令和4年(2022年)の秋に移転オープンした神戸店。
(出典:大丸松坂屋百貨店)
英バーバリー社に激震が走っています。
同社は15日発表した24年(令和6年)4〜6月期の既存店売上は前年同期21%減(為替影響を除く)となり、7〜9も同様の推移であると上期(4〜9月期)は営業赤字となる見通しであるとしました。25年3月期は無配と決め、同日の株価は前日比16%も落ち込むことに。
一体何が起こっているのか。
わが国にいますと、円安と株高に支えられるかたちでデパートのラグジュアリーカテゴリーは各ショップに行列ができる盛況ぶりで、まさにラグジュアリーが百貨店売上を牽引する状況が続いていますが、世界的にみればバーバリー社にとどまらず、ラグジュアリーブランドの退潮ぶりが明らかになりつつあります。
その理由は中国であります。
日本総合研究所が今月纏めた「中国経済展望」によると、「国内需要の低迷が足かせに」なるかたちで、「非製造業PMIが51.1、製造業PMIが49.5と、いずれも前月から低下」としています。同社は特に製造業におけるPMIが節目となる50を割れたことを注視したうえで、「消費者の節約志向や厳しい雇用・所得環境を背景に、低迷が続く見込み」としています。
中国景気の低迷の主たる要因は、関連産業まで含めると1/4に至る不動産マーケットの低迷にあります。
基本的に都市部の土地は国有化されている中国においては、土地の使用権は地方政府にあって、地方政府がデベロッパーに土地使用権を売却する→その資金をインフラ開発に投ずる→景気浮揚に繋がるというロジックが存在しますが、コロナ禍による景気抑制策のためブレーキをかけたダメージが続いたことで、国民の購買欲が低下した状態にある、つまるところ購買欲の低下が高額品の販売低迷に直結しているのが実情のようです。日経の記事では、バーバリーは特に強い中国市場を基盤とするアジア太平洋で23%のダウン、高級時計〈オメガ〉を展開するスイス・スウォッチグループも前期比14%のダウンの主要因は中国市場のシュリンクにあると伝えています。
ラグジュアリーのマーケットにおける牽引役であった中国の景気低迷は、おそらくボディブローのごとく世界に波及する、その中でわが国におけるラグジュアリー市場の変化も何テンポか遅ればせながら起こりうるはずです。
百貨店各社よ、浮かれてばかりいるな!!
▶︎お知らせ
勝手ながら、当〈55Labo Magazine〉は来週いっぱい「休刊」とさせていただきます。
次回の記事は7/29(月)に公開します。
ただし期間中に特段お伝えしたいトピックが発現した場合は「特別版」として記事を起こします。
なお、メール・LINEにてのお問い合わせにつきましては、通常どおり対応する予定です。
■□■GO-chin無料相談所■□■