阪急うめだ本店の8階に4月、「グリーンエイジ」という新たなゾーンが登場しました。


阪急本店「GREEN AGE」
・阪急うめだ本店8階(中央ゾーン)
・開業:23年4月12日(5月17日全面開業)
・面積:約2300㎡
・ブランド数:44ブランド(全面開業時)
(ラグジュアリー〜アウトドアブランド)
・初年度売上目標:非開示


もともとは紳士服・用品およびスポーツ用品の「イングス」の売場でしたが、それを再編集するかたちでプロジェクト自体は2018年にスタートしたようです。そこでフロア全体のテーマにしたのが「人と自然の共生」。その中に「グリーンネイバーフッドライフ」「グリーンウェルネスライフ」の2つの『ワールド』を構築したとのこと。ミレニアル(Y)世代をメインターゲットとしつつ、エイジレス・ボーダーレスを進めるために組織改正を実施、婦人や雑貨、ラグジュアリーから独立させるかたちで「グリーンエイジ営業統括部」を設置するに至っています。従前の百貨店であれば、あくまで婦人・紳士・食品などのMDの枠組ありきのところ、消費者マインドやニーズの落とし込みから仮説をつくり組織にしてしまったところが、本ゾーン構築のうえで最大のポイントであると考えております。



環境はハードそのものが2012年竣工と新しいためそこまで大きく手は入れていないものの、大阪産の木材を使用するなどサステナブルとアウトドアを印象づけるものに。レストスペースに設けられたモニュメントは、1929年竣工の阪急本店の建物の基礎を支えた杭を使用するなど、阪急ファンの心をくすぐる仕掛けも。


ブランドラインナップとしては〈グッチ〉〈プラダ〉〈ミュウミュウ〉〈ロエベ〉〈クロエ〉の5つのラグジュアリーブランドが、〈ニューバランス〉〈プーマ〉〈ザ・ノース・フェイス〉〈パタゴニア〉などのスポーツ・アウトドアブランドと並列展開。ラグジュアリーについては5階の「インターナショナルブティックス」や1階・2階の「バッグギャラリー」、メンズについては隣接する阪急メンズ大阪でもそれぞれ展開されていますが、こちらはあくまでサステナブルをテーマにした展開がなされていて、〈クロエ〉についてはリペアサロンも併設されています。

〈ステラ・マッカートニー〉は阪急とコラボレーションするかたちで世界初のコンセプトストアを出店。ブランド初のカフェも併設し、動物愛護の観点からビーガンに拘ったドリンクやフードを提供しています。


仮説立てやゾーン内におけるコンセプト設定に甘さがみられるなど、このフロア構築にあたっての課題は勿論感じました。しかしながら今回はあえて触れません。それよりもグレード・テイスト・エイジ・性別など、従来の展開分類をぶっ壊して、新たな組織までつくってまで、来たるべきライフスタイルをキーにゾーンを構築してみせた阪急の姿勢、非常に挑戦的で素晴らしい意気込みであります。阪急本店の商品力あってこそ可能なゾーン編集ともいえますが、新たなライフスタイルを仮説立てしてショップやゾーン構築していく手法が、ふたたびアパレル業界が消費者に目を向けてもらうために必要なのだと、改めて強く感じました。


■□■GO-chin無料相談所■□■


◆ショップの売上を上げたい!
◆売れ筋の商材を入れたい!
◆生産者として販路を確保したい!
◆科学的分析を取り入れたい!
などなど……

ショップ、生産者など様々なご相談に、直接お答えします!ご相談は完全無料ですので、お気軽にお寄せください!
(内容によってはお返事いたしかねる場合もございます。)



g.osada.55labo@gmail.com