以前、とても怖い光景を目の当たりにした時の話です。
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いつも通りに走っていた、ある日。
「もう一本上ったら休憩にしようか」
そう思い、全開アタック。
ロングストレートを目一杯踏み、フルブレーキ。
⑥→⑤→④とギヤを素早く落として、キツいコーナーをクリアします。
次のストレートに差し掛かると、目の前にFDが。

…ゆっくり走ってはいるが、何となくヤリそう。
後ろにつき、お約束のパッシング。
ヤラナイ奴なら、ここでハザード点灯。
もしヤル奴なら、グッと加速していくハズです。
後者でした。
ヤツはグングン加速していきます。
私もそのまま追いかけます。
2連続のS字コーナー。
ヤツはカミソリのような切れ味で、スパッとインをデッドに攻めてクリアします。
極めてFDらしい、鋭い挙動です。
なかなかヤリます。
不覚にも、最初のコーナーで少し離されました。
ちょっと油断していた私は、気持ちを本気モードに切り替えます。
ヤツは…コーナーはスパッといくが、立ち上がりでイマイチアクセルを踏み切れてません。
このまま、2連続S字はケツについて行こう。
その後、一番キツいS字をクリアした後のストレートでパスすれば…イケるか。
そう作戦を練り、ついて行きます。
連続S字を立ち上がり、少しのストレート。
その後、キツいS字の進入です。
通常ココのストレートで⑥まで入ります。
小さな橋に乗ったトコロでフルブレーキ、④までギヤを落とし、このコーナーは慎重に進入します。
スローイン厳守、立ち上がり重視がセオリーです。
私はFDにスピードを合わせていたので、⑤までしか入っていませんでした。
それでもラインをアウトに振り、橋の手前でブレーキ。
立ち上がりで一気にパスするため、タイミングを合わせるため、いつもより手前で減速しました。
…が、ヤツはイン側をそのまま加速。
「オイオイ、ドコまで突っ込む?!」
まさか、道を知らないのか w(゚o゚)w
それとも、まさか、そのスピードでイケるのか…。
反射的に「ヤバイッ」と思った私は、そのままガッツリ減速。
FDがグッと離れます。
いつまで経っても、ヤツのブレーキランプは点灯しません。
「そんなスピードっ?!ヤバイッてぇ!」
私はシルビアの中で、そう叫んでいました。
ヤツはそのまま、ノーブレーキでキツいS字へ進入。
最初の左は、目一杯アンダーを出しながらも何とかクリア。
流石FD。
シルビアなら、ましてや13であのスピードは、たとえSタイヤを履いていたとしても絶対無理。
…でも、ヤツも無理でした。
そのままカウンターを当て、アクセルを戻さなければクリアできたか。
でもヤツは、きっとアクセルを戻してしまったのでしょう。
そのまま巻いてしまい、左側の歩道に一直線。
………。
まるで、スローモーションを見ているようでした。
ガードレールに突き刺さり、スノーポール(積雪時に車道と歩道の境目を示す標識)に乗り上げて、やっと止まりました。

「マ、マジかっ・驚」
コーナーを立ち上がった所の空き地にシルビアを停め、急いで駆け寄ります。
「オイ、大丈夫か!!」
シートベルトとエアバッグのおかげでしょう。
ケガはしているようですが、何とか大丈夫でした。
「…良かった」
その後レスキューが到着。
彼を救出するため、FDは屋根を切り落とされ、窓ガラスも全て撤去されました。
ガードレールから引き出すため、FDはハンマーでガンガンと叩かれていました。
可哀相です。
何とも悲しい、切ない気分です。
怖いもの知らずのような攻め方は、きっと事故を起こしたり、危ないメに遭った事も無かったのでしょう。
その日でなくても、いつか事故を起こしていたと思います。
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「走る」事に、何の意味があるのか。
常識を遥かに超えたスピードで愛車を乗り回し、その先に何があるのか。
常に愛車の事ばかり考え、そのために日々我慢しながら働く。
しかしながら、その先にあるのは「暴走」…。
常にリスクが付きまとう割に、何も見返りは無い。
ハイリスク、「ノー」リターンです。
そんな事を考えながら、私は今後も走り続けます。
さあ、今シーズンも残り僅か。