神戸ハーバーランドumieはイオンモール(株)により2014年にオープンしたRSC業態で、ノースモール、サウスモール、mosaicの3施設から成ります。


■DATA■
所在地:神戸市中央区
開業:2013年4月

延床面積:約199000㎡

店舗面積:約85000㎡

店舗数:225店舗(施設開業時)

駐車台数:約3000台

年間売上:約400億円(推計)

年間来館数:約2000万人

※すべて3施設合算

最寄駅:JR神戸駅・地下鉄ハーバーランド駅から徒歩5分/高速神戸駅から徒歩10分


「神戸ハーバーランド」略史

この神戸ハーバーランドは92年に湊川貨物駅跡再開発で生まれたウォーターフロントの新都心。阪急・西武のふたつの百貨店、ダイエーがハーバーランドシティと日本初のホールセール業態となるKOU'S(コウズ)、髙島屋と大阪ガスの合弁による都市型SCオーガスタプラザ、地元の家電量販店・星電社による新業態せいでんハーバーランド、そして阪急百貨店を中心に阪急東宝グループと三菱倉庫のコラボレーションで生まれたオープンモール型SCのmosaicと大型商業施設が集積し、当時の三宮の商業面積と比肩する12万㎡超の商業ゾーンが誕生しました。



三宮・京町筋商店街のようす。酷いありさま……

(写真提供:神戸市)


95年には阪神・淡路大震災が発災、三宮・元町の商業地区に未曾有の被害をもたらしました。その中で築年数の浅いハーバーランドの建築物の被害は軽微で、発災から3ヶ月の4月には神戸阪急がフルオープンするなど、神戸の震災復興を支える存在に。しかしながらその時期も長くは続かず、三宮・元町エリアの復興が進むにつれ、顧客の流出が加速度的に進み、00年にせいでん、05年にはダイエーが、そしてまちびらき20年にあたる12年には神戸阪急が撤退するなど冬の時代を迎えます。


ノースモール&サウスモール




2013年に開業したumieは4000台にも及ぶパーキング台数を武器にファミリー層に特化したテナントミックスを構成します。ノースモールでは〈ZARA〉〈H&M〉〈ユニクロ〉〈GU〉といったファストファッションから〈無印良品〉〈スーパースポーツゼビオ〉などの大型テナントがメインとなります。サウスモールにはこれより小さな区画が用意されていて、〈ナノ・ユニバース〉〈アズールバイマウジー〉〈コムサイズム〉〈ロペピクニック〉などおもに20代のカップル向けアパレルがメインとなっている印象です。


とりわけファストファッションを手当たり次第に集めた結果、大阪を除く阪神間以西において最大規模のラインナップとなっていることから、おもに西側に大きく商圏が開けています。これはある意味、神戸商圏の特殊性にも繋がる部分ではあるのですが、兎角、商圏東側に向けてのチャレンジングな取組がなければ、神戸市中心部は今まで以上にシュリンクせざるを得ず、大きな課題であります。


mosaic



これまでmosaicにはファッション雑貨&レストラン・カフェといったラインナップでしたが、イオンモールによるオペレーションとなったことからリモデルしていて、より飲食への比重が強まった印象を受けます。隣接地に「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」を誘致していることからイオンモールのレストラン街にあるようなファミリー向け飲食店も新たに入っていますが、既存の流れから〈廣岡揮八郎の三田屋〉〈中納言〉などの高級店も引き続き存在感を発揮しています。特に〈ニューミュンヘン ハーフェンブルク〉は海が望めるテラス席を備えたレストランとして人気です。



ニューミュンヘン ハーフェンブルクのテラス席で

海を眺めつつビール&ドイツ料理を頂ける。


umieの強化ポイント

umieの弱点は先ほど申したように東への睨みが効いていないことであります。3施設を一体で運営しているのですから、たとえばハードがしっかりつくられているサウスモールに関しては阪急西宮ガーデンズくらいまでグレードを引き上げていくことで、ノースモールとの差異化に繋げるとともに客層の裾野を拡げていくような取組はマスト。

イオンモールは各施設ごとの売上を公表していないため正確なデータを記すわけにはまいりませんけれども、年間でざっくり400億円台前半と推計されます。この規模感とウォーターフロントというロケーションを踏まえれば600億円は軽く取って欲しいところ。そこを目指すためには市内東部および阪神間からの集客強化策がなければならない。ハードはしっかりしていますから、今後に期待いたしたいものです。


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