GW前ということで、おでかけの参考になればと思いまして、いつもとはテイストを変えてお届けしようと思います!


三井不動産グループは大阪府門真市にRSC業態の「三井ショッピングパーク ららぽーと門真」「三井アウトレットパーク(MOP)大阪門真」をドッキングした初の複合施設を4月17日に開業させました。



■DATA■
所在地:大阪府門真市

敷地面積:約116400㎡

延床面積:約196800㎡

店舗面積:約66000㎡

店舗数:251店舗(うちRSC153、MOP98)

駐車台数:約4300台

年間売上目標:460億円

年間来館数目標:1500万人

※「ららぽーと門真」+「MOP大阪門真」
の合算


アクセス・ゾーニング

まずはアクセス。

公共交通の場合、京阪本線と大阪モノレール線の「門真市」駅から徒歩8分とアナウンスされています。


雨天の平日にもかかわらず、ららぽーと・MOP方面に向かう人たちの傘が連なる様子が。



エントランスには「ららぽーと」と「MOP」のダブルネーム。

奥にはパーキングが見えます。ここは北大阪と南大阪を繋ぐ大阪中央環状線と大阪市内から生駒市・奈良市のニュータウンを繋ぐ国道163号線の交わる交通の要衝に立地していて、2ヶ所の立駐を中心に4500台の駐車台数を確保することで、のちに記す広域集客に備えます。



これがフロアのゾーニングです。

ららぽーとを1階と3階に、MOPを2階に挟み込むかたちでのゾーニング。

この善し悪しはのちほど。


2階

まず2階のアウトレット「MOP大阪門真」からご紹介します。

実はMOPは近隣の大阪鶴見(愛称:ブロッサム)からの拡張移転でして、旧館比較で面積2.2倍、店舗数1.5倍となっています。

フロアはオフホワイトベースで清潔感があって、アウトレット独特のチープさはほぼありません。


大阪駅・梅田が10km圏内ときわめて都市部に近いロケーションのため、ラグジュアリーがほぼ入っていない一方で、〈adidas〉〈アンダーアーマー〉などのスポーツブランドが充実している印象の中、面積・集客双方でひときわ抜きん出ていたのが〈NIKE〉

シューズに重きを置いたMDで、20代〜30代を中心にしたブランドそのもののリピーターの集客に成功しています。旧館の鶴見時代からの移転組で良くも悪くも手慣れたオペレーション。


WA(ダブル・エー)が展開する人気レディスシューズショップ〈オリエンタルトラフィック〉にも若い女子でごった返す様子がみられました。


都市型SCでもよくお目にかかれるショップで、プロパーでのプライスラインはパンプスで6000円〜8000円。そこから2〜3割のディスカウントとして5000円くらいでしょうか。ちなみにアウトレット業態としては大阪初出店です。
この他、シンガポールのシューズ&バッグブランド〈チャールズ&キース〉など4ショップが国内唯一のファクトリーアウトレット業態を出店するなどのトピックもあります。

あと女性の集客がみられたショップをもう1店。

〈セルレ〉というコスメショップ。私の不勉強ゆえ存じ上げなかったのですが、メーカーから生産終了品やパッケージ変更品を安く仕入れて販売するという国内初のアウトレットコスメ専門店との事。最大で80%も安いものがあり、店内はごった返していました。


場所を移して、ハイブランドを集積させたゾーン。

ラグジュアリーは〈COACH〉のみ。どうしても都市部に近いとラグジュアリーはアウトレット出店を敬遠しがち。やむを得まい、といったところ。


「きれいめ系」はなかなか集客的に厳しいか………平日に訪れているので週末や連休にどうなるのかですね。


環境的な側面からざっとご紹介しておきますと、、

レストスペースはかなり多めに用意されていて回遊性向上に一役買いそう。


センターコートと名付けられた3層吹き抜け空間。

ここだけ切り取れば空港のような雰囲気。

2010年代まで流行った、トラフィックを遮る吹き抜け空間がなく、コンパクトで開放感を出しています。

左に見える〈ジェラート・ピケ〉のカフェ業態は大行列。メニューをちらっと拝見したらクレープ、ジェラートがメインのラインナップですけど、アウトレットかRSCメインの展開なのはどういうことなのか……


3階

3階はRSC業態の「ららぽーと」。

アパレル・雑貨・フードコート・エンタメ・サービス等がワンフロアに凝縮。


2014年開業の「イオンモール京都桂川」で関西進出を果たした低価格雑貨の〈オーサムストア〉も入居。

今やRSCで然程珍しい業態でもない。


〈チュチュアンナ〉〈キャンドゥ〉〈アカチャンホンポ〉などRSCならではのラインナップ。


奥には家電の〈ヤマダデンキ テックランド〉が入ってはいますが商圏を考慮すると面積的にやや狭隘。


そして3階の目玉といえば………

3年半ぶりの日本再上陸1号店(POPUP除く)となった〈フォーエバー21〉

レディスのみのラインナップ。「アダストリア」が噛んでいるだけにEC中心で実店舗は5年後メドに15店ほどを予定、型数も前回進出時の1/5に抑制してファストファッションではないブランド戦略を描いているのだそう。平均単価は3000円とのことで、ブラウスやボトムスなどはだいたいそれくらいのプライスで展開されていました。


こちらはフードコート。

フードコートのエントランス前に各店のサンプルを並べる仕掛けは「なるほど!」と感心!!

店前でウロウロと品定めするフードコート独特の品のない光景が気に入らない私にとってはグッジョブな取組です。


個人的に注目な店としては、大阪・西天満のミシュラン1つ星「中国菜エスサワダ」が手掛ける〈大衆中華サワダ飯店〉、オープンキッチンで作る様子が見られるオムライスの〈北極星〉、この2店舗が大阪グルメ。

イチオシは天丼〈金子半之助〉!!胡麻油で揚げた天ぷらに秘伝のタレがかかった「江戸前天丼」が関西3店目の出店を果たしています。


エンタメゾーンには〈ナムコ〉が入居。右側が切れてしまいましたけど、「ウルトラアスレチック」と「すみっこぐらしあそびスタジオ」という幼児向け遊戯施設も併設されています。


1階

1階も「ららぽーと」。

食をメインに生活利便施設が多数展開。

左手には〈マツモトキヨシ〉、右手にはペットショップ〈ペッツファースト〉


こちらとRSCの定番〈門真ロフト〉、奥には日産のギャラリーも。ちなみにここでは最新展示車のショールームで販売等はしていないのだそう。


手前から〈H&M〉〈GU〉〈UNIQLO〉の並びでファストファッションが展開されています。

H&M角にエントランスがあって、再開発地区の隣の区画に進出が決まっている「コストコ」に繋がります。


面白いと感じたのはシネコンが1階にあったこと。一般的にSC出店のシネコンは上層階に設けられますが、ここではあえてなのか、1階に持ってきています。車椅子やベビーカーの方には優しい取組といえるでしょう。


こちらの〈TOHOシネマズららぽーと門真〉は9スクリーン、1430席のシネコン。最先端の映像技術を用いた"ドルビーシネマ"を同社のスクリーンとしては初めて導入しています。


1階の半分の面積を割くのは食品+ダイニングゾーンです。

ご紹介したいお店を私視点で。

京都縦貫道沿いにある人気の道の駅「京丹波・味夢の里(あじむのさと)」。黒豆や苺などの京丹波の特産品やお菓子などもラインナップ。


首都圏から始まった北海道食材のセレクトショップ〈北海道うまいもの館〉も。「北海道限定」の品の数々が購入できます………って自分で記しながらその矛盾が気になる。。笑


スーパーマーケットはライフコーポレーションの広域集客業態〈ライフセントラルスクエア〉


ライフのハイエンドラインとしておもに都市部で出店を進めるセントラルスクエア業態は惣菜や対面販売を強化している印象。
ただしライフは商圏を1kmに狭めたマーケティング戦略を取っていて、館の集客に左右されないストア構築を目指す方針のようです。


ライフのオーガニックに特化した業態〈ビオラル〉も包含。セントラル…+ビオラルの手法はなんば店(大阪市中央区)に次ぐ2例目です。



そして1階の…というか施設の目玉ともいえるのがコレ!!



なんと大阪の食の台所「黒門市場」公認のフロアが出現!!

約2500㎡の面積を有するフロアには市場クオリティの生鮮のほか、ここ限定のメニューも豊富に。イートインスペースもありますので、「市場の中」で購入した商品をその場で食べることもできます。


店名表記の「黒門市場」、天井を黒と木目で統一するレギュレーションなど環境面でもやれることをしっかりやっている!


市場フロアのエントランスに陣取る〈黒門三平〉さんは阪急本店(大阪市北区)や大阪タカシマヤ(同中央区)にも出店しているので大阪の人には馴染みがあるかも。



発泡スチロールに氷、手書きPOP……市場感が出ていていいですね!

これ百貨店のインショップでやったら百貨店側からクレーム入りそうですから。。

ラインナップを増やせれば飲食店が購入に訪れる需要もありそうです。




明治38年創業、黒門でも老舗である鮮魚の卸問屋〈深廣〉がすし店を出店。



回転寿司スタイルの「レーン寿司」スタイルで、一部を除きボックス席でゆったり味わえます。



特に召し上がってほしい絶品はイワシ!!

ふっくらしていて脂の乗りも最高でした。



カツオとタイには鮮魚に合わせて作ったというオリジナルのポン酢で!

このほか「黒門市場」からはカレーの〈ニューダルニー〉、精肉店〈牛兆〉も専用のイートインスペースを設けています。


​施設の総評


RSC業態の「ららぽーと」とアウトレットモールである「MOP」の複合業態にしたことで、従来のRSCでは拾いきれない客層やニーズを吸収できる点については率直に評価できると思います。

加えて、RSC部分に食関連テナントを多く配置したことは、足元商圏をしっかり取りに行こうとする狙いがしっかり見えて良い取組です。ブラッシュアップは必要ですが「黒門市場」は永続的な人気フロアになりそう。


しかしながら、RSC、MOP双方にて大きな変革に繋がるような面は感じず、よく言えばマーケティング戦略に忠実、悪く言えば双方の業態における限界を感じずにはいられませんでした。同じく三井不動産が中心となって手がけたEXPOCITY(大阪府吹田市)でみられるようなエンタメ施設の少なさも気にはなりましたが、こちらはMOPで広域集客が可能と見て、自社間競合を避ける目的もあり、あえて比率を下げたのでしょう。




MOPを2階に配しRSCで挟み込んだ理由はいくつか考えられますが、出店構想を時系列で追うと、MOP大阪鶴見の拡大移転の案件が先で、あとからRSC併設というアイデアが出たことから、エントランスである1階と29年のモノレール延伸時に駅と直結する2階を両施設で分けた格好になったのでしょうが、RSCが分断されているため非常にわかりづらく、顧客視点でみれば不格好であります。さりとて作ってしまったものはしゃあないので、1階にファッション、雑貨、食品を集めるとともに、3階は目的性の高いエンタメ、フードコート、家具家電、生活サービスに特化したフロアにするなどゾーニングの組み直しが早晩、必要になるはずです。特にRSCとして目的性の高い商品群が明らかに弱いのは競合上不利です。



ここの商圏は半径10km(上掲のマップの赤い部分)を足元の基本商圏にしつつ、「車で45分程度」という半径15km圏内を広域商圏に位置付けています。実は「半径10km」の西側は大阪市中心部がすっぽり収まってしまうためおそらく取れませんし、文化圏の異なる北摂からの集客も厳しそう。ただしそれを織り込んでも立地自治体の門真市に加えて守口・寝屋川・東大阪・大東・四條畷5市を合わせると約120万人、大阪市の鶴見区・旭区を合わせて140万人弱の足元商圏人口があるのでかなり勝ちに行ける施設である事は間違いなく、年間1500万人の来館数目標は余裕でクリアしてくるでしょう。同社のEXPOCITYで初年度2400万人の集客があったことを考えると、500万人程度の上振れは期待できると見ています。



次に売上目標ですが、施設全体で年間460億円は随分手堅い目標値です。RSCとMOPの内訳は非公開ですが、移転前のMOP大阪鶴見の19年売上が78億円から想像するに150億円前後はMOPで見込みが立っているはずなので、残る約300億円をRSCで取っていく算段と見受けました。直近22年開業の「ららぽーと堺」も320億円の売上見通しのため、RSC構築の際には300億円をマーケット的な成否と見極めた出店戦略を取っていることが窺えます。計算上は目標値はクリアできるはずですが、先に一部触れましたが、RSC・MOP双方において先にテナントミックスの偏重や地域ニーズにそぐわない点も散見されているため、それがどこまでマイナス点として数字に顕在化していくか、そこが大きなキーになることは間違いありません。


【おことわり】

当ブログはそのタイトル通り「思い付き」更新のため不定期で更新をしてきましたが、長く続けていますと、定期的に投稿してほしい、とのお声を多数頂戴するに至りました。

そのため、原則として「月・水・金」の週3更新とさせていただきます。

(日経MJ購読の方は新聞が届く日に覗きに来てください^ ^)

私も目標として励みますが、多忙時など更新が滞ることも想定されます。何卒ご容赦いただき、気長にお付き合い頂ければ幸いです。


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