国際情勢が混沌としている中、本日のBSフジ「プライムニュース」では迎撃ミサイルや敵基地攻撃能力を含む国防体制の見直しについて、元防衛大臣の小野寺五典さんなどを迎えて議論されていました。


わが国を代表するジャーナリストで国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこさんは週刊新潮への寄稿で次のように述べておられます。

「ぼんやりしているわが国には断固とした国防への気概も備えもない。考えは甘く、制度は緩い。…(中略)…これでは中国が狙うのも当然だろう。」

国防の議論が「まともに」行われつつある現状は良しとしても、まだ国民的な議論にまで成熟していないことへの警鐘を込めているように思います。


われわれの生活を基軸とするローカルは、それらの集合体たるグローバルに支配されるという考え方が一般的です。私は地域主権・地域活性化などへの取組を進める前に、より大きな枠組である国家観や国際情勢を念頭に進めていくべきだと考えております。より強い言葉で言い換えれば、グローバル思考からでないと地域共創はなし得ないということであります。


広い世界で見れば、ロシアがウクライナに侵攻していて、今の今も東部ドンバス地方をはじめとしてウクライナ国内の各地で激しい戦闘がおこなわれている。わが国においてもそこに同情や支援の和が広がっていることについては非常に誇らしいことではありますが、それを自国の問題と捉える向きは少ない。思想史家の先崎彰容さんは冒頭ご紹介したプライムニュースで過去に「日本人は『考えたくない』事は『考えない』国民性」と客観分析されていましたが、まさにその通りで、この戦争があくまでウクライナ周辺だけの局地戦であると多くの国民が理解しようとしていますが、現実はまったくもって異なっていて、民主主義と覇権主義を真っ二つにするほどの大きな意味を持つ戦争であることは、ほぼ間違いないと見て良いと思います。


この国際情勢の中で、中国の台湾侵攻が近いという見方が日に日に強まっています。今年1月、米航空機動軍司令官のミニハン大将は内部のメモで「私の直感では2025年に(中国と)戦うことになる」と、再来年にも台湾侵攻とそれに伴う米中間の軍事衝突が起こりうると警告、部下5万人に戦闘準備を求めました。中国による台湾侵攻はロシアがウクライナ国内にやったようにインフラを攻撃し国家活動を停滞させることからはじめるでしょう。そして台湾有事は必ずわが国にとっての有事となりうる。元陸幕長の岩田清文さんは先月に和歌山市内で行われた懇話会で「与那国島や石垣島の上空が戦闘地域となり、南アジアの航路が止まるなど、台湾有事は日本有事となる」と断言します。台湾侵攻の際に米軍の影響力を弱めるために台湾・バシー両海峡を封鎖しわが国のシーレーンを断ち、場合によっては沖縄本島や日本本土も中国軍の攻撃対象になりうると警告します。


この期に及んで「考えたくないことは考えません」という姿勢からは脱却する必要があります。むろん危機を煽る必要はありませんが、あらゆる国際情勢のもと予感しうる危機を回避するアクションは積極的に取るべきだし、国民全体で現状認識を共有していくべきと考えます。


最後に岩田さんは全国民にこう訴えます。

「戦後80年近く、平和は当然だと信じてきた日本人には信じ難いでしょうが、台湾有事・日本有事とはこういうことなのです。」


危機を予見し回避するために先ずわたしたちができること。それはあらゆる国際情勢を常に自分ごととして捉え、世界の中でわが国ができることをしっかり考えていくこと…これに尽きると考えます。平和の中にこそ、地域の営みやわたしたちの日常が存在するのですから。


【おことわり】

当ブログはそのタイトル通り「思い付き」更新のため不定期で更新をしてきましたが、長く続けていますと、定期的に投稿してほしい、とのお声を多数頂戴するに至りました。

そのため、原則として「月・水・金」の週3更新とさせていただきます。

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私も目標として励みますが、多忙時など更新が滞ることも想定されます。何卒ご容赦いただき、気長にお付き合い頂ければ幸いです。


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