3月14日から24日まで、都内各地で「東京クリエイティブサロン」(TCS)が開かれ、週末を中心に大きく盛り上がりました。

このイベントはファッションウィークとデザインウィークを掛け合わせた世界でも類を見ないイベントとなっていて、まさにクリエイティブシティTOKYOを体現する内容に。

TCSそのものは4年前にスタートしましたが、今回はコロナ禍も明けてより大々的に実施、東京を代表する10のエリアで合わせて100を超えるコンテンツが準備され、150万人もの観客を動員する計画として実施されました。


SBY-渋谷。

〈SHIPS〉フラッグシップである渋谷店では、店内にDJブースが特設され、エントランスではフリードリンクが振る舞われるなどワクワク感の強いものに。

来年は神南一丁目あたりの路面店が面になってイベントをやろうというトピックもちらっとお聞きしました!

このほか、スクランブルスクエアなどでもショーを含むイベントが期間中に催されています。


RPG-六本木。

ミッドタウンのアトリウムでは日本のクリエーターと国内外のデザイナーを繋ぐプロジェクト「Japan Creative展」が開催されていました。


「素材の多様性を見直し、その普遍的な価値を見出そうとすることは、ものづくりの文化が継承されるためだけでなく、誰もが素材の恩恵の上に生きていることを知るためにも、いま必要なことだと考えています。」の主催者挨拶文に凄く心掴まれる感覚を抱きました。


​熊川哲也芸術監督×東急文化村の挑戦。

ミッドタウンプラザのB1ではパブリックアートを舞台に見立てたショーが開かれました。一昨年に立ち上がった新プロジェクト「K-BALLET Opto」(K バレエ・オプト)とのコラボレーション。


「K-BALLET Opto」は熊川哲也さんが理想の舞台芸術を求めて設立、自身が芸術監督を務める「K-BALLET TOKYO」と株式会社東急文化村が令和4年(2022年)に立ち上げた新しいプロジェクトで、「今を生きる私たちが共感できる時代性のある新作を届ける」ことを命題としているのだそう。


扇風機やブラウン管テレビ、バーコード、非常ベルなどが「楽器」となり、クラシカルなバレエを前衛的な手法で見せるという、今までにない芸術体験を享受する空間。


「東京」だからできることなのか?

実際、こういう国際感覚に長けたダイナミックなイベントは地方都市ではなかなか難しい面があります。地方都市がやると"お国自慢"みたいになってしまって、わが町で育った技術にわが町ゆかりのクリエーターが手がけた何か、みたいになってしまう。その地域にとってはそれで満足なのかもしれませんが、その町にロイヤリティのないゲストからしたら見え方がボケてしまってあまりうまくいかないのだと思います。「東京一極集中」を東京のせいにする風潮が強い(特に大阪)ですが、他者を広く受け容れることで都市の成長を促していく仕掛けは、東京が一枚も二枚も上を行っています。



会期中、日本空港ビルの大西洋代表取締役(TCS副会長)をはじめ、錚々たる経済人や日本を代表するクリエーターの方々ともお会いしました。多くの企業の協賛も得て、具体的な数字は申しませんけれども、数億単位の協賛金も得られております。

こういうイベントが実施できるのはまさに東京の都市のバックボーンを背景にしていて、東京のバイタリティであったり包容力であったり、はっきり書きますが、まったく地方都市の比ではありません。


一方で、ここまでの規模のものはどう足掻いても無理ですが、地方都市でもこういうものは十分につくれるという確信を得て帰ってきました。大劇場が文化発信のすべてではなくて、やり方さえ工夫すればミニシアターから新たな文化をつくることもできる……。決してTCSの焼き直しをするのではなくうまく味付けして、世界発信の軸はぶらさずにワクワク感を共有できるような仕掛けを持ったイベント、ぜひ実現させたいものです。


※次回の記事は3/29(金)に公開します。


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