本年、令和6年は辰年であるということで、球団発足初の2年連続最下位というどん底を味わったNPB球団・中日ドラゴンズを特集します。

第3回は企業としての力を失ったかに見える中日新聞社傘下たる「中日ドラゴンズ」である意義について、次回の考察としたいと思います。


(出典:中日新聞名古屋本社)


中日新聞がドラゴンズを持つ意義とは?

今回の主題とは真逆ですが、中日新聞がドラゴンズを所有する最大の意義としては、地元の有力コンテンツを囲い込めることにあろうと思います。ドラゴンズ関連のスクープは中日新聞社にもたらされ、中日新聞や中スポが真っ先に報じることによってファンにとっては欠くことのできない情報源となります。先述の愛知県内など中部地方で圧倒的シェアを持っているのは、この要因も大きいと見ております。

加えてバンテリンドームナゴヤを中心に行われる中日ドラゴンズ主催試合(中日新聞社共催)における民放の放映権は、中日グループ色の強い東海テレビ(フジ系列)とCBC(TBS系列)に与えられることが多いことも特筆されます。テレ東系のテレビ愛知や対タイガース戦に限って神戸の地域U局であるサンテレビも放映権を取得できる(※サンテレビの親会社である神戸新聞社と中日新聞社は協力関係にある)ものの、読売新聞社系の中京テレビ(日テレ系列)や朝日新聞社系のメ〜テレ(テレ朝系列)が放映権を持つことはありません。このように中日新聞社は地域最強のコンテンツをうまく操ることにより、強い影響力を保持しつづけているのです。


変わっちゃいけない「中日ドラゴンズ」。


では、「中日ドラゴンズ」である意義とは。


中日スポーツ記者として、トラ番(阪神タイガースの番記者)など他球団の選手とも親交のある渋谷真さんがコラムに載せた内容が、ドラゴンズのファンはもとより多方面から話題になりました。


令和3年(2020年)のオフ、ドラゴンズのエースピッチャーである大野雄大がFA権取得。中日グループに資金力で勝るタイガース(阪急阪神ホールディングス)、ジャイアンツ(読売新聞グループ本社)、バファローズ(オリックス)の3球団が獲得に乗り出した時のこと。

誰もが「雄大流出」と腹を括り覚悟を決めてました。特に雄大は元タイガースファン。向こうのファンが色めき立ったのは言わずもがな。


しかし雄大の結論は「宣言なしの残留」でした。


渋谷さんのコラムには獲得球団の提示額がドラゴンズのそれを4億円も上回っていたことを明かしています。


雄大は、自身の左肩痛を共に乗り切ろうと指名を強行したドラゴンズを簡単に捨てない、恩義に報いる性格。

そして、常に仲間を思う優しい心の持ち主です。


前出の渋谷さんのコラムはこう締め括られています。

「大野雄は損得勘定せず、仲間が好きだという理由で4億円を捨てたバカな男」と。

そして…。

「だけど、そんなバカな男が、竜の宝だと思う。」と。


中日ドラゴンズには、こんな思いを持った選手がたくさんいることを、ぜひ分かっていただきたく、この連載を記し進めました。

確かによそよりも金額的にシビアにならざるを得ない環境にはあるのかもしれない。しかしながら、お金だけじゃないんだ!このチームで優勝するんだ!!って思える選手が数多集まるプロ球団が、このNPBにひとつくらいあっても良いと、私は思います。だからこそ、どんなに弱くとも、この球団を応援しつづけることはしんどいことも多いけど……だけれども、苦楽を共にしようと思う真のファンがついてくるのだと。


それこそが、「中日ドラゴンズ」である最大の意義であると、私は思います。


(了)


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