神戸空港の昨年(令和6年=2024年)の利用者数が過去最高ペースで推移しています。1月から11月までの利用客数で330万人となっていて、通年でこれまでの過去最多数字である350万人を上回ることはほぼ確実。仙台空港よりも優勢に推移していて、このままでいくと国内トップ10入りを果たすだろうと思われます。次は年間利用客500〜600万人台の鹿児島空港が射程圏に入るのではないか、という状況。
悲運の黎明期。
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平成17年(2005年)に開港した神戸空港は開港まで紆余曲折の歴史を持ちます。その歴史的背景については上掲の過去記事に説明を委ねつつ、今の関西国際空港の建設が決まったあと、神戸市として新空港建設を決定。運輸省は神戸市の計画に建設許可を出す際、以下の条件を出します。
◾️開港当初の運用条件
・国際定期便・チャーター便運航禁止
・1日の便数のリミットは60便
・発着時間は7時〜22時
はっきり申してこの不条理きわまりない運用条件は、近接する関西国際空港との競合を意識してのもの。そもそも騒音の懸念のない海上空港に深夜の発着制限は不要だし、便数にしても1日60便ではピーク時以外に飛行機を飛ばせられず、ましてやオウンユースのチャーター便を除けば国際線も飛ばないため、利用者になんとなく不便な空港という印象を与えてしまい、利用者数が伸びない状況に陥っていました。
規制緩和への流れ。
開港当時から供用されている神戸空港第1ターミナル。
最寄駅から徒歩0分という抜群の利便性を誇る。
神戸空港の未来を憂い、策を打ったのが現職の神戸市長・久元喜造(ひさもと きぞう)さん。久元さんは関空・大阪国際空港(伊丹)の統合会社・関西エアポートの枠組に神戸空港を参加させるべく、平成29年(2017年)秋にコンセッション方式で運営権を売却、神戸市が「3空港一体化推進」を条件に掲げたため、関西エアポートが所属するグループが神戸空港の運営権を落札することになります。それに基づき、翌平成30年の4月、関西エアポートの子会社である「関西エアポート神戸」が神戸空港の運営をスタートさせます。そうなれば、互いのライバル関係は関西全体の航空需要に則ったオペレーションに変革されるのは必然で、まず上掲の3条件は大幅に緩和されたのです。
◾️令和2年(2020年)春ダイヤ〜
・国際定期便・チャーター便運航禁止
・1日の便数のリミットは60便→80便
・発着時間は7時〜22時→23時
「国際空港」への第一歩。
さらに令和7年(2025年)の大阪・関西万博を睨んだ動きのなかで、神戸空港のさらなる機能強化が求められます。
国際線就航に向けた本格的な議論がはじまります。
そして、令和7年にはチャーター便に限って国際線就航をはじめて、令和12年(2030年)に国際定期便が就航するスケジュールが示され、今春竣工をめざしてCIQを備えた第2ターミナルが建設されています。
建設が進む神戸空港第2ターミナル。
国際線のみならず一部国内線も発着する予定。
(画像提供:神戸市)
チャーター便とはいえ悲願の国際線就航に備えて、各航空会社の引き合いは好調そのもの。現状決まっているだけで以下の通りです。
○大韓航空(神戸⇄ソウル(仁川))14往復
・ベトジェット(神戸→ダナン)
(ホーチミン→神戸)
いずれも4/30〜5/4、1日1便
○スターラックス航空(神戸⇄台北(桃園))3往復
(神戸⇄台中)7往復
※○…通年運航/・…期間限定運航
※発着回数は特段の表記ない場合、週単位で表記。
このほかにもエバー航空が台北(桃園国際空港)線を、タイガーエアも神戸線開設に向け社内で検討中とのこと。これが実現すれば台湾線はトリプルトラックとなります。加えてモンゴルのフンヌ・エアはウランバートル(チンギス・ハーン国際空港)と神戸を結ぶ便の検討をしていることを9月に都内で表明しています。さらに加えて、日本のスカイマーク社も神戸空港をハブにして国際線への再参入を検討しています。
◾️令和7年(2025年)春ダイヤ〜
・国内線オンリー→国内線+国際線チャーター便
・1日の便数のリミットは80便→120便
+令和12年以降の国際定期便は別枠40便
・発着時間は7時〜23時
申請状況は「かなりたくさん」(久元さん)と非常に良いスタートダッシュにも思えますが、5年後(令和12年)に控える国際定期便の就航に向けて、発着数上限とされている1日40回のうち、毎日就航を予定している2社(大韓航空・スターラックス)だけで6回を使うことになるため、「40枠もあっという間に埋まる」(スカイマークエアラインズ・本橋学社長)との声も出ています。発着上限のさらなる緩和に加えて、現在、7時から23時の間となっている発着時間の見直し、すなわち空域の混雑を避けた深夜早朝の便の設定を強く求めたいところです。たとえば25時までの発着を認めた場合、羽田発23時の便設定が可能となり、首都圏-神戸間のビジネス需要はより旺盛となることでしょう。神戸経済のさらなる強靭化を図る施策に、強く期待いたしたい。
まとめ〜国際化に死角はないのか。
インフラ面での懸念としては、深夜早朝便に対応した公共交通機関のダイヤ編成であります。現行、ポートライナーは神戸空港23時着のダイヤに備え、23時45分を最終としていますが、その繰り下げは不可避であります。三宮までのアクセスを確保したうえで、いわゆる都心・三宮エリアのナイトタイムエコノミーの活性化に繋げていくことが肝要であります。
もうひとつ、神戸が海外の人に本当に魅力的に映るのか、かなり心配をしております。神戸港に寄港するクルーズ船の旅客も、バスに乗り換えて姫路や京都などへと散逸しているという事象は度々報道をされております。神戸というまちの本当の魅力は、戦災や震災を経てもなお輝きつづける人の営みにあります。「震災なんて神戸だけじゃないじゃないか!」との反論があるならば、あえて抗弁申したい。関東大震災以後、大都市の中枢が麻痺した震災はわれわれだけ、経済の基盤たる大港湾がコテンパンに潰された震災もわれわれだけ。そして……ここまで国家が見放した震災もわれわれだけが体験したのですから。未曾有の被害のあとから立ち上がって、神戸のプライドを繋ぎつづけた数多の神戸のひとびと。
次の記事ではそういう神戸の震災・コロナ禍を乗り超えて力強く今に至る神戸の名店をほんの少しご紹介しようと思います。「玄関口シリーズ」第3弾・新神戸駅はそのあと、1月13日(月)にご高覧いただきます。お楽しみにお待ちください。
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