「対決」と雖も私個人の主観で書きます。ご承知おきください。

金沢グルメというと長らく海鮮とカレーが二大巨頭でしたが、近年は金沢おでんなるものがメディアで着眼され、人気を博しています。今回は私自身がなじみの地元客に愛される金沢おでんの名店2店を訪問した率直な感想をお伝えしようと思います。「北陸応援割」も実施されている今、金沢旅行を予定されている方のご参考になれば、そして、能登半島地震以降、客数が伸び悩んでいるといわれる当地への観光のきっかけとなればと思っております。

〈三幸〉。

〈三幸〉と書いて「みゆき」と呼びます。片町エリアに2店舗、本店と姉妹店の犀川店(写真)とがあります。ちなみに犀川店は大阪発のグルメ番組の代表格「おとな旅あるき旅」(テレビ大阪制作)でも取り上げられ、必殺仕事人など数多のテレビや舞台で活躍され、芸能界きっての食通としても知られる俳優・三田村邦彦さんの絶賛を受けたほどのお店。


片町の中心部に近く、観光客で賑わう本店に較べると、やや入り組んだ飲み屋街にある犀川店は地元客御用達とのことで、庶民的な雰囲気のなかであつあつのおでんが楽しめます。


日本酒のイチオシは現地人イチオシの地酒「菊姫」。白山に源を発する地下水脈から汲み上げられた水でつくる酒は「天下の美酒」と謳われるほど澄み切った辛口。キリッとしているのだけれども、何故だか燗にすると内面に秘めた甘さが全面に押し出てきて、これまた温まるのです。私の出身の神戸・灘の辛口とは違った味わいに心打たれます。


金沢おでんを頂くならばご当地種はマスト。

〈三幸〉ではこの4種を通年、ご当地種として揃えています。

全国的には「がんもどき」としてしられる「ひろず」は具だくさんでお味も染みていて最高に美味しい!!


おでん屋とはいえ、おつまみも充実していて、東北でのおつまみの定番、いぶりがっことカマンベールチーズの組み合わせ、美味しく頂きました!


ひろず、バイ貝、赤巻のご当地種にスジと大根。

関東炊きに慣れてる方にはやや薄く感じるかもしれませんが、ダシの風味を主役にしていて薄味なのが金沢おでんの特徴です。


車麩、スジ(2回目)にその奥にあるのはなんと焼売!

麩にたんまり染みたお出汁がまたたまらなく美味い!


そして締めに食べて欲しいのがコレ!

なんともはや、おでん茶漬けです!!

ごはんにおでんのダシを掛けて、ネギと明太子を乗せた三幸名物!!

これもまさしく「おでん」なんです!

色んな種から出た出汁を含んでいて、それでいてさらっと締めれる逸品です👍


〈赤玉〉。

つづいてはもうひとつの名店〈赤玉 金劇パシオン店〉。

近傍の片町交差点には〈赤玉 本店〉があって、ともに昭和初期から営業をつづけてきたのだそう。

実はこの両者はまったくの別経営となっていて、名の通った本店よりも「通はココに行け!」と言われるのが金劇パシオン店の方らしいです。


ここでも加賀銘酒「菊姫」と「手取川」を頂きます。

「手取川」は別名「石川」と呼ばれ、石ころ河原であることからその名がついたとのこと。これが郡名となり、明治に入って現在の県名へと繋がります。

手取川の伏流水と白山から吹く寒冷な風で仕上がる辛口は、菊姫よりもさらにキリッとした印象。


ここの特徴はご覧の通り、ひとりぶんにして出してくれるところです。

これだと取り分けることがないので、よりアツアツの状態で頂くことができます!

お出汁は〈三幸〉よりもややしっかりした味付け、でも出汁の香りを邪魔しない薄味には変わりありません。


これは赤玉名物の「れんこん団子」と「肉いなり」。

「れんこん団子」は蓮根をペーストにして具材とともに練り上げ丸くしたもので、「肉いなり」は油揚げの中にお肉が詰まっている逸品で、テレビ番組「マツコの知らない世界」(TBS制作)でマツコ・デラックスさんが絶賛していたそうですね!


ここもおつまみも充実していて、この冬に行った時の黒板メニューは以下の通り。

この中で「サバヌタ」「白エビの唐揚げ」「蛍イカ沖漬」をオーダー。


「サバヌタ」と「白エビの唐揚」です!


続いて蛍イカの沖漬。これが特に感動もので、やはり隣県富山から仕入れた鮮度バツグンのもので、全く臭みもなくジューシーさが印象的でした!!


ここの〆はこちら!

赤玉名物の「茶めし」。

おでん出汁で炊いたご飯を最初はプレーンで頂き、1/3くらい食べたらスタッフに声をかけます!

そうするとおでんだしを提供してくれるので、画像のように掛けてさらさらと頂きます。


こちらが冬場に行った時のメニューですが、楽しみにしていた「かに面」がなくて少し残念……と思ってあとで調べてみると、ここではかに面は香箱がにの季節(=ズワイガニのメス=石川県では11月〜12月のみ漁がおこなわれ、その他は禁漁)にのみ供されるのだとか。


​まとめ。


犀川大橋から片町の賑わいを見たようす。

北陸一の繁華街たる風格を感じる。


地元人が愛する金沢おでんの名店を比較した印象としては、お出汁の香りメインの方は〈三幸 犀川店〉、より関東炊きに近い味付けを求めるなら〈赤玉 金劇パシオン店〉かな、というのが私の印象でした。

さきほども記したとおり、コンビニおでんのような関東炊きに慣れきっている方にとっては「味が薄い」「ダシが染みてない」といった感想になると思いますが、薄味のなかのダシの香りを愉しんでいただきたいな、と思います。


ただ、現地に住む方が異口同音に唱えるのは、昔は飲みの締めに金沢おでんを食する習慣があったそうですが、近年は人気沸騰で気軽に行けなくなったと。人気観光地たる悩みですね〜


※次回の記事は3/27(水)に公開します。


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