岐阜新聞1面に「県内企業88%賃上げ」という文言が載った。衝撃的な数字である。なお、製造業では91.5%、非製造業では86.4%が「賃金を引き上げる」という。
その理由も興味深く、社員のモチベーション向上や生活水準向上といったポジティブな理由から、雇用確保や最低賃金改定に伴い引き上げざるを得ないという受動的な理由も聞かれたという。
飲食業界に足を踏み入れた私。その過酷な労働環境は同業者との意見交換のなかでも話題になる。厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」によれば、宿泊業・飲食サービス業の「一般労働者」の離職率は18.2%、「パートタイム労働者」のそれは31.9%である。この数値は業界別2番目の離職率の高さを示す。なお、入職超過率は、いずれもプラスの値である。
入職しやすさゆえに転職や離職も容易なのかもしれない。料理の世界は、もちろん縦のつながりの強い世界である。その一方で、横に広がるネットワークも感じる。料理人同士で技術を高めあったり、レシピを交換しあったりする。時には育て上げた料理人が別の料理店に引き抜かれていくこともよくよくある。
話はそれたが、「賃上げ」は単なるスローガンで終わるのでは無くて、各業界の実態を把握したうえで、労使交渉を重ねて行われるものであるべきだ。政府も「賃上げ」を声高にいうが、見通しが極めて不透明な国際情勢を打破しなければ、安定した生活は実現しない。我々国民も国内外の事象に目を向け続けていく必要がある。


