抜群の手応えで直線に向いたロードカナロアが一歩、また一歩と女王を追い詰める。ラスト 1ハロン過ぎ、坂を上がり切り、カレンチャンの前に出ると、勢いそのままに先頭でゴールを駆け抜けた。「強い馬が強いレースをして勝っただけです。僕にはこの馬でスプリンターズステークスを勝つ使命があったので、よかったです」。岩田は興奮気味に新王者誕生の瞬間を振り返った。
 前走からコンビを組んだ鞍上が、能力を最大限に引き出した。そのセントウルSは、自身の早仕掛けで 2着に敗れたことを猛省。今回も好スタートは切ったが、無理に先行争いに加わらず、中団でじっくり運んだ。「この馬のペース、リズムを崩さなければ、直線は弾けると思っていた。カレンチャンが目の前にいて、つかず離れず、いい“併せ馬”のようなレースが出来た。直線ではいつでもかわせる手応えがあった」。鞍上の冷静な判断が光った、 1分 6秒 7のレコード決着だった。
記事をまとめてみました。

 第46回スプリンターズS(30日、中山11R、GI、 3歳上オープン、国際、指定、定量、芝1200メートル、 1着賞金9500万円=出走16頭)

 競馬の形としてはパーフェクトだった。歴史的なVゴールに向け、中団の外から直線半ばで堂々と先頭に躍り出たカレンチャン。しかし、すぐ後ろで終始マークしていたロードカナロアが外から襲いかかった。懸命に抵抗した女王だが、最後は力尽きて 2着。芝スプリントG1・3連覇の大偉業は、同じ厩舎で 1歳年下の後輩によって阻まれた。
 秋のGI戦線の幕開けを告げるスプリンターズSは、岩田康誠騎乗で 2番人気のロードカナロアが中団から鋭く脚を伸ばしてGI初制覇。勝ちタイムの 1分 6秒 7(良)はコースレコードで、このあとは香港スプリント(12月 9日、シャティン、GI、芝1200メートル)などを視野に入れて調整する。JRA初のスプリントGI 3勝を狙った 1番人気のカレンチャンは 2着、 3着には 9番人気のドリームバレンチノが入った。

 
$阪神ファンのアスリート・虎ちゃん77のスポーツ日記-GI初制覇を飾ったロードカナロア
 同厩の 1番人気カレンチャンを差してGI初制覇を飾ったロードカナロア。コースレコードでもあり、文句なしの勝利だった

 新時代の到来を思わせる完勝劇だった。ロードカナロアが 2度目の挑戦で堂々のGI戴冠。ゴール直後、左手を大きく広げて喜びを表した岩田康誠騎手の言葉は、自信に満ちあふれていた。
 「強い馬が強いレースをして勝っただけです。僕にはこの馬でスプリンターズステークスを勝つ使命があったので、よかったです」
 大外(16)番枠から道中は中団外めで軽快なピッチを刻んで追走。僚馬で国内スプリントGI連勝中のカレンチャンをピタリとマークした。レースが前半 3ハロン32秒 7のハイペースで進む中、手応えよく 4コーナーを回ってスパート。残り 100メートル付近で先に抜け出したカレンチャンを外からかわし、最後は 3/4馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。コースレコードを 0秒 2塗り替える勝ちタイム 1分 6秒 7で、初タイトルに花を添えた。


$阪神ファンのアスリート・虎ちゃん77のスポーツ日記-GI4勝目となった岩田
 今年のGI 4勝目となった岩田康誠は、カメラに向かって投げキッス

  2着だった前哨戦のセントウルS時は、仕上がり途上で夏負けの症状があったが、ひと叩きして筋肉の張りやうるさいくらいの活気が出た。加えて、鞍上も初コンビだった前走の反省点を修正。「僕が過信して仕掛けが早かったぶん、脚があがって負けた。落ち着いて追い出せば、結果はついてくると思った」。人馬とも上積み十分の 2戦目で、文句なしの結果を出した。
 女王カレンチャンとの直接対決で世代交代を成し遂げ、今後は香港スプリントなど海外挑戦を視野に入れる。
 「海外スプリントは層が厚いけど、それだけのスピード、パワー、精神力を持っている。やれる器だと思っている」
 岩田康もまた新たな頂点を見すえていた。新快速王ロードカナロアの進撃は、まだまだ止まらない。


$阪神ファンのアスリート・虎ちゃん77のスポーツ日記-岩田とプレゼンターの平愛梨
 ロードカナロアの岩田康誠(右)とプレゼンターの平愛梨

 新スプリント王の誕生だ!
  2番人気ロードカナロア(牡 4、安田)が坂上で女王カレンチャンを差し切り、 1分 6秒 7のコースレコードでGI初制覇を飾った。
 同厩舎のライバルを徹底マークした岩田康誠騎手(38)の好騎乗が光った。今後は香港など海外参戦が視野に入る。
 岩田が見定めた敵は 1頭だけだった。前半 3ハロン32秒 7の超がつくハイペースにも一切動じることはない。ロードカナロアは 3角からカレンチャンのすぐ後ろをピタリとマークする。「カレンチャンだけを見ながら競馬をした」。いつでも抜き去れる手応えを確かに感じつつ、ライバルの追い出しを確認して一気に襲いかかる。坂の頂上で並びかけると自らの走りで女王に世代交代を告げた。先頭でゴールに飛び込むと、新たなスプリント王の瞬間を祝福するかのように岩田は左手を力強く握りしめた。
  1分 6秒 7のレコード勝利。ゴール直後こそ喜びを爆発させたが、岩田の表情は引き締まったままだった。完璧な騎乗をしたにもかかわらず、「強い馬が強いレースをして勝っただけ。今日は最高に落ち着いていたし、前回以上に元気もあった」。ぐっと気持ちを抑え込んで、安堵の表情を浮かべた。


$阪神ファンのアスリート・虎ちゃん77のスポーツ日記-ロードカナロアとカレンチャン
 直線で競り合う、ロードカナロア(右)と 2着となったカレンチャン

 負けられない一戦だった。レース前、岩田は言った。「カナロアが何番人気になってもええねん。俺がこの馬が一番強いって証明するだけやから」。この馬の潜在能力を信じていただけに、初めてまたがったセントウルS2着敗退が頭から離れなかった。「僕の過信もあって、早仕掛けした分、脚が上がってしまった」と振り返る。それもあって、今回デビューから12戦目にして初めて2番人気に陥落。「勝たなければという僕の使命を果たせて良かった」。力を信じていたからこそ、王道の競馬でタイトルを呼び込んだ。
 今年すでにGI・ 4勝目、この日 3勝の豪腕はさえ渡る一方だ。 9Rサンブルエミューズで年間 100勝を達成。昨年のリーディングジョッキーががぜん勢いづいてきた。「まだ浜中君に負けているので、来週からまた頑張って追いつけるようにしたい。 1戦 1戦大事に乗っていきます」。秋華賞には 2冠牝馬ジェンティルドンナ、菊花賞にはダービー馬ディープブリランテが控えている。秋GI戦線は間違いなくこの男を中心に回るだろう。さらなる快進撃を期待せずにはいられない。


$阪神ファンのアスリート・虎ちゃん77のスポーツ日記-馬上で腕を広げアピールする岩田
 殊勲の勝利に導いた岩田はロードカナロアの鞍上で腕を広げアピール(左はカレンチャン)

 安田師は厩舎としては見事なワンツー決着に「信じられないが、誇りに思う」と第一声。「 4角でカレンチャンがやったかなと思ったが、直後で岩田君が狙っていたね。前走を使って体調がグンとよくなっていた。夏を越して馬がたくましくなった」と勝因を挙げた。
 「複雑ですね。両方とも勝たせてあげたかったので…」と 2着馬については言葉を濁した。今後については「海外挑戦も視野に幅広く考えたい」としたが、岩田は「スピード、パワー、精神力。どれを取っても世界に通用する器。海外GIも夢じゃない」と絶賛する。女王を退け、真の頂点に立ったカナロアの挑戦は始まったばかりだ。

 史上初のスプリントGI・ 3連覇を狙ったカレンチャン(牝 5、安田)は、無念の 2着に敗れた。勝ち馬との差はわずかに 3/4馬身。引き揚げてきた池添騎手は「悔しい。 3連覇したかった」と天を仰いだ。快挙を狙うパートナーを完璧にエスコートした。「 1回使って馬も良くなっていた。スタートも良かったし、スムーズな競馬ができた。ムキになることもなかったし、直線も手応え通り、しっかり伸びてくれた」。検量室で気持ちを落ち着かせ、かみしめるようにレースを振り返った池添。
前半 3ハロン32秒 7の超ハイペースを 5番手の外で追走。残り 200メートルで先頭に立ったが、 1馬身直後で影のように追走していた僚馬に坂上で逆転を許した。再び熱い思いがこみ上げてきたのか、「うーん、悔しい。 3連覇したかった。びっちりマークされてしまった。(岩田騎手が)僕の馬をずっと見ていたから…」と天を仰いだ。単勝 2.5倍。1番人気の宿命とはいえ、池添もやりきれない表情だった。
 国内スプリントGI 3連覇を果たせば、史上初の快挙だっただけに「 3連覇したかったし、悔しい」と唇をかみしめていた。
 昨年 5着に終わった香港スプリントで雪辱を狙うのか、それとも国内でラストランを迎えるのか。芝スプリント界に一時代を築いた名牝の走りが見られるのも、あとわずかだ。

  9番人気の伏兵ドリームバレンチノ(牡 5、加用)が 3着に健闘した。道中で前が狭くなる苦しい競馬となったが、直線もインをこじ開け、女王カレンチャンに首差まで迫った。「これぐらい走れる馬だと思っていた。まだまだ良くなります」。GI・ 3度目の騎乗で初めて掲示板に載った松山騎手は、悔しさをにじませながらも、納得の表情。この後は放牧に出される予定。

 香港のラッキーナイン(せん 5、香港)は外国馬最先着の5着に終わった。スタートで出遅れ、後方からの競馬。大外から豪快に追い込んだが、掲示板が精いっぱいだった。直線で不利を受けた昨年に続く不完全燃焼の走りで、結果も同じ 5着。プレブル騎手も「出遅れたのがすべて。レコード決着のレースであれだけ伸びてきたのに…」と唇をかんだ。


◆優勝馬メモ
▼性  齢:牡 4歳の鹿毛。
▼血  統:父キングカメハメハ、母レディブラッサム(父ストームキャット)。
▼戦  績:12戦 7勝。重賞は、2011年京阪杯、2012年シルクロードSに続いて 3勝目。GIは、今年の高松宮記念( 3着)以来、 2度目の挑戦で初制覇。
▼獲得賞金:優勝賞金9500万円を加えて、 3億 816万6000円。
▼ワンツー 安田厩舎所属の馬が 1、 2着。同一厩舎によるJRA・GIの 1、 2着独占は、1984年のグレード制導入以降、 7例目。
▼レコード: 1分 6秒 7の勝ちタイムは、 9月 9日にニシノステディーが記録したコースレコード( 1分 6秒 9)を、 0秒 2上回った。JRAレコードは、1999年にアグネスワールドが小倉でマークした 1分 6秒 5。
▼岩田康誠騎手(38):今年のGIレースは、フェブラリーS(テスタマッタ)、桜花賞(ジェンティルドンナ)、ダービー(ディープブリランテ)に続き 4勝目。通算では16勝目。
▼安田隆行調教師(59):昨年のカレンチャンに続いて連覇を達成。このレースでの 2勝は、最多タイ。境勝太郎調教師(1993、1994年サクラバクシンオー)、石坂正調教師(2000年ダイタクヤマト、2007年アストンマーチャン)がマークしている。
▼生産者:北海道新ひだか町ケイアイファーム。
▼馬  主:(株)ロードホースクラブ。


$阪神ファンのアスリート・虎ちゃん77のスポーツ日記-台風の影響のため中止順延になった阪神競馬場
 台風の影響のため中止順延になった阪神競馬場

 30日の第 4回阪神競馬 9日目は台風17号の影響で中止となり、 1日に代替競馬が行われる。出馬投票はやり直さず、すでに発表済みの出馬表通りに実施するが、「WIN 5」は取りやめとなった。
 台風による開催中止は、2010年10月30日の東京競馬以来。阪神競馬の開催中止は東日本大震災の影響による昨年 3月12、13日以来で、台風での中止は初めて。
  1日の馬券発売はウインズなどで通常通りに行われる。また、 2日から開始を予定していた地方競馬の「JRAインターネット投票(IPAT方式)」は 3日からに延期。 2日の白山大賞典(交流GIII、金沢)は、JRAインターネット投票では購入できなくなった。


$阪神ファンのアスリート・虎ちゃん77のスポーツ日記-スプリンターズSレース結果
 中山11R スプリンターズSレース結果

 虎ちゃんは、偶然にも渋谷に行っていたので勝馬投票券を購入してみましたが、結果的に負けてしまいました…(T-T)
 出かける前に調べて置けば勝てたかも知れないのに…。非常にざんねんでした。


















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