和歌山県はカジノ施設を含む統合型リゾート(IR)の誘致を進めていましたが、ことし4月の県議会で反対多数となり、誘致を断念した経緯があります。



このIRの予定地となっていたのが和歌山市の最南端に位置する人工島「和歌山マリーナシティ」。ここの今の姿をレポートします。



画像右手には「和歌山マリーナシティホテル」、左奥には欧州の街並みをイメージした「ポルトヨーロッパ」が見えます。画像左手の大きな空き地にIRを誘致する計画でありました。



敷地20.5haにカジノ施設などのエンタメ・商業・ホテル・MICE(国際会議・コンベンション施設)を誘致する計画でした。


この地はもともと松下興産が一手に開発を引き受け、創業者・松下幸之助の地元である和歌山市を一大リゾート地に仕立てる計画で1990年にまちびらきを果たしました。ポートピア81(神戸市)の成功を受けた地方博ブームに乗っかり、「世界リゾート博覧会」を催し、かなりの賑わいがあったことを思い起こします。



今のマリーナシティの施設全体図です。

「ポルトヨーロッパ」を核にしてショッピング、温浴施設、ホテルやマリーナ等が集まっている大型リゾートとして健在です。


マリーナシティの中で一番の賑わいを見せているのがこの「黒潮市場」。マグロがイチオシではありますが、それ以外にも各地から数多くの鮮魚が並んでいて、奥にはお菓子などのお土産も買えます。



ここの最大の特徴は黒潮市場で購入した食材を使ったBBQが愉しめることでしょう。さすがにこの時期は寒いですが、気候の良い時期には賑わうのではないでしょうか。


そして核となる施設「ポルトヨーロッパ」に入ります。



ゲートの様子を写していますがご覧の通り普段はフリーで入れます。(一部イベント期間を除く)



内部は中世南欧の雰囲気といったところでしょうか。ご覧の街並みはイタリアっぽい雰囲気ですが、レトロ感まで忠実に再現されています。



レトロなゾーンから遊園地部分を見渡した様子です。

ちなみに一番目立つジェットコースターはメンテナンスコストが大きいせいか数年間に亘って運行休止が続いているそう。



遊園地の様子がこちら。

ド平日とはいえ人が居なさすぎる………



ご覧の通りキッズ向けのアトラクションがほとんど、しかもこのエリアからは南欧の雰囲気はほぼ感じられません。



ポルトヨーロッパ全体で見てもレストランなどの料飲施設もクローズになったまま痛々しい姿を晒していたほか、売店等にも開く気配もないシャッターが下ろされていて朽ち果てた様子が見て取れました。



不振の要因として考えられるのがこのロケーション。

直接の鉄道アクセスがなく、最寄駅はJR紀勢線(きのくに線)の海南駅となり、そこからバスで15分です。ただし大阪からの直通快速列車は和歌山駅止まりで海南駅までは乗り入れておらず、大阪方面からこのルートを使われる方は少ないとみられます。

一方でJR和歌山駅や南海和歌山市駅からはバスが出ていますが、40分以上の時間がかかる事や1時間に1〜2本と本数も限られています。

また車のアクセスにおいても最寄りの阪和自動車道の海南ICから約4km離れていて恵まれたロケーションにあるとはいえません。


集客の核が「黒潮市場」と隣接する「紀ノ国フルーツ村」に限定されている様子を見ますと、やはり和歌山市・海南市等、近隣の買い物需要が高い事が窺えます。ただ近年では団体バスなどの立ち寄りの誘致も行われているそうで、大阪方面から紀南へと向かうバスの休憩箇所としても活用されていると聞きます。



以前も申し述べました通り、IRの是非についての論評をするつもりはありませんが、この現況を踏まえると起爆剤が欲しくなる県の考え方は分からないでもありません。

一方で、大都市近郊というロケーション、和歌山市に所在する観光施設や風致地区、また同施設の大掛かりなハードを見て、活性化策なんていくらでも捻り出せるとも感じました。機会があれば私見を記してみようと思います。



■□■GO-chin無料相談所■□■


◆ショップの売上を上げたい!
◆売れ筋の商材を入れたい!
◆生産者として販路を確保したい!
◆科学的分析を取り入れたい!
などなど……

ショップ、生産者など様々なご相談に、直接お答えします!ご相談は完全無料ですので、お気軽にお寄せください!
(内容によってはお返事いたしかねる場合もございます。)



g.osada.55labo@gmail.com