当時私は確か20代半ばか後半だったと思います。その日も走りに行っていました。
シルバーのR33(タイプM)が来ています。初めて見る顔です。

走っている訳ではなさそうで、ウロウロしています。
「ああ、暇つぶしにドライブでもしているのか」
あまり気にしてはいませんでしたが、直線の路肩に停めています。
「ジャマくさいなぁ・怒」とは思いましたが、相手が普通の人なら怒鳴り付けるのもおかしな話です。
明らかに走り屋なら注意するのですが。
何回か往復しても停まったまま。故障かなと思い声をかけました。私よりも若い男2人です。
「こんばんは~。どうしました?危ないっすよ」
「ああ、スミマセン。パンクしちゃったみたいで」
「あ、それでタイヤ交換してるんですね」
「イヤ、やり方がよく判らなくて…ジャッキもどこにあるんだか…」
「…………汗」
一応、車載工具のL型レンチを手にしています。
それを使うらしい、という事は判っているようです・苦笑。
「…やります、か?」
「えっ、イイんですか・喜」
ずっとそこに居られても困ります。シルビアからジャッキとクロスレンチを出してきて、チャッチャと換えてしまいました。
クロスレンチを回す度、「おぉ~、慣れてる」とか言ってます。
ナメてんのかな?と一瞬思いましたが、本気なようです。
交換終了後にその若者が、「ありがとうございました、助かりました。あのぉ、これ…」と2千円を申し訳なさそうに差し出します。
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昔の記憶が甦ります。
若かりし頃、真冬に駐車場でドリフトしようと入り込むも新雪。あっという間に亀になってしまい身動きが取れません。山奥なので車もあまり通らず、手を挙げ助けを求めても無視され続けます。
そんな中、一台のRV車が止まってくれました。
「なしたい?」
「埋まっちゃって…」
「あぁ~ガッツリいっちゃってるね・笑」
見た所、10コ位上のお兄さんです。夏はバイクに乗っているそうです。
「お、39Rかぁ。いいタイヤ履いてるね」
なんて言いながら、牽引ロープの使い方も教えてくれました。
無事シルビアが引っ張り出され、丁重にお礼を言った時、そのお兄さんは
「もし誰かが困っているのを見たら、今度はキミが助けてあげるんだよ」
とだけ言って去っていきました。
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「…イヤ、受け取る訳にはいかないよ。もし誰かが困っているのを見たら、今度はキミが助けてあげるんだよ」
あの時のお兄さんと全く同じ台詞、そして何故か急に上目線です・笑。
スカイライン2人組は元気よくお礼を言って帰って行きました。
懐かしい気持ちになると同時に、スカイラインに乗っているのにタイヤ交換も出来ない若者がいた事に驚きました。
最低限、タイヤ交換位は覚えてから走りに行った方がイイと思います。