●阪神は 2試合連続で守備のミスから失点し、オープン戦は8連敗となった。先発した富田蓮投手(22)は 4回4安打2失点。 0- 2の 4回に前川右京外野手(20)が反撃の適時 2塁打を放つと、小幡竜平内野手(23)が犠飛で一時同点に追いついた。しかし、 7回に登板した岩貞祐太投手(32)が乱調。先頭を四球で歩かすと、バスターを仕掛けてきた松本直樹捕手(30)を投ゴロに打ち取るも、 2塁への悪送球、さらに送りバントの構えを見せる赤羽由紘内野手(23)には四球と無死満塁とされた。濱田太貴外野手(23)に死球で勝ち越しを許し、北村拓己内野手(28)の犠飛、岩田幸宏外野手・育成選手(26)の中前打でこの回 3失点。守備のミスからリズムを作れず、勝てない日々が続いている。敵に塩を送るような投球を岡田彰布監督(66)はしかめっ面で見つめた。試合途中に襲った雪は不吉な前兆だったのか-。計 9四死球と乱れて散られては、虎将はリリーフを再考するしかなかった。うだつの上がらない岩貞と、 1回無失点と抑えながらもすべて捉えた打球を飛ばされて、指揮官が「真っすぐも腕振れてないし。なんかあったんかなと思ったよ。たまたま抑えただけやろ」と評したD2位・椎葉(21=四国IL・徳島)は 2軍降格となる可能性が高い。中継ぎ陣において、開幕 1軍に当確ランプがともっているのは右投手だとハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)、岡留英貴投手(24=亜細亜大學OB)、石井大智投手(26)、加治屋蓮投手(32)。左は岩崎優投手(32)、桐敷拓馬投手(24)、島本浩也投手(31)か-。「5.3」にしろ「4.4」にしろ、残された枠、そして時間は少ない。指揮官の言葉を借りれば、ふるいにかけるゲームは10日の巨人戦(甲子園)を残すのみ。〝オカダの目〟に留まるために、ブルペンから全力で〝結果〟を求めていくしかない。
●阪神の先発、富田蓮投手は 4回 2失点と粘った。当初先発予定だった才木浩人投手(25)が発熱のため調整が遅れ、チャンスをつかんだ 2年目左腕は 1回を三者凡退と好発進。 2回は先頭の村上宗隆内野手(24)を遊飛に打ち取ったが、続く内山壮真捕手(21)に左翼へソロ本塁打を浴びて 1点を失った。 3回は一死から 2つの四球でピンチを招き、北村恵吾内野手(23)に左前適時打を浴びてさらに 1失点。 4回も四球と安打から一死 2、 3塁とピンチを招いたが、なんとか後続を断った。 3四球で 4回まで83球を要する苦しい投球となった。岡田彰布監督が先発した富田蓮投手の中継ぎ配置プランを示唆した。昨季は中継ぎとして開幕 1軍スタートし、 5月に先発転向した左腕。今後の起用法については再びリリーフとして配置するプランも示唆した。
●阪神D2位・椎葉剛投手が 5回に2番手で登板。プロ初の連投に臨み、打球を捉えられながらも 1イニングを無失点で切り抜けた。 8日の同戦に続く連投で 1回を三者凡退に抑えた。先頭の濱田太貴外野手(23)に続き、北村の当たりも左翼への飛球となったがシェルドン・ノイジー外野手(29)が飛び上がって捕球。塩見泰隆外野手(30)も左飛に抑えて笑顔をみせた。 2試合連続の無失点とするもまだ本調子からは遠いことをうかがわせた。
●阪神新外国人のハビー・ゲラ投手が 6回に登板し、三者凡退に抑えた。二死からは長岡秀樹内野手(22)を来日最速となる 156キロの直球で空振り三振に奪うとガッツポーズ。オープン戦は3試合連続無失点。球速もさることながら評価がうなぎ上りなのは制球力の高さ。殊勝だった。岡田監督も信頼感をにじませた。
● 9回に6番手でマウンドに上がった島本浩也投手は 1回無失点。一死から四球と安打で 1、 2塁とされるも、岩田と武岡龍世内野手(22)をフォークで空振り三振、 2ゴロに仕留めてピンチを断った。オープン戦 2度目の登板も無失点としたが、課題を口にした。
●「7番・右翼」で出場した前川右京外野手(20)は適時 2塁打を含む 2安打とアピール。 8日の守備のミスを取り返し、ライバルに食らいつこうと攻守で奮起した。開幕左翼争いはシェルドン・ノイジー外野手との一騎打ちの様相。もう、右京は一歩も引かない!握りしめたバットを巻きつけるような勢いで、前川が体を一気に回転させてボールを捉えた。打球は速度を失うことなく右翼線へ一直線。開幕スタメンを目指す若虎が汚名返上の働きで攻守に躍動し、左翼のポジション争いでノイジーとの〝一騎打ち〟に持ち込んだ。輝きを放ったのは 0― 2の 4回一死 1、 2塁の好機で迎えた第 2打席。東京ヤクルトの先発・吉村貢司郎投手(26)が内角低めに投じたスライダーに反応し、思い切り引っ張ってライン際を破る適時 2塁打とした。 9回に迎えた最後の打席でも右前打を放ってオープン戦初のマルチ安打。前川右京外野手がトリックプレーで追加点を防いだ。 2点ビハインドの 4回、一死 2、 3塁で8番松本直のライナー性の打球が右翼へ。この日「7番右翼」で先発出場の前川は直接捕球と見せかけ、打球を前に落としキャッチ。  3塁走者の内山は一度 3塁に戻りかけて滑り、打球が落ちたことを確認して再び本塁へ。だが、本塁タッチアウト。 3点目は許さなかった。バットでも 2安打で貢献した。 4回裏一死 1、 2塁で右翼へ適時 2塁打。 9回にも右前打を放ち、攻守で甲子園を沸かせた。
●中野拓夢内野手(27)は 3回一死 1、 2塁で 2飛に倒れるなど 4打数無安打。調整面での収穫を口にした。この日 3万 162人もの観衆が詰めかけた中、連敗がオープン戦のチーム連敗が8に伸びた。選手会長らしく気合を入れた。中野拓夢内野手が今季初の甲子園での「伝統の一戦」となる10日巨人戦の必勝を誓った。ナインの思いを代弁した。
●大山悠輔内野手(29)は 2安打した 3日の北海道日本ハム戦(札幌ドーム)以来、 3試合ぶりとなるオープン戦 2度目のマルチヒット。 2回先頭では吉村から左翼へ 2塁打。 4回にも先頭で左前打を放った。全力疾走などハードなプレーを続け、開幕に照準を合わせていく。主砲が持ち前の全力疾走でオープン戦開幕から7連敗中のチームを鼓舞した。
●小幡竜平内野手が屈辱を乗り越え再出発だ。 8日の東京ヤクルト戦では、 8回に 1イニング 2失策を犯し 5点差を一気に逆転される要因を作った。「8番・遊撃」で先発出場したこの日は 1回に北村拓のゴロを慎重にさばくと、 6回には投手のグラブを弾いた当たりを素早くカバーして 1塁送球。間一髪でアウトに仕留めた。起用に感謝した。
●春季キャンプ中に右肩の肉離れを発症した梅野隆太郎捕手(32)が 9日、鳴尾浜で故障後、屋外で初めて本格的なキャッチボールを行った。前日 8日には病院で診察を受け、順調に回復していることを確認。岡田彰布監督は、投げられる状態でさえあれば開幕1軍メンバーとする方針を明かした。「3.29」に迫る巨人との開幕戦メンバーに、背番号2が不在という最悪の事態は回避できる見通しとなった。梅野は鳴尾浜の屋外でキャッチボールを再開。予定より10メートル伸ばし、30メートルほどの距離でボールを投げた。開幕まで 3週間を切った。ここから急ピッチで仕上げていく。
●10日の阪神-巨人(甲子園)がオープン戦としては極めて異例の「大入り」となる見込みであることが 9日、分かった。甲子園球場関係者が「4万人を超える」と説明。左翼外野席、左翼ビジター席の当日券は発売される予定だが、週末に開催される伝統の一戦とあって、多くの虎党が本拠地に足を運ぶことになる。岡田監督は、調整の場だという姿勢を崩していないが、スタンドを満員の虎党が埋め尽くすのであればなんとしても勝利で飾りたいところだ。 3月29日の開幕戦の前哨戦であるだけでなく、開幕前最後の甲子園でのゲームともなる「伝統の一戦」。ファンが待ち望む今季初勝利をつかむ。

記事をまとめてみました。

 

※時間は、実際の終了時間と異なります。

 

 オープン戦<阪神 2- 5東京ヤクルト>◇ 9日◇阪神甲子園球場
 阪神は 2試合連続で守備のミスから失点し、オープン戦は8連敗となった。先発した富田は 4回4安打2失点。 0- 2の 4回に前川右京外野手が反撃の適時 2塁打を放つと、小幡が犠飛で一時同点に追いついた。しかし、 7回に登板した岩貞が乱調。先頭を四球で歩かすと、バスターを仕掛けてきた松本直を投ゴロに打ち取るも、 2塁への悪送球、さらに送りバントの構えを見せる赤羽には四球と無死満塁とされた。濱田に死球で勝ち越しを許し、北村拓の犠飛、岩田の中前打でこの回 3失点。守備のミスからリズムを作れず、勝てない日々が続いている。


  7回表、ベンチで渋い表情の岡田彰布監督=西宮市・阪神甲子園球場
 敵に塩を送るような投球を岡田彰布監督はしかめっ面で見つめた。試合途中に襲った雪は不吉な前兆だったのか-。計 9四死球と乱れて散られては、虎将はリリーフを再考するしかなかった。
 「 5- 3(右 5人、左 3人)になるかも分からんで。 8人やからな。そらな、 3、 4人は削らなアカンわけやからな」
  2月の春季キャンプから理想として掲げていたのが右投手 4人、左投手 4人のプルペン構成だった。しかし、この日その理想ははかなくも散る。その象徴が 7回に登板した岩貞だ。
 「そら、四球の数やで。そんなもんは。ヒットと一緒やからなあ。ましてや先頭への四球なんか、そらお前、絶対に点になるよ。終盤とかになるとな」
  2- 2の場面でマウンドを託された左腕は、先頭の増田に四球。自らの悪送球で無死 1、 2塁とすると、赤羽にまた四球で満塁とした。濱田には押し出し死球で決勝点を献上。 1回 1安打ながら 3四死球で 3失点の乱調に岡田監督は厳しい言葉を続けた。
 「今こうやって見極めて、だんだん( 2軍に)落としていかなあかんわけやから、それだけのことやで。今はそういう時期やんか」


  7回、東京ヤクルト・濱田太貴外野手の死球押し出しで勝ち越しを許し、唇をかむベンチの岡田彰布監督=西宮市・阪神甲子園球場
 うだつの上がらない岩貞と、 1回無失点と抑えながらもすべて捉えた打球を飛ばされて、指揮官が「真っすぐも腕振れてないし。なんかあったんかなと思ったよ。たまたま抑えただけやろ」と評したD2位・椎葉(四国IL徳島)は 2軍降格となる可能性が高い。
 「投手はブルペンのボールを見たらある程度判断できるよ。ずっと言うてるやん。俺が言うてる目が正しかったなって思うよ。はっきり言うて」
 中継ぎ陣において、開幕 1軍に当確ランプがともっているのは右投手だとゲラ、岡留、石井、加治屋。左は岩崎、桐敷、島本か-。「5.3」にしろ「4.4」にしろ、残された枠、そして時間は少ない。
 「いやもう、見極めなんて、そんな( 3月12日からの遠征に)つれていけへんよ。いけへんいけへん、そんなん」
 指揮官の言葉を借りれば、ふるいにかけるゲームは10日の巨人戦(甲子園)を残すのみ。〝オカダの目〟に留まるために、ブルペンから全力で〝結果〟を求めていくしかない。


  7回表ヤクルト無死 1塁、岩貞祐太投手は松本直樹捕手の打球を 2塁へ悪送球=西宮市・阪神甲子園球場
 阪神がオープン戦の球団ワースト記録を更新する開幕8連敗を喫した。
 14年のオープン戦では初戦に引き分けてから7連敗を喫していたが、これを超えた。前年のリーグ優勝チームがオープン戦開幕8連敗は、オープン戦の記録が残る65年以降では初の珍事。この日は今春初めてアルプス席が開放され、今季最多 3万 162人の観衆が入ったゲーム。気温10℃を下回る寒空のもと観戦した虎党から、ため息がもれた。
 先発の富田蓮投手は 4回 2失点。初回の立ち上がりこそ三者凡退で発進したが、 2回はヤクルト内山にソロ本塁打を浴びた。 4安打 3四球ながらピンチで粘り、試合をつくった。


  7回、 2塁へ悪送球する岩貞祐太投手。実績ある左腕の調子が上がらず、将は嘆き節だ=西宮市・阪神甲子園球場
 打線は 4回に前川右京外野手の適時 2塁打で反撃。小幡竜平内野手の犠飛で同点に追いついた。前日 8日に大量失点の要因となる失策を犯していた若武者が、汚名返上とばかりに躍動した。
 ドラフト2位の椎葉剛投手が 5回から登板し、プロ初の連投で 1イニング無失点。新助っ人のハビー・ゲラ投手が 6回に投げ三者凡退の無失点に抑えるなど、各投手も調整に励んだ。
 4番手の岩貞祐太投手が乱調だった。 7回から登板。四球と自らの失策で無死満塁とすると、濱田に押し出し死球で失点。北村拓には犠飛を許し、育成の岩田には適時打を浴びた。 3失点でビハインドを許し、反撃できなかった。

 


  4回 2失点の富田蓮投手=西宮市・阪神甲子園球場
 阪神の先発、富田蓮投手は 4回 2失点だった。
 当初先発予定だった才木が発熱のため調整が遅れ、チャンスをつかんだ 2年目左腕は 1回を三者凡退と好発進。 2回は先頭の村上を遊飛に打ち取ったが、続く内山に左翼へソロ本塁打を浴びて 1点を失った。 3回は一死から 2つの四球でピンチを招き、北村に左前適時打を浴びてさらに 1失点。 4回も四球と安打から一死 2、 3塁とピンチを招いたが、なんとか後続を断った。 3四球で 4回まで83球を要する苦しい投球となった。


 東京ヤクルト戦に先発した富田蓮投手=西宮市・阪神甲子園球場

 富田蓮投手が 4回 2失点と粘った。当初先発予定だった才木が発熱したため回ってきた機会。初回は三者凡退も、その後は内山にソロを浴びるなど無失点とはならなかった。岡田監督は「チャンスかも分からんけど、ちょっとかわいそうな面もあったしな。しゃあないやん。才木に文句言いたいねん(笑い)」とかばい、今後は中継ぎ起用も示唆。 2年目左腕は「(ボールの)強さで押していけたらもっと楽になる」と前を向いた。

 東京ヤクルト戦に先発した富田蓮投手=西宮市・阪神甲子園球場
 オープン戦で初先発となった富田蓮投手は 4回 4安打 2失点。 3四球と制球が安定しなかった。立ち上がりは三者凡退で滑り出したが、 2回に内山に先制の左越えソロを許すと 3回には四球 2つで招いた一死 1、 2塁から北村拓のタイムリーで追加点を奪われた。「 3回の点の取られ方は今後の課題としてなくせるようにしたい」と反省した。


  1回、ベンチに戻る富田蓮投手、藤田健斗捕手バッテリー=西宮市・阪神甲子園球場
 岡田彰布監督が先発した富田蓮投手の中継ぎ配置プランを示唆した。初回は三者凡退の全く危なげない投球を見せたが、 2回以降に失点。 4回 4安打 2失点で降板した。
 指揮官は「ええボール初回投げとったけど、やっぱ変化球でストライク取れるとか、そういうのが球種も含めてやけどな。今日でもやっぱり、球数増えてきたらガクッと落ちるもんな、ストレートでもな」と内容についてコメント。昨季は中継ぎとして開幕 1軍スタートし、 5月に先発転向した左腕。今後の起用法については「今日のボール見とったら俺は(戦力に))なると思うよ。短いイニングやったらいけるんちゃうかなと思たよ」と再びリリーフとして配置するプランも示唆した。

 


  5回、2番手で登板した椎葉剛投手=西宮市・阪神甲子園球場
 阪神D2位・椎葉剛投手が 5回に2番手で登板。 8日の同戦に続く連投で 1回を三者凡退に抑えた。先頭の濱田に続き、北村の当たりも左翼への飛球となったがノイジーが飛び上がって捕球。塩見も左飛に抑えて「ノイジーさん、ありがとうございます」と笑顔をみせた。 2試合連続の無失点とするも「真っすぐが走らない。いい方向に向かっていけば」とまだ本調子からは遠いことをうかがわせた。

  5回、ベンチに戻る椎葉剛投手=西宮市・阪神甲子園球場
 阪神ドラフト2位椎葉剛投手がプロ初の連投に臨み、打球を捉えられながらも 1イニングを無失点で切り抜けた。
 東京ヤクルト戦の 5回に登板。鋭い当たりを飛ばされながらノイジーの好捕もあり、 3つの左飛で三者凡退に抑えた。それでも「真っすぐが走らないです」と悔しげ。岡田監督の採点も「今日は全然腕振れてないもんな。なんかあったんかなと思ったよ。たまたま抑えただけやろ、今日なんかな。あんなええ打球打たれてな」と厳しかった。

 


  6回、3番手で登板したハビー・ゲラ投手=西宮市・阪神甲子園球場
 阪神新外国人のハビー・ゲラ投手が 6回に登板し、三者凡退に抑えた。二死からは長岡を来日最速となる 156キロの直球で空振り三振に奪うとガッツポーズ。「ちょっと気持ちがたかぶったんだ」とはにかんだ。オープン戦は3試合連続無失点。球速もさることながら評価がうなぎ上りなのは制球力の高さ。「もう少し狙ったところにきちっと(投げる)というのは必要。シーズンに向けて精度を高めていきたい」と殊勝だった。


  6回、ガッツポーズでベンチに戻るハビー・ゲラ投手=西宮市・阪神甲子園球場
 阪神の守護神候補でもある新助っ人ハビー・ゲラ投手が不変の安定感を見せた。
  9日東京ヤクルト戦(甲子園)は 6回に登板。最速 156キロを計測した直球に勝負球スライダーを織り交ぜ、 2奪三振でピシャリと 3人斬りした。
 計 9四死球と制球難が目立った投手陣の中、この日のストライク率は75%。 2度目となった甲子園での登板にも「前回よりも、もちろん慣れた部分もある。回数を重ねるごとに慣れてくると思うし、いろんな球場でも早く慣れていきたいね」と頼もしい。
 オープン戦は 3戦連続無失点。岡田監督も「ブルペンでも崩れへんもん。ボールなっても低い球しかいかんっていうかな、低めに。それをずっと、ゲームの中でもそういう感じで投げてるわけやからさ。思ってる通りのピッチングしてくれてるわけやもんな、結局は」と信頼感をにじませた。

 


  9回、登板した島本浩也投手=西宮市・阪神甲子園球場
  9回に6番手でマウンドに上がった島本浩也投手は 1回無失点。一死から四球と安打で 1、 2塁とされるも、岩田と武岡をフォークで空振り三振、 2ゴロに仕留めてピンチを断った。オープン戦 2度目の登板も無失点としたが、「本当はもっと真っすぐを投げたいんですけど、状態がなかなか(上がらない)。変化球は問題ないんですけど。真っすぐの強さをもっと上げていかないと」と課題を口にした。

  9回、6番手で登板した島本浩也投手=西宮市・阪神甲子園球場
 腰の張りを訴えていた島本浩也投手が、復帰戦で 1回無失点と踏ん張った。
 東京ヤクルト戦で 9回に登板。患部の違和感を訴えた 2月24日東京ヤクルト戦(浦添)以来のマウンドだ。四球と右前打で一死 1、 2塁を招いたが、空振り三振と 2ゴロでゼロ封。それでも「真っすぐの状態がなかなか(上がっていない)。変化球は問題ないんですけど、真っすぐの強さをもっと上げていかないといけない」と課題を口にした。

 

 阪神は 9日、東京ヤクルトとのオープン戦(甲子園)に 2― 5で敗れた。球団ワーストを更新するオープン戦開幕8連敗となった中で、「7番・右翼」で出場した前川右京外野手は適時 2塁打を含む 2安打とアピール。 8日の守備のミスを取り返し、ライバルに食らいつこうと攻守で奮起した。開幕左翼争いはシェルドン・ノイジー外野手との一騎打ちの様相。もう、右京は一歩も引かない!
 握りしめたバットを巻きつけるような勢いで、前川が体を一気に回転させてボールを捉えた。打球は速度を失うことなく右翼線へ一直線。開幕スタメンを目指す若虎が汚名返上の働きで攻守に躍動し、左翼のポジション争いでノイジーとの〝一騎打ち〟に持ち込んだ。


  4回、右翼線へ適時 2塁打を放った前川右京外野手。このまま左翼レギュラーを引き寄せる=西宮市・阪神甲子園球場
 「 1打席目もチャンスで回ってきて、次もチャンスで回ってきたので、何とかして事を起こすじゃないですけど、ちゃんとつなげるという気持ちで入りました」
 輝きを放ったのは 0― 2の 4回一死 1、 2塁の好機で迎えた第 2打席。東京ヤクルトの先発・吉村が内角低めに投じたスライダーに反応し、思い切り引っ張ってライン際を破る適時 2塁打とした。 9回に迎えた最後の打席でも右前打を放ってオープン戦初のマルチ安打。集中力を切らさず「最後の打席にもう一本出たので次につながる」とうなずいた。


  4回裏阪神一死、前川右京外野手は右へ適時 2塁打を放った。投手は吉村貢司郎投手=西宮市・阪神甲子園球場
 前川右京外野手がトリックプレーで追加点を防いだ。
  2点ビハインドの 4回、一死 2、 3塁で8番松本直のライナー性の打球が右翼へ。この日「7番右翼」で先発出場の前川は直接捕球と見せかけ、打球を前に落としキャッチ。  3塁走者の内山は一度 3塁に戻りかけて滑り、打球が落ちたことを確認して再び本塁へ。だが、本塁タッチアウト。 3点目は許さなかった。


  4回裏阪神一死、前川右京外野手は右へ適時 2塁打を放った。投手は吉村貢司郎投手=西宮市・阪神甲子園球場
 「ノーバンで無理かなと思ったので、フェイントやって、カットまでつなげられた。落ち着いてできたのでよかったかなと思います」と瞬時の判断が功を奏した。
 前日 8日の東京ヤクルト戦(甲子園)では 8回、右翼ファウルゾーンへの飛球を落球。小幡竜平内野手の適時失策なども絡み、 1イニング 4失策で 6失点し逆転負けを喫していた。


  4回裏阪神一死、前川右京外野手は右へ適時 2塁打を放った=西宮市・阪神甲子園球場
 「昨日、本当にチームにも悪いことをしてしまった。ちゃんと 1日 1日、チームのために貢献できるようなプレーをこれからもしたい」と反省を忘れなかった。
 バットでも 2安打で貢献した。 4回裏一死 1、 2塁で右翼へ適時 2塁打。 9回にも右前打を放ち、攻守で甲子園を沸かせた。

 


  3回裏阪神一死 1、 2塁、中野拓夢内野手は 2飛に倒れる=西宮市・阪神甲子園球場
 中野拓夢内野手は 3回一死 1、 2塁で 2飛に倒れるなど 4打数無安打。「悪い感覚はあまりない。打席の中でしっかり振ることはできた。振った中でとらえるという確率を上げていければ」と調整面での収穫を口にした。この日 3万 162人もの観衆が詰めかけた中、連敗がオープン戦のチーム連敗が8に伸びた。選手会長らしく「なんとか、皆さんの前で勝ち試合を見せられるようにチーム一丸となって頑張りたい」と気合を入れた。

  3回、ベンチに戻る中野拓夢内野手=西宮市・阪神甲子園球場
 中野拓夢内野手が今季初の甲子園での「伝統の一戦」となる10日巨人戦の必勝を誓った。
 チームはオープン戦開幕8連敗。10日のゲームは満員状態が予想され、オープン戦では異例の 4万人が入場する可能性もある。「なかなかファンの皆さんの前で勝ちを見せられていないので、何とか見せられるように、チーム一丸となって頑張りたいと思います」とナインの思いを代弁した。

 


  4回、安打を放った大山悠輔内野手=西宮市・阪神甲子園球場
 大山悠輔内野手は 2安打した 3日の北海道日本ハム戦(札幌ドーム)以来、 3試合ぶりとなるオープン戦 2度目のマルチヒット。「反省するところも多くあったので、しっかりまた鍛えていきます」と誓った。 2回先頭では吉村から左翼へ 2塁打。 4回にも先頭で左前打を放った。全力疾走などハードなプレーを続け、開幕に照準を合わせていく。

  2回、 2塁打を放った大山悠輔内野手=西宮市・阪神甲子園球場
 大山悠輔内野手が激走でチャンスメークだ。
  0― 1の 2回先頭で打席へ。カウント 3― 1から吉村の 145キロ直球を捉えた。打球を左翼・増田が目測を誤り、大山は 2塁へ(記録はヒット)。続く佐藤輝は初球を打ち上げると、大山は 3塁へタッチアップを試みた。ほぼ定位置のセンターから送球は 3塁へ。判定はセーフ。東京ヤクルトがリクエストを要求も判定は変わらなかった。
 後続は倒れ、同点にはならなかったが、主砲が持ち前の全力疾走でオープン戦開幕から7連敗中のチームを鼓舞した。

 


  4回、犠牲フライを放った小幡竜平内野手=西宮市・阪神甲子園球場
 小幡竜平内野手が屈辱を乗り越え再出発だ。 8日の東京ヤクルト戦では、 8回に 1イニング 2失策を犯し 5点差を一気に逆転される要因を作った。「8番・遊撃」で先発出場したこの日は 1回に北村拓のゴロを慎重にさばくと、 6回には投手のグラブを弾いた当たりを素早くカバーして 1塁送球。間一髪でアウトに仕留めた。「切り替えていいイメージで臨んだ。初回に(打球が)飛んできてくれて、そこから落ち着いてできた」と息をついた。


  4回裏阪神一死 2、 3塁、小幡竜平内野手は中犠飛を放った=西宮市・阪神甲子園球場
 前日 2失策の阪神小幡竜平内野手が汚名返上の犠飛を放った。「8番遊撃」で先発。 4回一死 2、 3塁では一時同点となる中犠飛を決めた。
  8日東京ヤクルト戦では 8回に自身の悪送球と後逸が絡み、 1イニング 4失策 6失点から逆転負けを喫していた。この日は初回に遊ゴロを冷静にさばくと、その後は安定した守備を披露。「良いイメージでいきました。スタメンで初めから行かせてもらったので良かったです」と起用に感謝した。

 

 春季キャンプ中に右肩の肉離れを発症した梅野隆太郎捕手が 9日、鳴尾浜で故障後、屋外で初めて本格的なキャッチボールを行った。前日 8日には病院で診察を受け、順調に回復していることを確認。岡田彰布監督は「開幕からいくつもりでおるよ」と明かし、投げられる状態でさえあれば開幕1軍メンバーとする方針を明かした。
 「3.29」に迫る巨人との開幕戦メンバーに、背番号2が不在という最悪の事態は回避できる見通しとなった。梅野は鳴尾浜の屋外でキャッチボールを再開。予定より10メートル伸ばし、30メートルほどの距離でボールを投げた。
 「しっかり肩を回して足を使って投げられた。あしたは(距離を)さらに伸ばしていけたら」


 開幕へ、青信号がともった梅野隆太郎捕手。急ピッチで間に合わせる
 春季キャンプ中の 2月22日、シートノック中に右肩付近の痛みを訴え、翌23日に右肩の肉離れと診断を受けた。キャンプ打ち上げ後は鳴尾浜でリハビリと調整を続けてきたが、 3月 2日には屋外でのフリー打撃を再開。この日も屋外でのキャッチボールを終えると室内で打撃練習を行った。
 実戦復帰の時期については「わからんよ。無理して再発するのが一番怖いから。それだけは気を付けながらトレーナーと話し合って、自分の感覚と照らし合わせてやりたい」と話すにととどめたが、 8日に病院で検査を受けて順調な回復ぶりだったという。


 梅野隆太郎捕手=バイトするならエントリー宜野座スタジアム(宜野座村営野球場 2024年 2月撮影)
 どれくらいで実戦に戻れそうか、と問われた岡田監督は「実戦て、そら開幕からいくつもりでおるよ」と語り、実戦うんぬんではなく呼ぶつもりだと明言。「もうバッティングをしているわけやからな。(全力で)投げられるようになったらこっち( 1軍)に呼ぶよ」と続けた。梅野を欠き開幕8連敗となったオープン戦では、大卒 4年目の榮枝らを起用するもリード面での経験不足を露呈。梅野&坂本が「ディフェンス重視」を掲げる岡田野球に欠かせない存在だということを再認識させられた期間でもあった。
 梅野も「もちろん一日も早く( 1軍に)戻りたいのが一番。きょうは、やっと野球ができることに一歩近づいたスタート(の日)」と力強く語った。開幕まで 3週間を切った。ここから急ピッチで仕上げていく。


 梅野隆太郎捕手=バイトするならエントリー宜野座スタジアム (2024年 2月撮影)
 右肩の肉離れで 2軍調整中の梅野隆太郎捕手が、開幕 1軍に間に合う可能性が 9日、高くなった。
 この日、鳴尾浜でキャッチボールを再開。すでに屋外でのフリー打撃も開始しており、東京ヤクルトとのオープン戦を終えた岡田彰布監督が「そら開幕からいくつもりでおるよ」と明言した。「それはもう、バッティングしているわけやからな。投げられるようになったらこっちに呼ぶよ」と送球さえクリアすれば、 1軍に招集する見込み。前日 8日に検査を受けたといい「昨日もちょっとな、検査とかもしとったみたいやけど。それである程度、良くなっているっていうので安心したんやろ」と明かした。
 梅野は春季キャンプ中の 2月22日に右肩の肉離れを発症。 3日にはフリー打撃を行っており、回復に向かっている。