隔稿ごとに「姫路特集」をご覧頂いておりましたが、今週は少しイレギュラーな投稿とさせていただきます。

本日分は特別版、次回の「姫路特集その❹」は16日(金)に延期、号外版を13日(火)に掲載する予定です。14日(水)はお休みといたします。




今回は実務における学生との協業について、思うところを記します。


私はあまり使いたくないですけど、近年「Z世代」たることばが氾濫しています。主に1990年中盤から2010年前半までに生まれた世代を指す語で、生まれた時点でインターネットが使用できた最初の世代として、これまでのジェネレーションとは社会的な感覚が大きく異なるという指摘もあります。その中で、デジタル社会への展望や消費者ニーズの変化などに迅速に対応すべく、実務の世界にZ世代の感性を取り入れる「学生協業」が一気に進んでいるものと私は解釈しております。テレ東「WBS」など取り上げられる各社の「学生協業」の取組はほぼこれに類するものです。早期に実務に与したい学生と新しい案件の創出により収益力を上げたい企業とのベストマッチングのように言われますが、厳しい申し方をすれば、学生のリソースを企業が完全に吸収する格好となっていて、学生の成長を応援するものになっているものなのか、疑問が残ります。


私も「学生協業」に関しては頗る前向きな考え方を持っておりまして、コミュニケーションの機会を頂ければどこでもホイホイと出向くわけでありますが、私の考え方はこれとは違うものであります。


実務サイドとしては「学ぶべき新たな感性」を吸収することにあるのでしょうが、学生サイドに立脚した際、必要なのは「普遍的な価値基準」であると考えております。マーケティングやブランディングにおいて厳然と存在する普遍的なものごとの捉え方を先ずは身につけてもらって、かつ自身の持つ新たな感性とマッチングさせて将来に雄飛してもらいたいと念じています。


私はアパレルを中心にしたファッションマーケティング・ブランディングのコンサルティングを主に営んでおりますので、あるべき方向性とその基本的な戦略立案手法について伝えてあげられるように準備しているつもりです。「青田刈り」などと強い批判を受けることも多いですけれども、基本的にはどの産業に行っても通ずるというか、身につけておいて損にはならない知識を伝えてあげることで、将来、業種を選ぶ際に特定のものに縛られることのないようにしてあげたいという思いを持って接している自負を持っております。


そこにビジネスとしての要素が存在するのかといえば、率直に申して、少なくとも私は、まだそこまでは見出しきれてはおりません。しかしながら、マーケティングの普遍的価値を後世に伝えていくことは私にとって大きな責務であり、格好良く言い換えるならば「社会貢献」であると捉えております。もうひとつ言えば、「学生協業」事業の永続性を図るうえで、事業の取組のなかで「関わりしろ」を見出してマネタイズを図ることの必要性は痛切に感じるところではあります。


ひとつ私が思いつくところを記せば、学生が描く理念や理想を事業化するために企業ないし事業者がリソースを供すること。学生に「事業参画」ではなく、あえて事業を「主導」させることで学生起業に近似した取組になるでしょう。一般の学生起業は学生たちや大学などアカデミックな団体は付いているものの、実務性に欠けうまくいかないことが大多数。そこで実務に携わる企業など事業者サイドが持ちうるノウハウやリソースを提供することで、従前の「学生起業」よりリアリティの高い事業を展開することが可能になる…これが私が描いている「学生協業」の絵姿です。


学生たちには今後、幾多の困難…苦しいことやつらいこと…が待ち受けているでしょうが、われわれ大人たちがしっかりサポートしてあげつつ、われわれを大きく超える逸材に育ってくれることを願ってやみません。まぁ…「最悪」の事態が起こったならば、手を差し伸べてあげる準備も。未来ある学生に、「愛」のあるyellをどう送ってあげるべきか、模索の日々であります。



必ずいつでも 味方してあげるから

そのまま明日へ 君のまま行こうよ

誰もが一目で 恋をしてると気づく

つぼみを揺らした 君はクリスマスローズ

(CHEMISTRY「クリスマスローズ」より)



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