神戸市の久元喜造市長と芦屋市の高島凌輔市長は去る3月25日に、ごみの広域処理に向けた協議書を締結しました。



 基本スキーム。



神戸市港島クリーンセンターは平成29年度竣工。

(画像提供:神戸市環境局)



内容としては、芦屋市の処理センターの老朽化に合わせて、ごみを神戸市の「港島クリーンセンター」(中央区)に運び処理をするというもの。芦屋市は神戸市に芦屋市ぶんの処理にかかる費用を「委託料」として支払い、ごみ焼却の際に発生する電力の売却は全額、神戸市の歳入となるというスキームのようです。

 

 

ごみの広域処理に関しては、環境負荷の縮減に加えて、コストカットにも繋がり、人口減少が見込まれる現下において、その議論の方向性は否定いたしません。

 

 

当該議論を持ち込んだという芦屋市としては、


①ごみ処理施設の新設の必要がない

②負担は「委託料」のみで施設のランニングコストも不要

③処理施設跡の利活用が可能

 

 

などとメリットがありますが、かたや神戸市は…

 

 

クリーンセンターの立地も神戸市が引き受け、他市域のごみを神戸市で処理するわけでありますから、広く神戸市民の理解が必要であります。

 


 「広域行政」「一元化」の名のもとに。


 

神戸市と三田市は共同で総合病院の建設を進め、

北神・三田エリアにおける高度医療の充実をめざす。

(画像提供:三田市)



私は高度医療を司る総合病院や消防指令の一元化などの広域連携はおおいに進めていくべきと考えますが、ただ、そもそもの立地選定すら丁寧に進めざるを得ないごみ処理施設の引き受けには慎重姿勢であります。神戸市としては既存施設の処理能力が余っているとの説明でありますが、そもそもクリーンセンター建設時の計画人口に狂いはなかったのか精査が必要。

 

 

神戸市としてはあくまで神戸市のクリーンセンターは神戸市内の住民サービスに資する施設でありますので、芦屋市による広域連携要請に対しては、神戸市との合併を前提としたご議論をお願いしたかった。さすれば芦屋も「神戸市内」でありますから、理は通るのであります。あくまで「芦屋市」として考えるのであれば、立地を提供する側の神戸市にも一定の配慮が必要で、「委託料」とやらの積み上げがマストであります。また国や広域自治体がごみ問題の広域連携を進めたいのであれば、立地自治体に対する応分の補助を積み上げる必要がある…原発などと同様の考え方を環境省などに率先してやっていただきたいものです。

 


 芦屋市サイドが再考すべきこと。


 

芦屋市としても、住民サービスの根幹たるごみ問題を他市に押し付ける恰好となり、市内にごみ処理施設を持たない自治体になるわけで、万が一にも神戸市との連携が薄れたときには処理施設の新設が必要になるため、非常に面倒な話になりそう。短期的には良いが中長で見れば賢い判断とはいえないのではないでしょうか。



新たな八事斎場は令和10年6月に供用開始予定。

それまで市内では第二斎場のみが稼働するとのこと。

(画像提供:名古屋市健康福祉局)



近似した例として、先日までスペシャルウィークとしてお届けしてきた名古屋市の八事斎場(天白区)が3年休止となり、市内では港区の第二斎場のみとなるのに合わせて、市民のみの予約優先枠を設ける方針。名古屋市の健康福祉局によると、八事斎場の令和5年の火葬件数は2万8000件、うち名古屋市民以外でおよそ1割を占める2800件あまり。そのうちの4割は(第二で)受入ができるだろうが、残る6割は影響が出る、と試算しているよう(3/24市長定例会見より)。

これにより影響が出るのがお隣の長久手市。市に火葬場を持たず、八事斎場に火葬件数の6割を委ねてきたため、あぶれた分は東隣にある瀬戸市の斎苑を使うことになりますが、規模の問題から待ちが発生する懸念もあり、さりとて長久手市に火葬場を、となると、近隣住民のアグリーなり建設・運営コストなりの問題も出てくるため、一筋縄ではいかないもよう。万が一にも神戸市のごみ焼却設備が逼迫した際にも同様の事態が発生しうることを念頭においたうえで、芦屋サイドもご判断なさると良いと思います。

 

 

 まとめ〜市民の意見を大切にせよ〜



一方の神戸市サイド。

近い将来、「ごみ処理の広域連携」の名のもとに、芦屋市のみならず周辺自治体のごみが神戸市内に集まり、処理される可能性もある…。その際に処理場の立地自治体たる神戸市にどの程度メリットがあるのか。またそれは市民生活のうえで見合ったものであるのか?



(出典:近畿地方整備局)



本協議書によると、芦屋市のごみ処理を神戸市が引き受けるタイミングとして「(西暦)2030年以降」としています。高速道路を用いるという輸送手段を鑑みると、上掲「大阪湾岸道路」開通を待っておこなわれると思われますので、すぐに進められる話ではないというふうに理解をいたしております。まさか混雑著しいハーバーハイウェイから神戸大橋を経てポーアイに入るなんて経路は取られないはず。



したがって、まだ改善や計画撤回の議論の余地は残されているものと見ます。

ちなみに神戸市民でもない私が賛否を表明しても致し方ない話で、論点はここに記しましたので、あとは神戸市民の賢明なご判断を待ちたいと思いますし、加えて、市民の意見に耳を傾ける神戸市政であることを切に望んでおります。




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