●阪神は東京ヤクルト戦(甲子園)に 5- 6で敗れ、オープン戦は球団ワーストとなる初戦から7連敗となった。先発した青柳晃洋投手(30)が 4回1安打無失点と好投した。 7日の激励会で岡田彰布監督(66)から2年連続の開幕投手に指名された右腕は持ち前の打たせて取る投球でゴロを量産。大役任命に結果で応えた。打線は 1回に4番・大山悠輔内野手(29)が先制打を放つと、その後も安打を量産し、12安打5得点。しかし、悪夢は 5- 0で迎えた 8回。二死 1塁から右翼の前川右京外野手(20)がファウルフライを落球すると、満塁で遊撃・小幡竜平内野手(23)が悪送球。中堅・森下翔太外野手(23)が落球、小幡が今度はファンブルと 1イニング 4失策で一気に逆転された。阪神はこれでオープン戦は開幕から7連敗。オープン戦とはいえ、不安の残る内容が続いている。ミス連発で、 1万7073人の観客からはどよめきが…。
●開幕投手に指名された翌日のマウンドで、青柳晃洋投手が 4回を 1安打無失点。今年初めての甲子園で好投した。直球は最速 144キロ。 3三振を奪い、ゴロアウトは 7つと、力と技を織り交ぜて、復調を印象付けた。臀部の張りのため、実戦マウンドは 2月17日の東北楽天との練習試合(宜野座)以来、今春 2度目。重圧の中でのマウンドだったが、気迫が上回った。 7日の球団激励会のあいさつでサプライズ指名した岡田監督は不安なし。 2年連続で大役を任せることになるが太鼓判を押した。このまま中 6日で登板を重ねれば、本番までは残り 2戦。2年連続の開幕星へ、死角はない。
●オリックスから現役ドラフトで加入した漆原大晟投手(27)が 5回に2番手で甲子園初登板。甲子園デビューを 1回無安打無失点で飾った。 2月の実戦から 6試合に登板して防御率1.50とアピールを続ける右腕はこれからもスコアボードに〝0〟を刻む。オープン戦は 2試合ぶりの無失点投球となった。
● 7回に登板した阪神D2位・椎葉剛投手(21=四国IL・徳島インディゴソックス)は 1回無失点で甲子園デビューを飾った。二死を奪うまでの 7球は全て真っすぐで挑んだが、出力にはまだまだ不満足だ。一方、桐敷拓馬投手(24)に握りを教わった新球のフォークで宮本丈内野手(28)から空振り三振を奪い、精度向上を目指す。
●中13日で 8回に登板した桐敷拓馬投手は 1回で46球を要し、3安打6失点(自責0)と乱れた。味方の4失策に足を引っ張られる形となったが、2四球の制球難にも目を向けた。打者との対戦を通して課題の修正に取り組む。
● 9回に登板した岡留英貴投手(24=亜細亜大學OB)は自ら招いたピンチを脱出し、 1回無失点だった。中11日の登板は二死から連打を浴びたが、濱田太貴外野手(23)を直球で左邪飛に抑えた。1軍戦力としてさらに信頼されるように、腕を振る。今季初めての甲子園での登板に手応えをつかんだ。
●日本一打線がいよいよお目覚めだ。昨季38年ぶりの日本一を達成した野手 8人に7番井上広大外野手(22)を加えた豪華メンバーが、 3回までに10安打5得点と一気につながった。今春オープン戦でチーム初の 2桁安打を記録。打線は6連敗中の 6試合で計32安打14得点と湿り気味だったが、開幕 3週間前にきて上昇気配が漂ってきた。
初回は上位打線発の「黄金パターン」で先制点を奪った。東京ヤクルト石川に対し、1番近本が 5球目の内角高めをとらえて左前打。2番中野も失策で出塁し、一死 2、 3塁に好機を広げる。4番大山は 131キロ直球をはじき返し、痛烈なライナーで左前に適時打を決めた。
 1点リードの 2回では下位打線発の「黄金パターン」も発動させた。一死から8番木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)が右前打で出塁し、1番近本の右前適時打で追加点。下位打線から得点につなげる流れは今季も健在だ。近本は2打数2安打1打点と好調。シーズンでも戦うベテラン左腕との対戦で手応えをつかんだ様子だ。岡田監督は主力への厚い信頼を言葉にした。24年も虎打線は「つなぎ」がテーマになりそうだ。
●近本光司外野手(29)が 1回先頭で左前打を放ち、先制点をお膳立てした。好機演出に自ら決める一打とバットで魅せた。オープン戦は打率.316と好成績をキープ。虎のリードオフマンは問題なく調整を進めている。
●頼もしく帰ってきた選手会長が快音を響かせる。日の丸を背負ってからわずか数時間後。縦じまのユニホームを身にまとい、中野拓夢内野手(27)が本拠地・甲子園で存在感を放った。ナイターで行われた侍ジャパン強化試合(京セラドーム)から一夜明け、午後 1時開始のオープン戦で虎の「2番・2塁」には中野の名前があった。日本代表として出場した 7日の欧州代表との強化試合は「7番・2塁」として先発出場し、 3打数 1安打。午後 7時の試合開始とあって自宅に着いたのは日付が変わるころだった。一息ついたのもつかの間、この日は午前 9時の全体練習開始に合わせて早朝に起床。日の丸から虎のユニホームに着替えてグラウンドへと向かった。
●大山悠輔内野手は 1回一死 2、 3塁の好機で石川の 131キロ直球を捉えて先制の左前打。 5回の守備からベンチへ下がり、主砲として攻守で油断も隙も見せない。今季対外試合での2ケタ安打は2月18日広島戦(コザ)で15安打して以来。日本一打線のボルテージが上がってきた。
●佐藤輝明内野手(24)が 3回先頭の第 2打席で石川の 126キロのシュートを捉えて左中間へ 2塁打を放った。内角球を仕留めた一打に胸を張る。 3回先頭で東京ヤクルト石川の126キロ内角シュートを捉え、中堅左後方への 2塁打。右翼から左翼への強い「浜風」に乗り、打球はぐんぐんと伸びた。これが 3試合ぶりの安打。調子は上向きだ。
●侍ジャパン帰りの森下翔太外野手は約 4時間の睡眠でチームに復帰していた。前日 7日は午後 7時開始の侍ジャパン強化試合(京セラドーム大阪)に出場。午後 9時35分に試合終了後は大阪市内で代表チームの宿舎に宿泊。深夜まで体のケアなどを行い、午前 7時に甲子園へ出発していた。この日は東京ヤクルト戦に「6番・右翼」で出場。守備面では痛恨の失策を喫し、疲労のたまる 1日となった。
●「7番・左翼」の井上広大外野手は 3回に左前適時打を放った。無死 1、 2塁でベテラン左腕・石川雅規投手(44)の外角シンカーを強振。佐藤輝、森下に続く 3連打となり、この回の 3得点に絡んだ。右の長距離砲として求められる左腕撃ちの快音だったが、自らに高いレベルを求めた。
● 1軍に合流したばかりの髙寺望夢内野手(21)が 3回に適時打を放った。前の回に代走で出場し、迎えた最初の打席。東京ヤクルト・沼田翔平投手(23)に 2球で追い込まれたがフルカウントまで粘り、外角速球を左前へ運んだ。 4年目の内野手は声を弾ませた。長野・上田西高出の21歳。昨季は 1軍出場がなく、巻き返しに燃える。開幕1軍入りへ意欲満々だ。 2軍首脳陣からの推薦を受けて 1軍に呼んだ岡田監督もグラウンドには期待を寄せて送り出した。見せてくれた実力にはご満悦で、 9、10日のゲームでも 1軍に残すことを決めた。
●髙橋遥人投手(28=亜細亜大學OB)が沖縄キャンプから帰阪後、初ブルペンで45球を投げ込んだ。捕手を座らせ、直球主体で変化球も一通り試投。状態は 6~ 7割の段階まで来ているという。和田豊 2軍監督(61)は今後の方針を明かした。

記事をまとめてみました。

 

※時間は、実際の終了時間と異なります。

 

 オープン戦<阪神 5ー 6東京ヤクルト>◇ 8日◇阪神甲子園球場
 阪神がオープン戦開幕7連敗。先発した青柳晃洋投手が 4回1安打無失点と好投した。 7日の激励会で岡田監督から2年連続の開幕投手に指名された右腕は持ち前の打たせて取る投球でゴロを量産。大役任命に結果で応えた。打線は 1回に4番・大山が先制打を放つと、その後も安打を量産し、12安打5得点。しかし、悪夢は 5- 0で迎えた 8回。二死 1塁から右翼の前川がファウルフライを落球すると、満塁で遊撃・小幡が悪送球。中堅・森下が落球、小幡が今度はファンブルと 1イニング 4失策で一気に逆転された。阪神はこれでオープン戦は開幕から7連敗。オープン戦とはいえ、不安の残る内容が続いている。


  8回、邪飛を落球する前川右京外野手=阪神甲子園球場
 阪神が守備のミスを連発した。 5- 0の 8回、二死 1塁から、右翼の前川が目測を誤り、ファウルフライを落球。そのまま四球で 1、 2塁とされると、桐敷が突如乱れて続く北村拓にも四球を与えた。満塁で迎えたのは西田。平凡な遊ゴロに見えた打球だったが、遊撃の小幡が 2塁への悪送球。一気に走者 2人が生還した。さらに、続く濱田の打球を中堅・森下が落球。さらに 2点を追加され、一気に 1点差に詰め寄られた。何とか後続を断ちたい桐敷だったが、伊藤の打球を遊撃・小幡が大事にいきすぎて遊撃内野安打に。 1、 3塁から代打・内山に中前打を許し、 5点のリードを守りきれなかった。さらに北村恵の打球を小幡がファンブルして、逆転…。 1イニング 4失策と若虎が守備の課題を露呈した。


  8回、ベンチで渋い顔の岡田彰布監督=阪神甲子園球場
 阪神は東京ヤクルト戦(甲子園)に 5- 6で敗れ、オープン戦は球団ワーストとなる初戦から7連敗となった。 5点リードの 8回に 4失策が絡んで大逆転され、岡田彰布監督(66)は苦笑い。若虎主体で臨んだ試合終盤に起こったびっくり仰天の守乱に対し、「なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか」と〝無言の圧〟をかけることでチームを活を入れた。
 寒風が吹く甲子園で、〝今季初勝利〟は文字どおり吹き飛んでいった。 8回に 4失策という負の連鎖が続き、 5点リードをひっくり返される大逆転負け。オープン戦とはいえ、昨季日本一チームが7戦全敗だ。岡田監督もあきれ果てていた。

 「初めてやな、俺も。 1イニング 4失策って。 2アウトからやろ。すごいことが起きるなあ」

  8回表ヤクルト二死満塁、小幡竜平内野手は西田明央捕手のゴロを 2塁へ悪送球する=阪神甲子園球場
 試合中から苦笑いを浮かべていた指揮官は、あえてダメ出しなどせず、〝無言の圧〟を加えることにした。
 「(選手に)なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか。ごじゃごじゃ言わん方が」
 主力がベンチに下がり、若手主体で臨んだ試合終盤に起こった守乱は、 5- 0で迎えた 8回、5番手で登板した桐敷が二死を取ったところから起きた。育成の岩田を遊撃内野安打で出塁させると、続く増田が右翼ファウルゾーンに打ち上げた飛球を前川が捕り損ね、その後、 2盗と連続四球で塁が埋まった。
 西田のゴロを捕球した遊撃・小幡の 2塁への送球がそれる間(記録は小幡の失策)に 2失点。続く濱田の中堅への飛球を森下が落球し、またも 2点を献上した。ミス連発で、 1万7073人の観客からはどよめきが…。

 

 俺が虎のエースや!! 開幕投手に指名された翌日のマウンドで、青柳晃洋投手が 4回を 1安打無失点。今年初めての甲子園で好投した。直球は最速 144キロ。 3三振を奪い、ゴロアウトは 7つと、力と技を織り交ぜて、復調を印象付けた。
 「きのう急に言われたんで。ちょっと緊張したけど、キャンプからずっと順調に調整ができていたので。しっかり投げられた」


 先発 4回無失点と好投した青柳晃洋投手=阪神甲子園球場
 前日 7日、岡田監督は激励会のあいさつで「(開幕戦の) 3月29日は青柳でタイガースはスタートしたい」と発言。 2年連続の大役が決まった。臀部の張りのため、実戦マウンドは 2月17日の東北楽天との練習試合(宜野座)以来、今春 2度目。重圧の中でのマウンドだったが、気迫が上回った。
 「(真っすぐが)よかった。しっかりとカウントもとれたし、ツーシームとの(スピード)差もあって。寒いんで球速は140キロちょっとでしたが、まだ上がっていくという感覚はあった」


  4回無失点と好投した青柳晃洋投手=阪神甲子園球場
  3・29へ問題なし! 前夜に開幕投手に内定した青柳晃洋投手が 8日、順調な仕上がりを証明した。東京ヤクルト戦(甲子園)に先発し、 4回 1安打無失点。初回二死 1、 2塁は長岡を 2ゴロに仕留めて切り抜けた。キャンプ中に右臀部(でんぶ)の張りを訴えた影響で、 2月17日の東北楽天戦で 1イニングに登板して以来、20日ぶりにして今春 2度目の実戦マウンド。56球を投げ終え「無事に帰ってきました」と笑った。
  7日の球団激励会のあいさつでサプライズ指名した岡田監督は「ずっとブルペンもええからな。抑えるやろなと思っとったけどな」と不安なし。 2年連続で大役を任せることになるが「去年とは雲泥の差よ。そら、キャンプからな」と太鼓判を押した。さらに青柳開幕投手プランについて「最初から決めとったよ。正月からよ」と明かした。


 東京ヤクルト戦に先発した青柳晃洋投手=阪神甲子園球場
 「普通に考えたら青柳やろ。なんで? 他、誰おる?」と記者陣に逆質問。「そんな 1年ぐらいパッとお前、2桁勝っても簡単に開幕なんかいかれへんで、そんなんは」。開幕投手の重み、それを託すに値する実績を考慮しての選択が、青柳だった。「キレも違うやろな、ボールの力もな」。確信を持って 3月29日巨人戦(東京ドーム)に送り出す。
 青柳は「いろいろ、何を試したいかなと考えながら、キャッチャーと話しながらいきました」と本番を想定。初回の1番西川には走者なしでクイックを試し、サンタナには 1球ごとに投球間隔を変えるなど、細部にもこだわった。「選んでもらえて光栄に思いますし、気が引き締まる。やってやろうという気持ちです。これからどんどん状態も上がっていくと思う」。このまま中 6日で登板を重ねれば、本番までは残り 2戦。2年連続の開幕星へ、死角はない。

 


  1回無失点の漆原大晟投手=阪神甲子園球場
 オリックスから現役ドラフトで加入した漆原大晟投手が 5回に2番手で登板。甲子園デビューを 1回無安打無失点で飾った。「投内連係から雰囲気とか感じるものはあった。甲子園で投げられたのはよかった」。 2月の実戦から 6試合に登板して防御率1.50とアピールを続ける右腕は「ゼロで抑えるのは、ひとつのテーマ」とこれからもスコアボードに〝0〟を刻む。

  5回、2番手で登板した漆原大晟投手=阪神甲子園球場
 漆原大晟投手が現役ドラフトで移籍後、甲子園初登板を無失点で終えた。 5回から起用され、先頭宮本に四球を許したが、続く北村恵を併殺打に仕留めるなど 1イニングを無失点。甲子園登板はオリックス時代の昨年 6月30日ウエスタン・リーグ阪神戦以来だ。「甲子園で投げられてよかった。なんとかゼロで、というのを意識しています」。オープン戦は 2試合ぶりの無失点投球となった。

 


  7回に登板した椎葉剛投手=阪神甲子園球場
  7回に登板した阪神D2位・椎葉剛投手は 1回無失点で甲子園デビューを飾った。「直球を投げているときの感覚がよくない」。二死を奪うまでの 7球は全て真っすぐで挑んだが、出力にはまだまだ不満足だ。一方、桐敷に握りを教わった新球のフォークで宮本から空振り三振を奪い、「使っていきたいと思っている。まだ練習中です」と精度向上を目指す。

 


  8回、東京ヤクルト・内山壮真捕手に適時打を許す桐敷拓馬投手=阪神甲子園球場
 中13日で 8回に登板した桐敷拓馬投手は 1回で46球を要し、3安打6失点(自責0)と乱れた。「失策絡みではあるが、四球とかを出してしまった。そこは反省するところ」。味方の4失策に足を引っ張られる形となったが、2四球の制球難にも目を向けた。打者との対戦を通して「相手がフォークとかに全然反応しなかった。そこをもっと詰めていきたい」と課題の修正に取り組む。

 


  9回、6番手で登板した岡留英貴投手=阪神甲子園球場
  9回に登板した岡留英貴投手は自ら招いたピンチを脱出し、 1回無失点だった。「全体的には悪くなかったんじゃないかな、と思います」。中11日の登板は二死から連打を浴びたが、濱田を直球で左邪飛に抑えた。今回の反省点を踏まえて掲げた次回以降のテーマは「追い込んでからの精度、決め球の精度」。1軍戦力としてさらに信頼されるように、腕を振る。

  9回に登板した岡留英貴投手=阪神甲子園球場
 岡留英貴投手が無失点で締めた。 1点ビハインドの 9回に6番手で登板。先頭の岩田を 149キロ直球で空振り三振。連打で二死 1、 2塁としたが、最後は4番濱田を直球で左邪飛に抑えた。春季キャンプ投手MVPに選ばれた期待の右腕。
 今季初めての甲子園での登板に「真っすぐで三振取れましたし、全体的には悪くないかなと思います」と手応えをつかんだ。

 


  1回裏阪神一死 2、 3塁、石川雅規投手は大山悠輔内野手に左適時打を許し失点=阪神甲子園球場
 日本一打線がいよいよお目覚めだ。昨季38年ぶりの日本一を達成した野手 8人に7番井上を加えた豪華メンバーが、 3回までに10安打5得点と一気につながった。今春オープン戦でチーム初の 2桁安打を記録。打線は6連敗中の 6試合で計32安打14得点と湿り気味だったが、開幕 3週間前にきて上昇気配が漂ってきた。

  2回裏阪神一死 1、 2塁、中野拓夢内野手は中前打を放った。投手は石川雅規投手=阪神甲子園球場

 初回は上位打線発の「黄金パターン」で先制点を奪った。東京ヤクルト石川に対し、1番近本が 5球目の内角高めをとらえて左前打。2番中野も失策で出塁し、一死 2、 3塁に好機を広げる。4番大山は 131キロ直球をはじき返し、痛烈なライナーで左前に適時打を決めた。主砲は「結果的に良かった。残りの試合も少なくなってくるので、打席でいろいろ考えながらやりたい」と冷静に納得。1番近本が出塁してクリーンアップがかえす-。虎打線が通常モードに入りつつある。

  2回裏阪神一死、木浪聖也内野手は右前打を放った。投手は石川雅規投手=阪神甲子園球場
  1点リードの 2回では下位打線発の「黄金パターン」も発動させた。一死から8番木浪が右前打で出塁し、1番近本の右前適時打で追加点。下位打線から得点につなげる流れは今季も健在だ。近本は2打数2安打1打点と好調。「石川さんは石川さんの打ち方があるので、それはできた」。シーズンでも戦うベテラン左腕との対戦で手応えをつかんだ様子だ。
 岡田監督は「自分で調子上げていけばいいだけの話や。個人個人に関してはな」と主力への厚い信頼を言葉にした。24年も虎打線は「つなぎ」がテーマになりそうだ。

 


  2回、適時打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
 近本光司外野手が 1回先頭で左前打を放ち、先制点をお膳立てした。 2回一死 1、 2塁の好機では石川のスライダーを引っ張って右前適時打。好機演出に自ら決める一打とバットで魅せ、「きょうのやりたいことはできた。石川さんは石川さんの打ち方があって、それはできた」とうなずいた。オープン戦は打率.316と好成績をキープ。虎のリードオフマンは問題なく調整を進めている。

 

 頼もしく帰ってきた選手会長が快音を響かせる。日の丸を背負ってからわずか数時間後。縦じまのユニホームを身にまとい、中野拓夢内野手が本拠地・甲子園で存在感を放った。
 「甲子園は今年初めてでしたし、守備もしっかりとゴロをさばいて、打席でもいい感覚で打つことができたので、きょうはよかった」


  1回、 3塁失策で 1塁へ走る中野拓夢内野手=阪神甲子園球場
 ナイターで行われた侍ジャパン強化試合(京セラドーム)から一夜明け、午後 1時開始のオープン戦で虎の「2番・2塁」には中野の名前があった。 2回一死 1、 2塁の第 2打席。石川の 127キロ直球を捉えると、打球は瞬く間に中前へ。直後に代走を送られてお役御免となったが、わずかな出場時間で虎党を沸かせた。

  2回裏阪神一死 1、 2塁、中野拓夢内野手は中前打を放った=阪神甲子園球場
 日本代表として出場した 7日の欧州代表との強化試合は「7番・2塁」として先発出場し、 3打数 1安打。午後 7時の試合開始とあって自宅に着いたのは日付が変わるころだった。一息ついたのもつかの間、この日は午前 9時の全体練習開始に合わせて早朝に起床。日の丸から虎のユニホームに着替えてグラウンドへと向かった。

 


  1回、先制適時打を放った大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
 大山悠輔内野手は 1回一死 2、 3塁の好機で石川の 131キロ直球を捉えて先制の左前打。「結果的によかったと思いますし、残りの試合も少なくなってくるので、打席でいろいろ考えながらやりたい」と振り返った。 5回の守備からベンチへ下がり、「甲子園も残り 2試合。打撃だけでなくて、守備もしっかり確認して次にいきたい」。主砲として攻守で油断も隙も見せない。


  1回裏阪神一死 2、 3塁、大山悠輔内野手は左適時打を放った=阪神甲子園球場
 阪神が 3回までに10安打5得点と、寒空の甲子園でたたみかけた。
 初回、1番近本光司外野手が、東京ヤクルト石川のシュートを捉えて左前打で出塁。2死二、三塁から4番大山悠輔内野手が左前適時打を放ち、先制した。
 2回には1死から木浪、坂本、近本、中野の4連続安打で追加点。3回は先頭の佐藤輝明内野手の左中間二塁打から森下翔太外野手の三塁への内野安打で無死一、二塁とすると、井上広大外野手がシンカーを捉えて左前適時打で3点目を挙げた。


  1回裏阪神一死 2、 3塁、大山悠輔内野手は左適時打を放った=阪神甲子園球場
 さらに木浪が四球を選び満塁とすると、東京ヤクルト石川は続く坂本を遊ゴロ併殺打に打ち取ったところで降板。まだまだ猛虎打線は止まらず、代わった東京ヤクルト沼田からこの日1軍合流した髙寺望夢内野手が2点適時打を放ち、この回一気に3得点とした。
 今季対外試合での2ケタ安打は2月18日広島戦(コザ)で15安打して以来。日本一打線のボルテージが上がってきた。

 


  3回裏阪神無死、佐藤輝明内野手は中越えに 2塁打を放った=阪神甲子園球場
 佐藤輝明内野手が 3回先頭の第 2打席で石川の 126キロのシュートを捉えて左中間へ 2塁打を放った。内角球を仕留めた一打に「内角が向こう(逆方向)に飛ぶのは悪いことじゃないので、結果も 2塁打でよかった」と胸を張る。これが 3試合ぶりの安打。週末の甲子園での 2試合に向け「打撃はいい当たり、守備はしっかり守る。頑張っていきます」と意気込んだ。

  3回、 2塁打を放った佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 佐藤輝明内野手が打撃好調を維持している。「5番・3塁」で先発。 3回先頭で東京ヤクルト石川の126キロ内角シュートを捉え、中堅左後方への 2塁打。右翼から左翼への強い「浜風」に乗り、打球はぐんぐんと伸びた。
 「内角の球があそこに飛ぶのは悪くない。結果的に 2塁打になってよかった」。調子は上向きだ。

 


  3回裏阪神無死 2塁、森下翔太外野手は中前打を放った=阪神甲子園球場
 侍ジャパン帰りの森下翔太外野手は約 4時間の睡眠でチームに復帰していた。前日 7日は午後 7時開始の侍ジャパン強化試合(京セラドーム大阪)に出場。午後 9時35分に試合終了後は大阪市内で代表チームの宿舎に宿泊。深夜まで体のケアなどを行い、午前 7時に甲子園へ出発していた。この日は東京ヤクルト戦に「6番・右翼」で出場。 3回に 3塁強襲内野安打、 4回は中前打を放ち「理想のスイングに近づいている」。ただ、守備面では痛恨の失策を喫し、疲労のたまる 1日となった。


  8回表東京ヤクルト二死満塁、濱田太貴外野手の打球を落球する森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 阪神は 5点リードの 8回に 1イニング 4失策で一挙 6失点し、逆転を許した。
 二死 1塁から右翼ファウルグラウンドへの飛球を途中出場の前川右京外野手が落球。さらに二死満塁となり、3番西田の遊ゴロを打ち取ったかと思われたが、遊撃小幡竜平内野手が 2塁へ悪送球して 1失点した。さらに悪夢は続き、二死 1、 3塁で3番濱田の中堅フェンス付近の打球を森下翔太外野手がグラブに当てながら落球し、さらに 3失点した。
 この回5番手でマウンドに上がっていた桐敷拓馬投手は二死から失策が重なり、代打内山に同点適時打を献上。なおも二死 1、 2塁で遊ゴロを小幡が後逸し、このイニング 2度目の適時失策で逆転を喫した。

 


  3回、適時打を放った井上広大外野手=阪神甲子園球場
 「7番・左翼」の井上広大外野手は 3回に左前適時打を放った。「ファーストストライクから打ちにいけたのは良かった」。無死 1、 2塁でベテラン左腕・石川の外角シンカーを強振。佐藤輝、森下に続く 3連打となり、この回の 3得点に絡んだ。右の長距離砲として求められる左腕撃ちの快音だったが、「やっぱり 1打席目(見逃し三振)で結果を出せるようになっていかないと」と自らに高いレベルを求めた。

  3回裏阪神無死 1、 2塁、井上広大外野手は左前に適時打を放った=阪神甲子園球場
 「7番・左翼」でフル出場した井上広大外野手が結果を残した。 3回の第 2打席、無死 1、 2塁で左前適時打を放った。24日の東京ヤクルト戦(浦添)で凡退した左腕石川を攻略。「自分が後手にならず、ファーストストライクから打ちに行けたのが良かった」と手応えをつかんだ。この日は5打数1安打1打点。「 1打席目で結果を出せるようになっていかないといけない。もっと準備していけたら」と気を引き締めた。

 

  1軍に合流したばかりの髙寺が 3回に適時打を放った。前の回に代走で出場し、迎えた最初の打席。東京ヤクルト・沼田に 2球で追い込まれたがフルカウントまで粘り、外角速球を左前へ運んだ。 4年目の内野手は「(粘りは) 2軍でも意識してきた。何が何でもアピールしたい気持ちだった」と声を弾ませた。
 長野・上田西高出の21歳。昨季は 1軍出場がなく、巻き返しに燃える。「空回りだけしないように」と自らに言い聞かせながら、開幕1軍入りへ意欲満々だ。


  3回、適時打を放った高寺望夢内野手=阪神甲子園球場
  2回に代走から出場した髙寺望夢内野手が鋭い打球で 3遊間を破り、 1軍合流ですぐさま結果を出した。 1安打 2打点で猛アピールだ。
 「その打席だけは良かったんですけど、あと2打席は見逃せば四球だった( 2三振)。反省しています」
  3打数 1安打を冷静に振り返ったが、センスは見せつけた。 2回に代走から 2塁に入り、 3― 0の 3回二死満塁の第 1打席だった。冷静にボールを見極めながらフルカウントに持ち込み、外角の 145キロ直球に反応。快音を残して走者 2人をホームに迎え入れた。
  2軍首脳陣からの推薦を受けて 1軍に呼んだ岡田監督も「(スタメンの)中野も、高寺を使いたかったから、もう 2打席でええわと思ったから」と、グラウンドには期待を寄せて送り出した。見せてくれた実力には「一番いい場面でヒットが出たわけやからな」とご満悦で、 9、10日のゲームでも 1軍に残すことを決めた。

 


 髙橋遥人投手 (2024年 2月 4日撮影)
 髙橋遥人投手が沖縄キャンプから帰阪後、初ブルペンで45球を投げ込んだ。捕手を座らせ、直球主体で変化球も一通り試投。状態は 6~ 7割の段階まで来ているといい「どんどん良くなっていると思う」。和田 2軍監督は「順調は順調。ただ、まだやらないといけないことがいくつもある。もう少しブルペンで投げ込んで、段階を踏んでやっていかないといけないかな」と今後の方針を明かした。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 日程表と結果(02月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(03月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

 

 

 

 

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