悪人には厳罰を | つれづれなるままに、シルビア。
若い頃の話です。

私にとって、ハチロクに乗る走りの師匠は憧れでした。そしてその車、ムラサキハチロクも私の憧れでした。

20万㌔のノーマルエンジンで、どんなターボ車も某サーキットでは敵わない。いくら足が決まっていたとしても、凄い事です。

学校帰り、師匠の職場にこっそり寄って、駐車場に停めてあるハチロクを写真に撮った事もありました。
…ほとんどストーカーですね・笑。

そんなある日、驚愕の事実が某サーキットを駆け巡りました。

「ムラサキハチロクが盗まれた!」

師匠に話を聞きます。

「エンジンかけっぱなしで自販機でタバコ買ってたんよ。したっけ後ろでドアが閉まる音がしたべや。見たっけ、あっちゅう間に走ってっちゃってよぉ~」

何とも信じられません。
車両盗難なんて話には聞いた事はありましたが、こんなに身近で起きるとは。
…ショックでした。

「いやぁ~走り去る俺のハチロク、イイ音してたわ」
「何が困るって、お風呂セット積んだままよ。アレが無いと困るんだよな~・苦笑」

そう言って笑いを誘いますが、悔しさを必死に紛らわせているのは判ります。

当局は当てになりません。
ネットワークを駆使し、大捜査網が敷かれました。
「ムラサキの3ドアトレノ、ナンバーは○○、リヤウインドウにヨコハマのステッカー、リヤバンパーにチームステッカー、右リヤフェンダー腐ってる車見つけろ!」

が、当時小僧だった私は何もできませんでした。
今なら、こういうブログで呼び掛ける事もできたでしょう。

某サーキット近くの、GSの夜勤のオジさんにも話は伝わっていました。

「○○くん(師匠の事)、いっつもココのピットで車治してたしょ。あんな車、その辺の人には運転できないべさ」

その後暫く経ち、ムラサキハチロクは発見されました。地元から遠く離れた土地の、山の中に乗り捨てられていたそうです。
カーステは盗られ、室内はグチャグチャ、CDやチームステッカーまで無かったそうです。
師匠は新しいハチロク、白黒2ドアに乗り換えました。

どういう経緯で発見されたのか、犯人は捕まったのか、どんなヤツだったのか、捕まったとしたらどうなったのかは判りません。

でも、決して許す事は出来ません。今思い出しても、激しい憤りを感じます。人の大事な車を盗むヤツには、厳罰を与えて欲しいものです。

私はこれ以来、少しの買物でも必ずエンジンを切り、しっかり施錠する事にしました。
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