●阪神は巨人に開幕から 2試合続けて無得点で敗れた。またしても 1点が遠かった。序盤の再三の好機を生かせなかった。初回、一死から2番中野拓夢内野手(27)の右中間 2塁打から二死 1、 3塁の好機をつくるも、5番佐藤輝明内野手(24)が左飛。 2回も先頭のシェルドン・ノイジー外野手(29)が四球で出塁し二死 3塁まで進むも、得点はできず。 0― 0で迎えた 4回。先頭の4番・大山悠輔内野手(29)と5番・佐藤輝がいずれも今季初安打となる連打で、無死 1、 3塁と先制のチャンスを作る。しかし続くノイジーは見逃し三振。一死 1、 3塁となって坂本誠志郎捕手(30)の初球でスクイズを仕掛けるも、小フライになった打球を巨人の 1塁・岡本和真内野手(27)がダイビングキャッチ。スタートを切った 3塁走者の大山はすでに本塁を駆け抜けており、ボールを 3塁へ転送されて 3アウトに。その後もチャンスを作れなかった。先発の大竹耕太郎投手(28)は 5回まで無失点も 6回、無死 1塁から4番・岡本、5番・坂本勇人内野手(35)に連続本塁打を許して 3失点でマウンドを降りた。 7回に3番手で登板した石井大智投手(26)も 2失点で差を広げられた。阪神は29日の開幕戦も 0- 4の完封負け。好機をつくりながらもあと 1本が出ない。前回開幕 2戦連続完封負けだったのは88年。当時は広島に 0- 3、 0- 2で敗れ、開幕4連敗だった。今年はどうにか 3戦目で断ち切り、ホームに帰りたい。開幕3連敗したとしても、そこから盛り返した例はある。開幕3連敗以上からセ・リーグ優勝したのは過去7チーム。08年の巨人は5連敗しているし、60年の大洋(現横浜DeNA)はなんと開幕6連敗から優勝している。開幕カード負け越しが決まった阪神が、今後どんな軌跡を描くのか興味深い。ファンも一喜一憂する 143試合が、今年も始まった。
●またも阪神がチャンスで無得点。先発した大竹が 3点を失った直後の 7回。この日スタメンに入った先頭のノイジーが中堅の頭を越える 2塁打で出塁する。一死となって代打・原口文仁内野手(32)が左前打を放って一死 1、 3塁とし、 0点に抑えられていた巨人の先発・フォスター・グリフィン投手(28)から反撃のチャンスを作った。しかしここで巨人はドラフト1位・西舘勇陽投手(22=中央大學)にスイッチすると、代打の糸原健斗内野手(31)は浅い左飛で二死。続く近本光司外野手(29)も 2球目を右翼へ高々と打ち上げるも、打球はフェンスに体をつけた右翼手のグラブに収まった。これで阪神の無得点は開幕から16イニング連続となった。
●大山悠輔内野手が 4回先頭の第 2打席で今季初安打となる中前打を放った。カウント 2- 1からグリフィンの 135キロカットボールを振り切った。バットを折られながらも打球は中前へ。大山は29日の同戦で4打数無安打3三振。ファンの不安を一掃する今季初安打。続く佐藤輝も今季初安打でつなぎ、無死 1、 3塁の好機を作ったが、先制点には結びつかなかった。大山悠輔内野手が守備で魅せた。 2回無死 1塁、5番坂本が放った 1塁後方ファウルゾーンへのフライだった。大山は懸命に背走し、そのままグラブを伸ばして後ろ向きでキャッチ。左翼席に大挙した虎党からは大きな歓声と拍手が送られた。その後は先発大竹が空振り三振、 1ゴロで仕留め、無失点で切り抜けた。SNS上でも称賛の声が寄せられた。岡田彰布監督(66)も心配し、30日の出場については「明日の状態見な分からへんな」と話していた。
●今季初安打を放った佐藤輝明内野手は31日の 3戦目での必勝を誓った。 痛烈な打球が 1、 2塁間を破る。元気のない虎打線において、いま最も頼らなくてはならない男に快音が生まれたのは救いか-。今季初安打も佐藤輝は主軸の自覚をにじませた。 4回無死 1塁の第 2打席。カウント 1- 2から左腕・グリフィンの 130キロスプリットを振り抜いた。今季 6打席目でともした「H」ランプは先制機を演出する右前打。大砲はパンッと両手をたたいて、ナインをもり立てた。〝アレンパ〟を目指す旅路の幕開けから訪れた試練-。輝くそのスイングで、乗り越えてみせる。佐藤輝が待望の初得点と初勝利を虎にもたらす。
●阪神が開幕から 2試合連続で完封負けを喫した。 4回一死 1、 3塁で坂本誠志郎捕手がセーフティースクイズを試みたが、岡本和のダイビングキャッチに阻まれ 1邪飛に。 3塁走者でスタートを切っていた大山悠輔内野手が帰塁できず、ダブルプレーとなった。岡田彰布監督は「スクイズちゃうよ」と説明。通常のスクイズとは違い、打球を見てから走者が本塁に走るセーフティースクイズのサインだったことを明かした。それでも、大山は飛球を見て帰塁することができなかった。指揮官は疑問符をつけた。
●シェルドン・ノイジー外野手(29)が「6番・左翼」で今季初の先発出場。 7回先頭で中堅の頭上を破る 2塁打を放ち、今季初安打を記録。意気込んだ。
●原口文仁内野手(32)が今季初打席で勝負強さをみせた。 3点を追う 7回一死 2塁、木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)に代わって打席に入ると、追い込まれながらも 3球ファウルで粘り、 7球目を仕留めた。 3遊間を抜くしぶといヒットでチャンスを拡大し、先発・グリフィンを引きずり下ろした。32歳のベテランが、今年も虎を結果と姿勢で引っ張っていく。
●阪神の先発・大竹耕太郎が危なげなく 1回を無失点に抑え、好スタートを切った。先頭のD3位・佐々木俊輔内野手(24=日立製作所)から 1度もバットを振らせずに外角への直球で見逃し三振を奪う。続く門脇誠内野手(23)は変化球を打たせて遊ゴロ、前夜、本塁打を放っている梶谷隆幸外野手(35)も変化球で 2ゴロ。持ち前の緩急で3者凡退の立ち上がりを見せた。大竹耕太郎投手は 6回途中 3失点で降板した。抜群の制球で 5回まで無失点と投手戦を演じたが、 0― 0の 6回に暗転した。先頭の梶谷に四球を与え、4番・岡本と 3度目の対戦。甘く入った 2球目を捉えられた。高く舞った打球は中堅スタンドへ届く2ラン本塁打。先制を許すと、続く坂本にも左翼に本塁打を許した。ここで桐敷拓馬投手(24)との交代を告げられ、悔しそうな表情を浮かべながらマウンドを降りた。東京ドームが異様な空気に包まれた。 4回無死 1塁。大竹耕太郎投手が 1塁にけん制するたび、右翼席の巨人ファンからのブーイングが響いた。3番梶谷の打席で計 3度けん制を入れたが、そのたびに右翼席からも“けん制”が入った。左翼席の阪神ファンからは大竹を後押しするように拍手が起きていた。
●桐敷拓馬投手が 3点を奪われた直後の 6回途中からマウンドに上がった。今季初登板は大城卓を 2ゴロ、丸を空振り三振、吉川を 1飛と危なげなく切り抜けた。昨季、岡田監督から〝スペードのエース〟と命名された左腕は今年も安定感抜群だ。
● 3点ビハインドの 7回に3番手として登板した石井大智投手は 1回 2失点(自責点 1)だった。先頭の代打・萩尾匡也外野手(23)に右翼線への 2塁打で出塁を許すと、続く打者のバント処理をファンブル。その後、一死 2、 3塁となって松原聖弥外野手(29)に 2点適時打を浴びた。後続の岡本和、坂本は連続三振に抑えるも、手痛い駄目押し点を献上。
●ノリノリムードの東京ドームが、一瞬静まった。門別啓人投手(19)が今季初登板で 1回1安打無失点の快投を見せた。 5点ビハインドの 8回に登板。初めて味わう伝統の一戦だ。味方が直前に3者凡退に倒れたことも相まり、球場の雰囲気は完全に巨人一色。完全アウェーにも臆することなく、堂々と投げきった。今季は中継ぎとして開幕1軍入り。昨季は 2試合に登板したが、いずれも 3回以上を投球。 1イニング限りの登板は初めてだった。前日29日には加治屋蓮投手(32)が 1失点。この日は石井が 2失点を喫した。連日中継ぎで失点を喫した中での好投。春季キャンプから岡田監督から高い評価を受けてきた19歳。指揮官が言う「先発予備1番手」としての立場は変わらないが、リリーフとして臨んだ今季初登板で存在感を示した。
●梅野隆太郎捕手(32)が 230日ぶりの打席に立った。昨年は 8月13日の東京ヤクルト戦(神宮)で死球を受けて左尺骨を骨折し、そのまま離脱を強いられた。復帰を目指す今季も春季キャンプ中に右肩の肉離れを発症。懸命なリハビリで22日のウエスタン・くふうハヤテ戦で実戦復帰し、開幕に間に合わせた。 結果は空振り三振。そのままマスクを被って、石井、門別啓人投手(19)をリード。

記事をまとめてみました。

 

 

 <巨人 5- 0阪神>◇ 2回戦◇阪神 0勝 2敗 0分◇30日◇東京ドーム
 阪神は巨人に開幕から 2試合続けて無得点で敗れた。またしても 1点が遠かった。 0― 0で迎えた 4回。先頭の4番・大山と5番・佐藤輝がいずれも今季初安打となる連打で、無死 1、 3塁と先制のチャンスを作る。しかし続くノイジーは見逃し三振。一死 1、 3塁となって坂本の初球でスクイズを仕掛けるも、小フライになった打球を巨人の 1塁・岡本和がダイビングキャッチ。スタートを切った 3塁走者の大山はすでに本塁を駆け抜けており、ボールを 3塁へ転送されて 3アウトに。その後もチャンスを作れなかった。先発の大竹は 5回まで無失点も 6回、無死 1塁から4番・岡本、5番・坂本に連続本塁打を許して 3失点でマウンドを降りた。 7回に3番手で登板した石井も 2失点で差を広げられた。


  9回、空振り三振に倒れた佐藤輝明内野手=東京ドーム
 阪神が初球スクイズで先制点を狙ったが、好守に阻まれた。
  0― 0の 4回。4番大山、5番佐藤輝の連打で作った一死 1、 3塁の好機だった。7番坂本の打席で、ベンチは初球スクイズを敢行。しかし打球は 1塁ライン際への小フライとなり、巨人岡本和がこれをダイビングキャッチ。スタートを切っていた 3塁走者大山は戻ることができず、併殺となった。
 4、5番で作った得点機だったが、今季初得点とはならなかった。


  7回、選手交代を告げる岡田彰布監督。左は近本光司外野手=東京ドーム
 球団初のセ・リーグ連覇を目指す阪神が、88年以来の開幕から 2戦連続の完封負けとなった。
 過去これまで阪神が優勝した年は連敗スタートはなかったが、今年はどうなるか。
 序盤の再三の好機を生かせなかった。初回、一死から2番中野拓夢内野手(27)の右中間 2塁打から二死 1、 3塁の好機をつくるも、5番佐藤輝が左飛。 2回も先頭のノイジーが四球で出塁し二死 3塁まで進むも、得点はできず。 4回は4番大山、佐藤輝の連打から一死 1、 3塁としたが、初球スクイズを敢行した坂本の打球は小フライとなり、巨人岡本和がダイビングキャッチ。スタートを切っていた 3塁走者の大山も戻れず、併殺となった。


 ベンチで浮かない表情の岡田彰布監督=東京ドーム
 先発の大竹耕太郎投手は初回をテンポ良く3者凡退でスタートすると、 3回まで被安打 1。 4回は 2四球がからみ二死満塁のピンチを招いたが、最後は丸を遊飛に打ち取り切り抜けた。しかし 0- 0のまま迎えた 6回、先頭の梶谷に四球を与えると、4番岡本和に先制2ランを被弾。さらに坂本に2者連続本塁打を許し、ここで降板となった。
 代わった桐敷は 3人を打ち取ったが、 7回に3番手で登板した石井が先頭の代打萩尾に右翼への 2塁打を浴びると、自らの失策も絡んでダメ押しの 2点を失った。
 阪神は29日の開幕戦も 0- 4の完封負け。好機をつくりながらもあと 1本が出ない。前回開幕 2戦連続完封負けだったのは88年。当時は広島に 0- 3、 0- 2で敗れ、開幕4連敗だった。今年はどうにか 3戦目で断ち切り、ホームに帰りたい。


 岡田彰布監督(右)は巨人にリードを許し厳しい表情を見せる=東京ドーム
 昨季日本一の阪神が、巨人との開幕カードで2連敗を喫した。しかも 2試合連続の完封負け。開幕 2戦連続完封負けは、球団では88年以来 2度目という珍事だった。
 阪神にとっては嫌な黒星 2つだ。50年の 2リーグ分立後、セ・リーグの優勝チームは昨年の阪神まで74チームある。そのうち開幕2戦連続黒星スタートから優勝したのは、21年の東京ヤクルト(開幕3連敗)など13チーム。しかし、阪神は過去のリーグ優勝6度で、 1度も連敗発進がない。○○、●○のどちらかで、 2戦目までに1勝はしている。 1リーグ時代の 4度の優勝を含めても開幕連敗はない。つまり、連敗発進だと優勝したことがないともいえる。


 開幕2連敗となり険しい表情で引き揚げる岡田彰布監督=東京ドーム
 開幕数試合でシーズンの行方を占うのは時期尚早だが、スタートはいいに越したことがない。セの優勝74チーム中、開幕 3戦(同一カード3連戦でない場合もあり)を勝ち越したのは7割超の52チーム。やはり、好発進しているチームが多い。
 逆に開幕3連敗したとしても、そこから盛り返した例はある。開幕3連敗以上からセ・リーグ優勝したのは過去7チーム。08年の巨人は5連敗しているし、60年の大洋(現横浜DeNA)はなんと開幕6連敗から優勝している。
 開幕カード負け越しが決まった阪神が、今後どんな軌跡を描くのか興味深い。ファンも一喜一憂する 143試合が、今年も始まった。

 

 またも阪神がチャンスで無得点。先発した大竹が 3点を失った直後の 7回。この日スタメンに入った先頭のノイジーが中堅の頭を越える 2塁打で出塁する。一死となって代打・原口が左前打を放って一死 1、 3塁とし、 0点に抑えられていた巨人の先発・グリフィンから反撃のチャンスを作った。
 しかしここで巨人はドラフト1位・西舘(中大)にスイッチすると、代打の糸原は浅い左飛で二死。続く近本も 2球目を右翼へ高々と打ち上げるも、打球はフェンスに体をつけた右翼手のグラブに収まった。これで阪神の無得点は開幕から16イニング連続となった。


  3回、空振り三振に倒れた近本光司外野手=東京ドーム
 阪神が先制のチャンスを生かせなかった。 0― 0で迎えた 4回。先頭の4番・大山と5番・佐藤輝のいずれも今季初安打となる連打で、無死 1、 3塁と先制のチャンスを作る。しかし続くノイジーは外角の直球に手が出ず見逃し三振。一死 1、 3塁となって坂本の初球でスクイズを仕掛けるも、小フライになった打球を巨人の 1塁・岡本和がノーバウンドでダイビングキャッチ。スタートを切っていた 3塁走者の大山はすでに本塁を駆け抜けており、ボールを 3塁へ転送されて 3アウトに。今季最初の得点は持ち越された。

 


  4回、中安打を放った大山悠輔内野手=東京ドーム
 大山悠輔内野手が 4回先頭の第 2打席で今季初安打となる中前打を放った。カウント 2- 1からグリフィンの 135キロカットボールを振り切った。バットを折られながらも打球は中前へ。大山は29日の同戦で4打数無安打3三振。オープン戦終盤は下半身の張りで欠場しており、岡田監督は29日の試合後「ちょっとあした(30日)の状態を見な、分からへんな」と話していた。ファンの不安を一掃する今季初安打。続く佐藤輝も今季初安打でつなぎ、無死 1、 3塁の好機を作ったが、先制点には結びつかなかった。


  4回、安打を放った大山悠輔内野手=東京ドーム
 状態が不安視されていた大山悠輔内野手は「4番・1塁」で先発。 1回に四球で出塁し、 4回には中前に落とす今季の初安打を放った。 3塁まで進み、坂本のセーフティースクイズでスタートを切るも岡本和の好捕でアウトに。「明日いい準備をして、明日に向けて頑張ります」と言い残した。岡田監督は大山の状態について「(本人が)大丈夫言うんやから」と話した。


  2回裏巨人無死 1塁、大山悠輔内野手は坂本勇人内野手の 1邪飛を背走キャッチする=東京ドーム
 大山悠輔内野手が守備で魅せた。 2回無死 1塁、5番坂本が放った 1塁後方ファウルゾーンへのフライだった。大山は懸命に背走し、そのままグラブを伸ばして後ろ向きでキャッチ。左翼席に大挙した虎党からは大きな歓声と拍手が送られた。
 その後は先発大竹が空振り三振、 1ゴロで仕留め、無失点で切り抜けた。
 SNS上でも「守備範囲えぐい」「何年ファーストやったらできるの?」「ナイスキャッチ!!」など称賛の声が寄せられた。


 ベンチで険しい表情の岡田彰布監督(左)=東京ドーム
 大山悠輔内野手が、通常通りフリー打撃を消化した。20スイングのうち 4本をスタンドインさせた。
 アップは別組で行い、入念に体をほぐすと、打撃ケージには森下翔太外野手と同組で、交互に快音を響かせた。
 オープン戦のラスト 4試合を下半身の張りで欠場した大山は、29日の開幕戦で実戦復帰するも、4打数無安打3三振に倒れていた。
 岡田彰布監督も「大山はちょっとなあ。踏ん張れてないなあ。そら万全じゃないなあ。今日のスイングを見とったら、万全じゃないよな」と心配し、30日の出場については「明日の状態見な分からへんな」と話していた。

 

 阪神は巨人戦に 0- 5で敗れた。開幕 2試合連続零封負けは1988年以来、36年ぶり 2度目の屈辱となった。今季初安打を放った佐藤輝明内野手は31日の 3戦目での必勝を誓った。 痛烈な打球が 1、 2塁間を破る。元気のない虎打線において、いま最も頼らなくてはならない男に快音が生まれたのは救いか-。今季初安打も佐藤輝は主軸の自覚をにじませた。
 「(今季初安打は)まあ、よかったんじゃないですか。( 2試合連続無得点は)うーん。何とかしてもっと早めに点を取っていきたいです」
  4回無死 1塁の第 2打席。カウント 1- 2から左腕・グリフィンの 130キロスプリットを振り抜いた。今季 6打席目でともした「H」ランプは先制機を演出する右前打。大砲はパンッと両手をたたいて、ナインをもり立てた。


  4回、右前打で今季初安打をマークした佐藤輝明内野手。次こそ虎を勝たせる=東京ドーム
 いまの虎打線にとって、ホームはこの上なく遠い。下半身の張りでオープン戦終盤を欠場した4番の大山は本調子とは言い難い。3番・森下は 2試合連続無安打といまだ音なし。やはり、現状をひと振りで打破できるのは佐藤輝しかいない。
 オープン戦では打率.270で、3本塁打と6打点はチームトップだった。一時は打率 1割前半まで低迷する時期もあったが、終盤に調子を上げてシーズンに突入。開幕 2戦連続零封負けにも前を向き、表情を引き締め、球場を後にした。
 「いいピッチングして、いいバッティングしないと勝てないので…はい。あしたからも頑張ります」
 〝アレンパ〟を目指す旅路の幕開けから訪れた試練-。輝くそのスイングで、乗り越えてみせる。佐藤輝が待望の初得点と初勝利を虎にもたらす。

 

 点がとれない…。阪神が開幕から 2試合連続で完封負けを喫した。 4回一死 1、 3塁で坂本誠志郎捕手がセーフティースクイズを試みたが、岡本和のダイビングキャッチに阻まれ 1邪飛に。 3塁走者でスタートを切っていた大山悠輔内野手が帰塁できず、ダブルプレーとなった。

  4回表阪神一死 1、 3塁、セーフティスクイズを試みるも 1塁手岡本和真内野手の好捕で 1邪飛併殺に倒れた坂本誠志郎捕手=東京ドーム
 岡田彰布監督は「スクイズちゃうよ」と説明。通常のスクイズとは違い、打球を見てから走者が本塁に走るセーフティースクイズのサインだったことを明かした。それでも、大山は飛球を見て帰塁することができなかった。指揮官は「戻るって。セーフティースクイズやから戻る。行ったらあかんやんか、スクイズちゃうんやから。スタートを切るんちゃうんやから」と疑問符をつけた。

  4回表阪神一死 1、 3塁、坂本誠志郎捕手がセーフティスクイズを失敗し 1邪飛併殺に倒れ、険しい表情の岡田彰布監督=東京ドーム
 坂本は「僕の失敗なので。決めていたら点が入っていた。しっかり練習します」と反省。大山は「明日良い準備をして、明日に向けて頑張ります」と前を向いた。

 


  7回、 2塁打を放ったシェルドン・ノイジー外野手=東京ドーム
 シェルドン・ノイジー外野手が「6番・左翼」で今季初の先発出場。 4回無死 1、 3塁のチャンスはグリフィンの 149キロ直球に見逃し三振だったが、 7回先頭で中堅の頭上を破る 2塁打を放ち、今季初安打を記録。「いい形で試合に出るときに打つことができたので良かった。連敗しましたけれど、しっかりまた勝ち続けていければ」と意気込んだ。

  7回表阪神無死、 2塁打を放ったノイジー外野手。投手:グリフィン投手=東京ドーム
 前川には負けん。シェルドン・ノイジー外野手が初スタメンで存在感を示した。 2回先頭で四球を選び、 7回は中越えの 2塁打。開幕の左翼スタメンは前川に譲ったが、左腕のグリフィン相手にきっちり起用に応えた。
 「いい形で、試合に出た時に打つことができたと思う。連敗してしまったけど、しっかり勝ち続けていければ」とクールに振り返った。当面は併用になりそうだ。

 


  7回、左安打を放った原口文仁内野手=東京ドーム
 原口文仁内野手が今季初打席で勝負強さをみせた。 3点を追う 7回一死 2塁、代打で打席に入ると、追い込まれながらも 3球ファウルで粘り、 7球目を仕留めた。 3遊間を抜くしぶといヒットでチャンスを拡大し、先発・グリフィンを引きずり下ろした。「つないでいきたい場面でヒットが出たのはすごくよかった。一喜一憂せずに、継続的にやっていきたい」。32歳のベテランが、今年も虎を結果と姿勢で引っ張っていく。

  7回表阪神一死 2塁、原口文仁内野手は左前打を放った=東京ドーム
 原口文仁捕手が代打で今季初安打を放った。
  7回一死 2塁、木浪に代わって打席へ。巨人グリフィンから 3遊間を破る左前打を放ち、今季初打席でHランプをともした。「つないでいきたい場面だったので、ヒットが出たのは打席の内容としてはよかったです。準備を続けていきたい」と引き締めた。プロ15年目、好スタートを切った。

 

 大竹耕太郎投手は2者連続本塁打を浴び、 6回途中 3失点で黒星を喫した。 5回まで低めの制球がさえるも暗転したのは 6回。梶谷に四球を与えると、続く岡本和に甘く入った 2球目を捉えられ、中堅へ先制2ランを被弾。続く坂本にも左翼に本塁打を許してマウンドを降りた。投球イニング増を今季の目標に掲げる左腕は「昨年も 6回ぐらいで点を取られる試合が多かった。しっかり反省して次はそうならないように頑張りたい」と課題を見つめ直して次戦に備える。

  1回、先発の大竹耕太郎投手=東京ドーム
 阪神の先発・大竹耕太郎が危なげなく 1回を無失点に抑え、好スタートを切った。先頭のD3位・佐々木(日立製作所)から 1度もバットを振らせずに外角への直球で見逃し三振を奪う。続く門脇は変化球を打たせて遊ゴロ、前夜、本塁打を放っている梶谷も変化球で 2ゴロ。持ち前の緩急で3者凡退の立ち上がりを見せた。

 阪神先発の大竹耕太郎投手=東京ドーム

 阪神の先発・大竹耕太郎投手が 0― 0の 4回、満塁のピンチを無失点で切り抜けた。
 先頭の門脇に遊撃内野安打で出塁を許すと、梶谷の 2ゴロで走者がスタートを切っており一死 2塁。岡本には四球を与えたが、次の坂本を遊ゴロに打ち取り二死 1、 3塁となった。大城にはフルカウントから四球を与え、二死満塁で打席には丸。 3球目に投じた内角への1球で遊飛に打ち取り、大竹はガッツポーズ。ピンチを脱した。


 阪神先発・大竹耕太郎投手は 3失点で降板=東京ドーム
 阪神の先発・大竹耕太郎投手は 6回途中 3失点で降板した。
 抜群の制球で 5回まで無失点と投手戦を演じたが、 0― 0の 6回に暗転した。先頭の梶谷に四球を与え、4番・岡本と 3度目の対戦。甘く入った 2球目を捉えられた。高く舞った打球は中堅スタンドへ届く2ラン本塁打。先制を許すと、続く坂本にも左翼に本塁打を許した。ここで桐敷との交代を告げられ、悔しそうな表情を浮かべながらマウンドを降りた。


  6回裏巨人無死 1塁、中越え先制2点本塁打を放った岡本和真内野手。投手大竹耕太郎投手=東京ドーム

 開幕 2戦目の先発託された大竹耕太郎投手は、 6回途中5安打3失点、90球で降板した。
  5回まで無失点を続けてきたが 6回、先頭の3番梶谷を四球で出塁させると、4番岡本和に 1ボールからの 2球目、 135キロのカットボールを中堅スタンドに運ばれる2ラン。続く5番坂本には 3球目を左翼スタンドへ運ばれた。2者連続本塁打でマウンドを後にした。
 福岡ソフトバンク時代以来、自身 2度目の同球場での登板で、試合前にはマウンドを確認していた左腕。前日29日には「もちろん勝つつもりでいますけど、だからって何か変わるわけでもない。どういう状態であれ、しっかり試合を作っていくことがすごい大事」と意気込み、 5回まで粘りの投球を見せたが、痛恨の2者連続弾を浴びた。


  6回、巨人・坂本勇人内野手に本塁打を許した大竹耕太郎投手=東京ドーム
 東京ドームが異様な空気に包まれた。 4回無死 1塁。大竹耕太郎投手が 1塁にけん制するたび、右翼席の巨人ファンからのブーイングが響いた。
 3番梶谷の打席で計 3度けん制を入れたが、いずれが、そのたびに右翼席からも“けん制”が入った。左翼席の阪神ファンからは大竹を後押しするように拍手が起きていた。

 

 桐敷拓馬投手が 3点を奪われた直後の 6回途中からマウンドに上がった。今季初登板は大城卓を 2ゴロ、丸を空振り三振、吉川を 1飛と危なげなく切り抜け「ホームランで(点を)取られた後だったので、流れを食い止めて、攻撃につなげることが役割。 3人で抑えられたのはよかった」。昨季、岡田監督から〝スペードのエース〟と命名された左腕は今年も安定感抜群だ。

  6回、投球する桐敷拓馬投手=東京ドーム
 桐敷拓馬投手は上々の初登板だった。 6回、大竹が2連発を浴びて 0- 3とされた場面で救援。左打者 3人を危なげなく片付けた。
 勝ちパターンでの起用が想定されるが、岡田監督は「 3点(差)やからまだ分からへんから」と説明した。左腕は「本塁打を打たれた後で、流れもあっちに行っていた。ちゃんと食い止めて攻撃につなぐのが役割だと思った」と胸を張った。

 


 阪神3番手の石井大智投手=東京ドーム
  3点ビハインドの 7回に3番手として登板した石井大智投手は 1回 2失点(自責点 1)だった。先頭の代打・萩尾に右翼線への 2塁打で出塁を許すと、続く打者のバント処理をファンブル。その後、一死 2、 3塁となって松原に 2点適時打を浴びた。後続の岡本和、坂本は連続三振に抑えるも、手痛い駄目押し点を献上。「次があるかどうかもわからないですけど、しっかり修正して臨めたら」と前を向いた。

  7回、佐々木俊輔内野手のバントで失策し、出塁を許した石井大智投手=東京ドーム
 阪神3番手石井大智投手が今季初登板で 2失点を喫した。 3点ビハインドの 7回に登板。安打と自らの失策で一死 2、 3塁とし松原に適時打を浴びた。
 これでオープン戦から3試合連続失点と状態が上がってこない。「次があるか分からないけど、修正できるようにしたい」と誓った。岡田監督は「石井なあ、ちょっとしんどいな。 2ストライクからな、フォークがど真ん中いくんやもんな」と嘆いた。

 

 ノリノリムードの東京ドームが、一瞬静まった。門別啓人投手が今季初登板で 1回1安打無失点の快投を見せた。 5点ビハインドの 8回に登板。初めて味わう伝統の一戦だ。味方が直前に3者凡退に倒れたことも相まり、球場の雰囲気は完全に巨人一色。完全アウェーにも臆することなく、堂々と投げきった。
 「ランナーを出しながらでも、しっかり冷静に投げられたと思う。そこはすごく良かったと思います」


  8回裏から4番手で登板した門別啓人投手=東京ドーム
 一死から丸に左前打を浴びたが、慌てなかった。続く吉川を左飛、代打郡をこの日最速 146キロ直球で空振り三振。「真っすぐの反応は投げていていい感じだと思った」と全12球中10球で直球を投じた。「あとは変化球でカウントを取れれば、もっと楽に投げられると思う」と課題も明確だ。

  8回裏を無失点に抑えた門別啓人投手=東京ドーム
 今季は中継ぎとして開幕1軍入り。昨季は 2試合に登板したが、いずれも 3回以上を投球。 1イニング限りの登板は初めてだった。
 「ずっと、どういう場面で行くのか考えながら(試合を)見ていた。気持ちの準備はできていたので。だから投げられたのかなと思います」
 前日29日には加治屋が 1失点。この日は石井が 2失点を喫した。連日中継ぎで失点を喫した中での好投。春季キャンプから岡田監督から高い評価を受けてきた19歳。指揮官が言う「先発予備1番手」としての立場は変わらないが、リリーフとして臨んだ今季初登板で存在感を示した。

 


  7回、空振り三振に倒れた梅野隆太郎捕手=東京ドーム
 梅野隆太郎捕手が 230日ぶりの打席に立った。昨年は 8月13日の東京ヤクルト戦(神宮)で死球を受けて左尺骨を骨折し、そのまま離脱を強いられた。復帰を目指す今季も春季キャンプ中に右肩の肉離れを発症。懸命なリハビリで22日のウエスタン・くふうハヤテ戦で実戦復帰し、開幕に間に合わせた。 3点を追いかける 7回無死 2塁で登場し、結果は高めの直球で空振り三振だった。梅野はこのあと、そのまま捕手の守備に就いた。

  7回から守備に就いた梅野隆太郎捕手=東京ドーム
 梅野隆太郎捕手が 7回無死 2塁で代打出場。昨年 8月に左尺骨骨折で離脱してから、 230日ぶりに1軍公式戦で打席に立った。結果は空振り三振も「いろいろな感情もありながらのゲームだったので、これをまたスタートにしたい」。そのままマスクを被って、石井、門別をリード。「チームは連敗しているけど、自分たちがやるべきことは変わらないと思う。みんな同じ方向を向いているので、一生懸命やっていきたいですね」と前を見た。

 


 キャッチボールを行う才木浩人投手=東京ドーム
 31日の巨人戦(東京ドーム)に先発する才木浩人投手(25)はキャッチボールなどで調整した。「(状態は)問題ない。すんなりゲームに入れるので、しっかり投げれればいいかなと思います」」。昨季は19試合に登板してキャリアハイの8勝(5敗)をマークした右腕は、 2年連続で開幕 3戦目のマウンドに上がる。
 巨人戦に限ると 5試合で3勝1敗、防御率2.56と好相性。阿部新監督に代わった巨人打線に対し「足(を使った攻撃)がありそうなので、そこだけノーマークにしないように」と警戒しながら、「あとは基本的に自分のピッチングできたらいいかなと思っている。昨日のヤギ(青柳)さんもすごく攻めていったんで、自分もしっかり攻めて。真ん中めがけて腕を振って、しっかり投げるぐらいの気持ちでいければ」」と意気込んだ。

 

※ 3月31日の予告先発は、巨人・高橋礼投手(28)―阪神・才木浩人投手(25)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 日程表と結果(02月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(03月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

 

 

 

 

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