初打点を挙げて反撃の 1点を挙げた。
 巨人との開幕カード 3戦目(東京ドーム)で今季初勝利を飾り、1勝2敗でホームに帰ってきた。舞台は京セラドーム。昨年はレギュラーシーズンでチーム打率.314を記録し、 8戦全勝と無類の強さを誇った球場だ。さらにホーム開幕の今カード 3連戦は、昨季の日本一を記念した金色のチャンピオンユニホームに袖を通して戦う。この日を待ちわびてスタンドを埋めたファンに、チカナカコンビがその気概を示した。


 声援を送る阪神ファン=京セラドーム大阪
 阪神ファンのフラストレーションもたまっていた。ホーム開幕戦は初回に 4点先行されるなど、負けの展開だった。
 終盤に追い上げ、 2点差で迎えた 9回一死からノイジーが中前打を放ったところで、左中間の外野席からグラウンドにメガホンが落ち、試合が中断した。横浜DeNA桑原が拾いに走り、球場内がざわついた。
 故意かはどうかは不明だが、阪神の追い上げムード、緊迫の好ゲームに水を差すシーンだった。


  1回表横浜DeNA無死、度会隆輝外野手は四球を選び出塁。投手は村上投手=京セラドーム大阪
 阪神の、京セラドーム大阪での不敗神話が崩れた。この試合まではレギュラーシーズン9連勝中だった同球場。しかし初回から、まさかの展開でリードを許した。
 今季初登板となった先発村上頌樹投手(25)は初回から佐藤輝明内野手(25)の適時失策も絡み 3安打を浴びて 4失点。昨季、ポストシーズンも含めた先発24試合で初回失点は 1度もなかった。 3回にも追加点を許し、 3回7安打5失点(自責点1)で降板。昨季のセ・リーグMVPが、まさかの結果となった。
            ◇    ◇    ◇
 黄金に輝くチャンピオンユニホームで臨んだ本拠地開幕戦。プレーボール直後、いきなり落とし穴が待っていた。「いやそらのう。まさか初回 4点と思ってないからのう」。百戦錬磨の岡田監督も、予想だにしない展開にため息だ。


  7回表横浜DeNA二死、宮﨑敏郎内野手の打球にグラブを伸ばすも捕球できず、内野安打とされる 3塁手佐藤輝明内野手=京セラドーム大阪
 先発した昨季のリーグMVP村上に、先頭打者から異変が起きた。持ち味の制球力が影をひそめ、1番度会に四球。指揮官も「初めてやろ。先頭バッターにフォアボールなんてなあ」と首をかしげてしまう姿。右腕が今春の実戦23イニング目で初の与四球を出すと、流れは横浜DeNAに傾いた。
 迎えた一死 1、 3塁のピンチ。低めに決まったフォークで、4番牧を 3塁へのゴロに仕留めたかに思われた。しかし、今度は佐藤輝が打球をはじいてボールは転々。まさかの適時失策で先制点を献上すると、さらに二死満塁から7番山本に走者一掃の適時 3塁打を浴び、一気に 4点を失った。
 村上はポストシーズンを含め、昨季は先発全24試合で初回は無失点。ただ、この日は不調の予感もあったようだ。「あんまり良くなかったって、ブルペンから良くなかったって言うてたけどなあ」。指揮官は試合後、舞台裏を明かした。


  7回表横浜DeNA二死、宮﨑敏郎内野手の 3ゴロでグラブを伸ばすも捕球できず、内野安打にする佐藤輝明内野手=京セラドーム大阪
 投手が苦しい時こそ、もり立てるのが味方野手陣だが、この日は助けることができず。痛い失策を喫した佐藤輝には苦言も呈した。「うん。ゲッツーやろ。そういうことやんか。完全に打ち取っとったからな。あそこだけ低い球行ったからまた、ゴロの球な、おーん」。苦い表情からもその感情が読み取れた。
 22年 8月25日横浜DeNA戦から9連勝中だった京セラドーム大阪。本拠地開幕戦でいきなり連勝がストップし、まだ 4試合ながら単独最下位となった。胸元で金色に輝く日本一王者の威厳を見せるためにも、ホーム開幕カードで連敗するわけにはいかない。

 


  1回裏阪神無死、近本光司外野手は中へ 3塁打を放った。投手はアンドレ・ジャクソン投手=京セラドーム大阪
 近本は 4点を先制された直後の 1回、初対戦のジャクソンのチェンジアップを捉えて右中間を破る 3塁打。中野の適時打で生還した。 8回も先頭で右翼フェンス直撃の 2塁打を放ったが、 5回二死 2、 3塁のチャンスではジャクソンのカーブに空振り三振。「一番(何とかできた場面)はそこかなとは思いますね。結果的にストライク(のボール)だったので、そこをどういうふうにバットに当てるか」と悔しがった。

  1回、 3塁打を放ち 1塁を回る近本光司外野手=京セラドーム大阪
 近本光司外野手が今季初のマルチ安打と気を吐いた。
  4点を先制された直後の初回に 3塁打で出塁し、その後本塁に生還。 8回には 2塁打でチャンスメークすると、一死 3塁から森下の 3ゴロで 3点目のホームを踏んだ。「状況に応じて役割を果たせたのがよかった」と分析。「役割としては塁に出ること。 3塁打は結果です」と淡々と試合を振り返った。

 


  1回、適時打を放った中野拓夢内野手=京セラドーム大阪
 阪神1番、2番の「チカナカコンビ」がすぐさま反撃を開始した。
 初回に 4点を先制されたその裏、1番近本が 3塁打を放つと、2番中野が横浜DeNA先発ジャクソンの 142キロを打ち返し中前適時打。すぐさま 1点を返した。今季初適時打の中野は「早めに返す返さないで全然違う。チームの流れ的にも 1点早めに返せて良かった」と次戦につながる一打にうなずいた。


  1回裏阪神無死 3塁、中前適時打を放った中野拓夢内野手=京セラドーム大阪
 中野が 4点を先行された直後の 1回無死 3塁の好機でジャクソンの 142キロチェンジアップを中前にはじき返した。「チームの流れ的にも 1点早めにかえすことができてよかった」。反撃及ばず敗戦したが、終盤で粘りを見せた打線に選手会長は「相手に与える印象とか、明日に向けてのチームの勢いは全然違う。負けはしましたけど粘り強くいいゲームができた」と前を向いた。

 


  1回、牧秀悟内野手の打球をはじいて失点を招いた佐藤輝明内野手。今季は守備を磨いてきたはずが…=京セラドーム大阪
 佐藤輝明内野手が先制点を献上した初回の失策を悔やんだ。
 「難しかったけど、なんとかしたかった。あの場面はゲッツーだったので、取れれば良かったです」。今季初失策が痛恨の適時失策となった。この日は第 1打席で四球を選ぶも3打数無安打。「バットで取り返したいか」の問いに「そうですね、はい」と答えた。


  1回表横浜DeNA一死 1、 3塁、牧秀悟内野手の 3ゴロをはじき、適時失策となりぼうぜんとする佐藤輝明内野手=京セラドーム大阪
 こんなんじゃアカン!! 阪神は横浜DeNAに 3― 5で敗れ、今季のホーム開幕戦を落とした。岡田彰布監督は 1回の 4失点につながった佐藤輝明内野手の失策にオカンムリだ。春季キャンプから守備練習を重ねてきたが、拙守でリズムを乱して一昨年から 9連勝中だった京セラドームで敗れ、借金2で最下位転落…。この 3連戦限定で着用する黄金ユニホームにふさわしいプレーを、虎党に見せてくれ!!
 熱気ムンムンだった京セラでのホーム開幕戦。試合前のセレモニーで上がったファンの大歓声は、初回にため息と悲鳴に変わる。それを一身に浴びたのは、痛恨のタイムリーエラーを犯した佐藤輝だ。岡田監督は淡々としていたが、言葉の端々に怒気をにじませた。
 「ゲッツーやろ。そういうことやんか」


 ホーム開幕戦で渋い表情の岡田彰布監督=京セラドーム大阪
  0- 0の 1回一死 1、 3塁。立ち上がりから制球に苦しむ村上が低めのフォークで牧にゴロを打たせた。鋭い打球だったが、 3塁正面。阪神ベンチも、ファンも併殺でピンチをしのいだと思った直後、背番号8の体に当たった白球が大きく跳ねる。その間に 3走のD1位・度会(ENEOS)の生還を許してしまった。佐藤輝は「ちょっと難しかったですけど、何とかしたかったです。あの場面は(捕球できれば)ゲッツーだったので、捕れればよかった」と、責任を受け止めて唇をかんだ。
 自身の今季初失策が負の連鎖を招き、その後満塁とされて伏兵・山本の 3点打で 4点のビハインドを背負った。リズムを乱した昨季のMVP右腕はその後も立ち直れず、 3回にも失点して降板。指揮官は「そらそうなるわな。完全にな、打ち取っとったからな。あそこだけ低い球いったから。ゴロの球な」と、失策のダメージの大きさを口にした。

 


  5回裏阪神一死、坂本誠志郎捕手は中前打を放った=京セラドーム大阪
 坂本誠志郎捕手が今季初安打を放った。
  5回1死から横浜DeNAジャクソンの真っすぐをとらえて中前へ。
 「今年はヒット打てないのかと思っていた」。そう笑ったが先発村上が味方失策もあって 1回 4失点したことには渋い表情。「ミスが出てもカバーできるバッテリーになりたいと思っているし、また頑張りたい」と話していた。

 


  7回、本塁打を放った木浪聖也内野手=京セラドーム大阪
 木浪聖也内野手が 1- 5で迎えた 7回二死で右翼席へ1号ソロを放った。2番手・伊勢の 1484キロ直球を捉えた。打球は逆転を信じる虎党が待つ右翼席へ。木浪はここまで開幕から無安打が続き、10打席目で待望の今季初安打。恐怖の8番が虎に帰ってきた。


  7回、本塁打を放った木浪聖也内野手=京セラドーム大阪
 木浪が 1― 5の 7回二死で2番手・伊勢の初球をたたいて右翼へ1号ソロ本塁打を放った。昨季は本塁打1本だったが、今季は 4戦目での初安打が本塁打。「初球しかないと思っていましたし、しっかり準備していけた」と振り返った。 2点差の 9回は一死 1、 2塁で左飛に倒れ、逆転につなげられず。「ああいう場面がこれからもくると思う。もっと精度を上げられるように練習からやっていきたい」と反省も忘れなかった。


  7回裏阪神二死、木浪聖也内野手は右越えソロ本塁打を放ち 1塁を回る=京セラドーム大阪
 木浪聖也内野手の「レア弾」が最後の意地につながった。 7回。伊勢の甘い直球を力強くたたいてジャストミート。逆転を信じる虎党が待つ右翼席に白球を届けた。
 初球の直球を狙い打ちした。「初球しかないと思っていた。しっかり準備して入れました」。開幕から 3試合ノーヒット。これが今季10打席目で初安打だった。過去 3年はシーズン 1本ずつ打っただけ。プロ 6年目で11本目だ。手応え十分だったが、試合後は表情を崩さなかった。


  7回裏阪神二死、右越えソロ本塁打を放った木浪聖也内野手(右)を迎える岡田彰布監督=京セラドーム大阪
 押せ押せの 9回。一死 1、 2塁から再び打席が回ってきたが、左飛に倒れ、追い上げムードがしぼんだ。「最後の打席が悔しい。ああいう場面はこれからも来る。もっと精度を上げないといけない」。
 ただ、 3月31日巨人戦で森下が放った決勝3ランのように、やはり本塁打には特別な効果がある。京セラドーム大阪の虎党は沸き、雰囲気もがらりと変わった。終盤の追い上げは次につながる。「何とか 1本打つことができてよかった。どういう形であれ、ヒットが出た。これからは本塁打は(頭から)消していきたい。ホームランバッターではないので」ときっぱり。昨年、恐怖の8番打者としてV打線を支えた男は、地に足をつけて仕事をまっとうする。

 

 先発した村上頌樹投手は 3回7安打5失点(自責1)で降板した。 1回に四球と安打で一死 1、 3塁のピンチを背負うと、牧の打球を 3塁・佐藤輝がファンブルして先制点を献上した。さらに二死満塁から山本に走者一掃の 3塁打を浴びてこの回 4失点。 3回は一死満塁から石上のボテボテの 1ゴロを大山が懸命にホームへ送球も、リクエストで判定が覆り、さらに 1点を追加された。昨季、セ・リーグの最優秀選手に選ばれた右腕だったが今季初登板は不本意な結果に終わった。

  1回、横浜DeNA・山本祐大捕手に適時 3塁打を許した村上頌樹投手=京セラドーム大阪

 日本一軍団としての威厳を示す「チャンピオンユニホーム」に袖を通し、まっさらなマウンドへ。しかし、阪神・村上は得意とする 1回に出ばなをくじかれ、 3回7安打5失点(自責1)でKO。交代を告げられると腕を組み、呆然(ぼうぜん)とグラウンドを見つめていた。
 「(去年よりも)さらに打線の勢いがすごいと思った。のまれないように、自分の投球ができるように。勢い良くガンガンガンガンくるかもしれないけど、自分のペースで投げられるようにやりたい」
 相手打線の迫力は頭に入れながらも、押されてしまった。注目対決となった1番に入るD1位・度会(ENEOS)との勝負は四球。そこから佐野の右前打で一死 1、 3塁とされると、牧の 3塁へのゴロを佐藤輝が前に大きくはじき、先制点を刻まれた。昨季はポストシーズンも含めて先発した全24試合で 1回に失点はしておらず、 1回にホームを踏まれるのは新人だった2021年 8月28日の広島戦(マツダ)以来だ。
 その後も宮崎の右前打で満塁とされると、山本には右中間を破る走者一掃の 3塁打。MVPに駆け上がった昨季ワーストの 4失点に、今季初登板の 1回でいきなり並ぶという、まさかの展開だった。 3回には 3安打で満塁のピンチを背負うと、D4位・石上(東洋大)の 1ゴロを大山が本塁送球するもセーフ(記録は野選)となって 5点目。 7安打も 5失点も、自己ワーストタイだ。
 村上にとってハマ打線は難敵だ。昨季は先発として 4度対戦するも勝てず。セ球団では唯一の未勝利で、〝セ5球団星〟もお預けとなった。
 試合前には華々しいホーム開幕セレモニーが行われたが、ムンムンだった熱気もあっけなくしぼんだ。ただ、村上が任されるのは先発ローテの軸。このまま沈んでいるわけにはいかない。


  3回、横浜DeNA・牧秀悟内野手の走塁を大型ビジョンで見る阪神ナイン=京セラドーム大阪

 これまで安定感を示し続けてきた立ち上がりで、勝利への階段を踏み外した。どうした、村上…。今季初登板は不運にも見舞われ、 3回7安打5失点(自責1)KO。新シーズンは〝神話崩壊〟から始まる、悔しい幕開けとなった。
 「やっぱり緊張感もありました。その中で四球をいきなり出した。そこが良くなかったと思います」
 入場券は前売り完売。球場には 3万6189人が詰めかけ、虎党からの期待に満ちた視線を一身に浴びた。力みも生まれ、セ・リーグ最優秀防御率に輝いた昨季はポストシーズンも含めて先発した全24試合で 1回のマウンドは無失点だった男も、その〝第一歩〟が難所となった。
 最も悔いたのは、1番のD1位・度会(ENEOS)への余計な四球。そこから招いた一死 1、 3塁で牧を 3ゴロに打ち取ったが、佐藤輝が大きくはじいて先制点を献上した。2021年 8月28日の広島戦(マツダ)以来の 1回の失点。さらに二死満塁では山本に走者一掃の 3塁打を浴び、今季初登板の 1回でいきなり昨季のワーストとなる 4失点に並んだ。
 どよめきとため息が充満すると、 3回には 3安打で満塁を背負い、D4位・石上(東洋大)の 1ゴロを大山が本塁送球するも、リプレー検証で判定が覆ってセーフ(記録は野選)に。さらなる不運で 5点目を与え、この回をもって交代となった。 7安打も 5失点も、自己ワーストタイだった。

 


  4回、2番手で登板した漆原大晟投手=京セラドーム大阪
 阪神2番手の漆原大晟投手が試合を立て直した。
  4回からマウンドに上がり、今季初となるイニングまたぎを遂行。 2イニング無失点で仕事を果たした。 4回には無死 2、 3塁のピンチをつくるも、ゼロで切り抜けた。「野手の方にも助けてもらった。先頭を出さないように。立場的には回またぎも考えられるので」。今後も場面を問わずフル回転するつもりだ。

 


  6回、投球する島本浩也投手=京セラドーム大阪
  6回から 3番手でマウンドに上がった島本が 2回無失点。 7回は連打で 1、 2塁のピンチを背負ったが、この日 2安打だった山本を左飛で仕留めた。「ゼロで抑えられてよかった。しっかり後ろのピッチャーにゼロで渡すことを考えて投げました」。開幕前は状態が不安視されていた左腕だが、役割を果たし「(感覚は)ちょっとずつよくはなってきている」と前向きだった。

 

 門別啓人投手が 8回のマウンドへ上がった。先頭のD4位・石上(東洋大)は遊飛、桑原を 3ゴロに仕留めると、注目のD1位・度会(ENEOS)と対戦。初球 124キロスライダーで見逃しを奪うと、続いて 143キロ直球で空振りと追い込む。再びスライダーでファウルをとると、最後は 4球目、 148キロ直球で空振り三振。セ界を沸かせる注目ルーキーを期待の左腕が斬った。

 力投する阪神4番手の門別啓人投手=京セラドーム大阪
 ホーム開幕戦でスタンドを埋めた虎党に、自慢の快速球で自己紹介した。プロ通算 4試合目で初めてのホームのマウンド。門別が回をまたいで無失点の好投を披露した。
 「初回は自分の納得いくピッチングができた。 2イニング目、 1本打たれましたけど、その後は納得いく球を投げてゼロに抑えられてよかった」


 阪神4番手の門別啓人投手=京セラドーム大阪
  4点ビハインドの 8回、4番手としてマウンドへ。簡単に二死とし、注目のD1位・度会(ENEOS)には「あれはベストだった」と、外角いっぱいの 148キロ直球で空振り三振を奪った。 9回は二死 1、 2塁をしのいで 2試合連続無失点とした。
 「先発だったら勝負する部分も、中継ぎだったらいろいろ考えていかないといけない」
 未来の虎のエースを目指し、ゼロを積み重ねる。


 力投する阪神4番手の門別啓人投手=京セラドーム大阪
 若虎の快投が、敗戦の中で光り輝いた。門別啓人投手が今季初の回またぎ登板で、 2回1安打無失点と存在感を示した。
「初回は納得するピッチングができた。2イニング目は打たれたけど、その後は要求通りに納得のいく球を投げられました」
 まずは 3点ビハインドの 8回に登板し、ピシャリと 3人斬り。ドラフト1位度会はこの日最速の 148キロ直球で空振り三振に仕留めた。 9回は代打松尾に左翼フェンス直撃の 2塁打を浴びるなど、二死 2塁のピンチを招いた。続く5番宮崎はやや敬遠気味に四球で歩かせたが、それもまた学びになった。


  8回、4番手で登板した門別啓人投手=京セラドーム大阪
 「本当は宮崎さんと勝負に行きたかったけど、ああいう状況なので。自分の中で気持ちを抑えて、次で勝負できた。そういうところも勉強しないといけないので、そこは良かったです」
 内に秘める闘志を抑え、6番関根を初球 142キロ直球で遊飛。冷静さを保ち、無失点で切り抜けた。
 それでも悔やんだのは同学年に許した安打だ。同じく19歳の松尾とは昨年 7月のフレッシュ球宴でも対戦。門別はウエスタン・リーグの先発として登板し、左前打を浴びていた。 9カ月ぶりに1軍で実現した再戦。マウンド上ではクールな左腕だが「またどこかで対戦したら、次は絶対に三振で抑えたいと思います」とリベンジへ熱を込めた。


 4番手で登板した門別啓人投手=京セラドーム大阪

 この日の投球では随所に変化球も織り交ぜた。岡田監督は「もっと真っすぐ投げえ言うたんやけどな」と指令を明かした。試合後に伝え聞いた門別は「自分は聞いていなかったんですけど、真っすぐでいこうと思っていた」ときっぱり。次回のマウンドでは注文通りの力勝負を披露するつもりだ。
 今季は中継ぎとして開幕1軍入り。30日の巨人戦(東京ドーム)での今季初登板も 1回無失点に抑えており、無失点投球を継続中だ。関西の虎党にお披露目となったホーム開幕戦。潜在能力の高さを早速、見せつけた。

 

※ 4月 3日の予告先発は、阪神・伊藤将司投手(27)―横浜DeNA・濵口遥大投手(29)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 日程表と結果(02月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(03月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

 

 

 

 

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