このブログでも延々取り上げ、私の前のブログから通せば10年以上に亘って問題提起しているトピック。
「クリアランスセール時期の正常化」。
堅調な売上推移を続ける阪急本店3階モードフロア。
(出典:繊研新聞)
8月26日付の繊研新聞では阪急本店(大阪市)のセール時期変更を取り上げています。婦人服のセールスタートを3週間ずらした7月19日スタートとしたことで、7月のセール売上は前期比27%ダウンしたものの、プロパー売上が25%増え、グロスで10%増で着地しました。粗利の低いセール売上の構成比は19%に落としたため利益貢献も進むし、なによりもセールで真っ赤な店頭に較べてCS面でも大きくプラスに働いているはずです。
銀座最大のラグジュアリー店舗数を誇る松屋銀座。
(画像提供:乃村工芸社)
松屋銀座(東京・中央区)では全館においてセール時期を見直し、7月19日スタートとしました。開催は30日までとしてセールそのものを縮小していますが、セール時期やその前後において大きな売上の増減は起こっておらず、ほぼ見込みどおりで推移しているようです。
そもそもセール時期正常化は平成24年(2012年)の夏に三越伊勢丹がはじめたものであります。三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長(当時)は平成21年(2009年)の社長就任以後、夏のセールを7月1日一斉スタートに改めさせました。実はリーマンショック以後、売上を伸ばすために夏セールは6月からフライング開催されていたのです。ちなみにお尻も9月すぎまで延々と開催されていて、本来はA/Wをきちんと提案しないといけない時期に、いつからのキャリーか分からないような重衣料が恥ずかしげもなくハンギングされている…これがどこぞの地方店ならともかく、伊勢丹新宿本店ですらそのありさまでしたから、開いた口が塞がらない思いをいたしました。それが大西社長着任後は8月下旬にはピシッと新作が展開されるようになり、店頭は一気に正常化に向かいました。
さらにシーズンMDの適正化に向けた取組として推進されたのがクリアランス時期の変更であります。平成24年から大西社長が退任される平成29年(2017年)にかけて夏と冬のクリアランス時期を2〜3週間程度ずらすことで、実需期におけるプロパー販売の徹底、欠品(色欠け、サイズ欠け含む)防止、さらにはプロパー上代の「価値と価格のバランス」(大西社長)の見直し、すなわち見切率を下げたことによる値下げもしくは商材のクオリティ向上に繋げました。
西の阪急、東の松屋の取組はまさにこの大西社長が目指されたシーズンMDの適正化に適うものでありまして、非常に高く評価できようと考えます。ただ、記事の中で阪急本店を所管する佃尚明執行役員は春物の消化について言及しており、盛夏におけるクリアランスセールとは別に春物のセールをGW前後に企画するということであります。ここは在庫消化の意味でも大いに意義のあることだと思いますし、GW前後の気候によっては夏物の新作と重なりシナジー創出の可能性も感じます。S/Sのみならず利益率が上昇するA/Wにおいてもセール時期を見直し、経営体力を向上せしめることを強く期待いたします。
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