昨夜はパソコンの前に座り、じっと静岡県知事選挙の開票を見守っていた。この選挙は「コシヒカリ発言」や「職業差別発言」などで強力な発言力が裏目に出た前川勝平太静岡県知事の突然の辞職に伴う選挙であった。川勝前知事は、研究者から政治家に転身した者のひとりである。私の研究対象である「政治行動」の権威として知られる前熊本県知事の蒲島郁夫氏も研究者から政治家に転身した者のひとりである。


 さて、「時間のない中」行われた静岡県知事選挙は立憲民主党、国民民主党が推薦した鈴木康友候補が当選を果たした。鈴木新知事は民主党所属の元衆議院議員であり、浜松市長を4期務めた政治家である。余談であるが松下政経塾の第一期生で「経営の神様」である松下幸之助氏から直接指導を受けている。また同期には総理大臣を務めた野田佳彦氏がいる。


 YouTubeのライブにて開票状況を確認していたが、やはり「浜松市」での票が当選に大きな影響を与えたようだ。結果的には、72万8500票を獲得して当選を果たした鈴木知事であるが、次点の大村慎一候補(自民党推薦)が65万1013票を獲得しており、大村氏は、浜松市の開票が半分をすぎる以前は、開票済みの多くの自治体にて最も多い得票を得ていた。このことから、鈴木氏の当選確実という報道が出た時、大村氏側の講演会長が「まだ私は望みがあると思いますが」という言葉を述べたほどだ。


 今回の選挙は非常に面白い構図である。というのも東部、中部、西部で大きく投票率が異なるようだ。「地域間対決」とも言われた。県選挙管理委員会の情報によれば、全体の投票率は52.3%(前回52.9%)である。そして東部は46.9%(前回50.1%)、中部は53.5(前回53.0%)、西部は56.3%(前回55.5%)であった。東部から候補者が立っていないこともあり、西部に比べて今回の選挙に対する熱量が高くなかったようである。


 今後の注目点はやはり「リニア」であろう。関係自治体である岐阜県に住む者としては、気にならざるを得ない。また、各種報道で声高に言われているが「自民党が事実上、4連敗」した。補選3戦に加えて、今回の静岡県知事選である。これにより、6月解散が封じられたとも言われている。ただ、立憲民主党が「日本酒問題」「パーティ開催ブーメラン問題」などを抱える中、実質的な自民党への批判票、批判の受け皿になりきれているのかといえば疑問が残る。



https://news.yahoo.co.jp/articles/32bafdeb12808a169b525fa02554384b162ed913?fbclid=PAZXh0bgNhZW0CMTEAAabkI_OMgILCpEWiAPb2umgqvJzP5bgu-lZxTFJdUSkp7odF66f8jq8BF_I_aem_ATwsykXFa504jkff_-lNIGscw5OhaUxm0EHlO0yH5xDKRCaE1L9VT6U7tmVKfEk_vjiWfhYQ5kJOYqwXr7Zo5kDO


 さて次の話題に移ろう。東京都知事選挙である。東京都知事選挙は6/20-7/7に行われる。この自民党連敗を見て政変の波風が吹いていると判断したのだろう。ただ、私の見方であるが政権交代が起こるほどの政変は起こらないと予測している。何故ならば、最大野党の立憲民主党に対して本当に期待している者どれだけいるのかという点。それから、野党が分散していて票が割れるという点。さらには、自民党と維新の会との連携が模索されているという点。ただ、どちらにせよ、事実上、派閥が解散され自民党内における派閥間闘争による党内競争、権力争いの力が弱くなった。それ故に、与野党がしっかりと互いを牽制しあい「政治」を行う必要があることは言うまでもない。


 さて蓮舫氏の都知事選出馬に話を戻そう。蓮舫氏はもともとキャスターで、民進党の第二代代表も務めた人物。言わずもがな、知名度抜群。それに加えて、小池百合子都知事と経歴が重なる部分がある。一方、蓮舫さんは参議院議員選挙で毎年毎年、票を減らす格好であり、どこまで求心力があるのかみものだ。おそらく、6月解散の芽が昨日潰れたので、蓮舫氏は都知事選に負けても「衆議院議員選挙に出る」という道があると踏んでの出馬とも見える。都知事もこれと同じことが言えるでだろう。小池知事が狙っているのは「女性初の総理大臣」という座なのだから。


 さらに一言。ここでも「国民民主党」がどのように動くのか気になる。というのも、国民民主党は希望の党と近く、かつ立憲民主党から蓮舫さんが出馬する。どのように動くのか注目したい。そこで、野党が割れて行けば国政への影響も少なくないはずだ。


 ちなみに立花孝志(元NHK党党首)が安芸高田市の「石丸」市長では無く、アディーレ法律事務所創設者の「石丸」弁護士を応援すると表明した。これは、簡単に言えば、「フルネームで書かずに『石丸』とだけ書く票を取ろう」という戦略だ『石丸』とだけ書かれた場合、得票率に応じて配分、もしくは均等に配分される。要するに、石丸市長には不利なのだ。


https://news.livedoor.com/lite/article_detail/26479483/


 さてさて、少し長文で話しすぎてしまったが最後に英国の総選挙について述べたい。英国首相のスナク氏は今回の総選挙で勝利をすれば兵役の復活を提案すると報道がなされた。この「兵役」や「徴兵制」というのは、様々な角度から論点が見出せる。余談だが、これと政治行動についての考察を卒業論文の中で言及するつもりである。


 辰年は政変の年とも言われる。台湾の総統選挙に始まり、ロシア大統領選挙、などなど国内外において大変重要な選挙が行われている。今後も、政治的なニュースから目を離せない。そして、政治的な議論を積極的に展開していきたいと思う。最後にお断りなのだが、今回上記で論じたことは単なる私個人の独り言でしかない。学術的な価値のある議論では到底ないため、ぜひ区別されたい。